履歴書は最初の書類審査でチェックされる重要書類である。一定のルールに則って書かなければならないため、一つひとつ確認しながら完成させる必要がある。
しかし、履歴書は定期的に書く書類ではないため、これから転職活動する人は、久しぶりの履歴書作成になるだろう。どのように書くべきか迷うこともある。特に学歴や職歴をどこからどこまで書くか迷う人も多いだろう。記入欄には限界があるため、内容を絞って書きたい。
そこでこの記事では、履歴書の重要性や基本的な様式・記載方法のほか、履歴書の学歴や職歴をどこまで書くかについて、履歴書の書き方とともに解説する。履歴書の完成度を高める方法についても紹介するので、参考にしていただきたい。
履歴書は重要な審査書類
履歴書・職務経歴書は審査書類で、単なる手続き上の書類ではない。転職先の採用担当者が履歴書・職務経歴書を見て、採用するか否かの判断をする。書類選考だけでなく、採用されるまで確認される書類であるため、ルールに則って作成したい。
履歴書の様式
履歴書の様式には、一般的に汎用性の高い様式だけでなく、新卒用や転職者用などもある。アピールしやすいものを選ぶとよい。またA4判やB5判などサイズの違いもある。一般的にはA4版でよく、指定がある場合にはそれに従おう。
記載方法
履歴書をパソコンで作成してもよいとする企業の場合は、パソコンで作成したほうが、完成までの時間を短縮できる。Webサイトからエントリーできる場合やIT関連企業、外資系企業などはパソコンで作成しよう。手書きの場合、読みやすい文字になるよう丁寧に書き、ひととおり書いたあとは、読み直すなどして、誤字・脱字のチェックをすること。
最初の書類選考は履歴書・職務経歴書をもとに行われる。応募書類が多いと、履歴書のみしか見てもらえず不採用となる場合もあり、最低限、履歴書の完成度を高めたい。まずはテーマとなる学歴や職歴の書き方について解説する。
学歴・職歴をどこまで書くか。
学歴は、入学と卒業を古い順に書く。高校や専門学校、大学・短大については、学部や学科、コースまで記載する。大学受験浪人中の予備校などについては書かなくてもよい。
一方、職歴も、入社と退社を古い順に書く。簡単に企業名のみを書いてもいいが、どのような会社かわかるように、具体的に記載するのもよい。
職歴(正社員) 記載例
〇〇株式会社 入社
(事業内容:保険代理店、従業員数:50人)
・東京本社営業部に配属
・法人への保険販売(月平均10件) セミナーの開催 など
企業名のみを書くより、具体的な業務内容をできるだけシンプルに記載したほうが、採用担当者に伝わりやすい。特に数字が記載されていると、どのような業務を行ってきたかイメージしやすい。
- アルバイト・パートの記載
在学中のアルバイト・パートについては記載しないのが一般的だ。ただ、転職先に関連する業務やアピールできる業務であれば、記載したほうがアピールできる。アルバイトやパートでもある程度長く働いていれば、責任のある業務を任される。このような場合は特に書いておくと有利に働く。
ただし、この場合、アルバイト・パートである旨を記載しよう。
職歴(アルバイト・パート) 記載例
〇〇株式会社〇〇店 入社(アルバイト)
・バイトリーダーとして、在庫管理や新人研修を担当
〇〇株式会社〇〇店 退社
また派遣社員の場合もできるだけ業務内容がわかるように書きたい。
職歴(派遣社員) 記載例
〇〇株式会社から〇〇株式会社に派遣される。
・業務内容 ホテルフロントでの接客業
なお、在職中に履歴書を作成し、応募する場合の記載例は、次のようになる。
職歴(在職中) 記載例
〇〇株式会社 入社
現在に至る(〇〇年〇月末退職予定)
履歴書の書ける範囲でアピールできるよう工夫する。履歴書の最初から最後まで、ていねいに記載しよう。
学歴・職歴以外の記入欄
学歴や職歴以外で、迷う可能性のある記入欄について解説する。
- 免許・資格
免許や資格は、「〇〇免許 取得」「〇〇検定 合格」と記載する。学歴や職歴と同じく、古い順に書いてもいいが、業務との関連性の強い免許・資格から記載する方法もある。免許・資格はいつ取得したかよりも、どのような免許・資格を取得したかが重要である。
また免許や資格がない場合でも、転職先に関係があるものであれば、「Word、Excelの操作可能」「会計ソフトの操作経験あり(〇年)」などと記載するのもよい。
- 特技
特技欄には、優先して、転職先や仕事に関連するアピールポイントや技能などを書く。「趣味」などの個人的な内容は後回しにする。なお「趣味」を書いておくと、なんとなく人となりがわかる。趣味があれば書いておこう。
- 本人希望記載欄
収入や勤務時間など具体的な条件は記載せず、「特になし」や「事務職を希望します」などと書く。ストレートに要望を書きすぎると、柔軟性がないなど誤った印象を与えかねない。また「御社の期待する業務ができるよう、真摯に取り組んでまいります」など、簡単なアピール文を記載する方法もある。
履歴書の添削をしてもらおう
履歴書の書き方について、特に迷いやすい点を解説した。履歴書は見る人によってとらえ方は異なる。しかし、履歴書の書き方について学ぶ機会は少なく、転職をきっかけに知ることも多いだろう。まずはネット情報などを参考に、履歴書の一般的な書き方を調べるとよい。
基本的な書き方を理解できたら、転職について詳しい転職アドバイザー・に相談するのもよいだろう。転職アドバイザーは、企業と求職者の仲介役として、履歴書を見る機会も多く、適切なアドバイスをもらえる。
アドバイザーナビが運営する転職サイトでも、転職アドバイザーに相談することができる。こちらは、金融機関に特化した転職サイトで、転職者だけでなく金融機関の評判も高い。金融機関への転職を希望している人は、一度相談してみてはいかがだろうか。