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転職時期にも「旬」がある~おすすめの入職時期は、4月と10月

果物や魚に「旬の時期」があるように、転職時期にもまた「旬の時期」がある。

ここでは、

  • おすすめの転職時期
  • その時期に転職することのメリットとデメリット
  • 「旬の転職時期」が存在しない業種

について解説していく。

目次

おすすめの転職月は4月と10月

「この時期には絶対にしてはいけない」といえる季節はない。しかし、「この時期に転職すれば、比較的転職活動が上手くいきやすい」という月はある。

それが、「4月」もしくは「10月」である。

これは入職時期を基準としたときのタイミングだ。多くの人は転職をし始めてから3か月未満で次の職場を決めていることを考慮すれば、4月入職を狙うのであれば1月~遅くても3月までに、10月入職を狙うのであれば7月~遅くても9月までに転職活動を始めたいところである。

なお、4月あるいは10月が転職に最適な時期だといわれているのには、きちんとした根拠がある。

4月は、言うまでもなく、「すべてが新しく始まる月」だからである。日本では3月を年度末、4月を年度初めとしている。多くの会社は4月から新体制を始動させるため、この時期は新しい会社に入り込みやすい。新卒者はもちろん、「ほかの会社で今まで社会人として経験を積んできたが、新しい業界に飛び込みたい」という人を支える土壌ができている季節だといえる。

また人事体制の見直しや業務の見直しなどが行われる時期でもあるため、今までにはなかったポジションの募集が掛けられる場合も多い。

加えて、周囲の人が「4月は新しい人が入ってくるので、その教育に時間を割かなければ」という共通認識を持っていることもあり、新しく入った場合でも親切に指導してもらいやすい環境にある。

10月は、経験を積んだ人の転職に特におすすめの時期だと考えられている。

日本では4月から新体制が始まることが多いとしたが、10月は新入社員の教育もひと段落し、業務拡大のための人員を募集している時期である。業務経験が豊富で、高いスキルを持った人間を企業が欲する時期だともいえるので、より好待遇で受け入れられることが多いのも魅力のうちのひとつだ。

4月も10月もどちらも転職時期としておすすめの月だが、未経験の業界に飛び込みたいのならば4月が、今まで積んできた経験を生かしたいのであれば10月が、よりおすすめの転職月になるだろう。

この時期に転職することのデメリットも知っておきたい

上記で述べたように、4月と10月は1年のなかでももっとも転職に適した月だといえる。

ただし、この時期に転職することのデメリットもある。

まず、この時期はあなた以外の多くの人もまた入職を目指す時期だということだ。そのため、競争が苛烈になりやすい。ほかの応募者がいない月であれば採用にいたるであろう状況でも、ほかのもっとも優秀な人材がライバルとして登場しやすい4月10月の場合は「ご縁がなかったということで……」と断られる可能性が高くなるのだ。特に10月の場合は、即戦力を求めて求人広告を出す会社が多いため、この傾向も顕著になるものと思われる。

4月や10月は、会社の既存のスタッフも「人が入ってくる時期だ」と認識している。そのため、新人教育もまた業務の一環であると認識してはいる。しかしあまりにも多くの入職者がいた場合、どうしても一人ひとりの教育が行き届かなくなる可能性が高い。

「手厚く、いろいろなスタッフから、多くのことを学びたい」と考えるのであれば、ほかの時期の転職を考慮した方がよいかもしれない。

なお、長期休みの後に転職に踏み切るのもひとつの手だ。ゴールデンウィークや夏休み、冬休みの終わった5月・8月下旬~9月・1月あたりに転職する……と決めれば、休みの期間中にじっくりと求人情報を吟味できるし、履歴書も練りこみやすい。

ちなみに、世の中には一年を通して自社の採用サイトから人を募っている会社もある。ただこのような会社にアクセスする場合でも、時期には気を付けたい。その業界・その会社の繁忙期にあたる時期にメッセージなどを出してしまうとメッセージが見落とされてしまいやすくなるし、相手に悪い印象を抱かせてしまうことさえあるからだ。

あまりこだわらない業種もある

ここまで「おすすめの転職時期」について解説してきたが、これは絶対的なものではない。

たとえば介護職などは、時期を問わず、常に人手を求めている。介護職業界は慢性的な人手不足であり、常に売り手市場の業界だ。特に現在は新型コロナウイルス(COVID-19)の影響もあり、この傾向が顕著である。

このような業界ならば、たとえ4月や10月を逃しても、採用の可能性は十分にある。一般的に求人情報が経るといわれている11月であっても変わらず求人情報が出ていることも多いので、このような売り手市場の業界に入りたいのであれば転職時期に関してはそれほど神経質にならなくてもよいだろう。

また、これはどの業界にでも言えることだが、突発的に高待遇の条件で求人情報が出されることもある。

今まで働いていた人が急に退職・休職してしまった場合などは、6月や7月、11月、年の瀬も迫った12月などにも募集がかけられることもあるのだ。これらを狙い撃ちすることはなかなか難しいが、どうしても入りたい業界・会社があるのであれば、根気よく求人情報にあたるようにするとよいだろう。

4月でも10月でも11月でも~転職にはプロの手を借りよう

「ほかの競争相手が多くいることは知っているが、4月や10月に転職したい」「求人情報が少なくなる11月に、今の職場よりも待遇の良い職場に移りたい」と考えているのであれば、キャリアコンサルタントやエージェントに相談するとよいだろう。

彼らは競争率・倍率の高い求人情報を取り扱うことになれているし、求人情報が少ないなかでもより良い転職先を見つけるためのスキルも持っている。彼らの力を借りて転職活動を行うことで、より効率よく、より迅速に、より待遇の良い転職先情報を得られるようになるはずだ。

この記事を書いた人

アドバイザーナビ株式会社。野村證券出身者が2019年に創業した会社で、金融に特化した転職エージェント業務を行なっている。『金融機関勤務者が転職に使いたいサービスNo.1(日本マーケティングリサーチ機構2020年3月調査)』を獲得している。

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