社会人として30年近いキャリアを積んできた50代のビジネスパーソンにとって、転職に対して大きな壁・ハードルの高さを感じているかもしれない。新卒から同じ会社で働き続けた場合はなおさらだろう。
今の会社に不満があっても、今さら採用してくれる企業があるかも分からない。しかし、定年延長になったからには、新しいキャリアを歩むチャンスは十分残されている。
そこで本記事では、50代の転職活動を失敗しないためのコツをまとめた。
50代男性に企業が求めるスキル3選
50代男性に企業が求めるスキルは、大きく分けて以下の3点だ。
- 特定分野の高い専門性
- 即戦力になる豊富な経験
- 適切な判断能力とマネジメント能力
50代の転職は20代の若手転職とは異なり、体力でアピールできないし、本人の未来に対して投資するという考えは持たれない。30年近いキャリアで培った経験をどれだけアピールできるかが重要だ。
特定分野の高い専門性
採用企業があなたに求める重要なスキルの一つが、特定分野の高い専門性だ。業界をまたぐことなくスペシャリストとして勤務し続けたなら、その実績を有効活用しよう。
とくに中小企業やベンチャーであれば、人材が不足していることも多い。自身の30年近いキャリアで培った経験を細かく棚卸しし、その専門性を活かし、人材が不足する企業に狙いを定めて転職活動に臨めば、勝率は間違いなく上がるはずだ。
即戦力になる豊富な経験
特定分野の高い専門性に類似するが、即戦力になる豊富な経験も、企業が求める重要なスキルだ。採用側としても、50代の人材を採用するには若手の採用以上にコストがかかるし、未来を担う人材として教育するという考えもないだろう。
長い社会人人生において乗り越えた壁や広くて深い経験が、転職先における即戦力として通用しなければ意味がない。50代のビジネスマンに求められるスキルは、レベルが上がって当然であり、即戦力となるスキルがあれば、転職は十分可能なのだ。
適切な判断能力とマネジメント能力
スペシャリストとして特定分野の専門性を高めたビジネスマンもいるだろうが、ゼネラリストとして会社内で横断的な業務を任され、部下の指導やマネジメントに携わった人も多いはずだ。
上司や管理職として培った適切な判断能力やマネジメント能力も、転職先のポスト次第では即戦力として重宝されるだろう。ゼネラリストとして活躍するなら、業界を問わず多くの企業が選択肢になる。
さまざまな業界への転職を視野に入れ、自身のスキルを効果的にアピールすることが最も重要である。
50代で転職を成功させる3つのポイントと3つの注意点
転職活動を始めるにあたって、同世代の転職者数や転職前後の賃金変動などが気になる人がいるかもしれない。これらのデータは「【50代のリアルな転職事情】転職の可能性と成否を分ける3つの要因」で紹介しているから、興味のある人は併せて確認してほしい。
一般的に50代の転職活動は厳しいのが実情であるが、本章では、50代で転職を成功させる3つのポイントと、3つの注意点を紹介しよう。
50代で転職を成功させる3つのポイント
50代で転職を成功させるポイントは、大きく分けて以下の3点だ。
- 経験を棚卸ししてスキルを活かせる職種業界を選ぶ
- 転職の条件を広げる
- 転職エージェントを積極的に使う
経験を棚卸ししてスキルを活かせる職種業界を選ぶ
50代で転職活動を成功させるには、自身の武器・スキルを明確に言語化し、そのスキルが今すぐ活かせる職種や業界を選ぶことが重要だ。
30年近いキャリアの中で、印象的・特徴的な業務経験が一つや二つはあるだろう。そうした経験に基づく転職先での価値提供や貢献の仕方を、説得力のある言葉で、具体的に話せるようになることが重要だ。
転職の条件を広げる
50代の転職活動においては、高い理想をもつことはあまり推奨しない。そもそも50代の求人数は30代前後の求人に比べて少ないのは事実だ。
- 年収が下がっても構わない
- 正社員じゃなくてもOK
- 異業種やベンチャーなどにも条件を広げる
上記のように、転職先への条件は広げておこう。条件を絞るともはや応募先が数える程度しか残らない可能性もあるため、広い視野で転職先を検討しよう。
転職エージェントを積極的に使う
50代の転職活動において自力ですべてを行うのは、はっきり言って無謀だ。転職のプロである転職エージェントは積極的に利用し、さまざまな求人情報を提供してもらおう。
転職エージェントに登録することで、以下の内容をすべて無料で行ってくれる。
- 多くの非公開求人にアクセスできる
- 求人情報の紹介
- 面談の日程調整
- 履歴書の添削
- 面接対策
転職経験者だとしても、転職エージェントを使った方があらゆるやりとりも楽になるため、50代の転職を成功させるためにもエージェントの力を存分に借りるのがおすすめだ。
50代の転職活動における3つの注意点
50代の転職活動における注意点は、以下の3点だ。
- 仕事内容に強いこだわりを持たない
- 年収アップを狙わない
- 転職に時間がかかることを覚悟
仕事内容に強いこだわりを持たない
30年近いキャリアで積み上げたスキルや実績が、必ずしも転職先で求められるスキルとは限らない。また、高い専門性を磨いたが故に、他業界や他職種への応募をためらうこともあるかもしれない。
そうした強いこだわりは、時には捨てた方が良いだろう。仕事内容で転職先を絞ると応募できる数に限りがあるし、新しいキャリア形成という意味では、今の仕事内容を捨てる勇気が必要な時もある。
仕事内容への強いこだわりが、転職活動の足かせになる場合もあることは覚えておこう。
年収アップを狙わない
「転職 = 年収アップ」を条件に転職活動する人も多いだろう。それは構わないのだが、50代の転職となると既に現職で相応の報酬を受け取っているため、年収アップの難易度はかなり上がる。
現職で支払われる報酬以上の額を支払う価値があるのか、採用側が慎重な判断をするのは間違いない。若手の転職に比べて採用コストがかかることは覚えておこう。
実際、50代の転職者において、賃金が増加した割合は約30%だ。全体の70%は、変動なし、もしくは下がっているのである。こうした事実を踏まえ、年収アップは狙わない方が得策だ。
転職に時間がかかることを覚悟
転職活動にかかる期間は3〜6ヶ月といわれるが、50代の転職においては、それ以上の期間がかかることも覚悟しておこう。
- 転職先の条件を明確にする
- 転職活動の期間を決める
- 転職しないという選択肢も持っておく
転職先がなかなか決まらないかもしれないが、現職にとどまるのも一つの選択肢として考え、長期戦は覚悟しながら期限を設定して転職活動に臨もう。
50代におすすめの転職エージェント3選
転職エージェントにはさまざまな種類があるため、どのエージェントを利用したらよいか分からないだろう。本章では、50代男性が利用すべき転職エージェントを3つ紹介する。
- 40代50代の転職に特化するならFROM40
- 実績ならリクルートエージェント
- ハイクラス求人ならdodaX
登録することで非公開求人にアクセスできるし、扱う企業も異なるから全ての転職エージェントに登録してフル活用しよう。
40代50代の転職に特化するならFROM40
運営会社 | 株式会社ダトラ |
特徴 | ミドルシニア特化型 |
求人数 | 約17,000件 |
対応エリア | 全国 |
公式サイト | https://www.from-40.jp/ |
FROM40は、日本最大級の40代・50代向け転職サイトだ。登録すると3,000件以上の非公開求人にアクセスでき、登録するだけでスカウトがくることもある。
勤務地や職種だけでなく、雇用形態からも検索でき、画面も操作しやすいのが特徴的だ。まずはFROM40で情報収集から始めよう。
実績ならリクルートエージェント
運営会社 | 株式会社リクルート |
特徴 | 求人の網羅性の高い総合型 |
求人数 | 約176,000件 |
対応エリア | 全国 |
公式サイト | https://www.r-agent.com/ |
リクルートエージェントは、転職支援実績No.1で、業界最大手の転職サイトである。求人数は約176,000件、幅広く情報を収集しているキャリアアドバイザーによる求人紹介が非常に魅力的だ。
転職先の視野を広げるためにも、リクルートエージェントの求人を確認しておこう。
ハイクラス求人ならdodaX
運営会社 | パーソルキャリア株式会社 |
特徴 | ハイクラスのスカウト型 |
求人数 | 非公開 |
対応エリア | 全国 |
公式サイト | https://doda-x.jp/ |
dodaX(デューダエックス)は、年収800万円以上のハイクラスな求人が豊富な転職サイトだ。ヘッドハンターからスカウトが届くケースと自ら求人に応募する2つのサービスを展開している。
ハイクラス転職を目指したい50代男性におすすめしたい転職サイトだ。
50代は広い視野でスキルを活かせる場所を探して転職成功
50代の転職活動をうまく進めるには、入念な準備をしつつ、可能性を狭めないことが必須だ。高い理想は追い求めず、転職の軸を明確に定めてあらゆる可能性に挑戦しよう。
広い視野を持ち、自身のスキルを棚卸しして言語化できれば、自身のスキルを活かせる企業が見つかるはずだ。理想のライフスタイルを目指して、50代の転職活動を成功させよう。