「キャリアチェンジしたい」「もっと条件の良い会社にいきたい」「やりがいのある仕事がしたい」・・・あなたは一体、どんな気持ちで転職活動を始めただろうか。転職市場という手強いライバルがひしめくフィールドで闘うのだから、どんなに強い意志で始めた転職活動でも、辛い時期があるのは当然だ。
そんな辛い状況でも転職活動のモチベーションを維持するために、辛い時期を乗り切る方法について解説しよう。
転職活動が辛い!考えられる理由は?
まずは、転職が辛いと感じてしまう理由についていくつかのパターン別に解説しよう。
時間に追われて余裕がない
履歴書の作成や求人探し、業界研究に面接・・・転職は想像以上に時間を削られ、体力のいる活動だ。特に現在の仕事を続けながらの活動となると、業務時間の合間を縫って面接に駆け回ることになる。そのような状況でなかなか内定先が決まらず長期化してしまうと、体力的にも精神的にも参ってしまう。
また、時間のなさから気持ちの余裕も吸い取られていき、ネガティブ思考から抜けられなくなってしまうことも少なくない。
希望どおりの求人がない
夢や希望を抱いて始めた転職活動。しかし、勤務地や業種、条件等と細かく設定すると、意外に容貌通りの企業は少ないもの。「数少ない企業の選考に落ちてしまって先が見えない」「とは言っても、勇気を出して踏み切った転職を妥協することもできない」という方も多いのではないだろうか。
長期化することで精神的に疲弊してしまうだけでなく、すでに退職している場合はブランク期間が空きすぎてしまう危険性も高い。
好きなことをする時間がない
転職のための準備や面接などに時間をとられることで、自由なプライベート時間が削られてしまう方は多いはずだ。特に現職を辞めずに転職活動に望んでいる方は、貴重な有給も転職活動準備に消えてしまう。
息抜きできないことがストレスとなって、転職活動が辛く感じることもある。
不採用が続いて将来が不安
選考で不採用が続いてしまうと、転職活動をこなすほどに不安が募っていく。次第に「このまま転職活動が終わらないのではないか」という気持ちすら生まれ始め、「自分の経験・スキルは求められていないのでは・・・」と、否定的な感情に悩まされることになりかねない。
その結果、大して条件の良くない企業に藁にもすがる思いで応募してしまったり、転職活動そのものが失敗に終わりかねない。さらに、退職済みの場合は、ブランク期間が長くなることや収入面での不安も募るだろう。
出費が多く金銭面に負担を感じる
転職活動は、想像以上に出費がかさむものだ。書類作成で使う用紙、筆記用具等の細々としたものから、転職活動用のアイテム、面接と面接の合間に利用する飲食店代・・。
特に、地方からの上京等の距離の離れた地域への転職を希望している場合、交通費だけでも馬鹿にならない。また、退職済みで貯金を使って転職活動をしている方は、極力出費を抑えたいことだろう。
「辛い状況」が続くとどうなるか
既に前述している内容とも被るが、転職活動が「辛い」という気持ちをずっと持ち続けてしまうとどのような弊害があるのか、詳しく見ていこう。
ポジティブな気持ちを保てなくなる
深く考えずとも分かることだが、辛い気持ちのままでいることでポジティブな気持ちで転職活動に望むことが困難になってしまう。あなた自身が辛いのはもちろんのこと、転職活動の結果にも悪影響が出てしまう可能性が非常に高い。
選考を担当する面接官は人を見るプロであるため、相手がネガティブな気持ちでいることにすぐ気が付くだろう。「内定」を勝ち取るのが転職活動の目的であるからこそ、ネガティブな気持ちでいることは何も良い循環が生まれない原因となってしまう。
明るいビジョンをイメージしにくくなる
「辛いなぁ」という気持ちで長く過ごしてしまうと、あなたが夢見たこれからのビジョンを想像するのが難しくなってしまう。一番最初に転職を決意した時は、「こんなことにチャレンジしたいな」「こんなポジションに就いてみたいな」等、様々な明るいビジョンを想像したのではないだろうか。
人間、どうしても辛い現状が続いてしまうと、明るい未来を想像できなくなってしまうものだ。辛い状況下ではなかなか難しいかもしれないが、あなたにはかつて描いた輝かしいビジョンがあり、今もなおそのビジョンは残っているということを今一度思い返してほしい。
心身ともに調子が悪くなってしまう
あなたにとって辛い日々が続いてしまった場合、心身共に良好とは言えない状況になってしまうかもしれない。蓄積したストレスは、目には見えずとも確実に人の心と身体を蝕むものだ。意識しなければ気づけないポイントかもしれないが、日々の中で「最近朝起きづらくなったな」「最近やたら頭痛が増えたな」「あんなに好きだった読書が今は億劫だな」等、知らず知らずのうちにあなたにはサインが出ているかもしれない。
そんな時は、あなた自身が無理をしている、我慢をしている何よりの証拠であるため、ぜひ足を止めてひと休みしてほしい。
「辛い」気持ちを乗り越える方法
では、転職活動が辛いと感じたときにはどのように乗り越えればよいのだろうか。
一時的に休息をとる
精神的にも体力的にも追い込まれていると、転職活動のパフォーマンスも低下してしまう。まずは、無理矢理にでも休息の時間を確保して、リラックスすることをおすすめする。体力的に無理なことを続けていると、体調を壊して転職活動どころではなくなるリスクもある。
好きなことをしてみるのもよし、自然に触れたり美味しいものを食べたり、思う存分寝たりと、転職活動における焦り・不安はあえて一旦忘れてみよう。気が済むまで心身共に休めることで、心理的に変化が生まれ、これまで思いつきもしなかったアイデアが浮かぶかもしれない。
原点に戻って考える
焦りの気持ちが生まれてきたなと感じたら、一度原点に戻って「どうして転職活動をしようと思ったのか」を思い出してみよう。思うようにいかず長期化すると、「とにかく転職活動を終えたい」という考えに支配されてしまい、転職活動の方向性を見失ってしまうことも多い。
自分の中の焦りや不安を察知したら意識的に立ち止まって、転職で譲れないポイントや転職活動をはじめた理由などを思い出してみることが大切だ。状況によっては軸を変更するというのもひとつの手である。これからどうすべきか冷静に見つめよう。
信頼できる人に相談する
転職活動は基本的には一人で行うため、孤独感を覚えやすかったり、偏った考えに固執してしまいがちだ。自分の状況を客観的に考えることができなければ、上手くいくものもいかなくなってしまうので、家族や知人に相談してみよう。
悩みを吐き出すだけでも、アドバイスを求めるのでもよい。思わぬ視点やアドバイスが現状を打破する糸口になるかもしれない。目指すべき道に迷ってしまったら、誰かを頼って良い。1人より2人、2人より3人。あなたを支えて助けてくれる誰かが周りにいるはずだ。
異なるアプローチで転職活動をする
煮詰まってきた、行き詰まってきたと感じたら、別の方法で転職活動を行うのも一つの手だ。特に最近ではSNSを活用した転職・転職エージェントの活用等、転職活動の方法も多様化している。
企業の採用ページや転職サイトから応募するのもいいが、たまには「何かほかの手はないか」と考えることも大切だ。また、一向に書類選考を通過できないのであれば、書類に問題がある可能性が高い。面接が上手くいかないなら内容や話し方の再検討をしてみよう。
転職活動そのものを見直す
幸いにも退職せずに転職活動をしている場合は、現職で問題を解決する道はないか、再び検討してみることも重要である。また、転職活動を通して現職のよさを再確認できたというケースも少なくない。
一度「転職しなければ」という考えを捨てて、「もし転職しなかったら」という考え方にシフトしてみよう。やりたいことが見つかったり、問題の解決手段がありそうなら、転職を辞めることも視野に入れて良いだろう。
まとめ
転職活動が長期化すると、体力的にも精神的にも余裕がなくなり、「社会に求められていない」「ずっと終わらないのでは」と感じることもあるだろう。
しかし、そんなことはない。希望を持って踏み出したはずの転職活動中に、ネガティブな感情に支配されているのなら、それは心身共に疲れているサインかもしれない。
一度休息をとって、転職についてじっくり検討し直してみよう。