金融業界に勤める人を中心に、IFAへの転職を検討する人が増え始めている。
しかし、IFAに関する情報はあまり出回っておらず、業界や企業の情報収集に苦労している人が多い印象だ。
このような背景も踏まえて、IFAへの転職を成功させるには転職サイトの利用が欠かせないものとなっている。
この記事では、IFAへの転職の際に利用したいおすすめの転職サイトを3つまとめた。
そもそもIFAになるために何をすればよいのか、最適な相談先についても解説しているので、IFAへの転職を検討している人はぜひ参考にしてほしい。
IFAになるには?
IFAとは「Independent Financial Advisor:独立系ファイナンシャルアドバイザー」の略である。
IFAは特定の金融機関に所属せず、金融商品仲介業者として国から登録を受けた法人または個人で活動しているのが特徴である。
顧客に対する資産運用のトータルアドバイザーとしての役割を担い、提携している金融機関や証券会社が扱う金融商品のなかから、最適な商品を提案するのがIFA業務の概要だ。
IFAが日本に生まれたのは2004年とされており、当時のIFAの数は30名であったが、2023年6月時点で約6,500名まで増えている。
IFAになるには、金融商品仲介業者として登録を受けた法人に所属・転職するのが一般的で、すべきこととしては通常の転職活動と特段変わらない。
しかし、押さえておきたい点がいくつかあるので、以下で順番に解説していこう。
IFAの3つの働き方
IFAとして働く際は、大きく分けて3つの選択肢から選ぶことになる。
- IFA法人と業務委託契約を締結して業務委託としてIFAになる
- IFA法人と雇用契約を締結して正社員としてIFAになる
- 個人で金融商品仲介業者の登録を受け、IFA業務を行う(個人で独立するタイプ)
IFAの働き方として最も一般的なのが、最初に紹介した業務委託型のIFAだ。
フリーランス・個人事業主として働くため、報酬は完全歩合制であることが通常で、成果が収入に直結するのが特徴である。
一方、社会保険料は全額自己負担になり、収入が不安定になりがちな点は注意が必要だ。
近年では、IFA法人に正社員として雇用される働き方も増えつつある。
正社員型IFAの場合は一般的な転職と全く同じと考えてよいだろう。
現職と転職先で待遇を比較し、転職先の業務内容や扱える商品ラインナップなども含めて、最適なIFA法人を探すことになる。
固定給があるため生活は安定する一方、収入が跳ね上がることはまずない。
この点は業務委託型と一長一短あるだろう。
ほかにも、IFA法人に所属せず、個人で金融商品仲介業者の登録を受けたり、新たに法人を設立したりする方法もある。
個人で独立する働き方は、IFA業務を経験している人の場合は想定し得るものの、未経験の場合は本来業務を開始するまでの手続きも煩雑なためおすすめできない。
IFA法人で経験を積んだ後、さらなるキャリアアップや自己実現などの方法として起業する手段もあるだろう。
IFAに必要な資格
IFAは顧客に対して具体的な金融商品の紹介・提案業務をするため、証券外務員資格は必須だ。
一種・二種の2つがあるが、提案商品の幅の広さを踏まえると、一種資格を取得したほうがよいだろう。
ほかにも、IFAとして生命保険も含めた総合的な提案をしたいのであれば、生命保険募集人資格の取得もおすすめだ。
FP資格は必須ではないものの、顧客のライフプラン作成も視野に入れているのであれば、権威性を示すためにもFPを取得しておいて損はないだろう。
証券会社や銀行などに勤めている人であれば、証券外務員資格を取得している人は多いはずだ。
その場合は、IFAとして働くために新たな資格は必要ないことを覚えておこう。
IFAが向いている人の特徴
IFAの業務に向いている人の特徴をまとめてみた。
- 金融商品に興味がある人
- 学習意欲の高い人
- 人と話すことが好きな人
- 情報収集能力がある人
- 計画的に物事を進められる人
- コンプライアンスを遵守できる人
顧客目線に立つと分かるが、自身の大切な資産の運用や管理を相談・依頼する相手に求めるのは、確かな知識やビジネスパーソンとしての信頼性の高さだろう。
IFA法人は複数の証券会社と提携していることが多く、扱える商品のラインナップもさまざまだ。
金融商品の最新情報や金融に関する広く深い知識は当然必要で、顧客との信頼関係を構築するにはコミュニケーションスキルも欠かせないだろう。
そして、IFAは販売した商品の手数料が報酬の源泉となることから、自己利益を優先して倫理観を欠く振る舞いをするIFAも存在する。
IFA業界全体の問題としてコンプライアンスの遵守が求められており、この点は顧客との信頼関係構築において必須だ。
IFAになる際の相談先
IFAへの転職に際しては、業界が未成熟なこともあり、自分一人で行動するより第三者に相談しながら進めたほうがよいだろう。
本メディアではIFAへの転職に関する情報を網羅的に解説しているが、そのようなメディアも少なく、情報収集するなら専門家に頼るのがベストである。
ここでは、IFAになる際の相談先として3つ紹介しよう。
- 知り合いのIFA
- 証券会社
- 転職エージェント・転職サイト
それぞれ詳しく解説するので参考にしてほしい。
知り合いのIFA
知り合いにIFAとして活動している人がいるのであれば、積極的に話を聞いてみるとよいだろう。
IFAとして活動している人は全国で約6,500名とかなり少ないため、知り合いにIFAがいるなら個別具体的でリアルな話を聞いて転職後のイメージを膨らませよう。
- どのような雇用形態や待遇なのか
- 勤務先を選んだ理由や決め手は何か
- IFAのやりがいや難しさは何か
- なぜIFAになろうと思ったのか
- IFAとしての一日の流れ
- 現在の顧客の数
- 転職前後で何か変化はあったか
正社員型・業務委託型のどちらを選び、どのように働いているかは特に気になるところだ。
業務には必ず向き不向きがあるため、実際に業務を経験している人の話は聞いておいて損はないだろう。
知り合いにIFAがいる場合は頼りになるが、ほとんどの人がそうではないのが実情だ。
身の回りにIFAとして働く人がいないのであれば、後述する相談先も検討してみよう。
証券会社
IFAへの転職については、証券会社に相談することもできる。
証券会社は顧客に対して金融商品を直接販売しており、業務の本質はIFAと同じである。
証券会社とIFAの親和性は高く、キャリアプランの一つの可能性として、IFAへの転身を紹介する証券会社もあるようだ。
実際、証券会社もコロナ禍に苦戦を強いられた企業の一つで、オフライン・対面による営業を強みにしてきたところ、ネット系証券会社の台頭により組織体制の変更を余儀なくされている。
営業部隊を縮小させる証券会社も増えている背景から、新たなキャリアとしてIFAに注目が集まっている状況なのだ。
どの程度相談できるかは証券会社によって異なるため一概には言えないが、相談先として有用であるに違いないため、積極的に活用するとよいだろう。
しかし、証券会社に勤めていない場合はそもそも相談できないため、次に紹介する転職エージェント・転職サイトの利用が汎用的かつ一般的と言える。
転職エージェント・転職サイト
転職エージェントや転職サイトは、IFAに限らず、転職希望者は利用が欠かせないサービスだ。
人材を募集している企業をまとめて閲覧・検索でき、興味のある企業へのアプローチも簡単に行える。
企業に関する情報も概略ではあるがまとまっているため、情報収集する際も役立つだろう。
利用するサービスによって異なるが、専門のキャリアコンサルタントがつき、最適な求人の紹介や面接日程の調整を行ってくれる場合もある。
現職が多忙で転職活動に充てる時間がとれない人は、転職エージェントや転職サイトの利用はもはや必須と言える。
ただし、IFA業界に関する情報をどの程度網羅しているかサービスによって差があるため、総合型の転職サイトなら規模が大きいサイトの利用がおすすめだ。
特におすすめなのがIFA業界特化型のサイトになるため、後述するおすすめ転職サイトを参考にしてほしい。
転職サイトと転職エージェントの違い
IFAへの転職に関する相談は、転職サイトまたは転職エージェントにするのが最も一般的だ。
そもそも、転職サイトと転職エージェントにはいくつかの違いがあるため、利用目的や求めるサービス内容に合わせた使い分けが必要だ。
転職サイトと転職エージェントのおもな違いを下表にまとめた。
転職サイト | 転職エージェント | |
---|---|---|
応募求人数 | 何社でも応募可能 | 原則としてキャリアコンサルタントの紹介に基づき応募するため限定的 |
転職活動の気軽さ | 自分のペースで自由に行える | 専任のキャリアコンサルタントがつくため、気軽さという意味ではネックになることも |
転職に関するアドバイス | 原則としてアドバイスは受けられない | キャリアコンサルタントから客観的な視点でアドバイスを受けられる |
業界や企業の情報量 | サイトに掲載している範囲で情報収集できる | サイトに掲載されていない細かな情報も入手できる |
転職活動の進めやすさ | すべて自分のペースで行うため、多忙な人ほど苦労する | キャリアコンサルタントが面接日程の調整や条件交渉も代行してくれる |
つまるところ、転職サイトと転職エージェントの違いは、転職支援のプロがマンツーマンで相談にのってくれるかどうかである。
転職サイトはあくまで「サイト」であり、行動する主体は自分自身だ。転職エージェントの場合は求職者と企業をつなぐ「エージェント(キャリアコンサルタント)」が存在し、サポートやアドバイスを受けながら転職活動を進められる。
両者の違いを踏まえつつ、以下では特徴を詳しく解説していこう。
転職サイトの特徴
転職サイトの特徴をまとめると以下のとおりである。
- 転職活動を自分のペースでゆっくり進めることも可能
- 転職エージェントとの相性の問題もなく、煩わしさはない
- 自分で情報の取得や面接日程の調整等を行う必要がある
- 専門家に相談する場合はセミナーなどに参加するのが一般的
転職サイトは、自ら行動して自分のペースで転職活動をしたい人に向いている。
情報を取りに行く姿勢が欠かせないため、「なんとなく転職を考えている」という人の場合は、漫然と求人情報を眺めて終わってしまう場合もあるだろう。
転職エージェントの特徴
転職エージェントの特徴は以下のとおりだ。
- 求職者一人ひとりに専任のキャリアコンサルタントがつく
- ヒアリングを踏まえた最適な求人の紹介や面接日程の調整・条件交渉もしてくれる
- キャリアコンサルタントが転職成功に向けてリードしてくれる
- キャリアコンサルタントが持っている情報を共有してくれる
- 自身に相応のスキルがない場合は求人の紹介が消極的なケースもある
転職エージェントは、求職者の転職をトータルサポートするコンサルタントがつくため、転職活動を効率的かつスムーズに進められるのが最大の特徴である。
ただし、求職者のスキルレベルや経験が乏しく、転職への本気度が伝わらない場合は親身なサポートを受けられないこともある。
転職エージェントもビジネスである以上は当然だが、言い換えると、相応のスキルと転職への熱意があれば、IFAへの転職はスムーズに進められるはずだ。
IFAになる際のおすすめの転職サイト
IFAへの転職を希望している人におすすめしたい転職サイトを3つ厳選した。
- 証券転職
- ビズリーチ
- IFA転職
いずれも転職サイトと転職エージェント双方の性質を持っているため、IFAに転職したい人は気になるサービスから利用してみてほしい。
証券転職
「証券転職」は、証券会社への転職に強い転職サイトである。
証券転職のキャリアコンサルタントはいずれも証券業界に精通しており、求職者へのヒアリングを踏まえた最適な求人の紹介や面接日程の調整、転職先との条件交渉をサポートしてくれる。
証券業界に関連するIFA業界への転職にも利用できるため、IFA法人への転職を検討している人は登録してみるとよいだろう。
転職エージェントは現在の自身の市場価値を客観的に理解することにも役立つため、現職に大きな不満がない人も今後の参考として利用するのがおすすめだ。
ビズリーチ
ビズリーチは、スカウト型転職サイトとして知名度の高い転職サイトだ。
転職活動をする人のなかでもハイクラス・高年収を目指すビジネスパーソンにおすすめで、ビズリーチを利用した人の多くが年収アップを実現している。
ビズリーチの場合、プロフィールを登録しておくと興味を抱いた企業からスカウトが届く仕組みとなっている。
そのため、現職が忙しい人も利用しやすいだろう。
ハイクラスで高年収なポジションはIFA法人にもあるため、一度登録してスカウトを待つ形で利用するのがおすすめだ。
スカウトを待ちつつ、証券転職や次に紹介するIFA転職を利用してもよいだろう。
IFA転職
「IFA転職」は、IFA業界に特化した転職サイトである。
「IFA転職」の特徴は以下のとおりだ。
- 所属するキャリアコンサルタントはIFAを経験している
- IFA法人への転職を成功させた人を多数輩出
- 転職後の業務に関するサポートも対応
IFA業界に特化している時点で専門性が高いうえ、相談できるキャリアコンサルタントはIFAを経験しているため、些細な疑問もその都度解決できるだろう。
さらに、転職成功後もサポートしてくれるのは、IFA駆け出し期の大きな安心材料になる。
「IFA転職」なら、業界に特化したプロの力を借りて、IFA法人への転職を最短距離で実現できるはずだ。
利用はもちろん無料なので、まずはヒアリングを受けてみることから始めてみよう。
まとめ
IFAになるならIFA法人に正社員または業務委託として採用される流れが一般的で、少なくとも証券外務員の資格があればIFAとして業務に従事できる。
転職までの流れは一般的な企業と大差はないものの、情報量の少なさを補うために専門家への相談は欠かせないだろう。
この記事で紹介した転職サイトはいずれもIFA法人への転職におすすめだが、「IFA転職」は業界に特化していることもあり、積極的に利用すべきだ。
IFAを経験しているキャリアコンサルタントにいつでも相談でき、転職後のサポートも受けられるのは「IFA転職」だけで、これらのサービスを無料で利用できるなら使わない手はないだろう。
IFA法人への転職は簡単ではないため、この記事で紹介した内容を踏まえて、効率よく転職活動を進めていってほしい。