- 奨学金が債務整理できるのかどうか知りたい
- 債務整理以外で奨学金の返済を手助けしてくれる方法が知りたい
- 奨学金を債務整理する時の注意点が知りたい
将来の夢を叶えるべく、奨学金を借りてまで進学したものの、学業とアルバイトの両立が難しく、毎月の返済負担が重すぎて困っている学生は多いのではないだろうか。
そのような場合、債務整理によって返済額を減額できる可能性がある。ただし、債務整理方法の一種である任意整理では、奨学金自体の減額はできない。
しかし、奨学金を減らす手段は他にも存在する。やり方次第では、債務整理の中では最も低リスクな任意整理を選択して借金問題を解決できる可能性がある。
本記事では、奨学金を債務整理すると起こることや注意点、債務整理以外で借金問題を解決できる方法を解説する。
奨学金の返済が苦しいにもかかわらず、親にも言い出せず困っている学生の救いとなれたら幸いである。

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奨学金も債務整理できる!その方法とは

冒頭でも述べた通り、奨学金も債務整理の対象となる。しかし、方法によって結果が異なったり、そもそも債務整理できなかったりする。
ここでは奨学金を債務整理した結果やデメリットなどを整理する。
任意整理
任意整理とは、債権者との交渉で合意を得ることにより将来の利息をカットし、3年~5年かけて元金を返済していく手続きだ。
手続きにかかる手間や費用が小さいため、最初に検討されやすい債務整理方法である。
しかし、奨学金の返済による負担を抑えたい場合、任意整理はおすすめできない。その理由は2点ある。
1つ目が、返済負担の軽減効果が小さいことだ。
任意整理は利息のカットにより返済額を抑えられるが、奨学金は金利が低いため、利息の支払いが免除されたところで負担は大して変わらない。
具体的には返済額に利息が上乗せされるタイプの「第二種奨学金」ですら、上限金利は3.0%である。カードローンやキャッシングの15.0%~18.0%と比べると非常に低い。
むしろ、債務整理によって月々の返済負担が重くなってしまう恐れがある。
元々の返済期間が6年以上であったにもかかわらず、債務整理によって5年以内に短縮され、その分月当たりの返済額が大きくなるケースがあるためだ。
そのため、任意整理では奨学金の負担をほとんど抑えられない。
2つ目が、奨学金の債権者である日本学生支援機構が任意整理の交渉に応じてくれる可能性が限りなく低いためだ。
奨学金は国の制度であるため、任意整理のように個別具体的な対応を取るのは難しい。
奨学金による借金の場合、返済負担の軽減効果が小さいことやそもそも交渉に応じてもらえる可能性が低いことにより、任意整理は推奨しない。
個人再生
個人再生は、裁判所に申し立てて借金を5分の1~10分1まで減額し、3年程度かけて返済していく手続きだ。
奨学金も整理の対象となり、例えば借金の総額が600万円の場合、返済額を120万円に減らせる可能性がある。
個人再生の場合は、必ず「最低弁済額」以上の金額を返済しなければならない。
最低弁済額とは民事再生法による規定であり、個人再生後に弁済しなければならない最低金額が定められている。
個人再生のメリットは、自宅や車を手放さずに済む可能性がある点だ。
ただし車については、ローンが残っている場合は引き上げられる(債権者の所有物となる)点に注意しよう。
とはいえ、自己破産よりは資産を手元に残せる可能性が高いため、借金の1/5程度なら完済できそうであれば個人再生を選ぶと良いだろう。
個人再生のデメリットは、解決に大きな時間や費用がかかる点だ。
時間に関しては、弁護士や司法書士に手続きを依頼してから半年~1年程度かかるケースが一般的である。債務整理は3ヵ月程度であるため、それと比べるとかなり長い。
また費用については、弁護士や司法書士への報酬と裁判所へ支払うものを合わせて100万円程度になる。
既に奨学金を返済できず苦しんでいるにもかかわらず、高額な費用を捻出するのは厳しいかもしれない。
ただ、多くの弁護士や司法書士事務所では分割払いに対応しているため、この点は安心してほしい。
自己破産
自己破産は、裁判所に申し立てを行い、借金の返済が不可能だと認められた場合に、一部を除く全ての債務が免除される法的手続きだ。
奨学金も一般的な借金と同様に、自己破産によって債務を免れる可能性がある。
自己破産の最大のメリットは、債務が完全に免除されることによって、家計を立て直しやすくなる点だ。
月々の収支を考えた結果、個人再生を行っても返済を継続していくのが難しい場合は、自己破産を検討しても良いだろう。
ただし自己破産はデメリットも大きい。例えば家や車などの資産を高い確率で手放さなければならない点だ。
具体的には、査定額が20万円以上になると見込まれる資産は没収対象となる。
特に家などの不動産であれば、価値が20万円を下回るケースはほとんど考えられないため、ほぼ確実に手放すことになるだろう。
不動産を保有している学生は少数だと思われるが、念のため把握しておこう。
自己破産は、債務整理の中でリスクも最も大きいため、あくまで最後の手段として検討しよう。

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奨学金を債務整理するときの注意点

奨学金も債務整理できるが、保証人に迷惑がかかるなど注意点も存在する。ここでは、具体的な注意点を見ていこう。
ブラックリストに載りクレジットカードの利用と契約ができなくなる
奨学金に限らず、債務整理するとその事実が信用情報機関に事故情報として掲載される。一般的に「ブラックリストに載る」と表現されるのが、このようなケースだ。
そしてブラックリストに乗ると、クレジットカードの利用と契約ができなくなる。新規契約だけではなく、現在持っているクレジットカードも強制解約となるため注意が必要だ。
ただし、任意整理の場合は対象を選べるため、クレジットカードのリボ払いやキャッシングを整理対象から外した場合は引き続き利用できる点を押さえておこう。
また、一度ブラックリストに乗ったからと言って、永久にクレジットカードの発行と利用ができなくなるわけではない。
できなくなるのは、あくまでブラックリストから事故情報が削除される一定期間の話なので安心してほしい。
なお、ブラックリストから自己情報が削除されるまでの期間は、信用情報機関の種類によって異なる。具体的には以下の通りだ。
信用情報機関 | 登録期間 |
---|---|
株式会社シー・アイ・シー(以下、CIC) | 約5年 |
日本信用情報機構(以下、JICC) | 約5年 |
全国銀行個人信用情報センター(以下、KSC) | 約7年 |
出典:CIC「CICに登録されている信用情報は、どれくらいの期間登録されているのですか?」
出典:JICC「JICCに信用情報を登録している会社(加盟会員)はどこですか?」
出典:JICC「JICCに登録されている信用情報は、どのくらいの期間登録されるのですか?」
出典:KSC「センターの概要」
出典:KSC「センター会員一覧」
ブラックリスト解除後は、再びクレジットカードを発行できるようになるが、同じクレジット会社は利用できない点に注意しよう。
信用情報機関から事故情報が削除されても、各社には半永久的に記録が残るためだ。
とはいえ、他社であればクレジットカードの新規発行ができるようになるため、そこまで心配は必要ないだろう。
保証人や連帯保証人に迷惑がかかる
奨学金を借りる場合、多くの場合は親が保証人や連帯保証人となるだろう。しかし、債務整理を行うと、親に多大な迷惑をかけてしまう恐れがある。
なぜなら、債務整理によって減額や免除できるのは、あくまで学生本人(主債務者)の債務のみであるからだ。
つまり、保証人や連帯保証人の負担は一切軽減されない。
したがって、債務整理を行うと、減額や免除された分の借金まで保証人や連帯保証人が返済義務を負うことになる。
さらに恐ろしいのが、保証人や連帯保証人に返済を求める場合は、残債の一括請求となるケースが多いことだ。
金額次第では支払いが難しく、最悪の場合、保証人や連帯保証人になっている親まで債務整理する事態になり得る。
また、債務整理のことを親に知られたくない学生も多いだろう。しかし、残債の請求は親に行ってしまうため、バレるのを防ぐのは困難である。
ただし、任意整理の場合は対策できる可能性がある。
具体的には、他の借り入れの返済も含めて苦しんでいる場合は、奨学金以外の債権者のみ任意整理の対象とすれば良い。
他の借り入れに保証人がついていない場合は、親に債務整理したことを知られずに済む。
まとめると、奨学金を借りる際は親が保証人や連帯保証人になっているケースが多いため、債務整理を行うと迷惑が及ぶ可能性がある。
そのため、他の債権者のみ整理して返済を続けられるようにならないか検討してみよう。
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銀行口座が一時的に凍結される可能性がある
奨学金の債務整理を行う際、銀行系のクレジットカードやカードローンを利用している場合は、銀行口座が一時的に凍結されるリスクがある。
銀行側が債権回収のために、口座の預金を借金の返済に当てようとするためだ。
銀行口座が凍結されると預金を引き出せなくなるため、生活できなくなる恐れがある。
またアルバイトの給与振込先に設定している場合、入金は今まで通りされるにもかかわらず、引き出しはできなくなる。
さらに家賃や公共料金の引き落とし口座に設定している場合は、引き落としができなくなる。
滞納扱いとなり、信用情報機関に事故情報が記録される可能性があるため、債務整理の前に引き落とし口座を変更しておこう。
なお、銀行口座の凍結は通常1ヵ月~3ヵ月程度で解除される。これは銀行のクレジットカードやカードローンの保証会社が債務者に代わって弁済するためだ。
ただし、この場合でも借金自体がなくなるわけではない。債権者が銀行から保証会社に変わるだけであり、債務整理の相手も保証会社となる。
銀行口座からの預金引き出しや、給与振込先と引き落とし口座の変更は債務整理手続きを依頼する前に済ませておこう。
元金は減額できず返済が続く
これは任意整理特有の問題だが、元金は減額できず、3年~5年かけて返済し続けていく必要がある。
そのため、元金の返済すら厳しい場合は、任意整理では借金問題を解決しきれない。
また個人再生の場合は、元金を含めて借金を大幅に減額できるが、残債を約3年かけて完済しなければならない。
減額後であっても、月々の返済額を賄うのが難しい場合は、自己破産を検討する必要が出てくるだろう。
返済し続けられるかどうかは、自力で判断するのは難しい。
判断を謝らないためにも、弁護士や司法書士などの法律専門家、もしくはFPなどのお金に関するプロの力を借りると良いだろう。
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奨学金の返済が難しい時は救済制度も活用しよう

奨学金の返済が難しい時は、債務整理の前に、国が用意する救済制度によって借金問題を解決できないか検討してみよう。
適用条件は厳しいものの、リスクはこちらの方が小さいためだ。
ただし、いずれも馴染みのない制度だと思われるので、それぞれについて詳しく解説する。
月々の返済額を減額できる「減額返還制度」
減額返還制度は、災害や病気、経済的な理由で奨学金の返済が厳しくなった人が毎月の返済額を減額できる制度だ。
減額割合は、返済額の3分の2~4分の1から選択できる。
減額返還制度で減らせるのはあくまで月々の返済額であり、返済総額は変わらないため、減額割合を大きく設定するほど返済期間が延びる点を頭に入れておこう。
また第二種奨学金の場合、少ないとはいえ利息が上乗せされるため、返済期間が長引くことによって、返済総額が大きくなる点にも注意が必要だ。
減額返還制度を利用するには、所定の収入条件を満たす必要がある。ただ、2024年4月より、以下のように緩和されている。
扶養する子供の数 | 年間収入 | 年間所得(収入から控除額を差し引いた後の金額) |
---|---|---|
0~1人 | 400万円以下 | 300万円以下 |
2人 | 500万円以下 | 400万円以下 |
3人以上 | 600万円以下 | 500万円以下 |
利用には申請が必要だが、現在はインターネットからでも可能だ。申請の際は、所得証明書や、収入が減少したことを証明する書類を提出しよう。
返済を延長できる「返還期限猶予制度」
返還期限猶予制度とは、収入の減少により奨学金の返済が困難になった場合、一定期間の返済を先延ばしにできる制度だ。主な特徴は以下の通りである。
- 返済総額は変わらない
- 通常は最長10年(120ヶ月)まで利用できる
- 災害や病気など特別な事情があった場合は10年を超えて利用できる
奨学金を滞納すると、年1.5%~10.0%の延滞金が返済額に上乗せされるが、事前に返還期限の猶予を認めてもらうことで免除される。
申請の際は、所定の収入基準を満たす必要があるが、2014年4月より以下の控除が適用されている。
- 扶養者1人につき38万円
- 親への生活費補助として38万円
加えて、従来通り本人と扶養家族の医療費も控除対象となっている。
延滞金の負担を避けたい場合は、返還期限猶予制度の利用を検討してみるのも良いだろう。
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返還期限が猶予される「猶予年限特例制度」
猶予年限特例制度は、第一種奨学金(無利子奨学金)を利用している場合において、卒業後に一定の収入を得るまで期間の制限なく返還を猶予してもらえる制度だ。利用が認められる収入・所得上限の目安は以下の通りである。
採用種別 | 想定する世帯構成(例) | 年間収入 | 年間所得 |
---|---|---|---|
予約採用(進学前に申し込む方式) | 親A、親B(無収入)、高校生、中学生 | 300万円 | 210万円 |
在学採用(進学後に申し込む方式) | 親A、親B(無収入)、大学生、高校生 | 392万円 | 295万円 |
上記はあくまで目安なので、超過していても利用を認められるケースがある。
猶予年限特例制度のメリットの一つが、条件を満たせば自動的に適用されるため、申込手続きの必要がない点だ。
また、先述の返還期限猶予制度とは異なり、10年を超える期間の猶予を受けられる。
ただし既に述べた通り、対象となるのは第一種奨学金の利用者のみであり、第二種奨学金を借りている学生には適用されない点には注意しよう。
働けなくなった場合の「返還免除制度」
返還免除制度は、働けなくなったことで奨学金の返済が困難となった際に利用できる制度だ。
適用されるのは本人の死亡時、または障害により労働能力を失ったときだが、今回は後者について解説する。
申請の際は、以下の書類を提出する必要がある。
- 返還免除願(A3サイズ)
- 診断書(日本学生支援機構が指定する用紙、かつ病院封筒で密封されているもの)
- 収入証明書(原本)
また、利用するための収入基準は以下の通りだ。
- 給与所得者
- 年間収入300万円以下
- その他
- 年間所得200万円以下
なお、上記の基準を超えている場合は、それでも返還が困難な状況を証明する追加書類が必要となる。
また、申請時には医療や福祉の専門家(民生委員、病院長など)による状況確認が必要だ。
在学中や奨学金受給中は利用できないが、このような制度もあるのだと頭に入れておこう。
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奨学金返還支援制度と債務整理の合わせ技も可能!

奨学金の返済で困った場合は、地方公共団体が提供する「奨学金返還支援制度」と債務整理を組み合わせて返済困難から抜けだす選択肢もある。
例えば、任意整理で奨学金以外の借金を減額し、奨学金の負担は奨学金返還支援制度により軽減するといった対処ができる。
この組み合わせ技により、保証人に迷惑をかけずに済む。
奨学金返還支援制度の具体的な内容や利用条件は、各自治体によって異なるため、詳しくは公式サイトで確認しよう。
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奨学金も債務整理できるが保証人に迷惑がかかるリスクあり

奨学金も他の借金と同様に、個人再生や自己破産などの方法で債務整理できる。
ただし、親などの保証人に迷惑が及んだり、クレジットカードを利用できなくなったりするリスクがあるため、まずは国の救済制度の利用を検討しよう。
学生である現在、活用できる可能性がある救済制度は以下の通りだ。
- 減額返還制度
- 毎月の返済額を4分の1~3分の2に減額
- 返済期限猶予制度
- 最長10年間の返済猶予(例外あり)
- 猶予年限特例制度
- 収入が一定額を超えるまで返済猶予
また、地方公共団体の奨学金返還支援制度と債務整理を組みあわせる方法も有効だ。上手く活用すれば、保証人に迷惑をかけずに済む。
大事なのは借金問題の悩みを一人で抱えないことだ。困ったら、早めに日本学生支援機構や専門家に相談しよう。
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奨学金の債務整理に関するQ&A

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