初めて転職活動をする人はとくにであるが、転職活動にかかる期間・長さはどれくらいなのか気になるのではないだろうか。どの段階を「転職活動のスタート」と認識するかにもよるが、スムーズに転職活動を成功させる人がいれば、長引く人もいる。
今回の記事では、転職活動にかかる期間や各段階における一般的なスケジュール、転職活動の期間が前後する理由についてまとめた。
転職活動期間にかかる平均期間
一般的に、転職にかかる期間は3〜6ヶ月といわれている。初めて転職活動を行う人であれば、長めにみて半年ほど時間がかかると考えておこう。年度末の退職・転職を希望するなら、当該年度の10月から動き出す必要がある計算になる。
そこで気になるのは「何にどれだけの時間がかかっているのか」ではないだろうか。次の章では、転職活動の流れとそれぞれの一般的な所要期間について紹介しよう。
転職活動の流れと所要期間
転職活動の流れを各フェーズで区切ると、以下のように区分できる。
- 転職準備期間:約1ヶ月
- 書類選考:約2週間〜
- 面接:約1ヶ月〜
- 内定承諾:1週間ほど
- 退職手続き・引き継ぎ:1ヶ月ほど
転職活動を始めるにあたって、自己分析や企業研究、応募書類作成などの転職準備期間を約1ヶ月確保しておいた方が良い。自分の軸や転職のゴールを定めることで、転職活動に迷いがなくなるからだ。
準備が終わり次第、書類選考や面接に進むが、転職活動が長引く人の多くが、「本当にこの転職先でいいのか」を決められないパターンだ。詳しくは後述するが、転職活動の終わり時を決められず、面接期間が長引く傾向があるため注意しよう。
内定承諾と退職手続き・引き継ぎは、期間に大きなズレが生じることはないだろう。
上記期間を合計すると、最短でも3ヶ月はかかることが分かるはずだ。
転職活動期間が長引く人の特徴5選
転職活動は平均して3〜6ヶ月かかるとされているが、転職活動が長引く人は、総じて以下のいずれかの特徴に該当する。
- 理想が高すぎる
- 転職のゴールが未設定
- 応募数が少ない
- 退職交渉が長引く
- 空白期間が長い
順番に詳しく見ていこう。
理想が高すぎる
転職活動が長引く人の特徴として、転職先に対する理想が高すぎる場合が挙げられる。
- 自己分析が不足している
- アピールの仕方が間違っている
- スキル不足
- 条件を絞りすぎている
原因はいくつか考えられるが、ハイクラス転職には相応のスキルが必須だし、福利厚生の充実さと残業の少なさ、現職に比べて手取りが1.5倍以上などの条件を掛け合わせたら、志望先はグッと狭まる。
後述する「転職のゴールが未設定」にも関連するが、あまりに現実離れした理想の高さを持って転職活動をしていると、長期戦は覚悟せざるを得ないだろう。
転職のゴールが未設定
転職活動をする目的・ゴール設定は非常に重要だ。マラソンは42.195kmと決まっているから頑張れるのであって、転職先に求める条件を未設定なまま転職活動を始めても、どのタイミングをもって終わりとしていいか分からない。
- 現職よりも勤務時間が少ない
- フレックス制を採用している
- 手取りが現職よりも20%多い
- 家族との時間を優先できる
転職活動をしようと思ったのには、必ず理由がある。その理由を言語化し、「どのような転職先が決まれば不満は解決されるのか」という解決策をゴールに設定しよう。転職のゴールが定まることで軸はぶれないし、転職活動を終了させるタイミングが明白になるはずだ。
応募数が少ない
1社を応募し、書類選考の結果を踏まえて次の1社を応募する。このような応募方法ではスムーズな転職活動はできないし、期間が間伸びして転職活動への熱量・モチベーションを保ちづらくなるから注意が必要だ。
転職先への理想の高さや条件を設定しすぎて応募できる企業数が極端に減っている場合は、なくても良い条件は撤廃するなどした方が良いだろう。基本的に複数企業への応募を同時並行で進め、常に手元に比較検討できる材料を揃えておく意識が重要である。
退職交渉が長引く
転職活動そのものではなく、現職との兼ね合いにも注意しなければならない。職場によっては、退職の意思を伝えても、上司や役員などから引き止めにあうことがよくある。
上司や役員なども、もっともな理由を並べて説得してくると思うが、自分の人生の主人公は紛れもなく自分自身だ。上司や役員の言葉を信じて会社に留まったとしても、会社があなたの面倒をみてくれる保証などどこにもない。
スムーズに退職できるよう、就業規則の確認や引き継ぎの準備、場合によっては退職代行を利用するのも一つの手段だ。
空白期間が長い
先に現職を退職してから転職先を探す場合に気をつけたいのが、転職先が決まるまでの空白期間の長さだ。新たなスキルを習得するために学校に通っていたり、フリーランスで活動していたりなどのポジティブな理由があれば気にする必要はない。
しかし、期間が空くほど経済的・精神的に追い込まれる場合もあり、気合いが空回りする可能性もある。
転職活動をするなら、できるかぎり空白期間は作らないようなスケジューリングを心がけよう。
転職活動を短期間で終了させる5つのポイント
転職活動が長引く人の特徴を踏まえれば、転職活動は短期間に終わらせられるはずだ。転職活動をする際は、以下に紹介する5つのポイントを必ず押さえよう。
- 転職エージェントの積極的な利用
- 最初に期限を設定する
- 志望企業・業界を広く選定
- 事前に退職の意思を伝える
- 引き継ぎ資料も並行作業で用意
転職エージェントの積極的な利用
転職エージェントは積極的に利用しよう。
- 自己分析や企業分析
- 履歴書の添削
- 転職先への推薦書類制作
- 面接スケジュールの調整
- 面接対策
- 内定後のフォロー
転職エージェントは上記などをすべて無料で対応してくれるため、利用しないとむしろ損するだろう。転職活動において客観的なアドバイスをもらえるし、転職活動中の不安や悩みはすべて理解してくれるはずだ。
面倒な手続きも代行してくれるため、現職に忙しい人こそ転職エージェントを有効活用してほしい。
最初に期限を設定する
転職活動におけるゴール設定の中でも、転職活動にかける期限を最初に設定するのも有効だ。一般的に、転職活動にかかる期間は3〜6ヶ月とされているため、その期間を踏まえて現職の繁忙度を加味したスケジュールを先に設定しよう。
退職・転職希望日が決まれば、あとは逆算してやるべきことをこなすだけである。長期戦はモチベーションも保ちにくいため、期限を設定し、「希望する転職先が見つからなければ現職に留まる」という選択をとるのも悪くないだろう。
志望企業・業界を広く選定
志望企業や業界を広く選定しておくのも、転職活動を短期間で終了させるには重要だ。条件を絞りすぎ、高すぎる理想を掲げると、応募できる企業がそもそも見つからない可能性がある。
主観的な目線では認識している業界にしか目が届かないため、転職エージェントも活用して客観的な目線を追加し、さまざまな角度で転職先を検討しよう。
思いもよらない業界で、希望する転職先や職種が見つかるかもしれない。可能性をつぶさないためにも、業界は広くみるようにするのがおすすめだ。
事前に退職の意思を伝える
期限を設定するパターンに関してさらに拘束力がはたらくのが、事前に退職の意思を伝えることだ。退路を断つことで高いモチベーションを維持できる人は、この方法がとくにおすすめである。
万人に共通して当てはまるものではないし、焦りが先行して面接で思うような回答ができない可能性もあるため、自身の性格を踏まえて判断してほしい。
引き継ぎ資料も並行作業で用意
無事に転職先が見つかったら、現職の引き継ぎもしなければならない。内定が決まってから引き継ぎ資料を作成するのではなく、転職活動を進めながら、並行作業で資料作成もしていこう。
内定承諾を受け、思いのほか転職日が早まった場合なども慌てなくて済むし、現職に迷惑をかけないように退職するのも大切なマナーだ。
転職活動は事前準備で短期間に終了させよう
転職活動は約3〜6ヶ月かかるとされているが、実際にかかる期間は人によって大きく異なる。まずは上記期間がかかることを前提に転職活動に注力する期間を決め、転職先に求める条件を言語化しよう。
ゴールが決まれば、あとは逆算して自己分析や面接などに臨むだけだ。その際、転職エージェントを活用することで、さまざまな面でサポートを受けられるから積極的に利用しよう。
転職活動は、事前準備次第でスマートに終えられる。本記事を参考に転職活動を行えば、理想の転職先が見つかるだろう。