「履歴書に貼る写真のマナーはあるの?」「メイク濃すぎはダメ?」「よく見せたいけどアプリは使える?」等、履歴書の写真に関する疑問は絶えないのではないだろうか。今回が証明写真撮影時の最適な服装やメイクの仕方について解説しよう。
証明写真を撮る時のベストな服装は?
一般的に、履歴書には40×30mmの証明写真を貼る欄があり、転職時にも必ず必要となる。写真は本人確認の意味も多分に含んでいるため、「前に使ったものが残っているから」と古いものを貼ったり、顔がはっきり分からない写真を貼るのはNG。
必ず撮影時から3ヶ月以上経過していない写真を使用しよう。また、履歴書から剥がれ落ちてしまう危険性もあるため、裏面には名前を記名しておくのもマナーである。
望ましいのはきちんと感のあるスーツ
書類選考に通過すると、当然面接を受けることになる。その際に写真の姿と現物の姿が一致しやすいように、できれば面接時と同じ服を着て撮影しよう。きちんとして見えるシルエットのスーツやジャケットが望ましい。
色味は黒やグレー、ネイビーなど、派手すぎないものをチョイスする。企業から指定がある場合もあるので気をつけたい。
インナーはシンプルなものを選ぶのが吉
スーツの中に着るインナーは、無駄な装飾のあるものは避けてシンプルな系統で攻めるのが無難である。女性ならシャツやカットソー、男性ならワイシャツがよいだろう。色は清潔感のあるホワイトやアイボリー等の淡いカラーが望ましい。
カットソーの場合は首回りにスタッズやフリル等の派手な装飾がついたものは控えよう。万が一迷ったら、襟付きのシャツの方が無難だ。
アクセサリーは極力身につけない
履歴書の証明写真を見たときの印象が、企業側があなたに抱く第一印象となる。これまでのコミュニケーションの場において、実際に話してみれば優しいのに、写真だと怖く感じたような経験はないだろうか。
企業はまだあなたの人柄を知らないのだから、派手な印象を与えかねないピアスやネックレス等のアクセサリーは身につけないのが無難である。
身だしなみを整える
当然の如く、最低限身だしなみが整っていることは社会人としての重要なマナーのひとつだ。特に営業職等は、清潔感が仕事の成果に大きく影響してくる。
企業側としても、当然清潔感のある人物の方が都合が良いだろう。服に毛やゴミが付着していないか、汚れやシワがないかなど、細かくチェックしてから撮影に臨もう。
印象がぐっとアップする証明写真の裏技
続いて、あなたの第一印象が大幅に良くなる写真撮影の裏技について解説しよう。
写りよく見せたい:あごを少し引く
写真写りが悪いという方は、いつも顎を引くのを忘れていないだろうか。しっかりと目線がカメラのレンズを捉えるようにすると、瞳に光が入って綺麗に撮れる。
また、顎が前に出ていると偉そうな態度をとっているようにも見えるので、どちらにしても就活や転職活動では不利となる。写真を撮るときにはあごを気持ち引くことを心掛けよう。
顔を明るく見せたい:膝の上に白いハンカチを置く
写真が明るいと、写っている人物も明るい印象を受けるもの。証明写真を撮るとき、膝に白いハンカチを置いておくと、ハンカチがレフ板の役割を果たして顔を明るく見せられる。
ハンカチが手元になければ白い紙でも、とにかく白ければ影を飛ばしてくれるので何でも良い。
清潔感を出したい:髪の毛は後ろで一つまとめる
「証明写真では細かいところまで見えないから、髪型は適当でいい」なんて勘違いをしていないだろうか。最近の証明写真は画質が非常に良いため、髪の毛はもちろんのこと、服の汚れやシワまでよく見えてしまう。髪が跳ねているならしっかり梳かし、アイロンを通しておこう。
せっかくのまとめ髪でも、アホ毛が目立っていれば清潔感がないので、ワックスやムースでしっかり撫でつけてて抑えると良い。髪が長いならまとめるか耳にかけて、全顔がはっきりと見えるように意識しよう。
意志を強い印象に見せたい:しっかりめにメイクする
「濃いめにメイクしても、写真だとあまり目立たなくなる」というのは、多くの女性が知っていることだろう。キリッと意志の強い印象を目指すなら、証明写真の撮影時はいつもよりしっかりめを意識してメイクしてみよう。血色感のある色味を使って、手っ取り早く多幸感を演出するのもおすすめ。
しかし、もちろん真っ赤なリップを塗ったりつけまつげを大量につけたり等、明らかにやり過ぎと分かるメイクはNGだ。あくまでも自然に、立体感や血色感を足す程度にとどめておこう。
自然な笑顔を作りたい:表情筋をほぐしておく
履歴書の写真では歯を見せる笑顔はNGだが、無言で撮るのも望ましくない。歯を見せないように程よく口角を上げて、自然な微笑みを作るとよいだろう。
撮影する前に手で顔の筋肉をほぐしたり、目を閉じたり開いたりして、表情筋をほぐしておくと、自然な笑顔が作りやすい。
パーソナルカラー診断なら自分に似合う色が分かる
パーソナルカラーという言葉を聞いたことがある方は多いのではないだろうか。髪や肌、瞳などのその人が生まれ持った色と調和する色のことである。人にはそれぞれ似合う色、似合わない色が存在していて、似合わない色を選択してしまうと、顔色が悪く疲れて見えたり不健康な印象を与えたりするのだ。
自分に似合う色を知っていれば、履歴書写真だけでなく面接にも活かすことができる。気になる方は一度調べてみるとよい。
転職時の証明写真の疑問
続いて、よくありがちな証明写真の疑問について詳しく解説しよう。
スマホの証明写真アプリを履歴書に使ってもいい?
スマホアプリで証明写真を撮れるものがあり、転職の履歴書に使ってもいいのか気になる方は多いかもしれない。結論としては、企業から「スマホアプリNG」との指定がなければ、証明写真アプリを使ってもよい。
「自分で撮った方が綺麗に撮れる」「証明写真にかかるお金を節約したい」という方は、活用してみてもいいだろう。ただし、目を大きくしたり輪郭をシャープにしたりと、加工・修正を加えてしまうと、面接時にギャップが生まれてしまうため、あまりおすすめしない。
また、証明写真機で撮影したことがあれば分かるかもしれないが、機会の中では多くのライトを当てて顔色を明るく見せている。自分で撮影を行うと、思っているより暗く写ってしまったり、画質が悪くぼやけた写真になってしまいかねない。担当者に悪い印象を持たれないためにも、綺麗に撮れた写真を貼るようにしよう。
証明写真は私服で撮影してもいいの?
絶対にダメと断言することはないが、よい印象を与えたいなら、フォーマルなスーツを着て撮影するのが無難である。「面接で会ってみたい」と思われるような、きちんとした服装を心掛けよう。
しかし、アパレル業界などはこの限りではなく、センスを見極めるという目的で「服装自由」と指定されることもある。このような場合には、好きな服で撮影して問題ない。
証明写真の背景に指定はある?
企業に指定されていないのであれば、基本的には何色でも問題ない。どうしても迷った場合には白やグレーなどの淡い色を選ぶと間違いない。逆に、プリクラのように背景に柄や写真が入っているものは避けよう。
不採用の企業から返却された履歴書の再利用
ほとんどの場合、書類選考に使われた履歴書は企業側で処分されますが、ごく稀に不採用になった履歴書が返却されるケースもある。「貼り付けた写真がまだ綺麗だしもったいない……」と感じてしまっても、剥がしてほかの履歴書に再利用するのはやめよう。
履歴書の写真は糊で貼り付けるので、きれいに剥がれなかったり波打ってしまったりと、一見綺麗に見えても状態がよくないことも多い。別の企業に応募する際には、新しい写真を用意しよう。
まとめ
以上、面接用の証明写真を撮影する際に押さえておくべきポイントについて詳しく解説した。写真の出来良し悪しによって、面接官があなたに抱く第一印象は大きく左右される。
仮にあなたが面接官として、ムスッとして生活感がない印象を匂わすような人の履歴書が届いたら「ぜひ一緒に働きたい」と思えるだろうか。ひと手間加えれば、たちまち好印象を持ってもらえる写真に近づけるため、面倒くさがらずにぜひ力を入れてほしいポイントだ。
証明写真とは、ただあなたの顔を見せるだけの用途があるわけではない。「あなた」という人間を視覚的情報からアピールする強い武器なのだ。本記事で解説した内容が、ぜひ有益なヒントとなれたなら幸いだ。