ハローワークは、国(厚生労働省)管轄の機関で、職業紹介してくれる。退職したあとに就職活動する場合、基本手当を受けるためにはハローワークで手続きしなければならない。
しかし、基本手当以外のサービスについては、あまり利用していないかもしれない。基本手当の手続きでなくとも、ハローワークのネットサービスを利用し、求人情報を閲覧できる。状況によっては、ハローワークを活用したほうがよい結果を得られる場合もある。
そこでこの記事では、どのような人がハローワークを活用すべきか、在職中でもハローワークで求職登録できるのかなど、転職でハローワークを活用する方法を解説する。
ハローワークとは?
ハローワークは、おもに転職サイトや人材紹介会社からでは転職が難しい場合などに活用される厚生労働省管轄の機関である。職業紹介のほか、雇用保険や雇用対策などの業務を行う。一部の施設では、平日の夜間や土曜日の利用も可能だ。
また求職者の状況に合わせた専門的な窓口もある。
ハローワークの専門的窓口(例)
- マザーズハローワーク
- 子育て中で、子ども連れでも気軽に相談できる窓口。仕事と子育ての両立をサポートしている。
- わかものハローワーク
- おおむね35歳未満を対象にした正社員就職を目指す若者のための窓口。「わかものハローワーク」は全国22か所、「わかもの支援コーナー」は195か所あり、専門スタッフがマンツーマンでサポートする。
- 就職氷河期世代専門窓口
- おおむね35歳~54歳の就職氷河期世代向けの専門窓口。就職から仕事定着までサポートする
- 人材確保対策コーナー
- 介護や医療、保育などの福祉関係、建設、警備、運輸などの分野で人材確保支援を行う。
退職したあとに基本手当(失業手当)を受け取る場合は、ハローワークで手続きする。その場合は、ついでに求職情報を得ることも可能だ。個別ブース会社説明会やミニ面接会、各種イベントも実施されている。
ハローワークで実施されているイベント(例)
- キャリア支援セミナー 面接対策 基本編~自己紹介と笑顔のコツ~
- キャリア支援セミナー 面接対策 実践編
- 就職面接会
- 会社PRコーナー
- ハロートレーニング説明会~公的職業訓練の内容について~
- 福祉のしごと相談、面接会 など
企業説明会から転職活動に必要なノウハウ習得などさまざまなタイプのイベントが行われている。企業説明会では採用担当者と直接話すことができ、採用には関係ないため、応募書類なども必要ない。福祉業界など特定の業界に特化した説明会も行われ、複数の企業が参加している。
また面接対策など転職のノウハウを身につけるイベントもあり、単なる講義ではなく、実際にロープレをしながら改善点を指導してもらえる。
イベントへの参加をはじめ、ハローワークを有効に活用したい場合は、一度、ハローワークへ行って説明を聞き、必要性があれば手続きするとよい。ハローワークの手続きには次の2パターンある。
ハローワークの手続き
雇用保険の手続きをする場合には、ハローワークに行かなければならない。一定の要件を満たせば、基本手当(失業手当)を受けながら転職活動をすることができる。
ハローワークで求職申込みをしたい場合
- ハローワークへ行く
- ハローワークにある端末で求職情報を入力する
- 相談窓口で求職申込み手続きと職業相談をする
- メールアドレスを登録すれば、求職者マイページを開設できる
自宅で求職申込みをしたい場合
- 自宅のパソコンで、求職者マイページアカウント登録を行う。
- 求職者情報を入力し、求職者マイページを開設する。
- ハローワークへ行き、職業相談をする
- 区分がオンライン登録者から利用登録者に変更される
在職中でも求職登録は可能なので、転職を考えている場合は、相談してみよう。
転職でハローワークを利用するメリット・ハローワークが向いている人
ハローワークはおもに、転職サイトや人材紹介会社からでは転職が難しい場合などを想定して厚生労働省が運営している。そのため、必ずしも民間企業が運営する転職サイトとの併用が向いているとはいえない。
ハローワークを活用する場面はおもに次のようなケースである。
- 年齢的に再就職が難しい
- 地方で転職したい
- 未経験の仕事にチャレンジしたい
このような場合、ハローワークのほうが内定獲得率は上がるかもしれない。また、マザーズハローワークは、子育て中の女性向けのハローワークだが、最近では少しずつ育休産休をサポートする企業や女性の転職を応援する企業が増えている。女性向けの転職サイトもあるため、必要に応じてハローワークと併用すればいいだろう。
ハローワークにはインターネットサービスがあり、求職番号がなくても閲覧可能だ。どのような案件が掲載されているかのぞいてみてもよい。
転職アドバイザーやエージェントも活用する
ハローワークでは、担当スタッフが転職に向けて、さまざまなサポートを行う。インターネットサービスのほか、面接の受け方・応募書類作りのアドバイス、転職セミナーなどの支援をしている。またハロートレーニング (公共職業訓練)を受けることができ、パソコン基礎やプログラミング、医療事務などのコースがあり、一定のスキルを身につけられる。
一方、民間企業も転職アドバイザーやエージェントがさまざまなサポートを行っている。転職イベントやフェア、セミナーなども各地域やオンラインで実施されている。
金融機関への転職に特化している転職サービスでは、経験豊富なアドバイザーが転職できるようサポートする。またオンラインでほかでは開催されていないIFA希望者向けのセミナーも魅力だ。いずれも無料で利用できるため、積極的に利用したい。
必要に応じてハローワークを併用しよう
ハローワークは国が主体となっているため、さまざまなサービスを受けられる。一方で、民間の転職サイトなどでカバーできる分野については、ハローワークは手薄となる。そのため、雇用保険を利用する場合以外は、民間の転職サイトを利用したほうが役に立つケースもある。
転職を希望する人だけでなく、情報収集だけしたい人も気軽に参加できるイベントやセミナーも多くある。興味のある人は参加してみよう。