- 個人再生のデメリットを教えてほしい
- 個人再生しない方が良いケースを教えてほしい
- 個人再生する時にやってはいけないことを教えてほしい
個人再生は債務整理の一種だが、デメリットや手続きを進めるときの注意点がある。
お金はデリケートな悩みであるため、会社や家族には可能な限りバレたくないものだ。
この記事では、個人再生のデメリットやメリット、手続き中にやってはいけないことを解説する。
個人再生はしない方が良いケースも詳しく紹介するので、自分の状況と照らし合わせて考えてみて欲しい。

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個人再生するとどうなるのか?

個人再生すると、借金問題の解決に向けて、さまざまなことが起きる。
- 返済の取り立てが止まる
- 借金が大幅に減る
- マイホームを残せる
- 3年から5年で返済する必要がある
- クレジットカードなどは作れなくなる
- マンションの管理費の滞納はマイホームを失くす可能性がある
- 家賃の滞納は賃貸契約を解除される可能性がある
個人再生の特徴となるポイントなので、具体例も交えながら詳しく解説していく。
返済の取り立てが止まる
個人再生の手続きを弁護士に依頼すると、2~3日ほどで金融機関から借金の取り立てがなくなる。
たとえ延滞している借金であっても、督促がなくなるため、まずは借金問題の大きな悩みから解放されるだろう。
ただし、すでに裁判になってしまっている借金や、税金や国民健康保険料などの支払通知は除外されてしまう。
借金の返済が滞り裁判を起こされている場合でも、個人再生は可能だ。裁判所から届く通知書を止めるには、弁護士経由で金融機関に裁判の取り下げを交渉することになるからだ。
税金や国民年金、健康保険料は法律で定められた支払いだ。どの債務整理をしても支払いが免除されることはないので覚えておこう。
借金が大幅に減る
個人再生には、最低弁済額が存在するため、借金が0になることはない。
しかし、個人再生の手続きが完了すれば、5分の1~10分の1まで借金の返済残高が減る。大幅な借金の減額は、毎月返済する金額の軽減に繋がるのだ。
個人再生における最低弁済額は、以下のとおりだ。
借金の総額 | 個人再生後の返済基準額 |
---|---|
100万円未満 | 全額 |
100万円以上500万円以下 | 100万円 |
500万円超1,500万円以下 | 5分の1 |
1,500万円超3,000万円以下 | 300万円 |
3,000万円超5,000万円以下 | 10分の1 |
個人再生で多いのは100万円~1,500万円以下の借金だ。100万円未満では、全額返済しなければならず、個人再生しても意味がないといえるだろう。
たとえば、300万円の借金がある場合、個人再生すると返済総額が100万円まで減額できる仕組みだ。

マイホームを残せる
個人再生は、自己破産と異なり、住宅ローンの返済中であるマイホームは残すことができる。
ただし、減額された借金を返済しながら、住宅ローンは変わらず返済しなければならない。
本来、個人再生ではすべての借金が手続きの対象となるが、住宅ローン特則を利用すれば、マイホームを残せる可能性があるのだ。
ただし、すべての住宅ローンが特則を利用できるとは限らない。
以下に挙げる5つの条件を満たしていなければ、マイホームは残せないため注意しておきたい。
- 住宅購入やリフォーム専用のローンであること
- 個人再生の申し立てをする本人の持ち家であること
- 住宅ローン以外に抵当権がないこと
- 住宅ローンの滞納がないこと
- 債権者一覧表に住宅ローン特則の利用を記載していること
専門用語の多い債務整理では、条件などをすべて理解できないケースが多い。そのため、個人再生を選択するときは、マイホームを残すためにも弁護士への相談が重要だ。
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3年から5年間で完済する必要がある
個人再生をしたあとは、残りの借金を原則3年で返済する必要がある。長くても5年間で完済しなければならず、途中で返済が滞ることがないように注意することが大切だ。
万が一、個人再生後に返済ができなくなってしまうと、個人再生はなかったことにされてしまう。つまり減額された借金は、元の金額に戻ってしまうのだ。
弁護士費用や裁判所へ支払った費用を分割で支払っている場合は、借金に上乗せされる。そのため個人再生の申し立てをする前より、状態は悪くなってしまう。
個人再生後に借金の返済ができなくなったときは、3つの方法を早急に検討する必要がある。
- 返済期間の延長を申し立て
- 自己破産の申し立て
- ハードシップ免責制度を利用する
返済期間の延長や自己破産の手続きも大変だが、返済が免除されるハードシップ免責制度は非常に難易度が高い。
条件が厳しいため、安易に考えていると大変なことになってしまう。
個人再生によって借金問題のストレスを軽減し、経済状況の立て直しができるようになったのだ。手続き後は信頼回復に向けて取り組む必要がある。
返済期間に上限のある個人再生では、毎月の返済額を無理なく設定するようにしなければならない。
クレジットカードなどは作れなくなる
個人再生に限らず、債務整理をするとブラックリストに登録される。そのため、新たにクレジットカードを作ったりローンを組んだりできなくなる。
家族には影響は出ないものの、本人名義では高額な買い物が困難となるため、注意しておきたい。携帯電話の契約やスマートフォンの機種代も分割払いできなくなる。
個人再生の場合、完済から7年経過すれば、金融事故の履歴が消えて新たな契約ができるようになる。
借金問題を解決し、生活再建のためには家族などの名義で契約することは致し方ないといえるだろう。

マンション管理費の滞納でマイホームをなくす可能性がある
住宅ローンを返済しているマンションの場合、管理費を滞納していると「住宅ローン特則」を利用できない。
管理組合が徴収する管理費は、「先取特権」と呼ばれ強い担保権がある。
個人再生では、住宅ローン特則によってマイホームが残せるが、マンションの管理費は特則の条件に当てはまらない。
つまり、住宅ローン中の不動産に、住宅ローン以外に担保権がついた借金があるということになるのだ。
借金や住宅ローンの返済が滞っている場合、管理費も滞納になっている可能性は十分に考えられる。
個人再生後もマイホームを残すためには、管理費の滞納に対処しておく必要がある。
- 管理費の滞納を精算する
- 管理組合と協定を結ぶ
個人再生を検討している場合、管理費の滞納を一括払いすることは困難となるだろう。
滞納の分割払いを約束し、管理組合に先取特権を行使しないよう協定を結んでおけば、住宅ローン特則を利用できる。
個人再生後もマイホームを残すなら、管理費の支払いは非常に重要だ。戸建てなら管理費の心配はないが、マンションの場合は特に注意しておきたい。
家賃の滞納は賃貸契約を解除される可能性がある
賃貸住宅に住んでいる場合、マイホームではないからといって個人再生後の住宅確保に安心はできない。
家賃を滞納していると、個人再生を実行したあとに契約を解除されてしまうケースもあるのだ。
なお、個人再生で賃貸契約が解除されるわけではない。個人再生によって、滞納した家賃が減額の対象となることが原因だ。
ただし、個人再生後に賃貸契約に影響が出るかどうかは、物件の貸主の意向が大きく影響する。
滞納している借金に家賃が含まれているなら、事前に貸主へ報告して交渉する方法もある。
とはいえ、必ずしも賃貸契約が継続されるわけではないことを考慮しておく必要がある。
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個人再生のデメリットとは

個人再生を検討するときは、デメリットをよく理解しておく必要がある。
- 債務整理のなかで手続き費用が高額
- ブラックリストに登録される
- 個人再生の事実が官報に掲載される
- 保証人に借金の支払いで迷惑をかける
- ローン返済中の資産が処分される可能性がある
個人再生は、法的に借金の返済が一部免除されるとはいえ、デメリットがあることも事実だ。
ここで紹介するデメリットが、どのような影響を与えるか自分自身に与えるかをよく考えてみよう。
債務整理のなかで手続き費用が高額
個人再生を弁護士に依頼すると、債務整理のなかでは手続き費用が高額だ。個人再生の場合、多くの弁護士事務所で件数にかかわらず一律の金額に設定しているからだ。
同じ債務整理でも、任意整理では1社あたりの費用設定だ。
もちろん対象件数が多ければ、任意整理でも弁護士費用が高額になるケースもあるが、やはり個人再生の弁護士費用は安いものではない。
一方で、自己破産と個人再生の弁護士費用を比較すると、大きな違いはない。しかし、自己破産は借金の返済義務はなくなるが、個人再生は手続き後も返済が必要だ。
借金返済も含めた総額で考えると、個人再生は自己破産よりも費用がかかると考えられるだろう。
ブラックリストに登録される
個人再生をするとブラックリストに登録される。すべての債務整理は金融事故となるため、個人再生に限ったことではない。
債務整理は、信用情報機関に氏名が登録される。一定期間は金融事故を起こした履歴が残り、ローンなどが組めなくなるのだ。
ブラックリストとなる信用情報機関は、個人再生の対象となる借金の種類によって異なる。
信用情報機関 | 借金の種類 | ブラックリスト |
---|---|---|
日本信用情報機構(JICC) | 消費者金融 クレジットカード 携帯電話会社 | 完済日から5年 |
シー・アイ・シー(CIC) | クレジットカード 信販会社 携帯電話会社 | 完済日から5年 |
全国銀行個人信用情報センター(KSC) | 銀行 信用金庫 信用保証協会 | 完済日から5年 手続き開始決定日から7年 ※いずれか遅い方 |
なお、ブラックリストに登録されるのは債務整理だけではない。
滞納や返済の遅れも対象となるため、すでに返済に遅れが生じている場合は、すでにブラックリストに登録されている可能性もある。
個人再生により完済すればブラックリストから削除される。そのため、必ずしもブラックリストだけをデメリットとして考えないようにして欲しい。
個人再生の事実が官報に掲載される
個人再生をした事実は官報に掲載される。官報とは、内閣府が発行している新聞のようなものだ。日本の政策や国民の権利に関する情報が掲載されている。
個人再生や自己破産は、官報に氏名や住所が掲載され、誰でも閲覧できるようになっている。
官報の掲示は、東京都官報販売所や国立印刷局本局だけでなく、インターネットでも閲覧が可能だ。
誰にも知られずに個人再生をしたい場合、弁護士に依頼すれば個人情報を守られる可能性が高い。
しかし、官報は誰でも閲覧できる。そのため、官報によって個人再生の事実が周囲にバレてしまう可能性がある。
なお、任意整理や過払い金の請求をおこなっても、官報に掲載されることはない。勤務先に個人再生の事実を知られたくない場合は、官報によるリスクを忘れてはならない。
保証人に借金の支払いで迷惑をかける
個人再生によって減額された金額は、保証人に請求される。保証人は一括返済を求められることが多く、連帯保証人の場合は支払いを拒否することはできない。
たとえば、300万円の借金が個人再生によって100万円まで減額された場合、差額の200万円は保証人に返済が求められる。
保証人が返済を求められた場合、以下の権利を主張できる。
- 返済者本人へ請求して欲しいと言える権利
- 返済者本人の財産に強制執行して欲しいと求める権利
- 保証人の人数で借金を分割する権利
通常の保証人なら上記の権利を主張できるが、連帯保証人には同様の権利を主張できない。
連帯保証人が複数いる借金で個人再生をした場合、連帯保証人に届いた請求額は全額支払わなければならない。
保証人と連帯保証人の違いによって、借金の返済で迷惑をかけてしまう可能性がある。
お金の問題は人間関係にヒビが入る可能性もある。事前に個人再生する旨を伝えておくことも大切だといえるだろう。
ローン返済中の資産が処分される可能性がある
自己破産と違い、個人再生では財産が強制的に処分されることはない。しかし、ローンを組んでいる資産は処分されてしまう可能性があるため注意しておきたい。
任意整理なら、借金の種類を選んで債務整理が可能だ。一方、個人再生は借金の種類は選べない。ローン契約に担保契約がついた資産は、個人再生によって回収されてしまう。
個人再生によって資産が処分される代表例が自動車ローンだ。
自動車ローンの返済中は、車の所有者がローン会社となっている。つまり、返済期間中は所有者の意志で車を引き上げられるようになっているのだ。
返済が滞った場合も引き上げの対象であることが多く、借金が減額される個人再生もローン規約によって回収されてしまう。
車を手放したくない場合は、自動車ローンを完済しなければならない。所有者がローン会社である間は、勝手に売却したり名義変更したりできないからだ。
なお、個人再生の直前に他の財産を処分して自動車ローンを返済すると、財産隠しとして個人再生が認められなくなる。
個人再生が認められたあとに発覚した場合も、個人再生計画は破棄されてしまうため、注意しておこう。
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個人再生はメリットも多い!

個人再生によるメリットは5つある。
- 借金の元本が軽減される
- 借金をした理由は問われない
- 職業に影響が出ない
- 生活に必要な資産は残せる
- 給与の差押えが解除される
注意しておきたいポイントはあるものの、個人再生は借金を大きく軽減できる法的な制度だ。
借金の返済が困難で悩んでいるなら、個人再生のメリットを最大限に活かす方法があるかも考えてみると良い。
借金の元本が軽減される
個人再生では、借金の元本が減額や支払免除の対象となる。債務整理ごとの特徴は以下のとおりだ。
- 任意整理
- 利息や延滞金のみ減額の対象
- 個人再生
- 借金の元本が減額の対象
- 自己破産
- 借金返済が免除される
個人再生は、借金が0にはならないものの、借金の元本が大きく減額される。毎月の返済額を減らしたい方には個人再生がおすすめだ。
減額された借金の元本を、原則3年、最長5年で分割して返済することになる。借金元本の減額は、借金の総額によって5分の1~10分の1まで軽減可能だ。
たとえば、400万円の借金で個人再生すると、元本は100万円まで減額される。返済期間中は利息がつかないため、元本100万円のみの返済に集中できる。
100万円を3年で分割する場合、単純に計算すると毎月約27,777円の返済だ。
仮に5年分割が認められると60回払いとなるため、月々の返済は約16,666円となり負担は大きく軽減される。
任意整理の場合、元本はそのまま残るため、ここまでの減額は期待できない。自己破産なら返済はなくなるが、資産はすべて強制処分となってしまう。
これらの違いが個人再生の大きなメリットだといえるだろう。
借金をした理由は問われない
個人再生なら、ギャンブルや浪費など借金の理由が問われることはない。一方で、自己破産では借金の理由が原因で、借金の返済免除が認められないケースがある。
- パチンコやスロット、競馬や競艇などギャンブルが原因の借金
- ブランド物や高級車、貴金属を購入した借金
- キャバクラや風俗などでの散財が原因の借金
- スマホゲームなど課金による借金
- 株や仮想通貨、FXなど投資が原因の借金
上記は、一般的な生活で不必要な借金であり、収入に見合っていないお金の使い方の代表例だ。
自己破産は、借金問題で悩む人を救済し、生活再建の手助けをする制度だ。「非免責不許可事由」として借金返済の免除が認められない可能性が十分にある。
一方で、個人再生なら上記のような理由で借金していても、手続きできるメリットがある。
浪費やギャンブルを原因とする借金の割合が多いなら、個人再生を検討してみると良いだろう。
職業に影響が出ない
個人再生が成立しても、職業上で影響を受けることはない。自己破産と違って、個人再生後も借金の残額は返済しなければならない。
そのため、自己破産のように資格登録で除籍されることはない。
銀行や生命保険会社、弁護士や警備員など、他人の財産に関係する職業に就いている方は、自己破産によって資格登録がなくなり働けなくなる。
一方、個人再生は返済の必要性から、資格や職業に制限を設けていないのだ。
個人再生をしても、会社に知られて解雇されないことが一般的だ。法律に則った権利であるため、個人再生を理由として企業が従業員を解雇することはできない。
個人事業主であっても、個人再生なら財産を残せるため、事業を継続できる可能性がある。
新たな借り入れはできないものの、財産が処分される自己破産より、事業を維持できる可能性は高まるだろう。
生活に必要な資産は残せる
個人再生では、強制的な財産処分はおこなわれない。どのような資産でも残せるわけではないが、裁判所が生活に必要と判断すれば、資産や財産を残せる可能性がある。
住宅ローンを返済中のマイホームは、「住宅ローン特則」を利用すれば、住宅ローンの返済継続などを条件に自宅を手放さずにすむ。
自動車のローン会社が認めてくれれば、ローン返済を条件に手元に残しておくことも可能だ。
自己破産なら、99万円以下の預金しか残せないが、自己再生なら残せる預金額に制限はない。
ただし、個人再生の手続きを進めるにあたり、「清算価値保障原則」には注意が必要だ。
清算価値保障原則は、保有資産の価値と同額以上は、借金の返済をしなければならないことを示している。
たとえば、300万円の資産価値を持つ財産があるにもかかわらず、400万円の借金で個人再生をすると、300万円以上の返済が求められる。
資産を売却すれば、借金の返済に充てられると考えられるからだ。
預金残高も同様だ。個人再生には「最低弁済額」が決められており、借金返済額と預金残高のどちらか多い方の金額が返済額となる。
つまり、個人再生は認められなくなるのだ。
個人再生は、自己破産よりも資産や財産を残せる可能性は高いが、精算価値保障原則や最低弁済額には注意しておかなければならない。
給与の差押えが解除される
借金返済が滞ると、裁判所を通じて給与の差押えなど強制執行の対象となる。個人再生をすれば、給与の差押えが解除されるため、生活への影響を回避できるメリットがある。
給与の差押えを解除するには、一括返済か和解を目指すしかない。個人再生の手続きが開始されると、裁判所へ「給与差押え取り消し命令」の申し立てが可能となる。
ただし、個人再生の申し立てをしたからといって、すぐに裁判所が差押えの取り消し命令を出すとは限らない。個人再生の成立が決定していないからだ。
給与の差押えを解除したいなら、早く個人再生の開始決定に進まなければならない。個人再生の申し立てで不備の対応をしていると、いつまでも給与は差押えられたままだ。
複雑な個人再生の手続きをスムーズに進めるなら、弁護士に相談することをおすすめする。
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個人再生しない方が良いケースとは?

借金の内容や経済状況によっては、個人再生を選択しない方が良いケースもある。
- 一部の借金のみを整理したい
- 安定した収入がない
- 保有する資産が多い
- 借金の総額が100万円未満
- 5,000万円以上の借金がある
個人再生の申し立てや手続きにかかる費用の負担は大きい。手続きを進めても個人再生が認められず無駄になってしまう可能性があるため注意しておきたい。
一部の借金のみを整理したい
個人再生では、借金の種類を選んで整理できない。消費者金融の借り入れやローン会社など、すべてが対象となる。
たとえば、車を残すために自動車ローンを個人再生から除外できない。
高額な家具や家電をローンで購入している場合、個人再生することで現物を回収されてしまう可能性がある。
特定の借金を選んで整理できるのは任意整理だ。個人再生で残せないものでも、任意整理ならローン会社だけ除外して債務整理を進めることが可能となる。
安定した収入がない
個人再生をしても、減額された借金の元本は返済しなければならない。そのため、安定した収入がなければ、裁判所に個人再生を認めてもらうことは不可能だ。
しかし、裁判所へ申し立てをする時点で収入がなくても、再就職予定があるなど将来の収入が見込めるなら申し立てが可能となる。
個人再生には手続きに費用もかかる。収入がなければ、個人再生の申し立て費用を準備することも難しいだろう。
弁護士によっては、着手金なしで個人再生を進めてくれるケースもある。個人再生を選ぶなら、まずはアルバイトでも良いので収入を得てから弁護士へ相談してみて欲しい。
保有する資産が多い
預貯金や価値のある資産など、財産が多いと個人再生は認められない可能性が高い。
個人再生は、借金問題を解決するための救済措置だ。資産を処分すれば借金の返済に充てられる可能性がある。つまり救済措置の必要がないと判断されてしまうのだ。
資産を売却し、それでも借金ができず生活が困窮するなら、個人再生を検討することになる。
資産よりも借金の返済が優先されるため、資産が多い方はまず売却から検討してみよう。
税金などの滞納が多い
消費者金融やローンによる借金よりも、税金や国民年金、国民健康保険料などの滞納が多い場合は、個人再生しても良い結果は生まれない。
個人再生で減額や返済免除となる借金に、税金などは含まれない。個人再生によって他の借金は減額されても、公租公課は全額支払わなければならない。
借金よりも公租公課の支払いが多い場合は、個人再生はおすすめできない。
公租公課の支払いで困難な場合は、市町村役場で相談し、返済計画を立てる必要がある。
公租公課の滞納が原因で財産を差し押さえられた場合、個人再生の手続きを開始できないケースもある。
税金などの滞納は早めに解決し、残った借金をどうするか考えることが大切だ。
借金の総額が100万円未満
借金の総額が100万円未満なら、個人再生はしない方が良い。
個人再生の条件に「最低弁済額」があり、民事再生法では100万円未満は全額の支払いが必要と定められている。
100万円未満の借金である場合、個人再生ができないわけではないが、返済額が減額されるわけではないため手続きの意味を成さない。
5,000万円以上の借金がある
個人再生ができるのは、借金が5,000万円未満であることだ。5,000万円を超える借金があるなら、自己破産を検討する必要がある。
なお、5,000万円の借金には住宅ローンは除外され、ローンや借入金の元本と利息、延滞損害金が対象となる。
長期にわたって返済をしていない場合、利息や延滞損害金が膨らんでいる可能性があり、借金額は事前に確認しておこう。
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個人再生の注意点を紹介!やってはいけないことはなに?

個人再生するときに、やってはいけないことを5つ紹介する。条件を満たしていても、個人再生が進められなくなるため、注意しておきたい。
- 虚偽の申告
- 資料の提出を拒む
- 履行テストを途中でやめる
- 収入をなくす行動をする
- 財産を隠す
個人再生が認められたあとに、再生計画を中止されてしまい、減額された借金が元に戻ってしまうケースもあるため気をつけておこう。
虚偽の申告
個人再生の手続きでは、裁判所が再生計画の可否を決めるため、さまざまな申告を求められる。一般的に申告する内容は以下のとおりだ。
- 収支状況
- 財産の内容と資産額
- 借金の原因
個人再生後に必要な返済のためにも、家計の収支バランスを伝えることは大切だ。事実と異なる申告をすると、個人再生は認められない。
申告に関して質問されたときは、個人再生医院が納得できる回答でなければならない。
借金問題を個人再生で解決するなら、虚偽の申告はしないことが大切だ。
資料の提出を拒む
個人再生では、多くの資料提出をしなければならない。資料の提出を拒んだり準備しなかったりすると、個人再生の手続きが進まなくなる。
また、資料提出の遅れは裁判所への印象にも悪影響だ。
早く借金問題を解決したいなら、求められた書類は早く集めて提出することをおすすめする。
一般的に、収集が難しい資料は求められない。
しかし、内容によっては収集方法がわからないこともあるだろう。そんなときは、弁護士に相談すると収集方法を教えてくれる。
書類に不備がないようアドバイスもしてくれるため、個人再生の手続きは弁護士の力を借りると良いだろう。
履行テストを途中でやめる
個人再生には、減額後の借金を返済できるかどうかの「履行テスト」がおこなわれる。
テストは6ヶ月間であることが多く、履行テストに合格しなければ個人再生は認められない。
履行テストで支払った金額は裁判所によって積み立てられ、テスト終了後に返還される。
積立金とはいえ、テスト期間中は期日に遅れないよう支払い、一括払いなどは認められない。
たとえば、毎月3万円の履行テストの場合、6ヶ月で18万円が積み立てられる。ただし、返還時に再生委員の報酬が差し引かれるため、全額は受け取れない。
弁護士に依頼した個人再生なら15万円だ。つまり、差額の3万円しか返還されない、返還額をあてにした生活をしないようにしよう。
収入をなくす行動をする
個人再生が原因で会社を解雇されることはない。特別な理由がない限り、転職や退職など収入をなくす行動は避けた方が良い。
返済する意志がないと判断されると、個人再生で決定された内容は破棄される。個人再生にかかった費用は戻らないため、結果的に損に繋がるのだ。
収入がなくなると、個人再生計画に沿った返済が困難となる。返済が遅れると、やはり計画は中断され手続きがなかったことになってしまう。
個人再生後は、減額されただけで安心してしまわないよう、働きながら完済を目指すことが大切だ。
財産を隠す
個人再生の手続きでは「財産目録」の提出が求められる。本人名義の資産があれば、すべて記載しなければならない。
- 預貯金や手元の現金
- 退職金の有無
- 生命保険など解約返戻金の有無
- 不動産
記載した財産は、調査がおこなわれるため財産を隠すことはできない。財産隠しが発覚すると、個人再生の手続きは廃止される。
すでに決定された個人再生であっても、後に財産隠しがバレると再生計画は取り消しの対象だ。手続き上で必要な財産の申告は、正確に事実を記載することが大切だ。
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個人再生をするならまずは弁護士へ相談を

個人再生では、手続きに高額な費用を要したり、ブラックリストに登録されたり、デメリットが多くある。
一方で、個人再生によって借金が5分の1まで減ったり、借金の理由を問わず手続きができたりするメリットもある。
デメリットは家族に及ぶことはないが、メリットやデメリットなどを含め、個人再生をするとどうなるかを理解することが大切だ。
個人再生は、会社にバレる可能性は少ない。借金の問題を解決するなら、個人再生を選択した方が良いケースもある。
この記事で紹介した個人再生をしない方が良いケースも含め、十分に検討することをおすすめする。
履行テストの中断や財産隠しなど、個人再生でやってはいけないことも覚えておくと良いだろう。
とはいえ、個人再生の手続きは非常に難しい。専門知識を要するため、弁護士へ相談することをおすすめする。
手続きに戸惑ったり書類集めに苦労したりするケースは多いため、個人再生をするなら、まずは弁護士へ相談して欲しい。
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個人再生に関するよくある質問

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