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宅建とは?試験の概要や難易度、メリットを解説

宅建(宅地建物取引士)は、宅地建物取引業法により定められた国家資格である。不動産取引の一部の業務を独占できるため、不動産会社・金融機関でキャリアアップを目指す際には取得しておきたい資格だ。

この記事では、宅建試験の概要や難易度・合格率、資格を取得するメリットを解説していく。

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目次

宅建試験の概要

宅建試験を受ける際には、どういった試験なのかを把握しておくことが重要だ。

まずは、宅建試験の概要について確認しよう。

宅建とは

宅建は正式には「宅地建物取引士」という名称の試験であり、宅地建物取引業法によって定められた国家資格である。

宅建を取得すると、以下の3つの業務を行えるようになる。

  • 不動産取引時の重要事項の説明
  • 重要事項説明書への記名・押印
  • 契約書(37条書面)への記名・押印

また、不動産業を営む際には、1つの事務所で「業務に従事する人」5人につき1人が宅建士でなければならないと定められている。

そのため、不動産業界で仕事をしていく上では、宅建を持っていると重宝されやすいだろう。

出題形式・試験科目

宅建試験は、四肢択一のマークシート形式で出題され、50問を2時間で解答する試験だ。

合格点が定められているものではなく、一定の合格率を保つために毎年合格に必要な点数が変動する。

また、宅建の試験科目は主に以下の4科目だ。

  • 宅建業法
  • 民法・権利関係
  • 法令上の制限
  • 税金・その他

「宅建業法」は毎年20問出題される科目であり、宅建業務をする上で必要な法律などを学習する。比較的点数を取りやすいため、得点源にしたい科目だ。

「民法・権利関係」は例年14問出題される科目であり、代理・相続・抵当権などの民法や、借地借家法や不動産登記法などに関する内容を問われる。難しい問題が多く、苦手分野になりやすい科目だが、配点が高いためしっかりと勉強しておきたい科目である。

「法令上の制限」は毎年8問出題され、国土利用計画法や都市計画法、建築基準法などが学習分野となる。暗記しなければならない部分が多いため、問題集を繰り返し解くことで知識を定着させたい。

「税金・その他」は毎年8問出題され、税金に関する問題と不動産関連の統計問題が出題される。税金に関しての勉強をしつつ、最新の統計についても理解を深めておこう。

受験費用とスケジュール

宅建試験の受験手数料は8,200円である。

7月1日から試験案内の配布が始まり、郵送・インターネットのいずれかの方法で申し込む。

10月試験の場合は9月、12月試験の場合は11月に受験票が送付される。そして10月・12月のそれぞれで受験が行われ、1ヶ月後に合否が発表されるという流れだ。

宅建の難易度・合格率

宅建試験の難易度を把握するために、過去10年間の合格率と合格点の推移を確認していこう。

試験年度合格率合格点
令和3年度(12月試験)15.6%34点
令和3年度(10月試験)17.9%34点
令和2年度(12月試験)13.1%36点
令和2年度(10月試験)17.6%38点
令和元年度17.0%35点
平成30年度15.6%37点
平成29年度15.6%35点
平成28年度15.4%35点
平成27年度15.4%31点
平成26年度17.5%32点
平成25年度15.3%33点
平成24年度16.7%33点
出典:一般社団法人不動産適正取引推進機構「試験実施概況」

過去10年間の合格率を見てみると、およそ15%前後で推移していることが分かる。例年20万人前後の受験者がいるものの、合格しているのは3万人ほどであるため、それなりの難易度であると言えるだろう。

また、合格点は過去10年間で31〜38点の間で変動している。35点取れれば合格の可能性が高くなり、40点を超えてくると安心できるだろう。過去問を解く際には、40点前後を目標に勉強を進めていこう。

金融系資格の合格率と比較

宅建試験の難易度を把握したところで、ほかの金融系資格の合格率と比較してみよう。

ここでは、以下の3つの資格と比較していく。

  • FP技能士
  • 証券外務員
  • 証券アナリスト

FP技能士とは、ファイナンシャル・プランニングに関する知識を体系的に身に付けられる資格である。FP3級・2級・1級があり、それぞれ学科試験と実技試験が設けられている。

FP3級の合格率は学科試験・実技試験ともに80%前後、FP2級は学科試験が50%前後、実技試験が60%前後、FP1級は学科試験が10%前後、実技試験が80〜90%ほどだ。宅建と比べてみると、FP3級・2級は宅建より簡単だが、FP1級となると宅建よりも合格が難しいと言えるだろう。

証券外務員とは、顧客に対して金融商品を販売・勧誘する際に必要な資格である。一種外務員・二種外務員があり、銀行や証券会社などに勤務する際には欠かせない資格だ。証券外務員資格は、一種・二種ともに70%近い合格率となっている。入社前に取得を求められることも多く、宅建よりも合格しやすい資格であると言える。

証券アナリストとは、投資先の企業分析などに関する高度な専門知識を学習する資格だ。第1次レベル講座の受講後に1次試験を受け、合格したら第2次レベル講座の受講と2次試験の受験が必要となる資格である。証券アナリストは、1次試験・2次試験ともに合格率は50%前後となっており、宅建よりも合格自体は狙いやすい試験と言える。

しかし、実務経験が3年以上必要だったり、受験前に講座を受けなければならなかったりというハードルの高さも特徴的な試験だ。そもそも受験者のレベル自体が高いと想定されるため、単純な比較はできないだろう。このように見ていくと、宅建は金融系資格の中でもそれなりに難易度の高い試験であることが分かる。

しっかりと対策をした上で、試験に臨むことが大切だ。

宅建を取得するメリット

宅建の合格を目指す際には、勉強のモチベーションを保つことが重要だ。試験合格後のメリットを把握し、合格に向けて気持ちを高めていこう。

宅建取得のメリットとして、主に以下の3つが挙げられる。

  • 独占業務ができる
  • キャリアアップを目指せる
  • ダブルライセンスで専門領域を広げられる

まず1つ目のメリットは、「不動産取引における独占業務ができる」という点だ。不動産取引をする際、重要事項説明や書類への記名・押印などの一部の業務は宅建士でなければ行うことができない。宅建士になることで独占業務を行えるようになるため、仕事にやりがいが生まれるだろう。

2つ目のメリットは、「キャリアアップを目指せる」という点である。先ほど紹介した通り、不動産取引には宅建士しかできない独占業務がある。そのため不動産業界ではキャリアアップに不可欠な資格であり、取得することで年収アップも目指せるだろう。

また、銀行や証券会社など、直接的に不動産取引をしない業種であっても役に立つ場面は多くある。資格取得の手当などが用意されていることもあるため、不動産・金融に関連する業界でキャリアアップを目指すのであれば、宅建は取得しておきたい資格だ。

3つ目のメリットは、「ダブルライセンスで専門領域を広げられる」という点だ。宅建は、不動産取引に関する専門的な知識を身に付けられる。そのほかに金融系の資格などを保有していれば、幅広い専門知識で顧客のニーズにしっかりと対応できるだろう。

例えばFP資格を持っていれば、不動産取引に加えて資産状況に応じた最適なローンの提案などができ、顧客資産全体を見据えたアドバイスができる。すでに金融系の資格を保有していて、さらに専門性を広げたい場合には宅建の取得がおすすめだ。

このように、宅建は取得することでさまざまなメリットを受けられる。合格後のキャリアなどをイメージしながら、勉強のモチベーションを高めていこう。

まとめ

宅建は、不動産に関する専門知識を習得した人に与えられる国家資格であり、一部の業務は宅建士でなければできないものもある。

不動産・金融業界でキャリアアップを目指すのであれば取っておきたい資格だ。

試験の概要や難易度をしっかりと把握し、取得を目指して着実に勉強を進めていこう。

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