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転職活動における、内定承諾後の辞退は違法?押さえるべき伝え方のポイント

めでたく企業から内定をゲットし、無事に内定承諾。 これで転職活動は無事に終了!と思いきや、どこか腹落ちしない自分がいる。「 入社は決まったけれど、正直なところ、ちょっと、いや、どうしても気が乗らない。辞退したい。」それは、あなたの素直な本心だろう。

そんな時、あなたの脳内によぎる、「内定承諾しちゃったけど、入社辞退はできるのだろうか?」という思い。本記事のタイトルでも掲げているが、結論として違法とは見なされない。

しかし、企業に対する伝え方のポイント・マナーというものは確かに存在する。企業へ伝えるのが億劫、気まずいという思いがあなたの脳裏によぎるかもしれないが、一社会人として、必要最低限の誠意とマナーは持つべきである。

そこで本記事では、入社辞退を行う際の伝え方・ポイントについて解説しよう。

目次

内定承諾後の入社辞退について

まずは、 上記タイトルにおいて押さえておきたいポイントについて詳しく解説しよう。

内定承諾書に法的効力はない

入社辞退が違法ではない理由は、このタイトルの通りである。内定承諾書を提出した=必ず入社しなければならない、という法律は課せられていない。企業によっては、 内定承諾書に「内定承諾後、入社辞退しないこと」と記載しているケースもあるが、法律上は違法ではない

しかし、悪意の有無にかかわらず、企業側に多大な迷惑をかけてしまうことは事実である。企業側は、入社に向けて備品・社内体制等の諸条件を整理してくれているため、経済的・マンパワー的にも損害をきたす可能性が高い。

 また、書面ではなく口頭で入社意思を示した場合でも、労働契約を結ぶことができる。 その場合は、仮に書類を提出していなくても、速やかに辞退意思を企業へ連絡しなければならない。

誠意のある対応を心がける

前述した通り、内定承諾後の辞退は企業側へ非常に負担・ 迷惑をかけてしまう。また、 あなた以外の候補者にも迷惑をかけてしまうことも事実だ。 できる限り、誠心誠意をもって企業へお詫びの一言を伝え、あなたの意思を述べることが鉄則だ。

この部分をおざなりにしてしまうと、大きなトラブルに発展する可能性もゼロではない。具体例を挙げると、入社辞退したいという意思があったにも関わらず、企業側へ連絡することを怠り、入社日当日を迎えてしまうというケースもある。

入社日当日に本人が来ない場合、もちろん企業側は大急ぎで本人へ連絡するが、連絡がつながらない。そのような場合は、本人が履歴書に記載していた緊急連絡先ー例えば実家等に連絡を入れる場合もある。こんなトラブルは避けたいだろう。

誠意のある対応をしっかりと払えば、 トラブルは最小限に食い止めることができる。一社会人として、礼儀礼節のある対応に努めてほしい。

辞退後のリトライはほぼ不可能

想像することは決して容易くないが、同じ企業の選考を再度受け直すことはほぼ不可能だ。 ほとんどのケースが、エントリーの段階で選考を受ける権利すら得ることはできないだろう。

そのため、 入社辞退は決して軽はずみに行わず、慎重な決断をしてほしい。最終的に「やっぱり、あの会社に入社すればよかったな」と思ってしまっても、後の祭りだ。 もしその道を選んでしまった場合は、潔く諦めて、別の企業の選考を受ける他ない。

企業への誠意ある伝え方

上記では、 入社辞退は誠意ある対応に努めるべきであると述べた。

では、具体的にどのような伝え方であれば、企業側に誠意が伝わるのだろうか。具体的に解説しよう。

メールで入社辞退を伝える

まずはメールにてあなたの意思を企業側へ伝えることをおすすめする。 その理由として、しっかりと形として残すことで、あなた・企業側の双方にとって踏ん切りとなるためだ。

形に残すことで、企業側が確認できるタイミングで、あなたの意思を知ることができる。 企業側が、他候補者の選考も同時進行で行なっている場合はなおのこと、企業側への配慮に繋がるだろう。

また、メールで形に残すことで、企業側の人事が複数名いる場合でも、同じ文面・ニュアンスで伝えることができる。エビデンスを残すという意味でも、 まずはメールにて入社辞退の意思を伝えることを心がけてほしい。

電話にて入社辞退を伝える

適切な伝え方は、メールを送ってハイ終わり、ではない。 メールを送った後、企業側の人事へ電話をした上で、あなたの言葉でしっかりと伝えることをおすすめする。

なぜなら、企業側にとって入社辞退をメールだけで完結させてしまうというのは、 決していい印象を持たないからだ。 メール、電話の両方であなたの意思を明確に伝えることによって、適切なステップを踏んだ上で意思を伝えているという印象をあなたに持つだろう。

以上、入社辞退を示す際は2つのステップを踏んで進めていってほしい。 意思を伝えた際の企業のリアクション・反応はそれぞれだが、大きなトラブルを避けるために、2つのステップをしっかり踏むことをおすすめする。

また、ネットの中には「直接、企業へ足を運んで伝えるべきなのか」「お詫びとして菓子折りは持っていくべきなのか」等という質問も見受けられた。 この部分に関しては、 結論として不要であると考える。

理由として、企業側には縁が繋がらない相手との時間を必要以上につくる余裕はない点、また菓子折りの本来の用途は、「これからもお世話になる相手」との関係性構築であるためだ。少しドライに聞こえるかもしれないが、義理人情を相当大切にする企業でない限り、必要以上の時間と工数が割かれるのは避けたいのが事実だ。

義理堅いことは素晴らしいことだが、誠実かつ適度なビジネスライクさを意識することを徹底してほしい。

内定辞退の連絡を入れる例文

次に、メール・電話で企業に内定辞退の連絡を入れる際の具体的な例文を紹介しよう。

ここで紹介するのは一例なので、参考にして挑んでいこう。

メール編

件名:(氏名)内定辞退のご連絡

お世話になっております。〇〇(氏名)です。

先日、内定承諾書を提出させて頂いたのですが、

この度、一身上の都合(理由は任意で伝える)により、内定の辞退をしたく思い、ご連絡させていただきました。

貴社へ正式に内定承諾書を提出したにも関わらず、私都合の申し出をしてしまい、大変申し訳ございません。

選考でお忙しいことと存じますので、まずは、メールにてご連絡させていただきたく存じます。

改めて、お電話でもお伝えさせていただければと思います。

ご迷惑をおかけいたしますが、何卒宜しくお願い申し上げます。

電話編

転職希望者

「お世話になっております。先日、内定承諾を提出させていただいた〇〇と申します。恐れ入りますが、人事担当の〇〇様はいらっしゃいますでしょうか?」

人事

「お電話代わりました、〇〇です。どのようなご用件でしょうか?」

「お世話になっております。先日、メールでも一度〇〇様へご連絡させていただいたのですが、この度、入社を辞退させていただきたく、お電話させていただきました。」

「メールを拝見しました。非常に残念ではございますが、もし差し支えなければ、ご事情をお伺いしてもよろしいでしょうか。」

 「~~~差し支えなければ、理由を述べる~~~」

「 分かりました。それでは、入社辞退ということで進めて参ります。」

「ありがとうございます。ご迷惑をおかけいたしまして、申し訳ございませんでした。失礼いたします」

まとめ

以上、入社辞退の道を選び、踏み切る際のポイントについて解説した。 入社辞退は法律上、違法とはされていないが、企業側に迷惑をかけてしまう選択肢であることは事実だ。 そのため、誠意ある対応を行った上で、後ろ髪を引かれる思いがないように締めくくることが重要だ。

一度、選択をしたらその企業へ再チャレンジすることはできないからこそ、決意した後は、冷静かつ慎重に迅速に対応する意識を忘れないでほしい。

この記事を書いた人

アドバイザーナビ株式会社。野村證券出身者が2019年に創業した会社で、金融に特化した転職エージェント業務を行なっている。『金融機関勤務者が転職に使いたいサービスNo.1(日本マーケティングリサーチ機構2020年3月調査)』を獲得している。

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