- 地方銀行員におすすめの転職先が知りたい
- 職種別の転職活動のポイントが知りたい
- 地銀から転職したい
銀行に勤務している人は、はたから見れば順風満帆の人生を送っている。地方銀行に勤める人も例外ではない。
しかし、実際に地方銀行に勤めている人の中には、「転職したい」と考えている人も多い。
そこには地方銀行員ならではの悩みがある。そこで本記事では、地方銀行員が転職したいと考える理由や、人気の転職先、おすすめの転職先などを紹介する。
「転職したい」と考えている地方銀行員の人は、正しい判断をするために、あるいは自分に合った転職先を見つけるために、ぜひ参考にしてほしい。
地方銀行員の主な転職理由
まずは、地方銀行員の主な転職理由を整理していこう。ここで紹介する転職理由が複数該当する場合は、転職を積極的に検討すべきかもしれない。
キャリアアップしたい
銀行にもよるが、地方銀行はメガバンクに比べてビジネス・サービスの体質が大きく異なる。
日本全国・世界をフィールドにするメガバンクと、地域密着型を目指す地方銀行の違いは意外と大きい。
そのため、地方銀行ではルーティンワークが多く、「毎日同じことの繰り返し」と感じる地方銀行員は多い。
「毎日同じことの繰り返し」と感じやすいのは、地方銀行に限った話ではない。さまざまな業界・業種でも同じことの繰り返しでビジネスが成り立っている。
しかし地方銀行員はメガバンクのビジネス・サービスの体質と比較し、相対的に「やりがいの低い仕事」と思ってしまうケースが多いだろう。
そうした中で、「転職してキャリアアップを計りたい」と考える地方銀行員は少なくない。
ノルマが厳しい
銀行員にはノルマが多い。貸付や預金獲得、口座開設などさまざまなノルマを課せられるのが通常だ。近年では新NISA制度のスタートにより、従来よりも多くのノルマを課せられている地方銀行員も多いだろう。
こうしたノルマ達成のプレッシャーは非常に重い。地方銀行員によってはノルマ達成のため、上司から毎日のように叱責される人もいる。
ノルマ達成のプレッシャーから、「銀行を辞めたい」と考える地方銀行員も多い。
職場の人間関係が悪い
地方銀行に限った話ではないが、配属された支店(部署)の人間関係が悪く、精神的に強いストレスを感じる人もいる。
前時代的な文化が残っている地方銀行の場合、学歴至上主義が強いなどの理由から、人間関係が悪化しやすいのだ。
また、前述のように上司からの叱責が多く、上司との関係にストレスを感じる人も少なくない。
地元を離れて仕事がしたい
地元の地方銀行に勤務している人の中には、「地元を離れて仕事がしたい」と考え、転職する人もいる。
ルーティンワークが多い上に周囲環境がほとんど変化しないため、「地元以外での仕事」に強い憧れを持ちやすいと言える。
また、メガバンクから内定をもらえず地方銀行に就職した人の中にも、「地元を離れて仕事がしたい」と考える人が多いだろう。
都心で働くことに憧れている
地方銀行員の中には、業種・職種を問わず「都心で働くことに憧れている」人もいる。
都心での仕事は華やかに見える上に、プライベートも充実してそうといったイメージから、憧れを抱く人が多いだろう。
地方銀行員に人気の転職先
続いて、地方銀行員の転職先ランキングを紹介する。どのような転職先が人気を集めているのかを知り、自身の転職活動に生かしてほしい。
1. M&Aアドバイザリー
M&A仲介事業を中心とするM&Aアドバイザリーは、地方銀行員からの人気が急上昇している転職先だ。
まず、M&Aアドバイザリーは平均年収が非常に高い。
大手M&Aアドバイザリーなら年収2,000万円超えは普通であり、地方のM&Aアドバイザリーでも平均年収が1,000万円を超えるケースが多い。
近年は中小企業の事業承継が社会問題になっていることから、地方の中小企業経営とコミュニケーション経験のある地方銀行員は重宝される存在だ。
2. 証券会社
「銀行の仕事は合わないけれど金融業は好き」という地方銀行員は、証券会社に転職するケースが多い。
銀行員としての営業スキルを発揮できる上に、転職後の仕事への馴染みも早いので、転職時のストレスが軽い。
取得した資格を活かせるケースもあるため、証券会社は地方銀行員から人気の高い転職先だ。
3. 保険会社
証券会社と同様に、地方銀行員は保険会社への転職も多い。
保険会社も職種によってノルマがあるが、銀行員時代よりはノルマが軽く、「ワークライフバランスを整えやすくなった」という声も多数だ。
M&Aアドバイザリーや証券会社に比べると平均年収は下がるが、インセンティブ率が高い保険会社でトップセールスになれば、年収2,000万円を超えることもある。
4. 財務コンサルタント
地方銀行員としてのスキルや知識を生かし、財務コンサルタントに転職する人も多い。
特に人気が高いのは「ビッグ4※」と呼ばれる4大コンサルティングファームであり、それぞれの平均年収は1,000万円ほどだ。
財務コンサルタントとしてコンサルティングファームに転職をすれば、コンサルスキルを磨いて独立する、というキャリアプランを描くこともできる。
中小企業へのコンサルは今後需要増加が見込まれるジャンルなので、継続的な年収アップも期待できるだろう。
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5.公務員
地方銀行員の転職先として、公務員も人気だ。公務員にはノルマがなく、残業も少ないため銀行員時代のストレスから解放されるというメリットがある。
公務員試験はあるが、資格勉強に慣れている地方銀行員からすると、決して難しいハードルではない。
ただし、公務員試験には「30歳まで」など年齢制限があるので、早めに転職の決断をする必要がある。
6. 事業会社の管理部門
地方銀行員は事業会社の管理部門に転職するケースも多い。銀行員としてのスキルを発揮できるだけでなく、銀行員のバックグラウンドは転職時に評価されやすい。
また、人気の事業会社はメーカー企業やIT企業だ。経営基盤が盤石な会社が多いことから、雇用に安心感を持って働くことができる。
地方銀行員に人気の転職先
続いて、地方銀行員に人気の転職先を紹介する。自分に合った転職先かどうかをチェックしてみよう。
金融業界(同業種)
金融業界(同業種)への転職は、地方銀行員としてのスキルや知識、経験を活かせる転職先として人気が高い。対象はメガバンクだけでなく、他の地方銀行に転職する人も多い。
同じ地方銀行でも、銀行によってビジネス・サービスの体質や待遇、人事評価制度などは大きく異なる。
地方銀行員としての仕事は嫌いじゃないが、今の職場には限界を感じているという人は、金融業界(同業種)に転職する傾向がある。
金融業界(異業種)
金融業界(異業種)への転職は、地方銀行員としてのスキルや知識、経験を活かしつつ、キャリアを広げられる転職先として人気だ。証券会社、保険会社などが転職先の中心となる。
また、金融業界(異業種)への転職では即戦力として評価されやすいので、転職活動をスムーズに進められるのが大きなメリットだ。
金融商品を取り扱う仕事は嫌いじゃないが、地方銀行では理想的なキャリアを描けないという人は、金融業界(異業種)に転職しやすい。
不動産業界
不動産業界への転職は、不動産関連資格を取得している場合に、スキルを活かせる転職先だ。
また、不動産ローンや融資など地方銀行と類似した仕事も多いので、資格がなくてもスキルを活かせるケースがある。
そうした理由から、「他業界に転職したい」と考えている地方銀行員から人気の高い転職先となっている。
フィンテック業界
フィンテックとは、先進技術と金融を組み合わせたサービス・プロダクトを提供する業界だ。日本国内には次のようなフィンテック企業がある。
- メタップス
- BASE
- PayPay
- AlpacaJapan
フィンテック業界では地方銀行員としての知識・経験を活かしながら、サービス・プロダクトの開発や販売に携わったり、カスタマーサポートで顧客と関わったりできる。
フィンテック業界は現在成長市場なので、将来的な年収アップや独立を視野に入れた転職も可能だ。
国家公務員・地方公務員
国家公務員・地方公務員も地方銀行員に人気のある転職先だ。ノルマや残業が当たり前の地方銀行員にとって、残業が少なくノルマのない国家公務員・地方公務員は魅力的な転職先になりやすい。
また、地方銀行員は資格取得に向けた勉強に慣れているので、公務員試験勉強が苦になりにくいのも、人気の理由の一つだ。
ただし、公務員試験は年齢制限があるため、国家公務員・地方公務員への転職はスピード勝負になる。
IFA業界
IFA(独立系ファイナンシャル・アドバイザー)とは、多種多様な金融商品を取り扱い、プロの視点から顧客の資産形成のアドバイスをしたり、管理したりする仕事だ。
そのため、地方銀行員の中でも法人営業を経験した人や、投資信託を販売するのが得意だった人などから人気が高い転職先となっている。
IFA業界は独立して仕事をするため、ノルマを課せられることがなくストレスフリーの仕事をしやすい。
また、中立的な立場から顧客にさまざまな金融商品を提案できるため、「お客様の役に立っている」とやりがいを実感しやすいのも特徴だ。
地方銀行員におすすめの転職先
続いて、地方銀行員におすすめの転職先を紹介する。「地元を離れたくない人」と「地元を離れたい人」に分けて紹介するので、ぜひ参考にしてほしい。
地元を離れたくない人におすすめの転職先
地元を離れたくない人の場合、他業界への転職で年収アップを目指すのは難しいだろう。
地方銀行員は地元の中でも高年収のはずであり、年収が下がれば仕事に対するモチベーションも下がりやすいので、慎重に検討すべきである。その中でもおすすめしたい転職先は、次のとおりだ。
- 証券会社
- 信託銀行
- 保険会社
- ホールセラー
- 地域密着型のIFA
基本的には金融業界(同業種・異業種)を転職先として選ぶと、年収アップが期待できる。インセンティブ制度のある証券会社や保険会社なら、大幅な年収アップも可能だ。
また、地域密着型のIFAもおすすめしたい。たとえば、地方でも愛知県や奈良県は富裕層が多いため、そうした地域に密着したIFAなら、競争力の低い環境で顧客を獲得できる可能性がある。
つまりは効率よく仕事を得て、効率よく年収をアップできる。
地元を離れたくないなら金融業界(同業種・異業種)への転職を基本として、地域密着型のIFAも積極的に検討してほしい。
地元を離れたい人におすすめの転職先
地元を離れたい人(都心で働きたい人)は、転職先の選択肢がさらに広がる。20代の地方銀行員ならメガベンチャーの財務担当やM&Aアドバイザーなど、他業界でも年収アップにつながる転職先が多い。
30代で特筆した実績のある地方銀行員ならメガバンクへの転職にチャレンジしたり、大手証券会社、都心部IFAなどの選択肢がある。
いずれの選択肢でも、地方銀行員に比べれば年収を大幅にアップできるチャンスだ。
この他にもホールセラーなどの職種も充実している。
ただし、地元を離れたい人(都心で働きたい人)は、転職先の選択肢が多い反面、転職先選びに苦労するケースが多いので情報収集の徹底が重要となる。
【業界・業種別】地方銀行員の転職活動のポイント
それでは最後に、業界・業種別に、地方銀行員の転職活動のポイントを紹介する。
保険業界の転職活動ポイント
地方銀行員が保険業界への転職を検討する際は、まず次の2軸で情報収集を行う。
- 地元での転職か、都心部での転職か
- 個人営業か、ホールセラーか
地元で転職する場合、通勤可能範囲に自分に合った転職先があるかどうかが重要になる。保険会社の支店はWebで検索できるので、情報収集で苦労することは少ないだろう。
ただし、自分に合った保険会社が通勤可能範囲にあるかどうかは別の話だ。場合によっては、通勤可能範囲を広げて転職先を探す必要がある。
都心部で転職する場合は、そういった心配は少ない。一方で、引越しなど転職活動以外で考えるべきことが増えるので、そうした点も考慮しながら転職先を選ぼう。
保険業界は個人営業でもホールセラーでも、「保険商品を取り扱った経験があるか」が重視される。
顧客に対してライフプランニングを提案した経験があれば、実績として評価されるだろう。
一方、個別の評価ポイントとして、個人営業は地方銀行員としての営業実績を重視する。具体的には同世代で上位10%の実績なら高く評価され、上位30%なら好印象を与えられる。
ホールセラーの場合は営業実績に加えて、金融機関との円滑なコミュニケーション能力が必要だ。
他業界(営業職)の転職活動ポイント
地方銀行員として一定の営業実績を残している人なら、他業界(営業職)への転職も検討することだろう。その際にまずポイントになるのが「年齢要件」だ。
他業界(営業職)への転職活動では年齢を重視される傾向があり、30代以降では転職が厳しくなる。
なぜなら、同じ営業職とはいえ地方銀行で培ったスキルは、汎用性が低いと考えられるからだ。
そのため、他業界(営業職)への転職活動は20代の方が比較的有利となる。
また、地方に限定すると求人数が少ない。そのため、基本的には都心部など地元以外のところに転職することを検討しよう。
「情報収集の難しさ」も十分考慮してほしい。非上場企業に転職する場合は、上場企業よりも公開情報が少なく、十分な企業調査ができない。
結果としてミスマッチが起こり、転職に失敗するケースもある。
そこで、転職エージェントを通じた情報収集がおすすめだ。非上場企業の情報も豊富に持っている転職エージェントなら、その点の安心感が高い。
IFA業界の転職活動ポイント
IFA業界は、地方銀行員からキャリアアップを計りたい人におすすめの転職先だ。
証券に加えて保険などの金融商品も取り扱うため、新たなスキル・経験を身につけられる転職先として最適だ。
また近年の傾向として、IFAとしての経験・顧客基盤がなくても、正社員で転職し年収をアップできる求人が増えている。
IFA業界への転職で課題になるのは、地域によって支店がないことだろう。そのため、人によっては地元を出る(引っ越す)のが前提になる。
また、情報を公開しているIFA企業が少ないため、企業調査を徹底しづらいという課題もある。
この点については、IFA業界に強い転職エージェントに相談するのがセオリーだ。
地方銀行員のあなたにあった転職先を見つけたいなら
本記事では、地方銀行員が転職したいと考える理由や、人気の転職先、おすすめの転職先などを紹介した。
地方銀行員の転職は、転職の理由や目的によって、最適な転職先を選べるかどうかが重要だ。
また、情報収集の徹底が転職成功のカギを握るため、転職活動にどれほど時間を割けるかもポイントになる。そこで利用してほしいのが、金融業界特化型の転職エージェントだ。
たとえばアドバイザーナビは金融業界特化型の転職エージェントとして、多くの地方銀行員の転職をサポートしている。
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