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「とりあえず一年は頑張ってみてよ」最低1年間は我慢した方が良い?徹底解説!

晴れて就職先が決まり、ようやく迎えた入社日。理想を胸に入社したはいいものの、どこか心の中に残るモヤモヤ。一旦スルーしたはいいものの、日が経てば経つほど、日に日に積もる「こんな筈じゃなかった」という気持ち。どのような物事においても、不満は一度積もり始めるとそう簡単には払拭できないもの。

特に、仕事とは人間関係、職場環境、勤務条件、仕事内容、クライアント等と様々な要素が複雑に絡み合っているため、どこか綻びを感じ始めたが最後、不満を完全に払拭することは難しい。しかし、なかなか前へ進みにくい風潮が実際にはある。

「石の上にも三年」という諺が存在するように、特に日本では仕事を辞めること自体に対して、ネガティブな印象を持たれる傾向が強い。そのような前提の下、「とりあえず一年は頑張ってみよう」と思う人も一定数いるだろう。しかし、一年とは時間で換算すると8760時間という膨大な時間だ。

その貴重な時間をモヤモヤしたまま過ごすのは、実際のところどうなのだろうか。もし無駄になってしまったら、後悔しないのだろうか。本記事では、「とりあえず一年は頑張ろう」と考えることのメリット、デメリット等について詳しく解説していこう。

目次

「とりあえず一年頑張る」はおすすめできない

さっそく結論から言うと、「とりあえず一年間頑張る」という選択肢は選ばないことをおすすめする。なぜなら、今や「転職が当たり前」の時代であり、モヤモヤを感じながら一つの会社に無理にしがみつく必要性はないからである。

現在、会社勤めをしている多くの社会人の方は、「石の上にも三年いれば暖まる」等の言葉を聞いたことがあるだろう。言葉を分かりやすく噛み砕くと、物事をある程度習得できるようになるには3年ほど時間がかかる。つまり、仕事においても最低3年間は頑張った方が良いという言葉だ。

しかし、「新規学卒就職者の離職状況」の調査では、大学卒業者のうち一年以内に退職した人は全体の11.9%、短大卒業者では18.1%を占めている。つまり、およそ7人中1人が1年以内に退職している、ということだ。

このような市場間において、無理に一つの会社にしがみつくことはあまりおすすめできない。長く務めることであなたに何らかの学び、成長が生まれるかもしれないが、それも保証はできない話であり、その分だけあなたにストレスがかかるのであれば、さっさと次の新しい道を探してしまうことをおすすめしたい。

補足として、「石の上にも三年いれば暖まる」という言葉には、早く仕事を辞めたことが履歴書に残る=次のステップへ進む上で不利になる可能性が高い、という意味も隠されている。

実際、1年未満に退職した経歴を面接官から指摘されることは確かな事実だろう。しかし、たとえ早期退職の経歴があったとしても、若手層を積極的に採用したいと考える企業は多いため、致命的なネックにはならない。その前提の下、「とりあえず一年」はおすすめすることができないと結論付けたい。

「とりあえず一年頑張ること」のメリット

前半では、「とりあえず一年頑張ること」をおすすめできないと結論付けた。実際には、「とりあえず一年頑張ること」で享受できるメリットが存在する。それぞれ詳しく見ていこう。

仕事を一通り覚えることができる

まず、1年間仕事を続けることで、仕事を一通り覚えることができる点がメリットだ。1年未満でも仕事を一通り覚えることができる場合もあるかもしれないが、もう1年頑張ることで、最初の期間に覚えた基礎的なスキルに加えて、応用的なスキルを身につけられる場合もある。

また、1年以上続けることで、徐々に仕事の全体像や楽しさ、やりがいが分かるようになるだろう。そのため、始めは「この仕事は合わないな」と感じていたとしても、仕事をこなしていくうちに、「この仕事、思ったよりも楽しいな」という新たな発見ができる場合もある。

たとえ仕事が合わなかったとしても、「一通りの仕事をこなしたい」という確かな自信があなたの心の中に生まれ、今後に活かすことができるだろう。

履歴書に早期退職の傷がつかない

履歴書に、「早期退職した」という傷がつけなくて済むという点もメリットだ。企業側は、人材を採用するために数十万~数百万、場合によってはそれ以上の莫大な採用コストをかけている。

そのため、せっかく採用した人材がすぐ辞めてしまったら、採用コストが無駄になるため困るというのが本音である。そのため、もし3ヶ月~半年と短スパンの離職経験がある求職者、1年間以上働いたことのある求職者がいた場合、企業側は後者の求職者を採用するだろう。

後者の求職者に対して、「この求職者は必要最低限のビジネスマナーを持ち合わせている」と企業側は判断するだろう。

失業給付金をもらうことができる

とりあえず一年間働き続けることで、退職後に失業給付金を受け取ることができるようになる。失業給付金を受け取る際の要件は、下記にて定義されている。

離職の日以前2年間に、雇用保険の被保険者期間が通算して12カ月以上

上記要件を満たしている前提でハローワークで求職者登録を行えば、失業給付金を受け取ることができる。退職後、次の勤め先が見つかるまでの期間での金銭面に不安がある人にとって非常に嬉しい制度である。1年未満で退職してしまった場合は、失業給付金の受給者対象外となってしまう。

1年以上働いたか否かが、失業給付金の受け取り可否の境目となることを頭に入れておいてほしい。

「とりあえず一年頑張ること」のデメリット

続いて、とりあえず一年間、仕事を続けるデメリットについて解説しよう。

ストレスがかかってしまう

一年間我慢しながら仕事を続けることは、あなたの心身にストレスをかけるだろう。至極当たり前のことだが、やりたくないことを続けることは人間にとって大きなストレスとなる。趣味に時間を割けなくなったり、リラックスして過ごせていないと感じたり、ストレスが大きくなると「何もしたくない」という無気力状態に陥る場合もある。

ストレスを発散することである程度はストレスを小さくできるが、そもそものストレス源(ストレッサー)が仕事の場合、仕事を辞めない限り、ストレスが消えることはない。1年間我慢しながら仕事を頑張ることは、いわばストレスとの闘いが必要になるのと同義である。

仕事を楽しむことができない

たとえ自分自身が選んだ仕事であっても、「こんな筈じゃなかった、イメージと違った・・・」ということは決して珍しくない。そのようなミスマッチに気づいてしまった場合、仕事に対するやる気が出なくなるのは、至極当たり前のことである。

仕事を楽しく感じない状態で働き続けることは、自分で自分の首を締めてしまうことと同義なのだ。あまりにも我慢し続けると、疲労が蓄積され、晴れて退職した後にドッと疲れが出てしまい、次の仕事にも悪影響が出てしまう恐れがある。

そのような点から、とりあえず一年我慢しながら仕事を続けることはデメリットとして働くだろう。

未経験の仕事へチャレンジしにくくなる

20代の若手層を対象に「未経験歓迎」を謳う仕事への挑戦ハードルが上がってしまうデメリットも存在する。「未経験歓迎」を謳う求人を出す多くの企業は、「20代前半の第二新卒層」を採用ターゲットとしていることが多い。

この層は、社会人経験が浅い半面、まっさらで素直な人材であるため、成長チャンスを秘めた―いわば、ポテンシャルを秘めているターゲット層である。1年未満の離職経験があっても、このような第二新卒層を積極的に採用している企業であれば、内定を狙える可能性が十二分にあるのだ。

1年以上働き続けた場合、この第二新卒層から外れてしまう場合があるため、未経験者採用へのチャレンジ枠を狭めたくないのであれば、1年以上我慢して働き続ける必要性は薄くなるであろう。

まとめ

「とりあえず一年頑張ること」のメリット、デメリットについて詳しく解説した。本記事の冒頭でも結論付けたように、我慢しながらやりたくない仕事を続けることは、長い目で見てもおすすめできない選択だ。

ストレスが溜まり、仕事、はたまたプライベートへの意欲低下に繋がってしまうだろう。その半面、仕事を習得できる点や失業給付金の受給権利を得られるメリット等は確かに存在するため、メリット・デメリットのどちらを取るか?は、あなた自身で天秤にかけて冷静に判断してほしい。

本記事で紹介した内容が、あなたにとって有意義なヒントとなれたなら幸いだ。

この記事を書いた人

アドバイザーナビ株式会社。野村證券出身者が2019年に創業した会社で、金融に特化した転職エージェント業務を行なっている。『金融機関勤務者が転職に使いたいサービスNo.1(日本マーケティングリサーチ機構2020年3月調査)』を獲得している。

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