面接の場で面接官から転職理由を聞かれた場合、人によって様々な回答理由が存在するだろう。言葉自体は非常に前向きなニュアンスを秘めているため、面接官も良い反応を示してくれる理由の一つだ。
しかし、「あまりにも綺麗すぎてどこか嘘っぽい。本当は別の理由なんじゃないか?」と勘ぐる面接官も少なくはない。いわば、伝え方に気を付けなければむしろマイナス印象に繋がる可能性があるということだ。
そこで本記事では、「キャリアアップ」という理由を面接官へ伝える際の注意点について詳しく解説しよう。
なぜキャリアアップという理由は難しいのか
なぜ伝えることが難しい理由なのか、理由について詳しく解説しよう。
曖昧に伝えるとマイナス印象に繋がる
転職理由としてあまりにも綺麗すぎるため、「とりあえず綺麗な言葉で聞こえのいいことを言っているだけなんじゃないか?」と面接官から受け取られる可能性がある。綺麗すぎるあまり、他の企業の選考を受ける時も同じことを伝えているんじゃないか、と疑われてしまうのだ。
そのため、もし本当の理由なのであれば、あなたが持つ熱意をしっかりと面接官へ伝えなければならない。意思を伝えるだけではなく、具体的にあなたの熱意をプレゼンしなければならない。
詰めるべき内容は、これから本記事で詳しく解説していこう。
明確なビジョンが必要である
面接官から「この人は真剣にネクストステージを考えているんだな」と思ってもらうためには、他の求職者とは一線を画す違いを面接官へ伝えることが必要だ。
そのためには、明確なビジョンを考えることがマストである。あなたが目指す目標へ到達するために、これまでどんな努力を重ねてきたのか等を明確にすることが重要だ。
また、どんな成長を遂げたいのか、チャレンジしたい仕事は何なのか等、今後目指していく中長期的なビジョンもしっかりと伝えよう。一般的にありがちな理由だからこそ、過去の経験に基づいたオリジナリティあふれる自己アピールを行うことが必要とされる。
面接官に伝える場合のポイント
続いて、面接官に伝える場合の注意点について詳しく解説しよう。
注意すべきポイントが多いが、いずれも優劣関係なく全て押さえておいた方が良い重要な内容ばかりだ。それぞれ詳しく解説していこう。
現職への不満は漏らさない
現職でキャリアアップできない理由も面接官に伝えることがポイントだ。その場合、意識しなければ現職に対する不満を匂わすような伝え方になってしまいがちだ。
そのような伝え方をしてしまうと、面接官から「この人が入社した後も平気で不平不満を口に出すかもしれない」というマイナス印象を持たれてしまう可能性が高い。
その際には、「事実だけを伝えること」を意識してほしい。上乗せして、「私はこう思った」というアイメッセージを伝えることは避けることが鉄則だ。そのように伝えることで、不満を匂わすような感情論を話してしまうことは避けられるだろう。
入社を志望する熱量を伝える
「キャリアアップしたいから」という転職理由は、ポジティブな印象がある一方、「うちの会社じゃなくても良いのではないか」という印象を面接官から持たれかねない。
そのため、「その企業を志望する理由」をハッキリと伝えるようにしよう。
具体的には、事業の独自性、カルチャー、成長率、今後のビジョン等、その企業の強みに当てはまる要素を企業を選んだ理由と絡めながら伝えると良い。将来的に成し遂げたいこと、今後目指したい成長プロセスをとにかく深掘りすると良い。
あなた自身の強みをアピールする
同時に、あなた自身の強みもしっかりアピールすることが大切だ。なぜなら、「転職理由」とは企業があなたを知るために必要な要素の一つに過ぎないからだ。
別の方向からも、あなたをアピールすることで企業はあなたを深く知り、採用するか否かをジャッジする判断材料が増えるだろう。面接官には、あなたの強みが業務にどのようなメリットとして働くのか、貢献できるのかを伝えると良い。
面接官の頭の中に、あなたが晴れ晴れと活躍している姿が浮かべば、選考の温度感はグンと上がるだろう。
志望動機の精度を高めるために
続いて、「キャリアアップ」という志望理由で伝えるにあたって行っておいた方が良いポイントについて解説しよう。
具体的なキャリアプランを決める
将来的に目標達成へ到達するための計画を練ることも重要だ。5年後、10年後において理想とするあなた自身を思い描いてみてほしい。任されている仕事内容、与えられているポジション等の仕事に紐づく要素はもちろんのこと、結婚・育児等のプライベートにおけるビジョンも具体化させると良い。
計画が緻密であればあるほど、達成のために必要な行動・スケジュールを落とし込みやすくなり、レールに乗ったような感覚でゴールまで進むことができるだろう。
しっかりと地に足のついた計画をもって面接官へアピールできれば、あなた自身の熱意が具体性をもって伝わるだろう。
キャリアアップの目的を深掘りする
最終的な目的をとにかく深掘りすることをおすすめする。
具体例を挙げると、年収アップ、役職者への昇進、専門性アップ等が挙げられる。計画を立てる際に、あなた自身が目指すべき方向性を定めることをおすすめする。方向性さえ決まれば、具体的に必要とされる努力が明らかにできる。
例を挙げるのであれば、より専門性が高い技術が必要となる仕事を志す場合を考えてみよう。その場合、「現職では専門性の高い技術を導入していなかったため、退職を決意した」という風に動機が形づき、目的を深掘りすることができるだろう、
入社後の働き方を具体化させる
入社後の働き方を具体化させることも重要だ。入社後の働き方を伝えることで、入社することがゴールではなく、入社した後のプロセスもしっかりと考えていると面接官にプラス評価をしてもらえるだろう。
また、面接の場で実際の働き方を伝えることで、現実的にその働き方が実現できるか否か?を面接官と擦り合わせができる。入社後のミスマッチを防ぐ意味合いでも、あらかじめ理想する働き方を伝えておくことをおすすめする。
まとめ
以上、転職理由として「キャリアアップしたい」と伝える際の注意点について解説した。前述した通り、非常にポジティブな印象を持たれやすいが、一方で綺麗すぎるため、体のいい理由として受け取られやすい可能性も秘めている。
なぜキャリアアップしたいのか。その先にどのようなビジョンを描いているのか。とにかく細かく落とし込んだ上で、熱量を乗せて面接官へアピールすることが重要だ。
ぜひ本記事で紹介した内容を押さえた上で、面接官へあなたという人間を思う存分プレゼンテーションしてほしい。