履歴書は、面接の前にあなたの考えや思いを伝えることができる唯一のツールといっても過言ではない。履歴書によって面接に進めるか否かが判断されるからだ。
この記事では、転職における志望動機の書き方、また採用される履歴書とはどのようなものかを考えていきたい。
履歴書の志望動機の書き方とは
志望動機は、簡単に言えば「自分がどのくらい会社に入社したいのか」を伝える書類だ。
では具体的に、採用担当者がどのような視点で履歴書に書かれている志望動機を見ているかを含めながら、実際の書き方、表現の仕方を考えてみる。
求人内容と合致している人材か
採用側は、求めている人材があり、こんな人材を求めているということを求人票に記載したりしている。きちんと求めている求人像を分析し、それに沿った内容、求人に合致した自分の持ち得るスキルを志望動機として記載したい。
きちんと理解を深めた上でそれをうまく表現できているのか、プレゼンの能力は備わっているかにも繋がってくるだろう。
どんなスキルを持っているのか
転職である場合に特に注視されるこれまでの経験やスキル。この人材は、そんなスキルを持っているか、採用したらどんな成果をもたらしてくれるかという点を見ている。ここは採用における大きなポイントとなるため、「自分がどんな経験を積んで、どのようなことができ、その能力をどのように生かしていきたいか」を明確に記載しよう。
記載する際に、例えば「貢献に高い評価を受け表彰をされました。」ではなく「新たな取り組みをし、業績を前年に比べ20%向上させました」「入社2年目にはチームリーダーとなりチーム全体のマネージメントを担当しました」など自分の実績や経験が具体的にわかる、伝わる書き方を意識しよう。
前向きな努力ができるか
仕事をしていれば、成功もあれば失敗もある。これまでの経験を書く際に、これまでの失敗談を書いて内容を膨らませる人もいるだろう。その際に意識したいのは「前向きな努力ができる」というアピールだ。
「自分の対応が至らず、お客様が他社に口座を移行されたこともありました」だけではなく、
お客様が他社に口座を移行されたこともありました。しかし、その後は丁寧なフォローを心がけお客様に寄り添ったサービス、お手伝いを続けたことで別な商品にご加入いただくことができました
など、このように、失敗を犯した後に、自分は「改善に向けてどのようなことを考え努力したか」また、「どのような成果を残すことができたのか」のポイントを抑え、失敗をしても改善を続けながら「前向きに問題解決に向かえる」という姿勢を示したい。
選択・志望の理由が明確か
会社の選択。志望の理由については、採用側も興味の高い項目だ。どうして会社を志望したのかは必ずといっていいほど記載する。その際に「貴社の魅力に惹かれました」「理念に共感しました」では言葉を並べただけになり、読む方としても「具体的にどこに?」と疑問が沸くような表現だ。一歩進めば、何も企業分析がされていないと思われるだろう。
新規事業への投資に積極的な貴社の事業展開に魅力を感じ、今後展開されるグローバルな投資についても、留学などを通して高めた語学力を生かし、貴社に貢献したいと思い志望しました
このように、具体性を持って企業が行う事業や、そのどこに惹かれたか、そして自分がどんなスキルを活かせる場なのか積極的にアピールしたい。自社の社風にマッチしている人材なのかを検討される内容でもある。
つまりは、志望動機を書く際には、改めて企業分析、研究が必要であることがわかるだろう。どんな企業で、今最も注力している業務は何か自ずと押さえておきたい。
履歴書を作成する時の注意点
では、作成や記載の際に、これは注意したいというポイントを押さえる。絶対に書いてはいけないことではないが、他の内容を検討した方が採用率は高まると考えてほしい。
労働条件ばかりが主張されている
「福利厚生が充実している」「テレワークを最小しているから」「休日の多さに魅力を感じます」など労働条件についての言及ばかりしていると「特に弊社でなくてもいい」と採用は難しいだろう。
最も重要な部分である「特に会社に魅力を感じて応募しているわけではない」と理解されても致し方ない。また、社会事情などにより労働条件の改定があった場合、条件が合わないことを理由にこの人は仕事をやめてしまうと思われるだろう。
労働条件について記載したい場合は、きちんと事情「子どもが未就園児のためテレワークを希望したい」など詳細について確り言及したい。
企業の特徴・仕事の内容に触れていない
企業の特徴・仕事の内容にきちんと触れた内容になっていることは重要だ。金融業界において、同業他社は数多く存在するのは承知だ。その中で、他者との違いについて述べられていない、明確にされていないと先にも述べたように、企業研究がなされていない、金融業界ならばどこでもいいのでは、と取られるだろう。
そこで重ねて気をつけたいのは、企業研究を行うことはいいが内容に偏りが出ることだ。例えば、トップの考え方や経営のあり方、企業の規模および取り組みばかりに話が及んでしまうと、自分が取り組む仕事の内容は理解できていないのではと判断されるかもしれない。
仕事内容を始め、先にも述べたように募集要項に沿った仕事へのスキル、貢献に触れることも忘れずに行って欲しい。
履歴書の志望動機を面接にも活かそう
企業について考えながら、自分の考えや思いを網羅し作成した志望動機。これを面接にいかそう。面接では必ず志望動機を聞かれる。その際に、作成した志望動機をしっかり頭に入れて、自分の言葉で話すことができれば、あらためて面接に向けて志望動機の準備をする必要は全くない。
面接の際に、面接官は必ず用意した履歴書を手元に置いて話を進めるだろう。その際に、持っているのだからわかっているだろうではなく、記載したことについて丁寧に初めから説明をする気持ちで思いを伝えたい。
話の辻褄が合っているかを確認
そこで注意したいのが、きちんと辻褄が合っているかだ。履歴書にはこのように書いているのに、面接で話していることが、ねじれている、全く違っているとなってしまうと、これまで内容をまとめてきた意味はおろか、考えや話が一貫されていない人と理解され採用も遠くなるだろう。
履歴書に記載した内容はしっかり覚えておこう。
履歴書の控えは必須
そのためにも、履歴書は企業に送付する前に、コピーをするなどして1部は手元に置いておく。これまで、作成に使用した記事やメモなどがあればそれも一緒に残してこう。
志望動機で思いを伝える熱意を持とう
履歴書は、自分の思いを伝えることができる唯一のツールといっても過言ではない。企業分析を行った上で、転職の場合に重視される自分の考えや経験、スキル、物事に対する対応力などを志望動機に確実にまとめて伝えよう。
採用される履歴書はその人となりがきちんとした形で見て取れること、この人だと興味を沸かせることだ。志望動機が最も重要で、その思いを伝えたいという熱意を持って記載することで、内定、採用を引き寄せることができるだろう。