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金融業界から経理への転職は可能?

金融業界は、給与が他業界と比べ高い水準である一方で、もう一方では過酷な出世競争やノルマが過酷だ。そのことで転職を考えている人もいるのではないだろうか。今回は金融業界から経理への転職について紹介していく。

また、金融業界で働いていた人の市場価値や、経理の仕事内容、転職するときの注意点なども解説する。

目次

金融業界の転職市場での価値は高い

金融業界は転職市場での価値は高く、他業界への転職も可能だ。金融業界は高学歴が多く、学習力に長けていることからどの業界でも人気だ。また、金融業界で経験していたことが他の業界でも活かしやすいことも市場価値が高い理由の一つだ。他業界でも評価されやすいポイントを紹介していく。

高い営業力

金融業界では、法人営業が盛んであることから高い営業力を持った人が多い。更に、金融商品を販売することも転職に有利なことの一つだ。金融商品は「無形商材」と呼ばれる形のない商品であり、商品を売るのは非常に難しく、高い営業力が必要。

また、金融商品は売って終わりではなく、顧客と数年数十年付き合っていく事が多いため、信頼関係の構築も欠かせない。

数字に強い

言うまでもなく、金融関係で働いている人間は数字に強い。

例えば、損益計算書(P/L)や貸借対照表(B/S)といった財務諸表を読める人は多い。こういった数字に強いと、色々な業界で評価をされやすい。経理を志望するのであれば、転職の際にかなり有利に働くので積極的にアピールすることがおすすめ。

ノルマに耐えられる精神力

会社や部署によるところが大きいが、金融業界は多忙でありノルマも多いことで知られている。ノルマがキツくて転職する人も多い。一見マイナスな面に見えるかもしれないが、採用する会社によってはノルマに耐えられる精神力や、長時間残業することができる忍耐力があると評価されることもある。

「ノルマがキツくて辞めました」というマイナスなイメージを強調しすぎないようにすれば面接でも上手くいく事が多い。

経理の仕事内容とは

経理の業務内容について紹介していく。金融業界と経理では同じ「お金の管理をする」事がメインではあるが、業務内容は違ってくる事が多い。大きく分けて3つあるので紹介していく。

日次業務

  • 領収書精算
  • 現預金管理
  • 帳簿への記帳、入力

日時業務は主にこの3つ。営業などが出張にかかった費用の精算や取引先との打ち合わせでかかった飲食代など立て替えた分の支払いを行うのが「領収書精算」。通帳や現金の残高を見ながら、誤差が出ないよう入出金のチェックを行うのが「現預金管理」そして、これらを帳簿へ記帳したり、会計ソフトへ打ち込むのが「帳簿への記帳」の業務だ。

月次業務

  • 給与計算
  • 請求書の作成、支払い
  • 月次決算

月次業務として行われるのはこの3つ。月末から〜月初にかけて毎月行われるため、25日〜5日あたりは毎月忙しくなるのが経理の特徴だ。月次では、月次決算が一番重要な業務。その月の仕入れと売上を計算し、会社全体でその月の業績を把握するために出すもの。貸借対照表と損益計算書を作成し、月次決算に落とし込み、年次決算の基とする作業だ。

年次業務

  • 決算書類作成

年次業務の代表的な仕事は、決算書類の作成だ。1年でどのくらいの売上があり、どのくらいの利益を上げたかを株主に報告するための書類だ。決算は年に1回であり、その月は会社によって異なるが多くは3月が決算期としている。

また、決算日から2ヶ月以内に国に決算報告書を提出しなければならないため3月終わって準備したのでは間に合わない。大体12月から準備を始め、提出が完了する5月頃までは経理の繁忙期となる。特に12月末には賞与支給や年末調整も入るため、決算準備もあるため、忙しくなることが多い。

金融業界から経理への転職の注意点

経理は現在売り手市場と言われており、金融業界からの転職は比較的しやすい。しかし、注意すべき点も存在するので紹介していく。

給与が落ちる

金融業界は給与水準が高く、平均年収が約440万円で平均から見ても高い傾向にある。更に、大手メガバンクでは30代では年収800万円や1,000万円を超える人も珍しくないため、平均給与以上にもらう人も多い。

しかし、求人ボックス「給与ナビ」(2022年11月調査)によると、経理の年収平均は約413万円と金融業界と比べると27万円ほど低いため、転職後は給与が落ちる可能性もある。

労働時間が長くなる

経理には繁忙期がありその時間は特に残業が増えることが多い。前の章でも紹介した決算期周辺の12月ごろ〜5月ごろが繁忙期だ。その中でも12月末と3月末〜4月ごろが最も忙しいため残業がかなり増える。

平常時であれば残業は少ないが、決算期ではほとんどの会社で残業が必要になるため注意が必要。月によっては、金融業界にいた頃より労働時間が増えることもある。

仕事の評価がされにくい

経理の仕事は、「間違えがなくて当たり前」という世界だ。現預金の管理などでは、1円のズレも基本的には許されない。また、会社の売り上げに直接貢献するものでもないため、仕事の評価がなかなかされにくいのが難点だ。

「早く成果をあげたい」人や「給与を今すぐあげたい」という人には不向きな職種だ。

他部署から嫌われやすい

また、経理部は他部署から嫌われやすいという特徴もある。経理では、他部署が使った領収書等を精査して、いつどこで何に使ったのか詳しく聞かなければならない。飲食店1枚の領収書でも相手や状況に応じて勘定科目が違うため確認をしなければならない。また、私的な領収書がないかを確認する意味もある。

こういうやりとりを頻繁に行う必要があるため、経理は営業部や他の部署から嫌われやすいのだ。経理にとっては必要なことでも、営業部からしてみればなぜこんなことを聞く必要があるのかと疑問に思う人も多いかもしれない。

金融業界からの転職には選択肢が多い!

金融業界からの転職は選択肢が多く、同じ金融業界でも他の業界でもいく事ができるため転職の選択肢は多くある。今回紹介した経理に転職することも可能だろう。経理は人手が足りていない会社も多く、転職難易度は低い。

転職は若いうちが有利なので、少しでも転職が気になっている人はまずは行動してみることがおすすめだ。

この記事を書いた人

アドバイザーナビ株式会社。野村證券出身者が2019年に創業した会社で、金融に特化した転職エージェント業務を行なっている。『金融機関勤務者が転職に使いたいサービスNo.1(日本マーケティングリサーチ機構2020年3月調査)』を獲得している。

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