転職活動とは、周りにバレないまま着実に虎視眈々と進めることが鉄則だ。しかし、ふとしたことで周りにバレてしまうことがある。結局のところ、転職活動をしていることがバレたらマズいのか。
結論から言うと、取り返しがつかないほどというわけではない。なぜなら、転職は個人の自由であり、誰も口を出す権利は持ち合わせていないからだ。
しかし、未だに個の尊重よりも組織の協調を重んじる風潮があることは確かな事実であると言えるだろう。そこで本記事では、バレる要因と対策について解説しよう。
バレたら評価は下がる
前述した通り、会社にバレたらあなたの評価は下がるだろう。しかし、ひとえに評価が下がると言っても、減給・降格等の明らかな不利益に繋がるような評価が下されるわけではない。
周りから、『転職活動中らしいよ』『近々辞める計画らしいよ』という目で見られ、先輩上司から面談の場を打診されたり、仕事が振られなくなる等の変化が生じる可能性は高い。
実際、退職をしたくて転職活動をするのが事実である以上、深刻な評価ダウンとして捉える必要はない。ちょっと働きにくくなる、と認識しておけば問題ないだろう。
転職活動中なのがバレる原因
前半では、転職活動をしていることが現職にバレても大きな問題ではないと結論付けたが、とはいえ、退職日まで気まずい思いはなるべくしたくないというのも自然な気持ちだろう。
そこで、このセクションでは転職活動がバレる原因について詳しく解説しよう。
社内のパソコンで転職活動を行う
まず、よくあるケースがこのパターンだ。仕事の延長線で、ついつい社内のパソコンで転職サイトへの登録や転職アドバイザーへの連絡等の転職活動のアレコレを行ってしまいがちだ。
絶対NGとは言わないが、できればプライベート用のパソコン、スマホやタブレットを使用することをおすすめする。中には、社内パソコンにいつ誰が何を閲覧したのかを追跡するセキュリティ対策を設けている会社もあるためだ。
また、たとえセキュリティ対策を設けていなくても、パソコン画面を誰かに覗き見されたり、あなたのレジュメを印刷した時にうっかりバレる可能性もある。万が一のリスクヘッジのためにも、会社のパソコンは使用しないことをおすすめしたい。
親しい同僚につい口を滑らしてしまう
次にありがちなケースは、親しい同僚に飲みの場等でついうっかり話してしまうパターンだ。親しい同僚に対しては、身の丈話もついくだけて話してしまいがちなのは誰もが頷けることだろう。
だからこそ、正式に会社へ退職の意を伝え、承認されるまでの期間では親しい同僚にも話さない方がベターだ。会社への不平不満話に発展してしまい、どこかでよからぬ伝わり方で広まってしまう可能性もゼロではないからだ。
人の口に戸は建てられぬという言葉があるように、たとえ親しい同僚でも転職に関する話は控えておくことが大人のマナーと言えるだろう。
転職活動モードの服装に疑問を持たれる
続いて、いかにも転職活動中です!というようなビシッとした服装で出勤した場合も、「こいつ、転職活動中なんじゃないか・・・?」と疑われる可能性がある。
普段、カジュアルな服装で出勤している人の場合は、尚のこと疑われやすいだろう。ひと手間かかってしまうが、あまりにも普段の仕事着と転職活動時の服装が異なる場合は、企業の選考を受けるために外出する直前に着替えられるよう、2パターンのスーツを準備しておくと安心だろう。
転職サイトのブロック機能を活用していない
続いて、意外と抜け落ちがちなバレる要因として、「転職サイトのブロック機能を活用していない」パターンが挙げられる。
あまり知られていないが、転職サイトには自分の職務経歴書・レジュメを見られたくない企業をあらかじめ登録・ブロックすることができる機能が存在する。ほとんどの転職サイトでは企業ブロック機能が搭載されているため、サイトへ登録した段階で、必ず現職の企業を登録しておくことをおすすめする。
一点、ブロック機能を使用することができるのは、企業側が転職サイトを利用したことがある場合のみだ。その点だけ注意した上で、活用するサイトを選定することがベストだ。
明らかにやる気がないような態度を取ってしまう
次に、かなり目に見えて分かりやすいのがやる気がないような態度を取ってしまうパターンだ。筆者も何度も目にしたことがあるが、晴れて退職が決まったと思ったら、誰が見ても明らかのように仕事へのやる気がゼロになる人が一定数いる。
極端な話、退職が決まっている以上、やる気を出す必要はないが、明らかに周りから悟られるくらいやる気がなくなってしまうのは、周りのモチベーション的にもやや問題と言えるだろう。
そのため、たとえようやく退職が決まって気持ちが軽くなってやる気を出す必要がなくなったとしても、顔色をなるべく変えずに仕事を淡々とこなすことが転職活動におけるマナーの一つだ。
会社に悟られないためのコツ5選
続いて、会社に悟られないためのコツについて5パターン紹介しよう。
親しい同僚との飲み会で羽目を外さない
既に前述したが、たとえ親しい同僚との飲み会が楽しくても、転職活動中であることをカミングアウトすることはNGだ。既に退職の意を会社に伝え、正式に確定したのであればOKだが、まだ未確定の状況でカミングアウトすることは避けておいた方が良い。
信頼できる親しい同僚に話したにもかかわらず、どこからか話が漏れ、気まずい思いをする羽目になるのはあなただ。転職活動は虎視眈々と行う、というのが鉄則であると頭に入れておこう。
転職サイトのブロック機能を必ず使用する
転職サイトを活用する際、必ず現職場があなたのレジュメを閲覧できないようにブロック機能を活用しよう。注意点は前述したが、現職がサイトを過去に利用していなければブロック機能を活用することは不可能だ。
そのような前提も含めて、できれば現職が過去に掲載したことのある転職サイトをネットで調べ、過去に掲載実績のある転職サイトを利用することをおすすめする。ブロック機能の存在自体を知らない方も少なくないが、ブロック機能を使わない意味はほぼないため、必ず取り入れてほしい身バレ対策だ。
できる限り、普段通りのスタンスで過ごす
たとえ転職活動に意識が向いて現職でのやる気がなくても、極力普段通りのスタンスで過ごすことを心がけてほしい。自分が思った以上に、本心というのは小さな振る舞いや表情に表れやすい。
極端に発言や行動が変わったな、と思われると転職活動の実施を悟られる可能性が上がるため、できる限りいつも通りの自分でいることを意識してほしい。
転職活動用のスーツは退社した後に着替える
既に前述しているが、転職活動用のスーツは退社した後に着替えることも一つの手だ。会社に持っていくとかさばり荷物になる場合もあるため、邪魔だなと思う人は駅周辺のコインロッカーを使うのも一つの手だ。
(金額が意外とかさむため要検討だが)普段からパリッとしたスーツスタイルを主としている場合は、たとえ転職活動用のスーツを着用していてもそこまで疑問に持たれない可能性もあるため、あくまで普段の服装とのギャップが大きいと感じる人のみ、検討してみてほしい対策だ。
スケジューリングを予め行い、急な有給取得は避ける
普段から営業時間中に外出することが難しい職種の場合は、どうしても面接等でスケジュールを空ける必要がある。急な有給取得は、「どうしたんだろう?」と周りから思われる可能性が上がるため、できる限り、余裕をもったスケジューリングを心がけることを推奨したい。
補足で、有給取得を行う日は突発的な連絡が現職から来ないように、早めにスケジュールを決めた上で、「この日は有給を取得します」と一言断っておくと、あなたも周りにも過ごしやすくなるだろう。
まとめ
転職活動がバレる要因と対策について詳しく解説した。バレないようにするためのポイントは、周りからの見え方を意識した立ち振る舞いを行うことに尽きる。
これは、面接を通過するためには面接官からの見え方を意識することに通ずるだろう。スマートに虎視眈々と、その三原則を意識することで転職を有利に進めることができるだろう。