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管理職は一般職よりも転職しにくい?退職できない?退職方法を徹底解説

会社において、一般職のポジションである従業員の育成マネージメント、売上管理等を始めとした管理業務を行う立ち位置である『管理職』。ひとえに管理職といっても、企業によっては管理業務の他、管理職が自ら売り上げを確保するための営業活動まで行う、いわばプレイングマネージャーとしての業務遂行を求める場合もある。

管理職は、上層部と現場社員の狭間に立ち、双方からの声に耳を傾けなければならない重要ポジションだ。極端に言うと、管理職が機能しなければ、会社の組織は弱くなると言っても過言ではない。管理職の責務の大きさを早々に述べたが、管理職に就く人間も結局はごく普通の人間だ。くじける時、打ちひしがれる時、そして会社を辞めたいと思う時もある。

しかし、一般的に管理職は一般職よりも会社を辞めるハードルが高いと言われている。では、なぜ管理職の転職ハードルは高いのか、本記事で徹底解説していこう。

目次

管理職の転職は不可能なのか

まず、上記タイトルに対する答えを述べると、たとえ管理職であっても転職は可能だ。退職意思を示す際の就業規則は企業によって異なるが、ほとんどの場合、一般職・管理職共に同等の就業規則が定義されている。

法律上の観点でも、管理職だからといって、退職できないということはありえない。しかし、これはあくまで一般論であり、本記事を読んでいる方、そうでない方の中に現管理職、もしくは管理職経験がある方は、声を揃えて『いや、そうじゃない!』と言うだろう。

筆者の経験談も含めてだが、管理職は一般職よりも会社を遥かに辞めにくい。相当、『誰でも会社は辞められる』と振り切ってクールに考えられる人を除いて、そう思うだろう。では、なぜ管理職は一般職よりも転職ハードルが高いのか。次のセクションで詳しく解説しよう。

管理職の転職ハードルが高い理由

管理職の転職ハードルが高い理由として、主に下記の3つが挙げられる。前振りとなるが、これから解説する要素は、特に責任感が強いタイプの管理職が陥りやすい傾向である。

全ての管理職に当てはまる転職ハードルではないという点だけ、念頭に入れておいてほしい。

退職した後の後任が育っていないため

一つ目の理由として、あなたが退職した後に代わりとなって管理職の座に座る人材が育っていない点だ。管理職まではいかずとも一般職のリーダークラスが育っていればまだ光はあるが、そこまでにも至らない場合は、責任感が強い管理職ほど、退職の足枷となる理由として感じてしまうだろう。

冒頭でも解説したが、日本企業では管理業務、営業活動を兼任するプレイングマネージャーが非常に多い。この成り立ちは、管理職へ昇進する前に営業職として現場で成果を出した背景から、管理職となっても尚、高い目標数字が課せられる背景があることが多い。

プレイングマネージャーの場合、管理業務と営業活動をダブルで行うため、業務を振る等の工夫をしなければ、必然的に仕事が回らなくなってしまう。結果的に、部下の育成に手が行き届かないという悪循環へ繋がりやすいのだ。

部下のマネージメントに携わっているため

先ほど解説した理由に加えて、『部下のマネージメントに関わっているからこそ、退職できない』という理由を抱える管理職も少なくはない。これも責任感が強い人が抱えやすい悩みであろう。いわば、このケースでは部下の育成を放棄できない、したくないという気持ちが働き、転職したい気持ちを二の次にしてしまう可能性がある。

組織内に複数の管理職が存在し、管理職一名が抜けても組織が回るような企業であれば問題ないが、いわゆる中小ベンチャーの場合は、従業員数が少ないため、一組織に管理職一名のみ配属、というケースもザラにある。

そのような背景から、人手が足りない→転職したいけど自分の代わりがいない→まずは部下を育成しなければいけない、というプロセスに行き着きやすいのだ。

責任の重い案件を担っている場合があるため

次に、責任が重いプロジェクトを担当していることも退職の足枷となる場合が多い。このようなケースに陥る要因は、上記で解説したプレイングマネージャーが多いという背景の他、管理職になればなるほど、会社、クライアントから信頼を獲得され、責任が大きいプロジェクトを必然的に任される、という背景も存在する。

任せる側としては安心感を持つことができるが、任された側である管理職としては、『また抱えるものが増えてしまった』という気持ちが本心として芽生えるであろう。プロジェクトが長期的なものである場合、またプロジェクトの進行度が進めば進むほど、『今辞めてしまっては会社、お客様に迷惑がかかってしまう』と思ってしまう可能性は上がるだろう。

転職できないループから抜け出すマインド

これまで、管理職が一般職よりも転職が難しい理由について解説した。あくまでハードルが高いだけで転職は決して不可能ではない。いわば、心の持ち方次第で転職ハードルの高低は大きく変わるのだ。

それでも尚、「自分がやらなきゃ」という責任感の縄に囚われ、転職を志す道を自ら絶とうとしている管理職の方、転職を成功させるために必要となるマインドについて、詳しく解説しよう。

管理職はイチ従業員に過ぎないと考える

ドライに考えられないタイプの方には冷たい言葉に聞こえてしまうかもしれないが、ここは冷静に、たとえ管理職であっても会社のイチ従業員に過ぎないということを振り返ってみてほしい。

目の前にある業務、課せられた責務は確かに大きいものかもしれないが、その大前提で、管理職も会社とフラットな雇用形態を契約して成り立っている関係だ。

あなたが退職する権利は間違いなく存在する。責任という重たいリュックを下ろすことができない理由が「責任感」なのであれば、今一度、あくまで管理職も従業員であり、転職する権利は平等に持っていることを今一度認識してほしい。

【極論】社長が辞めたとしても会社は回る

ものすごく極端に言ってしまうと、どれだけ大きな責務を背負っている管理職が退職したとしても、会社が即つぶれてしまうことはない。なぜなら、会社とは「個」の集まりであり、たとえ誰かが退職したとしても、その穴を埋めるべく、周囲が動き出すからだ。

昨今、何らかの急な理由で企業の代表が辞任するニュースがいくつもある。それらのニュースで取り挙げられていた企業が、社長の辞任により即倒産、というプロセスを進んだことはあっただろうか。相当な少人数規模の会社であり、管理職以外のメンバーが全くのお飾りであり機能しないというケースを除いて、管理職、いや社長が辞めたとしても、会社は存続するのだ。

かの有名なアップル社も、数年前にスティーブ・ジョブズが亡くなった今もなお、圧倒的な売上拡大を誇っている。それは、大手企業だから。そのような事実もあるかもしれないが、一番大きいのは、「会社=個の集団」であるという本質だろう。

このように視点を広げた上で、たとえ管理職が退職したとしても、大きな影響は及ぼさない、というマインドを持ってほしい。井の中の蛙のように、狭い視野だけで物事を考えてしまうのは、自分の成長チャンスを損失させてしまう勿体ないスタンスだ。

人生の舵取りは自分にしかできない

今、どうしても視点が狭くなっている人は、ぜひ「自分主語」で物事を考えること、判断することを意識してみてほしい。いち企業の管理職は、あなた以外の誰かも手に入れるチャンスがあるポジションだ。

しかし、あなたにとって人生の主人公はあなただけだ。諦めずに我が道を貫くことも、諦めて管理職を全うする道を進むことも、あなた次第だ。全ての人生の責任はあなた自身に降りかかるからこそ、後悔しない道を選ぶスタンスを大切にしてほしい。誰かが代わりにできること、それともあなた自身にしかできないこと、どちらを選ぶかはあなたの選択次第なのだ。

まとめ

以上、管理職が一般職よりも転職が難しい理由、そのループから抜け出すためのヒントとなるマインドについて解説した。管理職とは、管理能力・マネージメント力・折衝力等と様々な力を培うことができるポジションだ。

今、管理職が辛いと思っている方でも、あなたを必要としている環境は決して一つではない。管理職経験を持った人材は転職市場の中でも非常に高いニーズがあり、現職よりも良い条件面でキャリアアップを叶えることも夢ではない。

管理職として日々奮闘しながら転職を夢見る方も、これからの明るい未来の可能性を見据えて、どうか前へ進んでいってほしい。

この記事を書いた人

アドバイザーナビ株式会社。野村證券出身者が2019年に創業した会社で、金融に特化した転職エージェント業務を行なっている。『金融機関勤務者が転職に使いたいサービスNo.1(日本マーケティングリサーチ機構2020年3月調査)』を獲得している。

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