転職活動において、準備すべき要素はたくさんある。志望動機、自己アピール、自己紹介etc・・・どれも、優劣をつけられないほど重要な要素ではあるが、その中でも「キャリアプラン」は重要な要素の一つだ。
本記事のタイトルに掲げている問いに回答するのであれば、「マスト事項」である。では、なぜキャリアプランは重要な要素なのか。いまいちピンと来ない人も少なくないだろう。キャリアプランの重要性がイマイチしっくり来ない方にもお分かりいただけるように、「なぜキャリアプランは重要なのか」「キャリアプランを立てるメリットは具体的にどのようなものか」「どのようにキャリアプランを描いていくべきなのか」を一つひとつ紐解いていきたいと思う。
本記事を読めば、「キャリアプラン」の重要性に対する疑問は解消されるはずだ。さっそく、様々な方向から解説したいと思う。
基本的なポイントの解説
まずは、「キャリアプランとは具体的に何を指すのか?」という基本的な概要について詳しく解説しよう。概要を全く知らない人、ざっくりと知っているけど細かいところまでは分からない人、いずれもぜひ目を通しておいてほしい。
キャリアプランとは
一言で言うと、あなた自身の将来の目標を達成するためのロードマップだ。「将来、どんな成果を上げたいのか」という仕事に関連する部分だけでなく、結婚・出産等のライフプランも含めた計画である。
将来、どのような働き方・生活を送る自分で在りたいのか。最終的な目標を明確にし、逆算した上で今後どのようなキャリアを積んでいくべきなのかが明らかとなった具体的な行動指針である。
キャリアプランの例
目標:30歳で営業部の部長になる
現在:23歳(新卒1年目)
~大目標から逆算した短スパンでの目標~
25歳:営業プレイヤーとしてMVPを受賞
26際:主任へ昇進、営業スキル・マネージメントスキルを培う
28歳:課長職へ昇進、組織構築・マネージメントスキルを培う
30歳:部長職へ昇進
このように、現在の着地地点と最終目標が明らかとなっていれば、目標達成までに必要なプロセスを細分化しやすいことがお分かりいただけただろうか。
いわば、キャリアプランとはあなた自身が歩む道のりそのものであり、具体的であればあるほど、具体的行動に落とし込みやすく、今現在は「計画通り歩めているか?それとも遅れを取っているのか?」を振り返りしやすいと言える。
なぜキャリアプランは重要なのか
その理由は、シンプルに「キャリアプランがないまま、将来の目標を達成することは難しいから」だ。キャリアプランを立てることで、目標の輪郭がハッキリするだけではなく、目標に到達するために必要な行動、スキル、環境等を一つひとつ洗い出しやすくなる。
「何をすべきか」が分かれば半分はクリアしたも同然、あとはひたすら行動するのみ、という状況にステップアップできるのだ。つまり、キャリアプランは将来の目標を明らかとすると同時に、あなたが歩むべき道であり、あなた自身の背中を押す心強い存在なのだ。
今の時代を生き抜く上で必要なマップ
数年前まで、国内では終身雇用・年功序列等を始めとする、仕事に対する独自の価値観が浸透していた。しかし昨今は「働き方改革」を一例として、転職の推進・ジョブ型雇用の導入・複業の推奨等、働き方の価値観が大きく変わってきている。
これまでは、一企業の中で階段を一つひとつ踏んでキャリアを積んでいく考えが「当たり前」だったが、現在はこれまでの「当たり前」も崩壊しつつある。変化が目まぐるしい時代を生き抜くためには、様々な環境下に置かれても生き抜くための柔軟性―『個』の力が必要とされているのだ。
そのような前提で、あなたが歩むためのロードマップであり、「キャリアプラン」の重要性は非常に高いと言える。
キャリアプランを作成するメリット
前半では、キャリアプランの概要と必要性の高さについて解説した。次はもう少し深掘りし、キャリアプランを作成する具体的なメリットについて詳しく解説しよう。
具体的に必要な行動が分かる
今現在、あなたがすべき行動を明確化できる点が一つ目のメリットだ。「何をすべきか」が決まっていれば、あとはひたすら行動あるのみ、非常に迷いなき状態でいられる。
ショートゴールだけではなく、将来的な目標がしっかりと決まっていれば、そこから逆算して必要な行動が固まってくるため、目標達成のために確実に行動することができるのだ。
仕事に対するモチベーションが上がる
目指すべき目標もないまま淡々と仕事をするだけでは、どうしても仕事に対するモチベーションが下がってしまうだろう。しかし、キャリアプランのようにハッキリした目標があれば、「目指すべきものがあり、そのために日々働いている」という気持ちが生まれ、モチベーションを高く持って仕事に取り組むことができる。
仕事にやりがいを感じられれば、仕事のみならずプライベートにもハリが出て、人生全体に潤いがあると感じられるだろう。
スキルアップによって、周囲の評価も上がる
「何をいつまでにすべきか」が記されたキャリアプランに則って行動すれば、シンプルにあなた自身のスキルを高めることができる。また、仕事に対する打ち込み方も変わり、必然的にあなた自身のスキルが向上するだろう。
結果的に、周囲からの評価も上がり、仕事の成果へ繋げることができる。スキルアップに伴って周囲からの評価が上がれば、あなたの意見も通りやすくなり、キャリアプランも順調に遂行できていると実感することができるだろう。
キャリアプラン作成時のポイント
これまでの解説で、より良い人生を送るためにキャリアプランがいかに大切かをお分かりいただけただろうか。次に、いざキャリアプランを作成する際に押さえておきたいポイントについて詳しく解説しよう。
キャリアプランの根拠を深掘りする
本記事でも何度も解説しているように、キャリアプランはいかに「明確」であるか否かが、目標達成度を大きく左右する。そのため、キャリアプランはとにかく具体的に書き出していくことがマストだ。
さらに、キャリアプランは書き出して「ハイ終わり」ではない。書き出したキャリアプランのうち、「なぜそう思うのか」という根拠まで書き出すことが重要だ。描いたキャリアプランに対するあなた自身の思案を言葉として書き出すことで、考えが整理され、キャリアプランに対する腹落ち度が上がる。
キャリアプランをしっかり着実に歩んでいくために、「ここまでは少しやり過ぎかな?」と思うくらいまで細分化することがポイントだ。
今現在の自分の立ち位置を掘り下げる
キャリアプランは、将来的に目指すべき理想像のあなただ。そのため、今現在の自分自身と大きくかけ離れていても構わない。重要なのは、目標までどれだけ離れているのかを知るために、今現在の立ち位置を正しく認識することだ。
今の自分には何ができるのか、足りないスキルは何なのかが明らかとなれば、スキルを磨くために必要となる行動を取りやすくなるだろう。目標達成のために行動を重ねる努力は絶対に必要だが、努力の方向性が誤ってしまうのは本末転倒だ。
正しい努力を重ねるために、まずは今現在の立ち位置を正しく知るところから始めよう。
周りへ発信して『有言実行』に徹する
立てたキャリアプランを達成するために、「周りへアウトプットする」という手をぜひ使ってほしい。周りへ発信することに抵抗がある人もいるかもしれないが、人間は不思議なもので、「これやります!」と周りに発信することで、目標達成にむけて邁進しやすくなる。
「言った手前、やらないという選択肢はない」という自分を追い込む考えである。また、発信することで周囲からそれに見合った仕事が舞い込むようになり、効率的にスキルを磨くことが可能となる。
まとめ
転職においてキャリアプランが必要な理由、計画を立てる際のポイント等について詳しく解説した。目指すべき目標がない状態では、仕事に対するモチベーションも下がってしまい、日々の自己成長を実感することができないだろう。
キャリアプランを具体的に立てることで、将来の目標や日々やるべきことが明確となり、人生そのものをより良い方向へ向かわせることが可能だ。
一度、キャリアプランをしっかり立てて行動するという実績をつくることで、あなたの中に新たな自信が生まれるだろう。本記事を参考に自らの理想をしっかりと具体化させ、あなた自身が進むレールを敷いてみてほしい。