転職活動を続けていると、希望する条件の数が増えてくることがある。具体的には、給与・待遇・福利厚生・勤務地等、様々な要素が挙げられるだろう。
しかし、これらの条件は本当に全て譲れないものばかりなのだろうか?自分にとって絶対に譲れない条件とは何かを改めて考えてみることで、より自分の希望にベストマッチした企業を見つけることができるだろう。
そこで本記事では、「給与・待遇」「経験・キャリア」「勤務地」といった主な条件を一つひとつ整理して、転職先を条件で選ぶ際の注意点について解説する。
転職の条件を決める際の5つのポイント
転職の理由は人によって様々だが、誰でも早い段階で次の職場の具体的なイメージを持つことが最も重要だ。転職の目的や希望する条件等が明確でなければ、そこに至るまでの計画を立てることが難しくなってしまう。
最初から明確なイメージがない場合は、転職先やポジションに求める条件を一つずつ決めていくことから始めると、自分の目指す転職の形が見えてくる。そうすることで、就職・転職活動が今まで以上にスムーズに進むようになるだろう。
希望年収
転職活動で最も重要な要素のひとつが、給与面だ。転職を始める際には、希望する年収を決めておくことが肝心である。業界、地域、会社の規模、採用時の役職等、給与に関わる全ての要素について考えてみよう。
これらは全て、あなたの希望年収を叶えるために漏れなく必要な要素である。あなたの希望給与が現実的に実現可能かを確認するために、希望年収を叶えるための要素をしっかりと把握しておく必要がある。
待遇・福利厚生
給与だけでなく、転職先で受けられる福利厚生も考慮しておこう。福利厚生には、医療費、休暇、退職金制度、フレックスタイム制、その他会社が独自で定めた従業員限定の特典が含まれることがある。
会社によっては、「家賃補助」「家族手当」等、独自の待遇・福利厚生を一つの強みとして募集をかけ、転職希望者の興味付けを図る場合もある。自分がどのような手当を必要としているか、または役に立つと思うかを考えてみよう。
勤務地
勤務地に関しても、転職の条件を決める際に考慮すべき重要な要素である。勤務地について考えるにあたって、まずは通勤時間について考えてみることをおすすめする。毎日何時間もかけて通勤することに意味があるのか、それとも地元に密着した環境で働きたいと思うのか。
仕事のために引っ越すのであれば、自分のライフスタイル、志向性、同居する家族の意見等もふまえて、後悔のない選択をすることが重要だ。
採用ポジション
採用時のポジション(役職)も、転職の際にしっかりと押さえておくべき重要な要素である。転職先でどの程度の責任を負いたいのか、より高いレベルのポジションに応募することが適切なのかよく考えてみよう。
あなたが希望するポジションに到達するために、現実的にどのようなことが期待できるのか、どのような資格を取得する必要があるのかをよく考えてみよう。
希望業界
続いて、あなたが希望する業界であるか否かも転職時に押さえておきたい重要な要素だ。どのような業界を目指しているのか、転職に必要な資格や経験があるのか、しっかりと考えてみよう。
あなた自身に合った業界を見つけることが重要であり、そのためには、自分の得意分野を持つことが大切だ。
希望条件の整理ポイント
上記では、転職を考える上で押さえておくべき5つのポイントについて解説した。続いて、それぞれの希望条件を整理する際に押さえておきたいポイントについて解説しよう。
待遇に関する条件を整理する
転職活動で最も重要な要素が、給与・待遇である。転職先の給与・福利厚生は現在の市場と比べてどうなのかを必ず確認しよう。
さらに、会社の財務状況を調べた上で、長期的にあなたが望む給与と福利厚生を提供できるかどうかも確認してほしい。また、雇用保障や退職金制度等の重要な福利厚生も見逃してはいけない。
勤務地に関する希望を整理する
勤務地も転職先を選ぶ際の重要なポイントだ。企業によって所在地が異なるため、そのポジションに就くために引っ越しをしなければならない場合もある。
新しい職場が家族や友人に近いかどうか、またその地域の生活費も考慮しよう。さらに、多くの都市は税金が高いため、その点も必須コストとして計算に入れよう。
キャリアに関する条件を整理する
転職時にもう一つ重要な要素は、その仕事に伴う経験・キャリア形成の機会だ。その仕事が自分の長期的なキャリア目標にどのように合致しているかを見てみよう。
もし、その仕事がより大きなものに発展する可能性があるのなら、給料の少ない短期的なポジションよりも良い選択肢かもしれない。また、その仕事で得られる経験が将来のキャリアの展望にとって価値があるかどうかも考えてみよう。
会社選びの条件に優先順位を付けるには
優先順位をつける際には、これまでのキャリアを振り返り、「なぜ現職を選んだのか」「現職で面白いと思ったこと、辛いと思ったことは何か」「それをどう乗り越えたか」「なぜ転職を考え始めたのか」を整理し、自分が仕事を選ぶ上で大切にしている視点を把握するようにしよう。
下記では、いくつかの場合を想定して優先順位の付け方・注意点について解説する。
「会社への共感」が重要な場合
転職活動の優先順位をつける場合、「会社への共感」を持つことが重要なポイントだ。まずは、その会社がどのような価値観や倫理観を持っているのか等、社風をリサーチする必要がある。その企業の価値観が自分の価値観と合致しているかどうかをリサーチすることで、その企業が自分に合っているかどうかを見極めることが可能だ。
次に、企業の持続性・成長性だ。応募時にこのようなリサーチをしておくと、万が一、その仕事があなたに合わないということになっても時間と労力を節約することができる。
「仕事の魅力」を重視する場合
仕事の魅力も、転職を考える上で重要な要素だ。仕事を探す際には、自分が情熱を傾けられる仕事、履歴書の付加価値にもなるような仕事を見つけることが大切である。
どのような仕事、プロジェクト、タスクがあるのかをリサーチすることで、そのポジションが自分に合っているかどうか判断することができる。もし、期待した仕事と違っていても、自分に合った仕事を探し続けることが大切だ。
「社風や人間関係」を重視する場合
転職先の候補となる企業の社風・人間関係は非常に重要だ。あなたが「転職して良かった!」と心から思える未来を描くためには、ポジティブな職場環境が非常に重要である。
リアルな社風・人間関係を知るためには、選考期間中に職場見学を打診することをおすすめする。会社内の日常、普段の姿を知ることであなたの企業理解度は大きく高まるだろう。
「福利厚生、労働条件、研修制度」を重視する場合
最後に、福利厚生や労働条件、研修制度について考えてみよう。自分に合った報酬や福利厚生が用意されているかどうかを見極めることが大切だ。
また、専門的なスキルを必要とする仕事の場合、成功に必要な研修や社内システム等がしっかりと準備されているかどうかも確認しよう。
譲れない条件は相対比較すると良い
様々な譲れない条件を比較してみることで、自分の転職活動にとって何が一番重要なのかを判断することができるようになる。優先順位を決めたら、他の要素がどのくらい重要なのか、予想を修正することができるだろう。各条件を分析し、相対的な優先順位を評価するという方法論をとることで、自分の求める資質を持った仕事を見つけることができるようになる。
最終的には、選考の過程で自分の価値観が変わることもあるだろう。その際は、「検討した結果、考えが変わったんだな」と自分自身の内なる変化をポジティブに受け取ろう。
まとめ
転職活動を始める前に、自分にとって最も重要な要素は何かを評価し、重要性に基づいて整理しておくと良いだろう。様々な機会を評価する中で、自分の意見が変わる可能性もある。意見が変わった場合も迷わず振り返りできるように、転職で大事にしたい優先順位は日頃から考えをまとめておくと良いだろう。
様々な企業への転職を検討する中でも、自分軸をぶらさず、自分自身にとって何が最も重要なのかをしっかりと把握できるようにしよう。全ての条件を100%理想的に叶えることは難しいものの、優先順位に沿った転職先選びができれば転職活動の満足度は上がるはずだ。あなたの転職活動が上手くいくことを心より願っている。