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企業が転職者に求めるスキルと転職で役立ったスキル|アピール方法も解説

転職活動の際に求められるスキルは、果たして何なのか。具体的なスキルは年代や業種によって異なるものの、全体の傾向として、企業が中途採用者に求めるスキルは体系化されている。

本記事では、採用する企業における「こんな人材が欲しい」というスキルを紹介し、転職者が役に立ったスキルのアンケート結果もまとめた。

さらに、自分が持つスキルを見つける方法も具体的に紹介している。これから転職活動を始めようと思っている人は、本記事の内容をぜひ参考にしてもらいたい。

目次

企業が中途採用で重視する能力・スキルは2種類に大別される

企業が中途採用者を選考する際に重視する能力・スキルは、大きく分けて以下の2種類に分けられる。

  • ポータブルスキル:業種業界関係なく通用する、汎用性の高いスキル
  • テクニカルスキル:各業務を行うのに欠かせない特定のスキル

企業が中途採用を行う理由

そもそも、企業が中途採用を行うのは、「人員が急きょ欠けてしまった」「新規事業立ち上げにあたって人材が不足している」といった場合だ。つまり、即戦力として活躍してもらうことが前提である。

一般的には、テクニカルスキルを持っていれば即戦力として活躍しやすいのだが、仮に経験が浅くても、ポータブルスキルのおかげで採用されることも十分ある。

「伸び代のある」中途採用者であれば、企業は必要な人材としてあなたを高く評価してくれるのだ。

【年代別】転職に必要・重視されるスキル

業種業界で必要・重視されるスキルは異なるが、年代によっても企業が求めるスキルは異なる。本章では、20代・30代・40代の転職に必要なスキルを紹介しよう。

20代ビジネスパーソン

20代のビジネスパーソンであれば、まだ経験も浅いため「伸び代」に期待される。そのため、基礎学力や素養などのポテンシャルや仕事に対する価値観などのスタンスがみられる。

テクニカルスキルは未成熟な場合が多いため、ポータブルスキルのアピールが重要だ。

コミュニケーションスキルだけでなく、課題を明らかにする力、計画を立てる力、社内外対応力など、あらゆるビジネスにおいて必須といえる基礎的な能力を高めておこう。

30代ビジネスパーソン

30代のビジネスパーソンは、経験もある程度積んでいるため、即戦力として活躍できるテクニカルスキルが重視される。

具体的には、営業なら交渉力やプレゼンテーション能力、事務系なら各事務にまつわる深い知識や専門性だ。ポータブルスキルに関しては、20代よりも高次元のレベルが求められる。

会社によっては、部下を率いてマネジメントする側に回る人もいるだろう。現職で培った課題解決能力や周囲を動かす力などが、転職活動においても活かせるはずだ。

40代ビジネスパーソン

40代ビジネスパーソンの場合、ポータブルスキルは備わっていて当然で、そのスキルが広範囲に影響を与えられているのかをみられる。例えば、社外パートナーとの信頼構築力は評価されるスキルの一つだ。

そのほかにも、20年近いキャリアで培った専門性から生まれる、提案力や企画力も重視される。

また、プレイヤーではなくマネージャーとしてのスキルを求められることも多くなる。そのため、事業の企画・戦略立案だけでなく、組織全体のマネジメントスキルがあると重宝されるだろう。

転職者が役に立ったスキルを一挙紹介

企業が中途採用者に求めるスキルを紹介したが、ここでは、転職者が役に立ったスキルを紹介していこう。

アンケートは、株式会社ビズヒッツが行った「転職で役立ったスキルに関する意識調査」を参照している。

  • 転職に向けてアピールできるスキルを身につけたい
  • どんなスキルを磨くべきかわからない
  • どんなスキルがアピールできるか知りたい

こうした悩みを解決できるヒントになるだろう。

転職で役に立ったスキルの上位7つを紹介

2021年7月28日から8月10にかけて転職経験者500人を対象に行ったアンケート調査によると、転職で役に立ったスキルの回答結果は以下のとおりであった(複数回答)。

  1. OAスキル(WordやExcelなど)
  2. コミュニケーションスキル
  3. 語学スキル
  4. 経済系資格・スキル
  5. クリエイティブ系スキル
  6. IT・プログラミング系スキル
  7. 接客スキル

OAスキルやコミュニケーションスキル、接客スキルは業種業界関係なく通用するポータブルスキルに該当するだろう。

語学スキル、経済系資格、クリエイティブ系・IT・プログラミング系スキルは、その業界で通用するテクニカルスキルという結果だった。

そのほかにも、看護師免許、教員免許、保育士免許などの、特定の仕事に就くために必要な資格を挙げた人も。これらもテクニカルスキルに該当するものだ。

続いて、「スキルアップのためにしたこと」というアンケート結果をみていこう。

スキルアップのためにしたこと

転職活動において、スキルアップのためにしたことの回答結果は以下のとおりであった(複数回答)。

  1. 自分で勉強
  2. スクール・学校に通う
  3. 仕事の中で身についた
  4. 資格を取得
  5. 実際に使って練習
  6. セミナー・研修を受講
  7. 積極的なコミュニケーション

ポータブルスキルであれば、毎日の業務で意識さえすれば、常に磨けるだろう。自分で勉強、仕事の中で身についた、実際に使って練習、積極的なコミュニケーションという回答結果は、普段の行動次第で簡単に取り入れられるものだ。

テクニカルスキルに関しては、未経験業界への転職ならスクールに通う必要もあるだろう。

20代の転職なら、普段の仕事に対する姿勢を改めるだけでも十分スキルアップにつながるということがわかる結果だった。

ポータブルスキルとテクニカルスキルについて

ここで、ポータブルスキルとテクニカルスキルの例を具体的に紹介していく。一覧を見れば、自身のスキルや強みを言語化する際の参考になるはずだ。

ポータブルスキル

ポータブルスキルの一例は以下が挙げられる。

  • ビジネスマナー
  • コミュニケーションスキル
  • 目標設定スキル・課題を明らかにする力
  • 計画を立てる力
  • 目標達成スキル
  • 自己管理能力
  • 論理的思考力
  • 社内外対応力
  • 部下マネジメント力

繰り返しになるが、これらは毎日の業務姿勢を変えれば磨けるスキルだ。「自分には面接でアピールできる強みなんてない」などと考えず、上記のなかで伸ばせそうなスキルがあれば、それを磨くことから始めよう。

テクニカルスキル

テクニカルスキルの一例は以下が挙げられる。

  • PC操作スキル
  • プレゼンテーションスキル
  • 情報収集力
  • 提案力 
  • 事務処理能力
  • 問題解決能力
  • 交渉力

このほかにも、プログラミングやデザイン系のクリエイティブスキルといった業界特有のスキルがテクニカルスキルに該当する。専門の資格も含まれると考えて良いだろう。

これらのスキルは経験が物を言うため、仕事を進めるなかで自身の適性を見極め、そのスキルを伸ばすと良いだろう。

自分が持つスキルを見つける方法

企業が中途採用に求めるスキルと、転職者が役に立ったスキルが分かったところで、ここでは自分が持つスキルや強みを見つける方法を紹介する。

具体的には、以下の2ステップを実施しよう。

  1. キャリアの棚卸しをする
  2. 棚卸しした内容から、強みやスキルを言語化する

キャリアの棚卸しをする

まずは自分のキャリアの棚卸しからだ。

  • 日々の業務で工夫していたことはないか
  • 毎日心がけていたこと
  • 夢中になれた仕事・やりがいを感じた瞬間
  • チームの中で得意な立ち回り
  • 仕事に対する価値観
  • どんなことに挑戦したいか

自身のこれまでのキャリアを時系列で振り返り、印象に残っている出来事を可能な限り書き出してみよう。

棚卸しした内容から強みやスキルを言語化する

棚卸しした内容をみて、自身の強みやスキルを言語化しよう。先ほど紹介したポータブルスキルを言い換えるのも有効だ。

自分一人で考えると視野が狭くなりかねず、アピールできるはずの強みが見つからない可能性もある。そのため、客観的な立場からアドバイスをもらうのもおすすめしたい。

知人やパートナーに聞いてみるのも良いし、転職エージェントのアドバイザーを利用するのも良いだろう。

アドバイザーは多くの転職希望者のサポートをしているし、ノウハウやスキルの言語化に長けている。自分でも気づかなかった強みが見つかる可能性もあるから、ぜひ利用してみてほしい。

転職に必要なスキルは既に持っている

転職の際に求められるスキルは業種業界だけでなく、年代によっても異なる。しかし、大別するとポータブルスキル・テクニカルスキルを充実させることが何より重要で、日々の仕事をどのように取り組むか次第で、スキルアップは十分可能だ。

自身の経験を細かく棚卸しし、強みやスキルを言語化してみよう。あなたがキラリと光る強みやスキルは必ず存在する。「企業が求める人材」を意識して、自身の強みを伸ばす努力をすれば、理想のキャリアを歩めるはずだ。

この記事を書いた人

アドバイザーナビ株式会社。野村證券出身者が2019年に創業した会社で、金融に特化した転職エージェント業務を行なっている。『金融機関勤務者が転職に使いたいサービスNo.1(日本マーケティングリサーチ機構2020年3月調査)』を獲得している。

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