挨拶は人の第一印象を左右すると言っても過言ではない。挨拶は「マナー」として捉えられるが「しなくてはならない」「やらされている」という挨拶と、意識的に自分の行動として心から発する挨拶とでは印象が違い、さらには顔全体の雰囲気や表情、声のトーンなども印象を左右する。
転職活動の場面ではどうだろうか。担当者との会話の中で挨拶をする、面接でも挨拶は大事な自己PRの一つ、合否の基準にもなるだろう。その後も、内定後は、職場で挨拶に至る。
「どんな人だろう」と新人に対しては大きな期待を寄せられることは間違いない。その最初の場面で良い印象を与えるのにはどうしたら良いのだろうか。今回は、転職の様々な場面別に考えていきたいと思う。
良い印象を与える挨拶のポイント
はじめに、良い印象を与える挨拶のポイントについて考えてみたいと思う。「タイミングをみて明るく、謙虚に端的」がポイントといえる。
明るく端的に
明るい笑顔で胸を張って、ハキハキと話す、これが何よりも良い印象につながる。挨拶には表情が大事。緊張するが、暗い表情や、硬くなってしまうと言わされている、やらされているという感じになりがちだ。
言葉を並べすぎず、言いたいことをまとめてはっきり伝えよう。
謙虚に
これまでの実績を並べて自慢やマウントを取るようなことには気をつけたい。以前のことは以前のこととし、謙虚さを持って「今後指導を受けたい」という気持ちや態度でいたいものだ。
あまり自慢をしていたりプライドが高そうなどの印象に取られると、声をかけにくい人になってしまう。
タイミングをみて
全体で挨拶ができなかった人には、会ったら個別に挨拶をするようにする。しかし、きちんとタイミングをみよう。相手に作業中に手を止めさせて声をかけるなどは逆効果だ。
タイミングに気をつけ、名前とよろしくお願いします程度の簡単な挨拶でも問題はない。
転職面接での挨拶
面接で重要なことは「相手の印象に残る」というのが重要。感じの良さなども含め、少しでも覚えていてもらうことが採用への近道だ。では、どうしたら「印象に残る受験者」になれるのか。
日々の行動から追ってみよう。普通に「こんにちは」「お世話になっております」これは普通、一般的な日常の挨拶だ。
ではこんな挨拶はどうか、「こんにちは、先日の〇〇ありがとうございました」「先日は〇〇の件、お世話になりました、助かりました」など「自分の考えや気持ち」を一言挨拶に添えることでこんなにも印象が違う。
面接においては「よろしくお願いします」を「よろしくお願いします、本日はお時間いただき、ありがとうございます」終了時にも「ありがとうございました」から「お忙しい中、貴重なお時間いただき、ありがとうございました」に変えることで「丁寧な人」という印象が残るだろう。
面接で評価を受けた時
面接時のもう一つ挨拶の仕方で気をつけたいポイントがある。面接官から「〇〇の実績は素晴らしいですね」「あなたであれば、きっと〇〇できますね」など良い面にフォーカスして評価を受けた時、どのように答えれば良いのだろうか。
よくしがちなのは「いえいえ、そんなことありません」「いえいえ、それほどでもありません」と謙遜の意味で、否定をする方が多いのではないか。そうではなく、まず相手の意見を受け止め素直に「ありがとうございます。評価いただき光栄です」と感謝の意を込めた挨拶を返そう。
その後で「〇〇についてはまだ未熟ですが」など謙遜の意を表してから考えを話してみてはどうか。謙遜する、謙虚であることは大事だが、面接の場合は「消極的な人」という印象を与えがちなので気をつけたい。
退出時までが面接
面接時は、受付から退出時まで全ての行動が面接だと思って挑もう。会社などの面接先を出る時、会社の方に会った時などには一礼、そして「ありがとうございました」の一言も添えても良い。
間違っても「お疲れ様です」「ご苦労様です」などは使わないように。この2つはよく使いがちな挨拶だが、目上の立場からの挨拶であることを忘れないようにしたい。常識に欠ける人だと思われないようにしよう。
転職後、初日の挨拶
では次に、転職後について考えたい。内定をもらい初出社したら、全体、または会社の方一人一人に挨拶をする機会があるだろう。先にも記したように、新人には期待が高まっている場合が多いので、ほぼこの挨拶の時点で印象が決まってしまうだろう。
しかし、近年、リモートワークが推奨され、もしかするとメールで挨拶をすることもあるかもしれない。職場、メール双方の挨拶の仕方を考えたい。
職場での挨拶の場合
職場の場合はまず、挨拶とともに、言いたいことを端的にまとめておくことが重要だ。出社後すぐ、朝礼などで朝一番というところも多い。
朝は忙しい時間で、そんな時に長く話をしていると空気が読めないという印象を与える上に、業務にも支障を与える。時間にすると長くとも1分程度にまとめよう。
メールの場合
「入社のご挨拶」として「はじめましての挨拶」から、名前、入社日、配属先を記載する。そして、本来ならばお会いして挨拶すべきところ、メールになってしまい失礼する旨は必ず添えたい。
最後に自分が今後どのように貢献していきたいかなどを短くまとめる。最後締めの挨拶まで含め、150〜200字程度でまとめると良いだろう。
まとめ
様々な場面別に、今回は転職活動の挨拶で良い印象を与えるにはどうしたらいいか考えてきた。挨拶は当たり前のことのようだが、日常からしていないと言葉が出てこないこともある。しかし、少しの意識をすることで印象が全く変わることも、この記事で理解いただけただろう。
いつもの「よろしくお願いします」を「よろしくお願いします、本日はお時間いただき、ありがとうございます」と挨拶に「自分の考えや気持ち」を一言加えるだけで、だいぶ丁寧で聡明な印象を与えることができる。
また、謙遜も必要だが、謙遜の意味で、「いいえ」など否定をすることなく「ありがとうございます」の前向きな挨拶で返してみよう。そして、タイミングをみて明るく、謙虚に、端的にすることが、良い印象を与える最も大きなポイントといえる。即実践をして成功を引き寄せてほしい。