- 病院でクレジットカードを使用できるかわからない
- 病院でクレジットカードを利用するメリットと注意点を知りたい
- 病院の支払いにおすすめのクレジットカードを知りたい
突発的に必要になるケースがある医療費。健康保険適用後の3割負担でも、請求が1万円以上になることもあるだろう。
診察のつもりで行ったのに、緊急手術になって手持ちの現金では足りないケースも。
支払い時まで金額がわかりにくい医療費にも、クレジットカード払いを利用できることをご存知だろうか。
手持ちの現金がなくても医療費を支払えるため、非常に便利だ。
本記事では、病院でのクレジットカード導入状況やクレジットカードを利用するメリット、注意点を紹介する。
病院の支払いにおすすめのクレジットカードも紹介しているので、ぜひ参考にしてほしい。
病院でクレジットカードは使用できる?
手持ちの現金がなくて病院のATMを利用しようとした際、長蛇の列に並ぶ羽目になってストレスを感じた経験がある人もいるのではないだろうか。
ATMの設置台数は少ないため、利用者が多いタイミングだと長い時間待つ可能性がある。
そんな時におすすめなのが、クレジットカード払いだ。財布にお金が入っていなくても、医療費を支払える。
ただ、すべての病院で使用できるわけではない。
ここでは、病院の種類ごとのクレジットカード導入状況や使用できる国際ブランド、非接触カードの導入状況を解説する。
病院の種類ごとの導入状況
厚生労働省の令和4年度医療機関における外国人患者の受入に係る実態調査結果報告書(※1)によると、デビットカードを含むクレジットカードを利用した決済を導入している医療機関は60.9%だった。
導入していない医療機関が30.1%であり、約6割の病院で使用できることがわかる。
医療機関種別で見た導入状況は以下の通りだ。
医療機関種別 | 導入している | 導入していない |
---|---|---|
救急医療機関 | 79.1% | 20.9% |
拠点的な医療機関 | 93.1% | 6.9% |
JMIP もしくは JIH 認証医療機関 | 98.8% | 1.2% |
診療所 | 29.8% | 67.9% (無回答2.3%) |
拠点的な医療機関とは、外国人患者が安心して医療を受けられる環境を整備するために、各都道府県によって選出された医療機関のことだ。
JMIP もしくは JIH 認証医療機関も外国人患者の受け入れ認証を受けた医療機関であり、どちらも規模の大きい病院であることがわかる。
救急医療機関や拠点的な医療機関、JMIP もしくは JIH 認証医療機関のような大規模医療機関では、約8割以上でクレジットカードやデビットカードを使用できる。
つまり、導入状況の平均を引き上げているわけだ。
一方で、クリニックや診療所のような規模の小さい病院では、29.8%だった。
約6割を大きく下回っていることになり、導入状況の平均を引き下げていた。
地域の小さな病院を受診する際は、カードを使用できない可能性を考慮しておく必要があるだろう。
導入している国際ブランド
病院によって対応可能な国際ブランドは違う。
参考までにクレジットカード決済を導入している病院の、対応可能なブランドについてまとめている。
医療機関名 | 国際ブランド |
---|---|
東京大学医学部附属病院 (東大病院) | VISA Mastercard JCB American Express Diners Club |
京都大学医学部附属病院 (京大病院) | VISA Mastercard JCB American Express |
大阪大学医学部附属病院 (阪大病院) | VISA Mastercard JCB American Express Diners Club |
神戸大学医学部附属病院 (神大病院) | VISA Mastercard JCB American Express Diners Club |
慶応義塾大学病院 | VISA Mastercard JCB American Express Diners Club DISCOVER |
出典:京都大学医学部附属病院「カードでの払いについて」
出典:大阪大学医学部附属病院「料金の支払いについて」
出典:神戸大学医学部附属病院「入院費用」
出典:慶応義塾大学病院「会計・支払い」
病院でクレジットカードを利用するメリットと注意
多くの病院でクレジットカードを使えるようになっている。
しかし、「現金を持っているのであれば、クレジットカードを使用する必要はないのでは」と考えている方もいるだろう。
結論、病院の支払いにはクレジットカードがおすすめだ。
ここからはクレジットカード払いをおすすめする理由となるメリットを紹介する。
注意点についても説明しているので、ぜひチェックしておいてほしい。
カードを利用するメリット
医療費の支払いにクレジットカードを使用するメリットは以下の通りだ。
- ポイントが還元される
- 急な医療費に対応できる
- 支払いを管理しやすい
医療費にもクレジットカードのポイント還元はある。
そのため、現金払いよりもお得に医療費を支払えるのだ。
還元率1.0%のクレジットカードを使用すると、1万円の支払いで100ポイントが還元される。
また、急にお金が必要になることが多い医療費に対応しやすいのもメリットだ。
当日の緊急手術や緊急入院の場合でも、クレジットカードがあれば安心だ。
カードを利用する際の注意点
カードを利用する際の注意点は以下の通りだ。
- カードを利用できない可能性がある
- 分割払いやリボ払いでは手数料が発生する
すべての病院でクレジットカード決済を導入しているわけではない。
そのため、利用できない可能性がある点に注意しておく必要がある。
また、3回以上の分割払いやリボ払いを選択すると、手数料がかかってしまう。
手数料が原因で家計が苦しくなるケースもあるため、急な医療費でもなるべく一括払いで対応するようにしたい。
病院側のメリットとデメリット
クレジットカード決済を導入すると、病院スタッフの負担が軽減される。
専用の機械で精算が終了するため、会計窓口で対応する必要がなくなるからだ。
また、お釣りを渡し間違える可能性が減り、レジ締め業務がスムーズになる。
会計業務の削減により、ほかの部分に人員を確保しやすくなるだろう。
一方で、クレジットカード決済を導入すると、病院はクレジットカード会社に利用手数料を支払う必要がある。
患者の受け入れ人数が少ないクリニックや診療所では、クレジットカードを導入するメリットよりも、利用手数料による売上減少のデメリットの方が大きいケースも多い。
病院で使うべきクレジットカード4選
病院の決済でポイントが貯まるクレジットカードは以下の通りだ。
- 三井住友カード(NL)
- 楽天カード
- JCBカードW
- エポスカード
それぞれ解説しよう。
三井住友カード(NL)
三井住友カード(NL)は、年会費永年無料のクレジットカードだ。
医療費の支払いにクレジットカードを使用すると、0.5%の還元を受けられる。
三井住友カード(NL)は、対象のコンビニ・飲食店を利用する機会の多い人におすすめだ。
なぜなら、対象のコンビニ・飲食店でスマホのタッチ決済を利用すると、最大7%のポイントが還元※されるからだ。
対象のコンビニ・飲食店は以下の通りである。
店舗形態 | 対象店舗 |
---|---|
対象のコンビニ | セイコーマート・セブン‐イレブン・ポプラ・ミニストップ・ローソンなど |
対象の飲食店 | マクドナルド・モスバーガー・サイゼリヤ・ガスト・バーミヤン・しゃぶ葉・ジョナサン・ドトールコーヒーショップ・エクセルシオール カフェなど |
また、NISA口座をSBI証券で開設している人も、三井住友カード(NL)を作成しておきたい。
投資信託の積立購入の入金にクレジットカード払いを選択すると、0.5%が付与される。
※2024年9月10日(火)積立設定締切分(2024年10月1日(火)買付分)までのポイント付与。以降は対象カードごとのカードご利用金額などに応じたポイント付与率になります。
※クレカ積立上限は10万円
月3万円ずつ購入している場合、月間150ポイント、年間1,800ポイントを貯められる。投資しながらポイントを貯められるのは、非常にお得だろう。
※対象のコンビニ・飲食店でのスマホのVisaのタッチ決済・Mastercard®タッチ決済でポイント最大7%還元
※最大7%内訳(通常ポイント0.5%+スマホのタッチ決済利用6.5%)。
※商業施設内の店舗など、一部ポイント加算の対象とならない店舗あり
※iD、カードの差し込み、磁気取引は対象外
※一定金額(原則1万円)を超えると、タッチ決済でなく、決済端末にカードを挿して支払い必要な場合あり
その場合、支払い分はタッチ決済分のポイント還元の対象外となる
上記、タッチ決済とならない金額の上限は、利用店舗によって異なる場合あり
※ポイント還元率は利用金額に対する獲得ポイントを示したもので、ポイントの交換方法によっては、1ポイント1円相当にならない場合あり
※Google Pay™ で、Mastercard®タッチ決済は利用不可、ポイント還元も受けられないので注意
楽天カード
楽天カードは年会費無料ながら、通常の還元率が1.0%とお得なクレジットカードだ。
今回紹介するクレジットカードでは最も還元率が高い。
楽天カードは、楽天市場や楽天モバイル、楽天ひかりなど、楽天グループサービスを利用している人におすすめだ。
なぜなら、SPU(スーパーポイントアッププログラム)によって、グループ内の還元率がアップするからだ。
各サービスごとの達成条件は以下の通りだ。
対象サービス | 倍率 | 達成条件 |
---|---|---|
楽天モバイル | +4倍 | 楽天最強プラン契約 |
楽天モバイル決済 | +2倍 | 月に2,000円以上の料金を支払い |
Rakuten Turbo/ 楽天ひかり | +2倍 | Rakuten Turboまたは楽天ひかりの契約 |
楽天カード通常分 | +1倍 | 楽天カード(種類問わず)を利用して楽天市場で買い物 |
楽天カード特典分 | +1倍 | 楽天カード(種類問わず)を利用して楽天市場で買い物 |
楽天銀行+楽天カード | 最大+0.5倍 | |
楽天証券 投資信託 | +0.5倍 | 当月合計30,000円以上のポイント投資 (※)1ポイント以上を利用したポイント投資が対象 |
楽天証券 米国株式 | +0.5倍 | 当月合計30,000円以上のポイント投資(米国株式円貨決済) |
楽天ウォレット | +0.5倍 | 暗号資産現物取引で月に合計30,000円以上購入(ポイント交換含む) |
楽天トラベル | +1倍 | 対象サービスを月1回5,000円以上予約し、対象期間の利用 |
楽天ブックス | +0.5倍 | 月1回1注文3,000円以上買い物 |
楽天Kobo | +0.5倍 | 電子書籍を月1回1注文3,000円以上買い物 |
Rakuten Pasha | +0.5倍 | クーポンで当月に300ポイント以上獲得し、「きょうのレシートキャンペーン」にて審査通過レシート10枚以上達成 |
Rakuten Fashionアプリ | +0.5倍 | Rakuten FashionアプリでRakuten Fashion商品を月1回1注文5,000円以上買い物 |
楽天ビューティー | +0.5倍 | 月1回3,000円以上利用(※)クーポン割引後の税込金額 |
多くのサービスで条件を達成していると、通常時でも10%以上のポイント還元を狙える。
楽天スーパーセールや買い回りキャンペーン、楽天イーグルス・ヴィッセル神戸勝利キャンペーンなどを活用すると、25倍以上も目指せる。
つまり、ショッピングの約4分の1が還元されるのだ。
また、楽天証券で投資信託を楽天カードで積立購入をすると、0.5%が還元される。
NISA口座を楽天証券で開設している方は、ぜひ楽天カードを作成して活用したい。
\ 新規入会&利用で5,000ポイントプレゼント /
JCBカードW
JCBカードWは39歳以下限定で作成できるクレジットカードだ。
一般的なJCBカードの2倍の還元率を誇り、ポイントを貯めやすいクレジットカードとして知られている。
JCBカードWで医療費を支払うと、1,000円(税込)ごとに2Okidokiポイントが貯まる。
1Okidokiポイントには3円〜5円相当の価値があるため、5円相当を選択すると1.0%の還元率になる計算だ。
また、JCBカードWはインターネットショッピングの際に、Okidokiランドを経由すると、還元率がさらにアップする。Okidokiランドの加盟店とポイントアップ倍率は以下の通りだ。
オンラインショップ | ポイントアップ 倍率 |
---|---|
さとふる | 4倍 |
ビックカメラ.com | 3倍 |
Apple公式サイト | 2倍 |
ユニクロオンラインストア | 2倍 |
Amazon.co.jp | 2~9倍 |
このほかにもさまざまな店舗が加盟しているため、ぜひチェックしてほしい。
さらに、JCB ORIGINAL SERIESという特典も存在している。
事前にエントリーしておくと、決済時にポイントが上乗せされる仕組みだ。優待店とポイントアップ倍率は以下の通りだ。
優待店 | ポイントアップ 倍率 |
---|---|
スターバックス (オンラインカードへのチャージ) | 最大30倍 |
Amazon.co.jp | 4倍 |
ミニストップ | 3倍 |
セブンイレブン | 3倍 |
ローソン | 3倍 |
オリックスレンタカー | 6倍 |
JCB ORIGINAL SERIESも加盟店の種類が豊富なので、カードを作成したらよく利用する店が入っているか確認すべきだろう。
\最大15,000円キャッシュバック※/
※キャンペーン期間:2024年10月1日(火)~2025年3月31日(月)
エポスカード
エポスカードは、商業施設のマルイやモディを運営する丸井グループが発行する年会費無料のクレジットカードだ。
医療費の支払いでは0.5%が還元される。
エポスカードはマルイやモディへ行く機会の多い方におすすめだ。
「マルコとマルオの7日間」というキャンペーン期間のマルイやモディでの決済にエポスカードを利用すると、料金が10%オフになるからだ。
期間中の利用回数に制限はなく、何度でも割引が適用される。
春夏秋冬の年4回開催されており、期間の詳細は近づいてきてから発表される。
エポスNetに登録しておくと、メールでいち早く知らせてくれるようだ。
また、マルイやモディのほか、飲食店やレジャー施設などの全国約10,000店舗で優待がある。
優待店舗でエポスカードを使用すると、料金が割引されたり、ポイントが還元されたりする。優待店舗の一例は以下の通りだ。
ジャンル | 店舗名 |
---|---|
飲食店 | 丸亀製麺・魚民・目利きの銀次・ポムの樹・白木屋・しゃぶ葉など |
レジャー施設 | ムビチケ・ベルトラ・カラオケ館・ビッグエコー・サンシャイン水族館など |
旅行 | 近畿日本ツーリスト・エアトリ・アパホテル・ホテルモントレなど |
生活 | DMM英会話・ABCクッキングスタジオ・おそうじ本舗・タイムズカー |
居酒屋やホテル、ファミレスなど、多くの店舗が優待店舗として加盟している。
利用する機会が多いサービスがあるなら、エポスカードを作成しておきたいところだ。
\ 入会金・年会費永年無料! /
クレジットカードに対応している病院か確認しておこう
医療費でもポイントを貯められるお得なクレジットカード。
現金が足りない場合にも使用できて便利だが、病院の規模によって導入状況に大きな差がある。
そのため、受診前にクレジットカードの使用可否を確認しておくべきだろう。
また、病院のクレジットカード払いにおすすめのクレジットカードも紹介した。
- 三井住友カード(NL)
- 楽天カード
- JCBカードW
- エポスカード
それぞれ0.5%以上はポイントとして還元される。
クレジットカードの中には費用(年会費など)がかかるものもあるが、そのほかの特典に応じて相性が異なるため、普段使う機会の多いサービスや店舗との相性を考えて、クレジットカードを選んでほしい。