会社の平均存続年数は23年といわれている。もし、現在あなたが30歳だとしたら53歳頃には会社がなくなっていても不思議ではないのだ。つまり、転職はもはや当然の選択肢と考えておく必要がある。しかし、転職活動を経験したことがある人の方が少ないだろう。
そこで今回の記事では、失敗しない転職活動を進められるよう、転職にベストな時期と避けるべき時期・タイミングについて紹介しよう。
転職にリスクはあるかもしれないが、転職活動はノーリスクだ。ぜひ最後まで読み進め、行動に移してみよう。
転職活動にベストな時期と転職しにくい時期とは?メリットや特徴も紹介
中途採用は基本的に年間を通して行われているが、一年の中でも求人の量には差がある。具体的には、以下の時期が転職しやすいまたは避けるべきとされることが多い。
- 転職しやすい:2月〜3月または8月〜9月
- 転職を避けるべき:4月〜6月または10月〜12月
それぞれの理由やメリット、特徴を解説しよう。
2月〜3月または8月〜9月が転職活動におすすめ
一年の中で、転職をするなら2月〜3月または8月〜9月がおすすめである。とくに3月・9月は企業の上期・下期を迎える直前のタイミングで、社内体制を整えるため積極的に求人を募集するからだ。
これらの時期には、通常ではあまり見られない貴重な求人が出ることもあるため、4月・10月入社(転職)を視野に入れた転職活動は、多くの方におすすめしたい。
しかしデメリットもある。これらの時期にさまざまな求人が出る分ライバルも増加し、競争率が高まる傾向にあるからだ。そのため準備不足で面接に臨むと、思うような成果は出ないだろう。
4月入社なら1月スタート、10月入社なら7月スタートと転職活動を前倒しし、入念な準備を踏まえて3月または9月に本命の転職先を探すとうまく転職活動を進められるはずだ。
4月〜6月または10月〜12月は転職活動を避けるべき
一概には言えないが、4月〜6月または10月〜12月は転職活動を避けるべきとされる。
- 採用がひと段落している
- 新卒の入社対応や研修、次年度の新卒採用準備で人事が忙しい
- 新年度で自身の環境が変わり、転職活動の時間を取れない
- ボーナスがもらえない可能性
会社によって新卒採用と中途採用の担当者が異なる場合もあり、担当者が異なる会社であれば、上記期間でも十分転職可能だ。しかし、自身の環境が変わって転職活動する余裕がないことも考えられるし、退職時期によってはボーナスがもらえない可能性もある。
まずは転職活動を進めるにあたり、現職の就業規則を事前に確認しておくことをおすすめする。退職を伝えるタイミングやボーナスがもらえる条件など、知らずに損をするのは避けたいし、スムーズに退職時の引き継ぎを行えた方がスマートだろう。
もちろんこれらの期間に求人が全くないわけではなく、いわゆる掘り出し物のような求人もある。キャリアに悩んだタイミングが転職のタイミングだと考え、いつでも行動できる準備をしておこう。
転職活動をうまく進める2つのポイント
転職活動をうまく進めるポイントは、大きく分けて以下の2点だ。
- 長期休暇を有効活用
- ボーナスをもらってから転職
そもそも転職活動にかかる平均的な期間は3ヶ月とされる。自身の役職や部署の繁忙状況にもよるが、希望入社(転職)時期から逆算し、早めに準備を進めるのが最も重要であるのは言うまでもないだろう。
長期休暇を有効活用
会社に勤めていると、大きく3つの長期休暇を取得できる。
- 5月:ゴールデンウィーク
- 8月:夏季休暇(お盆休み)
- 12〜1月:年末年始
これらの期間を使って転職活動を効率よく進めよう。実際のところ上記期間は採用側の企業も休業しているため、自己分析や求人情報のリサーチ、応募書類の作成を集中的に進めるのがおすすめだ。
夏季休暇を利用して転職活動の準備を進め、休暇明けから9月にかけて面接を受けて10月に入社するのは、効率のよい転職スケジュールの一つといえるだろう。
同様に、年末年始を利用して準備を進めて、4月入社に向けた転職活動を進めるのもよいだろう。
業務が多忙な人ほど転職活動の準備に時間を避けないため、長期休暇を有効活用し、短期集中型で転職先を見つけられるような行動を取るべきだ。
ボーナスをもらってから転職
基本的に年2回(6月・12月)もらえる賞与(ボーナス)であるが、せっかくならボーナスをもらってから退職(転職)したいと考える人も多いだろう。この時注意すべきなのが、ボーナスの算定基準・支給条件だ。
- 支給時に在籍する必要があるのか
- 勤務実績があれば支給時に在籍しなくてもよいのか
こうした条件は会社によって異なるため、あらかじめ就業規則は確認しておこう。
ボーナスをもらってから退職するという考え方は、4月または10月入社を目指す人にとってはあまり関係ないかもしれない。7月入社または1月入社を検討する人であれば、ボーナスがもらえる条件を確認しておいて損はないだろう。
転職時期を決める3つのポイント
転職市場における、転職活動のおすすめな時期と避けるべき時期を紹介したが、自分自身が転職時期を決めるポイントも押さえた上で、転職活動をスムーズに進めよう。転職時期を決めるポイントは、大きく分けて以下の3点だ。
- 勤続年数
- ライフステージやキャリアデザインの変化
- 現在の年齢
勤続年数
あまりに短期間で転職を繰り返していると、いわゆる「ジョブホッパー」として認識されかねず、先方の印象が悪くなる可能性もあるから気をつけたいところだ。しかし、入社3年未満の若手であれば、第二新卒同様の扱いで、会社の未来を担う人材として採用されるケースもある。
逆に勤続年数が長くなるほど、現職の経験を転職先で活かせることを積極的にアピールできない限り、転職は難しくなる。
自身の現職における立場や力量を客観的に判断し、同じ会社に長期間留まらず、市場価値を高め続ける意識で会社を渡り歩くことを意識しよう。
ライフステージやキャリアデザインの変化
人生の転機はいつ訪れるか分からないし、入社前後でキャリアに対する考え方が変わるのも当然のことだ。
- 結婚
- 妊娠・出産
- 親の介護
- さらなるキャリアアップ
- 独立して自由な働き方への憧れ
上記は一例にすぎないが、自身の働き方を考えるきっかけは、どこかのタイミングで必ず訪れるだろう。
会社の平均存続年数が23年である以上、同じ会社に勤務し続けるのは得策といえない。転職はポジティブなものと捉え、ライフステージやキャリアデザインの変化に合わせて働き方も見直すとよいだろう。
現在の年齢
転職活動を進めるにあたり、現在の年齢を基準に考えるのも非常に重要だ。転職のしやすさに関する一つの目安・年齢の基準として「30歳」が挙げられる。入社して間もない人材ほど、長きにわたって活躍してくれる見込みがあり、伸び代もあるとみなされる傾向が強い。
一方40代の転職となると、相応のスキルが備わっていないと転職が困難なことも多くなるのが現状だ。
いずれにせよ、今日が人生で一番若い日であることに違いない。働き方やキャリアに関して少しでも悩んでいるなら、転職活動を通じて自身の市場価値を確かめることから始めてみよう。
転職しやすい時期を踏まえた逆算思考で後悔しない転職活動を
転職市場は年間を通じて活発に動いているが、3月・9月は年度の切り替わりを迎えるため、求人数も増えて採用活動が盛んに行われる。ライバルが増えるのも事実だが、前もって準備すれば転職活動をスムーズに進められるだろう。
長期休暇の有効活用やボーナスの支給条件を確認しつつ、ライフステージの変化やキャリアについて少しでも悩む機会があれば、それこそが転職活動を始めるタイミングだ。
今回紹介した転職におすすめの時期やタイミングを参考に、自身の市場価値を高められる会社を探し、転職をポジティブに捉え、自分なりのキャリアをデザインしていこう。