転職活動や周りの人の転職活動の状況を見ていると空白期間をおかずに、すぐ新しい職場が決まる人とそうでない人がいる。仕事を退職してから次の仕事が見つかるまでに時間が空くと、次の転職に不利になるのか、そうでないのか、転職活動中は不安になるものだ。
この記事では、転職活動を始めてから内定までの期間「空白期間」について具体的な事例なども含めて徹底解説をしたい。
転職における「空白期間」の許容は
転職をしようと考えて、書類などの準備やエントリーを行い、書類選考から面接へと進む。そのような準備からも含めて内定まで、一般的にはおおよそ3ヶ月から6ヶ月程度の時間を要すると言われている。
この時点で、準備の部分転職の理由や希望の整理を行って自己分析をしながら書類の作成や面接の準備。次に応募となるが、ここで通過すれば面接へ進める。ここまでで、おおよそ2ヶ月程度かかるとされている。
内定になったら仕事をしながら転職活動をしている人は退職の手続きもあるので、面接から内定、退職までさらに1ヶ月程度かかる。つまり、3ヶ月から6ヶ月の間は全体の活動にかかるという点から、1ヶ月から6ヶ月の間は特に空白期間としては問題ない、許容範囲と言える。
さらに、6ヶ月から1年になると転職活動としては時間が少しかかっているということで次のステップに向けて難易度が上がってくる。つまり1年以上期間が開くこと、空白期間があるとなると何か問題を抱えているのかと認識されることになるだろう。
空白期間は転職活動に不利になるのか
空白期間は、結論から言えば転職活動に「不利」になる。仕事をしていない、組織に属していない時間が長くなる等時間が経過すればするほど「なぜこの人は転職ができないのか」も含めて採用側も不安要素だ。
様々な理由がある場合もあると思うが、とにかく期間が空かないよう計画的に活動を進行して欲しい。
空白期間の理由を考える
なぜ空白時間ができてしまうのか根本的な部分を考えてみよう。それは人それぞれ正当な理由があるだろう。できるだけ空白期間はない方はいいが、理由によっては致し方ないとなることもある。
怠慢などから活動を行なっていないと言う話は問題外とする。活動の面で、先にも記したように転職の理由や希望の整理を行って自己分析をしながら書類の作成などを順に行なっていくがここで時間がかかる人もいるだろう。自分がなぜ転職をしようとしたのか、決定的な志望動機や考えがまとまらない、自己分析を行なって見たが自分のスキルや根本的な考え方など表現できないなどスムーズにいかない場合も。
しかし、ここがしっかり固まっていれば書類や面接の準備はほぼできたようなものだ。腰を据えて自分がどんなスキルを持って、どんなことができるのかなど想いも含め、しっかりまとめていこう。同じように、書類の作成がうまくいかない場合もあるだろう。そもそも文章を書くことが不得意な人もいる。
そして、最も重要なのは企業側が求めていること、企業分析をしっかり行なって、どんな人材が欲しくて募集をしているのかなど企業に問われていることに沿った回答を意識すると、文章として内容がまとめやすい。
他にも、エントリーの際、一社ごとに結果が出た後に次の企業にアプローチ、応募する人もいるだろう。この方法ではかなりの時間を要することになる。自分で気になる、ここだと感じた企業があれば応募をして重複しながら応募をすることをおすすめする。
気をつけたいのは、めでたく内定した場合、企業側もすぐに人材が欲しいと思っているはずだ。内定を得たのに退職で留意され、時間がかかってしまっては問題だ。内定がおおよそ決まったら急ぎ退職の意思を示し、引き継ぎ、手続きをしてどのくらいの時間で、新たな職場に異動できるかなど計画的に進行していく必要がある。
空白期間ができた時の対策とは
先にも述べたように、空白ができるには様々な理由があるだろう。しかし、その詳細の理由を採用側が知らない場合はその空白期間から様々な理由を想定するだろう。
あまりにも採用されていないのは人間的に何か問題があるのか。もしかしたら活動を積極的に行なっていない、仕事に意欲がない人材なのではないか。仕事に要する技術が衰えていたりしないか、社会人としてきちんと復帰することができるのかなどだ。
「転職ができない」と言うマイナスのことになるので、マイナスの方向にその人材を評価してしまうのがセオリーだ。つまりは、そのマイナスの思考を取り除くことをまずしなくてはいけない。
正当な理由であればきちんとその理由を伝えるようにしよう。その際には、言い訳にならないよう伝えるよう心がけたい。
病気
病気やその療養については誰にも起こりうることで、本人の努力の問題ではないためマイナスや咎められることはないだろう。しかし、企業側は病気によって業務などに支障がないかを懸念する。
どこまで詳細を述べるかは本人の判断とし、完治し問題がないこと、必要があればどのような期間、どのくらいのスパンで通院が必要なのか、休暇の日に対応できるなど具体的に伝えるようにしよう。
家庭の事情
出産、育児、介護など特に女性の場合には家庭の事情で働き方を考えなくてはいけない場合もある。また、昨今男性も育児や子育てに積極的に参加することが当たり前になってきている。
まず出産、育児についてはライフプランの一部であり、納得してくれるだろう。しかし、企業側は出産や育児で仕事にどのような影響があるか、両立するにはどうすればいいかなどを考えている。
採用後に迷惑をかけないためにもできないことは先に具体的に伝え理解を得ることが重要だ。残業や出張などどの範囲なら可能で、不可能なのかはっきりと伝えるようにしたい。
曖昧に答えることで、入社後にできないとなると迷惑をかけるのとともに、対応せざる得ない状況になってしまっては家族にも苦労をかける結果となる。介護も同様だ。やむを得ない理由と言っても過言ではない。出産、育児と同様、本当に両立ができるのか、どの程度の介護が必要なのかなどを懸念する。
回答も同じように明確に残業や出張などどのくらいできるか伝える。いずれも仕事に対しては意欲があり、生活のことも認めてもらいながら、一人の社会人として貢献したい旨も伝えてみよう。
自己研鑽
働き方が多様化する中で、一度社会人の経験をしてから資金を貯めるなどして、職場から離れ自己研鑽を積む人も増えている。新たな資格を取得するために学校に行く、留学に行くなど様々だ。
資格の取得や留学などの場合は、6ヶ月から1年や2年は簡単に経過してしまうだろう。自分がどのような意志を持って前職を退職し、どんな自己研鑽を積んできたのか、その能力を新たな環境でどのように活かせるかなどきちんと説明をして欲しい。
空白期間のリカバーは可能
転職だけにかかわらず自分の努力次第ですぐに転職できる人とそうでない人が出てくる。空白の期間が長くなれば長くなるほど採用は縁遠くなる。空白期間が長い場合には、その理由をきちんと述べるなど働く意欲の高さをアピールして欲しい。新たな世界に飛び込むなどリカバーは可能だ。最もマイナスなのは、とにかく転職活動が長引くことだ。必ずそれには理由があるはずなので、スキルアップを図り、そのマイナス部分をカバーしながら積極的にアプローチしていこう。