金融業界で働く40代の転職はありなのか？

2022年12月13日

金融業界で働く40代は、働き盛りであり重要なポジションについている人も少なくない。しかし、周りの環境や給与に不満を持っていて転職を考えている人もいるのではないだろうか。

今回の記事では、40代の転職はそもそもできるのか、転職の際のポイント、転職後に待ち構えている問題と併せて紹介していく。

40代で金融業界からの転職はできる？

転職自体に当然年齢制限はないため、当然転職は可能である。しかし、20代や30代と比べると転職のハードルが高いのも理解しておかなければならない。

また、金融業界から金融業界への転職と、他業界への転職ではかなり訳が違うためそれぞれ説明していく。

転職市場で求められるのは「専門性」や「経験」、「実績」だ。そのため、これらのいずれかを有している場合転職自体は難しくない。専門性や経験を頼りに、即戦力としてすぐ結果が出せる人材や、自分に顧客がついており、転職後も継続して関係を持ってくれることが評価されるポイントである。

反対に、即戦力にならなそうな人材、実績がない人材は転職するのは難しい。当然だが、企業側からすれば同じ時間をかけて人材育成をするのであれば今後バリバリ働く20代を採用する。40代での採用においては「将来性」ではなく、「即戦力」になるかが全ての鍵となる。

金融業界から他業界への転職は難しいといえる。当然高い専門性を有していればその限りではない。金融業界から性質が似ている保険業界や、金融専門のエージェントなどは十分に採用される可能性が高い。

例えば建築業やサービス業といった全く畑が違う分野で採用されることは非常に少ない。また、採用されたとしても年収が大幅に下がる事がほとんどのため、よほどの信念がない限りはおすすめしない。

40代の転職では、しっかりと自分の市場価値や転職の仕方を理解しておく必要がある。転職する際に重要なポイントを3つ紹介していく。

40代の転職にはリスクがあることを理解し、今まで築いてきたキャリアや実績を本当に手放す覚悟があるのかを確認しよう。面接の際にも今までのキャリアや実績を手放してまで入りたい理由を聞かれる事が多いため、転職理由を明確にすることが転職への第一歩だ。

自分の市場価値を確認することも必要だ。20代や30代のようにやる気だけのアピールではまず受からない。自分のキャリアや実績をどう売り込めるかが重要。市場価値をしっかりと理解した上で転職活動を行うと、結果もついてくる。

自分が入りたい会社がどのような人材を欲していて、それに対し自分はどのように貢献できるかを言語化しておこう。

40代を採用する会社が期待しているの1つは即戦力であるということ。仕事についてすぐ結果を出す人材を求めているのだ。そのため、面接の際には自分が入社したらどのように即戦力になるかをアピールをすることが必要。

期待されることの2つ目がマネジメント力だ。40代になってくると、部下を持つ事が多い。そのため、部下をどう育てていくかというマネジメント力も必要になってくる。これまでの部下の実績やそれにどう関わってきたなどを具体的な例と共に示すことも良いアピールになる。

通常の転職サイトでも40代の求人募集はあるが、おすすめは転職エージェントを利用することである。通常の転職サイトでは、「20~40代募集」と書かれていても20代が採用のメインであったり、実際に応募してみたら年収や待遇が全然違うことも少なくない。

しかし、転職エージェントであれば自分の希望とキャリアや実績と併せて担当が求人を持ってきてくれるため、ミスマッチが少なくなる。40代のキャリアアップにはハイクラス向けのエージェントがあり、非公開求人も多いことからエージェントの利用を強くおすすめする。

40代での転職はそう何度もできるものではない。数ヶ月おきに会社を転々としている20代は多いため、そこまで気にされない。しかし、40代で転職を繰り返している人は良い印象は持たれないので注意が必要。

40代が転職後に待ち構える大きな悩みとして、年収や待遇への不満が最も挙げられる。「問題がなければ1年で部長職へ昇進させる」といって年収や待遇が上がらないケースもある。

また、業務内容が聞いていた内容と違うといったことも多く起こるので、入社の前にはしっかりと確認しておくことが必要だ。

40代で入社できた理由は即戦力というものが大きい。

しかし、チャレンジする仕事は回ってこない可能性もある。仕事を通して成長することは誰にでも経験があるのではないだろうか。その「成長する仕事」を任せるのは40代よりも20代や30代の若手に回るケースが多い。そのため、思い通りの仕事ができない可能性も視野に入れておかなければならないのだ。

40代の転職は必ずといって良いほど一度は壁にぶつかる。それが年収や経験、環境、仕事なのかは人それぞれだが覚悟は必要だ。

今の環境を変えたいと思っている人は強いメンタルが必要になる。最後に転職して良かったと思うためには事前の準備と、転職後に待ち受けることを想定しておくことが大切だ。

40代の転職でも、40代前半と後半では大きく市場価値は変わってくる。そのため、後悔のない転職をするためにはしっかりと自分を見つめ直すことも大切だが、早めに行動することも重要。

まずは転職相談をエージェントにしてみて、自分の市場価値を知るだけでも転職のするかどうかの基準になる。何もしないよりもまずは一歩動き出してみよう。

アドバイザーナビ株式会社。野村證券出身者が2019年に創業した会社で、金融に特化した転職エージェント業務を行なっている。『金融機関勤務者が転職に使いたいサービスNo.1（日本マーケティングリサーチ機構2020年3月調査）』を獲得している。