金融業界の営業で、職場の環境が好きじゃない人や今の給与に満足していない人、単純作業が多く飽き飽きしている人も少なくない。金融業界では無形商材を扱う法人営業も経験することから、転職市場ではかなり有利に転職ができるため、転職を希望する人も多い。
今回の記事では、転職を考えている人に向けておすすめの転職先を紹介する。
また、金融業界から転職する人の理由や強みについても併せて取り上げていく。
新入社員の離職率は高い?その理由は?
金融業界は新卒市場では人気の職種だ。給与や福利厚生も他業界と比べると高い傾向にある。そのため、メガバンクや大手証券会社は競争率が高い。
厚生労働省の「雇用動向調査(2020)」(2022年11月調査)によると、金融・保険業の離職率は7.7%と他業種と比べても低いことがわかる。しかし、金融業界の中でも特に銀行や保険会社では新入社員の離職率が非常に高い。明確な数字は出ていないが、入社3年で30%、5年で50%の離職率があると言われている。
なぜ新入社員の退職率が高いのかその理由を紹介していく。
ノルマが厳しい
ノルマが厳しくて有名なのが金融業界だ。証券や銀行の営業員でノルマに頭を悩ませることも多い。銀行クレジットカードの発行や投資信託、保険の販売本数や販売額で支店や個人単位でノルマが課せられる。
「12月は100件のクレジットカードの契約」
「新発商品を〇〇万円販売」
このようなノルマが毎月のように課せられるのが嫌で転職する人も多い。営業ノルマの達成度で評価が決まる割合も大きいため、契約が取れない人は昇給や昇進が思うようにいかなかったり、毎月の精神的な負担により辞めてしまうのだ。
勉強することが多い
金融業界は出世競争がかなり過酷な業界。そのため、常に勉強し続けなければならない。取らなければならない資格や新しい金融商品の勉強などが欠かせない。
土日でも勉強に追われ、ワークライフバランスがうまく釣り合わず辞めてしまう人もいる。
将来に不安がある
AIやIoTの導入により金融業界にも変革の波が訪れている。特に銀行では年々支店の数や窓口行員の数が減少しており、将来に不安がある人が多い。
オックスフォード大学のオズボーン教授によって書かれた論文「雇用の未来:仕事はコンピュータ化の影響を受けやすい?(和訳)」(2022年11月調査)では、10年以内に無くなる仕事として「銀行員」を挙げている。この論文は日本でも話題になり、週刊誌やネットニュースで多く取り上げられた。
このような記事を読み、将来への不安を感じている人は多い。かつては安定職の花形だった銀行だが、10年後はどうなっているかはわからない。
金融業界の営業経験者の強みとは?
金融業界で過ごした営業経験者は、自身の強みをしっかり把握しておくことが大切だ。面接官のほとんどは、前職で何をやっていたかを重要視するため、自分自身のアピールポイントを前職の経験と踏まえて伝えると効果的だ。
営業経験者の強みを紹介していくので参考にしてみて欲しい。
法人営業の経験
法人営業の経験はどの職種においても高く評価される。提案の際には具体的な根拠や数字をもとに顧客に提示しなければならないため、高いプレゼン力や営業力が必要だ。
大きい金額や大手会社相手の営業実績があれば積極的にアピールしておいて損はない。
- 無形商材の販売経験も強みに
金融業界で扱う商品の多くは、「無形商材」と呼ばれるものだ。無形商材とは、実際に形がない商品のことで、保険や金融商品の他にサービス、人材派遣などが該当する。
無形商材の販売経験も強みになる。無形商材は目に見えない商品のため、商品の魅力をしっかりとアピールできなければ売ることができない。
また、無形商材は販売後も継続してサービスを行う商品が多く、継続的な関係性を築く必要がある。顧客の要望を聞く傾聴力と高い提案力が無形商材の販売に必須なため、販売経験がある人材は転職市場で人気が高いのだ。
ポテンシャルの高さ
金融業界に入るためにはほとんどの場合で高い学歴が必要になってくる。国立や私大のものがほとんどのため、ポテンシャルが高い人が多いが、20代では経験も浅く具体的な成果を出すことは難しい。
そのため、第二新卒や20代で転職をする場合、ポテンシャルの高さで採用されることも多い。
金融業界の営業におすすめの転職先
金融業界の営業におすすめの転職先を紹介していく。市場評価の高い金融業界の営業は様々な転職先を選ぶことができる。
しかし、転職する人の多くは同じ金融業界にいく人が多い。給与が高いことや今まで学んできたことを無駄にしたくない、キャリアアップのための転職などが多い理由として挙げられる。
特に金融業界では、キャリアアップのために転職する人が多い職種だ。会社によって給与や待遇が大きく異なるため、転職によって得られるメリットは大きい。
同業他社
同じ金融業界において同業他社に転職することは多く、証券会社や保険会社では特に多い。自分の経験やスキル、資格がそのまま活かせる。
給与や待遇に不満はないが、上司が嫌だったり職場環境を変えたい場合にはおすすめ。実績や会社によって待遇の差が出るため、給与は上がる場合も下がる場合どちらもあり得る。
保険会社
保険会社への転職は、自分の営業力を試したい人におすすめ。保険会社はインセンティブ制の会社がほとんどだ。そのため、営業力が高く、実績をあげれば人は年収1000万円を超えることも可能だ。
一方で、保険会社のノルマを達成できないと年収が300万円を切ることもあるため注意が必要である。ハイリスクではあるが、やりがいも大きいので、努力して年収を多く貰いたい人向けだ。
外資系企業
金融業界の大きなキャリアアップが外資系企業への転職だ。外資系企業は給与が日系企業と比べると非常に高く、実力至上主義である。仕事の多くは個人単位で降ってくるため、自分の仕事に対し大きな責任を伴う。個人主義なため、仕事の評価が適切に下されやすい。
入社自体もハードルが高く、基本的に即戦力を求められるため、外資系の金融会社へいく場合は金融業界からの転職が必須だ。その上、英語力も求められるため転職には相当の準備が必要。
金融業界以外
金融業界以外で活躍できる場所は、「無形商材」を取り扱う会社だ。先ほども少し紹介したが、金融業界意外で無形商材を扱う業界は、人材系・システム系・コンサル系・広告代理店などがある。
営業であれば金融業界の知識を使うことは少ないかもしれないが、無形商材を販売してきた能力は活かせるのでおすすめだ。
今の環境を変えるために転職はあり!
現状に不満を持って仕事をしている人は転職をしてみるのがおすすめ。同業他社で働けるケースも多く、キャリアアップとして外資系金融業界へ行くことも可能だ。
年齢を重ねていくうちに転職はどんどん難しくなってくるため、悩んでいたらまずは転職サイトへの登録や転職エージェントに相談してみては。