転職活動の選考方法には書類、面接と様々な方法があるが、適性検査もその一つだ。これまで新卒の就職活動で活用されてきたが、転職、中途採用でも実施する企業が多くなった。
働き方の多様化や、少子化において労働力の減少が深刻な中で、企業側もできるだけ優秀な人材を確保したいだろう。仕事をこなす能力もさることながら、人として企業側の求める姿勢や一般的な常識なども確認した上で採用に至ることが増えている。このような情勢を踏まえ活用されるのが適性検査ということになる。
そこでこの記事では、適性検査を行う理由とその内容や対策などを解説する。受験方法や注意点もまとめて解説するので是非参考に適性検査に挑んでもらいたい。
適性検査の目的とは
適性検査を行う大きな目的は「職場に適応できる人材か」を査定するためだろう。仕事をする上で必要な基礎的な国語や数学などの学力。行動における一般的な常識、仕事において重要な能力となる発想力、複雑かつ困難な問題に対しても一つずつ思考しながら、諦めずに問題解決に向かう論理的思考力などを見ている。
性格検査では、人間性を基本に、仕事に対する姿勢や個人のパーソナリティ、物事を判断する主軸となる考え方といった内容から、受験者が自社の業務に対応できるかなども含めて、企業文化や社内の雰囲気に適応できる人物かを判断することにある。
一つ覚えておきたいのが検査といっても「落とすため」にする検査ではなく「採用をするため」に受験者の人柄などを客観的に見るツールとして適性検査を行なっていることを忘れないでほしい。
そのことも踏まえて、必ず事前の予習などをすることは大事だが、適性検査だけにとらわれすぎずに、履歴書や面接の準備も入念に行なうべきである。
適性検査の種類
適性検査は多くの種類があるが、転職、中途採用の際に使用されることが多い検査を紹介しよう。
SPI3
業界問わず多くの企業が採用している。能力検査・性格検査の2つに分かれており、WEBで自宅から受験できる。能力検査は中学、高校レベルの数学や国語のレベルを問われる。
Cubic
新卒、中途採用、配置決定で多く採用される。個人分析特性と能力検査の2つに分かれている。能力検査では言語、数理、図形、英語、論理の5科目の能力が問われる。
SCOA
新卒、中途採用で利用される。基礎能力、事務能力、パーソナリティの3構成で、パーソナリティ行動やストレス傾向が測定される。
上記の3つの中で最もメジャーなのがSPI3だ。リクルートエージェントなどを運営するリクルートが提供していることもあり、利用率も高い。
適性検査の受験で注意すべきこと
受験において押さえておきたい注意すべき点をまとめてみたい。
予習をする
必ず予習、準備をして適性検査を受けよう。各種適性検査にはテキストや過去の問題集がある。問題集を買うのは負担だという人は、WEBでも問題が掲載されていることがあるので検索してみよう。
問題の傾向や出題の方法など、どんな問題があるかを例題、内容を確認しておくことをおすすめする。言語問題や非言語問題があるが、両方ともに中学や高校レベルの問題が出る。
このくらいは解くことができるだろうと思っていても、実際に問題に触れてみると難しい問題も多数出題されている。反対語、四字熟語、同音異義語など、問題を見ながら学校で習ったことを復習していくと良い。また、確率やつるかめ算などこれも中学高校時代に習った公式を使って回答を導く。どんな問題が出るか傾向を掴み予習を行おう。
また、ペーパーテストの場合はこれまでのテストなどで経験している人も多いが、WEBテストの経験がない人は、俊敏に回答していけるようにパソコンを操作して回答することも練習しておくと良い。
時間への考慮
回答の時間配分、時間への考慮は十分に行おう。 SPIを例に考えてみる。SPIの能力テストは全部で70問だ。そして制限時間は70分。目安にはなるが、単純に1問を1分で回答する必要がある。時間がありそうに見えて、意外にも1分は考えている時間は少ない。
感覚としては急いで、スピーディーにこなす状態になるだろう。このことを克服するにはやはり過去問を出来るだけ解いて問題をこなし、出題の傾向に慣れることが最もの対策だ。問題をこなすことで途中難しい、つまずくこともあるがその場合にはとばして、次の問題を解く。こうすることを繰り返しながら、自分なりの攻略法もつかめてくる。
また、計算問題などはとにかく時間を要することが予想される。スピードや制度を上げるために、基本的な式を暗記する、計算の精度を上げるなどしておきたい。
性格検査については、300問の質問が用意されている。受験の形式によって時間が異なるが、web、テストセンターは30分、ペーパーは40分だ。自分がどのような傾向にあるかを聞かれることが多いが、熟慮している暇はないので直感で回答を進める。自分が思っていることを答えればいいと思うかもしれないが、客観的に応えることは普段から経験していることではないので、意外と難しいので要注意だ。直感的にどんどん問題を進めるようにする。
とにかく問題が多いので、一つの部分や問題で躓かずに、正確性を高めて即時に回答できる練習を積んでおこう。
受験のタイミングを考える
この項目はWEBで受験する人は特に注意しよう。 WEBで受験をする場合は、受験する場所、周りの環境やインターネットの環境を考慮した上で、受験のタイミングを考えておくことが必要だ。まずはインターネット環境の確保だ。
検査中に回線が途切れてしまい回答ができないなどは避けたい。最近はカフェなどでもインターネット環境が整っており作業をすることは可能だが、集中して臨む必要があるため、できれば静かな環境で受験することをおすすめしたい。自分が快適で集中ができると感じる環境で挑もう。
また、仕事をしている場合は時間帯も考慮したい。帰宅後の夜中などではなく休日を利用して受験するなどコンディションを整えておきたい。
適性検査の準備を行なっていこう
適性検査を行う理由とその内容や対策などを解説してきた。受験方法や注意点もまとめて解説してきた。適性検査はテストの形式をとっているが、採用不採用の全てを決定するものではなく、選考の補助となるツールだと考えて良い。
転職の採用試験を受ける上で最も大事なのが受験者本人のやる気や熱意などの人柄や、これまで積み重ねた経験やスキルだ。このことを踏まえた上で、適性検査の準備もしっかりと行なっていこう。