「転職をしたい」と考えた時に、それぞれが抱える状況にもよるが迷いが生じるのが転職活動の第一歩と言っても過言ではない。転職に至る理由は人それぞれで転職も多様になっている。
人間関係やパワーハラスメント、仕事の内容が酷く自分に合わない場合などはすぐにでも退職したいという気持ちになることだろう。逆にスキルアップやキャリアを向上させるためなどの理由により、一度職場を離れる人もいる。
今の職場に不満がない場合にはどうしようかと悩む場合ももちろんあって然りだ。このような悩みや迷いが生じている人にぜひ参考にしてほしい。退職後か在職中に活動すべきか考えていきたいと思う。
転職活動を始めるには在職中がいいのか
タイミングとしてどちらがいいかと問われたら「在職中」であると断言できる。ライフスタイルや考え方は十人十色だが、どちらがメリットは大きい、安全性があるかと言われたら在職中だ。
厚生労働省「中途採用に係る現状等について」の統計によると、転職希望者全体の成功率は45.2%となっている。希望した中で約半数しか転職に成功していないと言える数字だ。
年代別に見れば、10代から30代については60%を超えるが、つまりは4割の人は転職を成功させるまでに時間がかかる。定職があれば収入や給与がある中で転職活動ができる。退職してしまうと無職の状態で過ごすことになる。
転職活動をするにも交通費などお金はかかる上、生活もしなくてはならない。全体を見て準備から応募、エントリーの過程を経て面接内定まで3ヶ月から6ヶ月の期間が必要と追われており、この期間分くらいの貯蓄が必要となる計算となる。
理由はこれだけではないが、生活の基盤はきちんと整えておく必要があることは覚えておこう。さらにここからは、そのほかの理由についても在職中と退職後に分けて考えていきたい。
- 参考:厚生労働省「中途採用に係る現状等について」
在職中に転職活動をするメリットとデメリット
在職中の活動のメリットを考えてみよう。
メリット
空白期間が6ヶ月以上などになってくると、仕事に対する意欲がない人、働く感覚や技術者であれば技術面での感覚が鈍っているなどと判断されがちになり、採用が遠のくケースが多い。
現職から間を空けず転職していれば、履歴書に傷がつかないと言っても過言ではない。さらには、先にも述べたように生活面でも不安なく活動に専念できる。資金面でも先に述べたように安定している。仕事面でも資金面でも幅広い選択が可能であり妥協しない選択ができる。
デメリット
しかし、就職をしていれば仕事の合間を縫っての活動が原則になる。仕事を休む、土日に活動をする、書類なども隙間時間にまとめることもあるだろう。逆に時間がない、余裕がないという気持ちが生まれることもある。休みを取ると職場に気を使う必要があるなど心的負担も出てくるかもしない。
このような面で心身ともに負担が大きくなるのがデメリットと言える。さらには忙しさや負担の大きさ、安定していることで転職に対するポテンシャルが下がってしまい、いつでもいいと先延ばしになることもあるかもしれない。
その後、順調に活動が進んでも退職の意思を伝える時にも課題がある。引き継ぎに時間がかかることや、後任人事なども含めて辞められるタイミングでない場合は一大事だ。規模が小さい会社では辞めてしまっては仕事が滞る。これまでの引き継ぎができていなければ誰もその仕事がわからないとなると、これまでお世話になってきた会社に迷惑かけることは失礼になる。内定を獲得しても退職できないとなれば採用側にもスケジュールがあり迷惑になるので気をつけたい。
退職後に転職活動を行うメリットとデメリット
退職後の活動にもメリットは存在する。そしてデメリットも。どちらの方が自分にあった活動ができるのだろうか。
メリット
特に現在の居住地から離れて遠方で転職を考えている人は移動時間なども含めて余裕がある状態の方が活動はしやすい。時間に余裕があることは最大のメリットだ。
転職エージェントの利用をしている人は時間に気兼ねなくサポートを受けることができる。また、積極的に企業訪問することも可能だ。定期収入がないというマイナス面も考慮して急いで職を決めなければならないという意味でポテンシャルを持続し積極的に活動できるというメリットになる。
デメリット
デメリットはメリットにもなり得る。やはり生活の基盤、収入がないことは最もマイナスになる。いつ仕事につけるかという精神的に大きな負担になることは間違いない。
保険制度もあるが、退職から一定の期間が過ぎないと支給は見込めないので、退職後に活動を希望する人についてはある程度の資金を貯蓄しておくことをおすすめする。さらには、ここで不採用をしばらく経験したりするとポテンシャルも下がってしまいがち。転職活動が長期化することも考えられる。
転職活動中に起こる得る問題
在職中の人であればやはり活動が職場に漏れることだろう。違法ではなく、個人の自由が尊重されるがその人材への期待度によっても変わるが、上司や仲間にはあまりよくは映らないことが多い。指導をしても辞めていくとなる人材という立場になり職場での立場が難しいこともあるだろう。
退職後の人は、先にも述べたようにすぐに転職が決まらないこともある。転職した理由やその状況や転職できなかった期間の過ごし方など。壮絶なパワーハラスメントがあった、入院を余儀なくされたなど書類などでは詳細まで伝わらないこともあるだろう。そうなると、伝わるまでは「意欲がない人」の括りになってしまうこともある。
とにかく努力をしていることが伝わるように、活動が長くなってきた場合には転職エージェントの利用など自分にフィットしたサポートを検討しよう。
在職中の転職活動は目的意識を持って行おう
それぞれ転職の理由や活動の仕方、ライフスタイルに違いがあるのでそれぞれの判断をしてほしいが在職中をおすすめしたい。転職を考えるのであればメリットやデメリットをみてどちらが自分のライフスタイルにあった活動ができるか考えよう。
自分の軸足や基盤をしっかりして余裕を持てる。面接なども一発逆転のような先がないような気持ちではなくのぞめるだろう。しかし、転職を成功させるのは自身のしっかりした目的と意識だ。意識と志を高く持ち活動に挑んでほしい。