転職活動をする上で、必須フローである「履歴書提出」。履歴書に写るカラー写真は、面接官の目に残りやすい情報である。印象に残りやすいからこそ、履歴書に貼る証明写真は、あなたの第一印象を大きく左右する要素とも言える。
写真の写りが良いか悪いかだけでなく、写真撮影のルールがしっかり守れているかも見られるポイントの一つだ。
そこで本記事では、履歴書に貼る証明写真を撮影する際のポイントを初めとして、なぜ証明写真が重要であるかという理由について解説しよう。証明写真を撮り慣れていない方も、ポイントさえ覚えておけば決して難しいものではない。ぜひ頭に入れていってほしい。
証明写真が重要である理由
まず、履歴書の証明写真は具体的にどのような重要性があるのかについて解説しよう。
あなたの第一印象が決まるため
まず、履歴書は企業があなたのことを認知する一番最初のプロセスである。言い換えると、証明写真で感じた印象は、あなたの第一印象へ直結するのだ。人の脳には、相手を見た一番最初の印象が強く頭に残る作用が働く。
いわば、第一印象はスタートラインだけではなく、その後のやりとりにおいても面接官の頭に残っているのだ。第一印象が良くない場合、その後の印象にも良くない影響がもたらされてしまう。写真は、履歴書に記載する文章以上に、視覚で強い情報を与えるということを認識しておこう。
選考の合否を決める要素であるため
証明写真は、選考の合否自体を決定する要素と言っても過言ではない。面接官は、ルールに則って写真を貼り付けているか?服装、身だしなみは清潔感があるか?あなたの表情から、仕事を誠実にやってくれそうな印象を感じられるか?等、様々な観点からあなたを判断する。
それくらい、写真とはあなたの印象を決定するツールなのだ。やや乱暴な言い方をしてしまうと、経歴は非常に優秀だが証明写真はルールが守られていない人、経歴は普通だが証明写真はルールを守っている人がいた場合、面接官は後者を「一緒に働きたい人」として選ぶだろう。
その後の選考資料として残るため
証明写真の用途は、書類選考のみではない。書類選考を経た後の選考でも、選考資料として使用される。多くの企業の選考フローは、選考フローごとに採用担当者を分けている。
各選考フローの採用担当者ごとにあなたの証明写真は見られ、選考前の第一印象が選考フローごとに決まるのだ。この段階で、ビジネスルールが守られていない写真だと判断されてしまった場合、選考開始前から、印象がマイナスポイントになってしまうだろう。
そのような理由から、面接官に好印象を残す写真撮影はマストである。
証明写真のルール
次に、履歴書に貼る写真の適したサイズ、背景等の基本ルール等について詳しく見ていこう。これから紹介するルールさえ押さえておけば、証明写真のルールは問題ないだろう。
<撮影ルール>
- サイズ:縦4cm×横3cm
- 背景:白、青、グレー
- アングル:カメラ目線(正面)
- 有効期限:撮影から3ヶ月以内
- 帽子やサングラスは必ず外す
- 写真の裏に名前を書いてのりづけ
<服装ルール※男女共通>
- 服装:シャツ+ジャケット
- ※男性は季節問わずネクタイあり
- 髪色は暗めの黒か茶色が望ましい
- 眼鏡は派手なフレームでなければOK
- 前髪は目元にかからないようにまとめる
<服装ルール※男性>
- Yシャツは無地の白シャツが無難
- ネクタイの色は黒、白以外の落ち着いた色
<服装ルール※女性>
- ジャケットの下は白のブラウスが無難
- 髪が長い場合は、後ろで一つにまとめる
- ファンデーションは肌に馴染みやすい色を選ぶ
- 濃いアイライナー、マスカラは避けた方が良い
以上が基本ルールだ。服装・髪型に関しては、清潔感をイメージしておくことがポイントだ。服のサイズが身体に合っているか、ほこりやシワ等が付いていないかも確認しておこう。
また撮影方法は、自撮り/スピード写真館/写真館のいずれかが一般的だ。自撮りの場合は撮影時に写真サイズの指定はできないため、撮影後に加工する必要がある。次の項目では、撮影方法について詳しく解説しよう。
証明写真の撮影方法
前項目でも軽く触れたが、証明写真の撮影方法は、写真館/スピード写真館/自撮りの3種類が挙げられる。いずれも特徴、メリット・デメリットが異なるため、あなたに一番マッチした方法を選んでほしい。では解説しよう。
写真館
もっともキレイな仕上がりで出来上がるのが写真館である。プロの目線からの直接アドバイスに加え、メイクアップ、写真のレタッチ、加工等も対応してくれる写真館もある。ま
た、写真館の中には撮影したデータをもらうことができるため、一度撮影すればその他の履歴書提出でも活用することが可能だ。とにかくキレイな仕上がりにしたい、という方は写真館一択だろう。
デメリットとして、他の撮影方法と比較してコストが高い点が挙げられる。金額はおよそ1,700円〜10,000円以上と幅があるため、オーダー次第で金額が変動することを念頭に入れておこう。
スピード写真
スピード写真随一のメリットは、その名の通り思い立ったらすぐに撮影できる点と低コストである点だ。また、ガイドや簡単なポイント指導もあるため、初心者も選びやすい撮影方法だ。コンビニ、スーパー、駅等の身近な場所に設置されている点も魅力ポイントの一つである。
手軽さがウリの撮影方法だが、写真館と比べるとクオリティがやや見劣りするのは否めない。また、撮り直しの回数制限が決まっている機種も少なくないため、納得いくまで撮影をした結果、思った以上にコストがかかった・・・ということにもなりかねない。
コストを最小限で納得の行く仕上がりにするためにも、事前の撮影練習を行っておくことをおすすめする。
自撮り
自撮りのメリットは、やはりコストを最小限にできる点と何度でも撮り直しができる点だ。場所も時間も選ばず、思い立った好きなタイミングで撮影できる点は自撮りにしかないメリットだろう。
また、加工に慣れている人であれば写真加工も可能である。言い換えると、加工に慣れていなければ、自然な仕上がりにするのは難しいというデメリットもある。
自然な写真に見せるための加工ソフトを持っている必要もあるため、完全未経験にはあまりおすすめできない。自撮りは、写真加工に自信がある人であればおすすめできる撮影方法である。
証明写真をきれいに仕上げるには
ここまでの内容を通して、履歴書に貼る証明写真がなぜ重要なのか、基本ルールについてお分かりいただけただろうか。次は、いざ実践編として、証明写真を後悔のないクオリティに仕上げるためのコツについて解説しよう。
姿勢を正して胸を貼る
姿勢が整っていないと、だらしない印象を与えてしまうため、撮影の際は姿勢を正すことを意識すると良い。姿勢を正すためのコツは、まずは背筋を伸ばし、胸を張ることだ。
あまりにも力を入れ過ぎると表情が険しくなってしまうため、強張りすぎないように肩の力は抜くようにすると良い。また、顎が前に出過ぎていると見下しているように見えてしまうため、顎は引き気味にすると綺麗に映るだろう。
膝の上に白いハンカチを置く
スピード写真機の照明は、身体の正面にしか照明が付いていないため、どうしても顔が暗めに写ってしまう。それを防ぐために、ラフ版の代わりに白いハンカチを膝の上に置く方法をおすすめする。
白いハンカチを準備できない場合は、印刷紙等でも代用可能だ。ラフ版として顔辺りに光を集めてくれるため、顔色が明るい写真を撮影することができる。
リラックスモードで撮影する
緊張のあまり、表情がこわばっていると、採用担当者からマイナスイメージを持たれてしまう。力を抜くのが難しい場合は、撮影前に鏡の前で練習しておくことをおすすめする。もしくは、自撮り撮影でお試し撮影をすることも一つの手だろう。
また、表情が作れない、口角を上げるのが難しい場合は、あなたの好きな食べ物を想像して表情を作ってみてほしい。自然と明るく、笑顔のある表情が作りやすいという実感が持てるだろう。
まとめ
履歴書の証明写真にはどのような重要性があるかをお分かりいただけただろうか。中途採用の場合、新卒採用以上に写真撮影のルールとビジネスマナーが守られているかが見られる傾向のため、ルールとビジネスマナーを遵守した撮影を心がけることが重要だ。
あなたのファーストインプレッションを決める判断材料だからこそ、あなたをアピールする武器に転ずることもできる。ぜひ、転職活動を有利に進めるために参考にしてみてほしい。