雇用の形態や働き方改革といわれる価値観が広がる中で、せっかく働く、転職するならば自分にとってより良い働き方ができる場所を求める傾向、志向が強くなっている。さらには自分の生活やライフワークバランスを大事にするという考え方も当たり前の世の中になってきた。
追い討ちをかけるように、新型コロナウイルスの感染拡大が始まり、リモートワークやワーケーションなどが広がり、会社に出社しなくても仕事はできるということがある意味証明されつつある。その証明となるように、大手の企業ではオフィスを縮小しこれまでの大型のオフィスを手放す企業なども出てきた。
企業側としても固定費が下がり、労働者側は煩わしい通勤や人間関係に悩むことなく仕事ができ、さらには効率が上がるという結果も出ている。
このような社会の流れから「ホワイト企業」と呼ばれる企業に転職したいという思いをもつ人も増えている。俗にいう「ブラック企業」と呼ばれる過重労働を強いたり、違法労働を強要したり、さらにはパワーハラスメントによって人材を次々と離職に追い込むような企業から抜け出してより良い環境に行きたいと思うのは当然のことだろう。
そこで今回はブラック企業の逆側にある「ホワイト企業」に転職を成功させるにはどうしたらいいかを解説していきたい。
ホワイト企業とは
ホワイト企業とは一体?と実態がわからない人も多いだろう。一般的に「労働者にとって有利、働きやすい環境が整った企業」を示している。
具体的には基本給が高い、残業が少ないなども含めて福利厚生が整っている、さらには企業内の環境の良さから離職率が低い企業。他にも各種法令や社内規則を遵守していることも一つと言える。
他にも子育てをしながら女性が働きやすい、スキルアップなどを目指しての研修制度などが充実しているなども条件に入るだろう。このように、数値として、例えば「残業時間○○時間以内」「年収〇○万円以上」など明確に数値化されていることや「ホワイト企業」に対して明確な定義は存在しない。つまりは人によって感じ方や定義は違うと言っても過言ではない。
ホワイト企業の探し方、確認のポイント
では、どのようにしてホワイト企業を見つけ、探すことができるのだろうか。探し方の方法を一部紹介する。
口コミ
ホワイト企業にのみならず、ある程度参考にしたいのは現在就業している人または退職した人が書き込みをしている「口コミ」だ。会社の良い部分からそうでない部分まで生のリアルな声が書き込みされている。
登録をすれば無料で確認できるものもあるので見てみるのも一つの手だろう。福利厚生、働きやすさ、給与、賞与の支払い状況、会社の雰囲気や働きやすさなどカテゴリーに分かれており、参考にしやすい内容になっている。
求人の有無
とにかく求人をよく出している企業は確認が必要だ。時期やスパン、回数なども含めて確認しよう。求人をしているということはそれだけ離職率が高いということになる。
ホワイト企業は先にも述べたように離職率が低いので求人はなかなか出ない。そのような視点を持って求人票を見てみよう。とにかく時間を空けずに頻繁に出ている、固定されたように出ているなどあれば、退職者が多いなど、募集しても何らかの問題があり、入社する人がいないなど問題がありそうなので注意が必要だ。
書類の明確さ
求人票の表記、内容をしっかり確認してほしい。残業時間及び残業代の記載が明確にあるかどうかきちんと確認したいところだ。金額や時間などが記載されていない場合は「みなし残業」で給与に○○時間分を含んでいたりする。
本来はその内容も記載されていなければならないが、記載されていない場合などもあるので確認、注意が必要な部分だ。このようにコンプライアンスが明確になっていない企業は注意したい。
認定の有無
労働関連の国の機関である厚生労働省や経済産業省が行っているさまざまな認定制度がある。その認定を受ける企業は国が定めた一定の基準を超えた企業ということになる。
必ずしもホワイト企業とは言い切れないが、基準をクリアしたという意味で信頼はあると言っていい。認定がある企業は認定内容も求人に記載されていることもあるのでよく確認してみよう。
転職サイトや転職エージェントの利用
ホワイト企業の確認の仕方のポイントをまとめてきた。先にも述べたようにホワイト企業には明確な定義はないが、一言で言えば労働者が働きやすい、働きやすい環境や福利厚生を整えた会社を示す。
しかし、あくまでも人によって「働きやすい」と感じる環境は全く違う上に、実際に口コミなどで「働きやすい」とされていても自分にとってはマッチしない可能性も大いにある。企業の大小も含め、自分で働きやすそう、働きやすいと感じる企業を効率よく見つけたい、自分では見つける自信がないという方は「転職サイト」や「転職エージェント」の利用をおすすめする。
転職サイトはWEBを利用し自分で求人を見つけてエントリーをして転職活動を行う。様々な業界や職種など幅広い求人を見ることができる。自分の望む条件を入力して検索することが可能なので、ある意味自分にとっての「ホワイト企業」を見つけることも可能だろう。また、動画で企業の様子を見たりすることもできるので参考にしてみても良い。
転職エージェントはWEBなどでエントリーをした後にアドバイザーと面談、相談を行い、転職先を紹介してもらえるサービスだ。カウンセリングなどを行なっているため、客観的なプロの視点からアドバイザーが自分にフィットした仕事を紹介してくれるところが魅力の一つと言える。
転職エージェントにはそれぞれ特徴があり、求人数が多い、転職支援実績が多い、高収入を目指す、20代におすすめなど目的に合わせて登録するエージェントを選ぶことができる。また、明確な目標や決まった職種がある人には、ハイクラス転職専門、IT専門などの専門系のエージェントも効率的な活動が可能だ。転職サイトもエージェントもそれぞれの転職活動の目標やペース、ライフスタイルに合わせて利用してみよう。
ホワイト企業へ転職をするために自己分析を徹底しよう
「ホワイト企業」に転職を成功させるにはどうしたらいいかを解説してきたが、最終的には自分の目標を明確にし、その目標にあった転職先を選ぶことが大事だ。
働きやすさだけを優先してしまうと目標や自分のやりたいと思っている仕事になかなかたどり着かなくなってしまう恐れもある。これまで述べてきたようにホワイト企業には明確な定義はないため、自己分析をしっかり行い、キャリアプランやライフワークバランスなどを考え自分が優先すべきことは何かじっくり考えてみよう。
その上で自分にとってのホワイト企業は何かを自分で見つけホワイト企業に転職を成功させて欲しい。