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【50代のリアルな転職事情】転職の可能性と成否を分ける3つの要因

50代で転職を目指す場合、20代や30代の転職と比べて難易度が上がるのは紛れもない事実だ。しかし、転職に成功している人は間違いなく存在しているし、定年延長して65歳まで働くのであれば、50代で転職して新たなキャリアを歩むことも十分可能だ。

そこで本記事では、50代の転職事情に関するリアルと、転職の成功確率を上げるために押さえておきたいポイントをまとめた。

目次

50代の転職活動にまつわるリアル【年齢別で比較】

そもそも50代で転職活動をしている人は、転職希望者全体の中でどれくらいいるのだろうか。

厚生労働省がまとめた「令和2年転職者実態調査の概況|直前の勤め先及び現在の勤め先の状況」によると、20代から60代までの年齢別における転職者の割合は以下のとおりだ。

年齢転職者(全体を100とした割合)
20歳〜29歳23.2
30歳〜39歳26.6
40歳〜49歳24.8
50歳〜59歳15.7
60歳〜69歳9.1
参考:厚生労働省「令和2年転職者実態調査の概況」

転職希望者のボリュームゾーンはやはり20代〜40代に集中しているが、転職者の7人に一人は、50代で転職をしているのは事実である。

転職に伴う賃金の変化

続いて50代で転職した人における、転職に伴う賃金の変動を確認すると、以下のとおりであった。

年齢増加した変わらない減少した
50歳〜54歳27.0%19.1%53.2%
55歳〜59歳32.1%16.5%49.9%
参考:厚生労働省「令和2年転職者実態調査の概況」

転職に伴い賃金が減少した割合は約半数で、30代や40代の場合における賃金低下の割合は35%程度であり、この点はやや厳しい結果となった。

賃金が増加した割合は約30%で、30代や40代の割合は40%であったことからも、転職によって年収アップを目指すのは簡単ではないことがわかる。

転職に伴う労働時間の変化

50代で転職した人における、転職に伴う労働時間の変化は以下のとおりであった。

年齢増加した変わらない減少した
50歳〜54歳26.3%32.1%41.1%
55歳〜59歳25.0%34.4%39.9%
参考:厚生労働省「令和2年転職者実態調査の概況」

転職に伴い労働時間が増加した割合は約25%で、変わらないまたは減少した割合は計75%ほどという結果だ。

50代の転職活動において、転職先の会社に求める条件は必ずしも年収アップとは限らず、体力的な面を踏まえて勤務時間を減らしたい人も多いのかもしれない。

50代の転職が難しいといわれる3つの理由

50代で転職している割合が20代〜40代に比べて少ないことはわかったが、50代の転職が難しいといわれる理由は大きく分けて以下の3点だ。

  • 人件費がかかる
  • プライドが高く扱いづらいイメージがある
  • 採用できるポストがなく体力的に敬遠される

人件費がかかる

50代の転職が難しくなる理由の一つ目が、採用に対してコストがかかるからだ。

20代などの若手を採用するのとは異なり、50代の場合は現職で高額な報酬を受け取っている場合が比較的多い。そのため採用にあたって、前職と同等のコストを払う価値・メリットがあるか慎重に判断されるのだ。

採用側の目線としてはもっともであるため、求職者側が報酬ダウンに対してどこまで譲歩できるのか次第で、転職の成功確率は大きく異なるだろう。

ほかにも、転職先において自身の経験がどれほど役に立つか、具体的にアピールすることも重要である。前職で受け取っていた報酬にふさわしい人材であることを伝えれば、転職先の評価も変わるはずだ。

プライドが高く扱いづらいイメージがある

新卒から30年近いキャリアを重ね、過去の実績や栄光、仕事の流儀など強いこだわり・プライドを持っている50代も少なくない。そのような人材に対し、採用側は、会社の指示に従わないなどの扱いづらいイメージをもつ傾向にあるのもやむを得ないのだ。

転職に成功したとしても、配属先の上司が年下ということも十分にありうる。そのような状況で、上司は年上の50代ベテラン社員の扱いに苦慮する構図も目に浮かぶだろう。

求職者としても、上司が年下になる可能性は覚悟しなければならないし、組織の方針などに対して、柔軟に対応できることをアピールするのが重要である。

採用できるポストがなく体力的に敬遠される

50代の転職活動となると、採用するポストも管理職に近い傾向にある。そうした場合、企業によってはそもそも募集していないこともある。

転職先の職種として、営業職などの外回り仕事が比較的多いのが現状だ。体力が求められる外回りの仕事において、50代のビジネスパーソンは敬遠せざるを得ないだろう。

しかし、豊富な実務経験や高い専門性・マネジメントスキルを備えていれば、ベンチャー企業の管理職などへの即戦力として転職することも十分視野に入る。また、慢性的な人材不足に悩む業界もあり、現職の業界にとどまらず、視野を広げて転職先を探すことで、思いもよらないポストが巡ってくることもあるだろう。

50代の転職において求められるスキル3選

50代の転職活動を成功させるためには、自身のスキルを企業にどれだけアピールできるか次第だ。50代のビジネスパーソンに求められるスキルは、大きく分けて以下の3スキルと考えておけば間違いない。

  • 即戦力になる豊富な経験
  • 高い専門性
  • 柔軟性と円滑なコミュニケーション能力

即戦力になる豊富な経験

20代の若手であれば教育的側面でコストを支払えるが、50代のビジネスパーソンに求められるスキルは、30年近いキャリアで培った豊富な経験だ。少し厳しく聞こえるかもしれないが、採用側としては「即戦力にならなければ意味がない」というのが本音である。

採用後のキャリア形成においても、転職先の会社がおそらく最後の仕事場になり、10年前後という限られた勤続期間で、どれだけ会社に貢献してくれるかが問われるだろう。

丁寧に自己分析をしてスキルを棚卸しし、転職先が必要とする人材に合わせた自己PRが必須だ。30代前後ほどの体力はなくとも、豊富な経験をもとに即戦力として活躍できることを伝えよう。

高い専門性

50代のビジネスパーソンには、豊富な経験に加えて高い専門性も問われる。自身のキャリア形成が、スペシャリストとして特定の職種や業界に長く携わってきたなら、その経験をフル活用しよう。

人材不足が顕著な業界や中小企業であれば、長い年月をかけて培った高い専門性は重宝されるだろう。転職先の可能性を広げるためにも、転職エージェントを利用し、幅広い業界から転職先を検討するのがマストである。

転職エージェントを使えば、専任のコンサルタントがさまざまな求人を紹介してくれるし、思いもよらない企業の発見につながる可能性も高まる。自身の力だけで転職活動を成功させるのはかなり難易度が高いため、転職のプロの力を借りない手はないだろう。

柔軟性と円滑なコミュニケーション能力

30年近いキャリアで培った自身の仕事の流儀にとらわれず、転職先の社風にフィックスさせる柔軟性と、社員間で円滑なコミュニケーションがとれるのも必須である。現職では上司や管理職として部下を持つ立場だったとしても、転職先で同じポストにつくとは限らない。

当然仕事の進め方や職場の雰囲気も異なり、上司が後輩になることも十分考えられる。そのような状況だとしても、その時々の状況に合わせたコミュニケーションを円滑にとれるかどうかは非常に重要だ。

柔軟性や円滑なコミュニケーション能力に関しては、言葉で説明して伝わるものではなく、対話を通して面接官が判断するものだ。つまり、面接におけるやりとりの中で自然とアピールするしかない。

転職エージェントなら面接対策もしてくれるため、コンサルタントから客観的なアドバイスを受けつつ、リラックスして面接に臨もう。

広い視野をもち強いこだわりを捨てれば転職はうまくいく

50代の転職活動は、一筋縄にはいかないことを覚悟しておいた方が良いだろう。しかし、転職を成功させている人はもちろんいるし、若手の転職活動以上に事前準備をしっかり行えば、転職の成功確率は十分上がるはずだ。

50代の転職活動においては、広い視野をもって転職先の候補を増やすこと、時には自身のプライドやこだわりを捨てることさえも重要である。まずは転職エージェントに登録し、次なるキャリアの可能性を探してみよう。

この記事を書いた人

アドバイザーナビ株式会社。野村證券出身者が2019年に創業した会社で、金融に特化した転職エージェント業務を行なっている。『金融機関勤務者が転職に使いたいサービスNo.1(日本マーケティングリサーチ機構2020年3月調査)』を獲得している。

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