この記事では、金融業界のオペレーション職に転職するために必要なことを紹介していく。オペレーション職とはそもそもどんな仕事なのか、採用数、オペレーション業務に必要な能力も併せて解説する。
オペレーション職とは?
金融業界のオペレーション職という仕事をご存じだろうか。オペレーション職とは、ミドルオフィスやバックオフィスに属す、事務方のサポート職だ。
外資の金融ではよく使われている言葉だが、日本の銀行ではまだ浸透してない。しかし、メガバンクや新生銀行、GMOあおぞらネット銀行といったグローバルに展開している会社では、オペレーション職として募集をかけている。
業務内容は、
- 取引内容の確認、決済
- 顧客のサポート
- 取引システムのモニタリング
が中心となる。営業部(フロントオフィス)が持ってきた商品の決済や、取引内容の確認、また修正が発生した場合の顧客へのサポートが日々の業務として行うことが多い。株や証券、送金等の最終的な実行者となるためミスが許されない。
また、取引システムのモニタリングもオペレーション職が行うことが多い。取引システムの構築等はしないが、異常が発生した場合の対処は現場で行うため、ITの知識も必要になってくる。
オペレーション職の待遇は?
オペレーション職の採用は主に銀行と証券会社がほとんどだ。中途募集求人を見る限り、国内ではほとんどの場合オペレーション業務の経験が必要になる。しかし、外資系であれば銀行、証券問わず未経験採用を行っているところがある。
給与に関しては、日本の銀行と証券会社では年収500~700万円が多く、外資系では年収700~800万円と外資系の方が高待遇である。
オペレーション職の採用は多くない
オペレーション職の採用はあまり多くない。メガバンクなどの大きな会社でも採用は少なく、外資系では毎年2,3人ほどしか取らないため転職のハードルは高い。また、オペレーション職は人気なことも転職の難しさの一因となっている。
忙しい金融業界の中でオペレーション職は比較的ホワイトで、外資系では、残業がほとんどない。女性のイメージが強いオペレーション業務だが、男性でも活躍している人が多いのが特徴。
エージェントの利用がおすすめ
オペレーション職は採用数が少ないため狭き門だ。しかし、全く採用されないわけではない。募集している求人は少ないため、採用が難しいと思われがちだが、転職エージェントを利用すると転職できる確率はグッと上がる可能性がある。
オペレーション職の中には公開求人を出していないところもある。非公開求人を狙うためにはエージェントの利用が外せない。複数のエージェントと提携しながらオペレーション職を探すのがおすすめ。
オペレーション職の今後について
オペレーション職の給与は日本の平均給与と比べても高い傾向だ。しかし、オペレーション職は仕事がかなり特徴的なため、転職の際にはあまりスキルを活かすことができない。オペレーションからオペレーションの転職はしやすいが、30代をすぎると他業界への転職が難しくなるので注意が必要だ。
また、金融業界も急激にIT化が進んでいることから、将来的にオペレーション職がなくなるのではと危惧する声も多い。AIはオペレーション職のような高度な処理を得意としてることや、ブロックチェーンの技術で帳簿記録が簡単になることが予想されるからだ。
オペレーション職に求められる能力
オペレーション職は多くの能力を必要とする。また、求人では外資系も多いため本気でオペレーション職を狙うのであれば外資系も選択肢に入れることがおすすめ。問われる能力は大きく変わるわけではないので、併せて紹介していく。
語学力
外資系のオペレーション職には必ず必要なのが語学力だ。オペレーション職は、ミドルオフィス、バックオフィスといった裏方の仕事のため、英語を使う場面が非常に多い。フロントオフィスとの調整や、外国の支社との書類、契約書のやりとりなどただ喋れるだけではなく、筆記や読解においてもビジネス英語の高いレベルが必要になってくる。
コミュニケーション力
オペレーション職には、高いコミュニケーション力も必要。オペレーション職の仕事には、顧客のサポートが含まれているこため、バックオフィスなどの事務方ながら顧客と直接やりとりする機会が多い。そこで、顧客の要望に沿わない調整をお願いすることもあるため、コミュニケーションが上手に取れないとクレームに発展する可能性もある。
フロントオフィスと顧客を繋ぐ大事な架け橋となるため、双方の意図をしっかりと確認しながら仕事を進めていける能力が必要なのだ。
処理能力
オペレーションの仕事において、処理能力が最も要求される能力であろう。銀行や証券会社のオペレーション業務の多くは取引の実行と確認だ。取引の期限は決まっており、指定された日までに決済を行わなければならない。そのため、処理能力が遅いと指定された取引の日程に遅れてしまう可能性も。金融業界は日々変動する業界で取引実行が遅れると損失を生む可能性があるため気をつけなければならない。
また、処理する速度だけではなく、内容にもしっかりと気を配らなければならない。金額や数量のミスは絶対に許されないため、何度もチェックが必要。こういったことから高度な処理能力が必要とされているのだ。
単調な作業が得意な人
オペレーション業務はどうしても同じ作業の繰り返しになりやすい。そのため、人によって向き不向きがあるため注意が必要。高度な処理速度と正確性が必要であり、単調な作業が苦にならない人がオペレーションに非常に向いているのだ。
オペレーション転職はエージェントの利用が一番
金融業界のオペレーションに転職したい場合は、転職エージェントの利用がおすすめだ。オペレーションの募集は少ないため、転職の難易度はかなり高い。しかし、外資系金融機関であればオペレーションの転職はしやすいかもしれない。
日本国内ではそもそもオペレーション業務の中途採用数が少なく、ほとんどが新卒採用からの生え抜きだ。募集していたとしても、オペレーションの経験がある人のみの求人がほとんどで異業種からの転職は非常に難しい。
どうしてもオペレーション職に転職したい場合は、転職エージェントを使い非公開求人を利用するのが一番の近道だ。