女性銀行員が転職するには？おすすめの転職先と転職成功のポイントを解説

銀行員は安定した収入が見込めるだけでなく、社会的なステータスも高い。そのため、性別を問わず幅広い人気を集めている職種だ。

そんな銀行員として就職できたのはいいものの、「銀行を辞めたい」と考える人もいるだろう。

重いノルマや人間関係のストレスなどから、「銀行を辞めたい」と考える銀行員は少なくないのだ。

では、女性銀行員が転職をするには、どのように転職先を選び、どのようなスキル・資格を活かせばいいのか。

本記事では、女性銀行員が転職する際のおすすめの転職先や、転職成功のポイントについて解説する。女性銀行員で「銀行を辞めたい」と考えている人は、ぜひ参考にしてほしい。

女性銀行員の転職実態

銀行から転職をする際には、女性銀行員の転職実態を参考にするといい。他の女性銀行員はどのような理由で転職をしているか、女性の転職は難しいのか、ここで転職実態を整理しておこう。

女性銀行員の転職理由とは？

女性銀行員の多くは、次のような理由から転職をしている。

銀行員はワークライフバランスを整えにくい職種だ。仕事とプライベートの区別が難しい。

その上、ノルマ達成のプレッシャーが大きかったり、人間関係で強いストレスを感じていたり、そうした理由から「転職したい」と思う女性銀行員は多い。

また、最近では急な移動で営業職に配置され、急激な環境の変化から「転職したい」と思う女性銀行員もいる。

銀行サービスのオンライン化が進み、事務職員の削減が進んだことで、営業職への配置換えが増えているのだ。

銀行によっては前時代的な風習が抜けずに、女性に対する風当たりが強い職場もあるだろう。そうした職場で女性銀行員のキャリアアップは難しいため、転職する人も多い。

女性銀行員の転職は難しい？

結論から言って、女性銀行員は他の職種に比べると転職は「有利」だ。銀行では窓口業務だけでなく、個人・法人の顧客に対して金融商品を提案したり、融資の相談を受けたりする業務も多い。

したがって、女性銀行員の多くは次のような能力が備わっていると考えられやすい。

もちろん、これらの能力が無条件で備わっていると判断されるわけではないので、転職時は職務経歴書や面談で、どのように自己アピールするかが重要だ。

その点から考えると、女性銀行員だからといって転職が簡単なわけではない。

銀行員以外でも優秀な人材は多いので、転職という競争の中でどのように立ち回れば転職成功率を上げられるか、戦略的に考える必要がある。

女性銀行員に人気の転職先

女性銀行員はどのような業界・企業に転職しているのだろうか？金融業界全体で見ると、異業種へ転職する人が多いという調査結果がある。

リクルートエージェントが発表したレポートによれば、金融業界の人材が異業種に転職した割合は57.6％だった。

他の業界と比べてみても、異業種に転職する人の割合が高い。主な転職先は以下のとおりだ。

上記は性別を問わない調査結果なので、女性銀行員においてもこれらの転職先が人気を集めている可能性が高い。

また、金融業界に特化した転職エージェントとして近年実感しているのが、「IFA（独立系ファイナンシャル・アドバイザー）への転職率が高い」ことだ。

IFAは独立的な立場から顧客の資産運用を提案するプロフェッショナルであり、銀行員時代と比べると、幅広い金融商品を提案できる。

ノルマ優先だった銀行員時代とは違い、「本当にお客様のためになる仕事」として、人気をじわじわ高めている転職先だ。

女性銀行員におすすめの転職先

女性銀行員には幅広い分野で活躍できる実力や、ポテンシャルがある。前述のとおり転職活動においては銀行員という肩書きが有利に働くだろう。

では実際に、どういった業界・職種に転職するのがおすすめなのかを、ここで紹介する。

おすすめ転職先

1. メガバンク

現在地方銀行に勤めており、キャリアアップ志向が強い女性銀行員はメガバンクへの転職を考えてみてほしい。

「地方銀行→メガバンク」のキャリアは決して不可能ではなく、現職で特筆すべき成果を出している人なら、十分に可能性のある転職だ。

地方銀行からメガバンクへの転職にするメリットは次のとおりだ。

基本的には転職するメリットが多い。ただし、地方銀行よりも転勤回数が増え、転勤も遠距離になることがある。

それらの条件をクリアしていれば、地方銀行からメガバンクへの転職はかなり魅力的だ。

2. 同業やそれに近い業界

特筆した成果はないが、キャリアアップや職場環境の改善を目指したいという人は、同業やそれに近い業界に転職をするのがいいだろう。

同業やそれに近い業界なら、銀行員としての実績が評価されやすい。

たとえば、FP1級の資格を持っている人が同業やそれに近い業界に転職するのと、まったくの異業種に転職するのとでは、評価のされ方が違う。

同業やそれに近い業界に転職する場合なら、FP1級を持っていれば「相応の金融知識がある」と評価される。

一方、まったくの異業種では「向上心がある」と評価されるか、あるいは評価されない。

つまり、同業やそれに近い業界に転職をする方が現職での実績が評価されやすいので、キャリアアップや職場環境の改善を目指したいという人におすすめだ。

具体的には他銀行、信託銀行、証券会社、保険会社、IFAなどの選択肢がある。IFAとは、独立的な立場から顧客に対して金融商品を提案するプロフェッショナルのことだ。

3. 公務員

公務員は銀行と同じように安定した業界であり、女性銀行員の転職先として人気がある。

公務員は仕事上のノルマがないため、「ノルマ達成のプレッシャーが大きい」と感じている女性銀行員にとって理想の転職先だ。

ただし、公務員になるためには公務員試験に合格しなければいけない。

公務員試験の年齢制限は「30歳」としているところが多いため、試験勉強時間を考慮すると、27歳ごろまでには公務員への転職を決断し、試験準備を始めるべきだ。

4. 異業種

20〜30代前半の女性銀行員であれば、さまざまな業種において転職が有利に働く可能性がある。前述のように、女性銀行員には次のような能力が備わっていると考えられるためだ。

これらは銀行だけでなく異業種にも通用する能力であり、実際にこれらの能力を有している女性銀行員は、あらゆる企業から歓迎されるだろう。

たとえばIT系ベンチャー企業の中には柔軟な働き方を推奨しているところが多く、銀行員時代はあり得なかった「フルリモート」も可能だ。

女性中心の企業なら子育て・婚活を応援してくれる制度もあるので、銀行よりも働きやすさを感じられるかもしれない。

銀行員としての実績・能力を活かしつつ、ワークライフバランスを整えられるキャリアもあるので、幅広い選択肢から自分に合った企業を選べるのが大きなメリットだ。

女性銀行員が転職活動で活かせるスキル・資格

最後に、女性銀行員が転職活動で活かせるスキル・資格について紹介する。自分のどのスキルや資格が転職活動で有利に働くかを知っておこう。

顧客に対するヒアリング力と提案力

「顧客に対するヒアリング力と提案力」は業界・業種を問わず重宝されるスキルだ。ちなみにこのスキルは、営業職に限ったものではない。

たとえば近年では、「カスタマーサクセス」と呼ばれる部門を設置する企業が増えている。

これは、自社の製品・サービスを導入している顧客企業と長期的なかかわりを持ち、「顧客の成功」を生み出す部門だ。

カスタマーサクセスでは、顧客に対する高いヒアリング力と提案力が求められる。結果次第で顧客の製品・サービス継続率も変わるので、売り上げに関わる部分も大きい。

銀行員として培ったヒアリング力と提案力を有効的にアピールできれば、さまざまな業界・業種で転職活動が有利に働くだろう。

社会人としてのマナーが備わっている

「社会人としてのマナーが備わっている」ことは、意外と重視されるポイントだ。社会人としてのマナーは一朝一夕で形成されるものではないため、こうした素養のある人材は評価が高い。

銀行員は比較的早い段階で社会人のマナーを叩き込まれるので、他の人材に比べて正しいマナーを身につけていることが多い。

これは同業やそれに近い業界に転職する場合でも、異業種に転職をする場合でも評価されるポイントだ。

勉強熱心でスキルアップする気持ちがある

「勉強熱心でスキルアップする気持ちがある」ことは、企業にとってプラス要素になる。

現代の日本は海外同様に人材の流動性が高まっており、それに伴った向上心のある人材に対する評価が高い。

たとえば、将来的に独立を目指している人材であっても、向上心が高い人材ならその過程で自社にもたらす利益が非常に大きいと考えられる。

また、「そうした向上心も受け入れる企業」という社会的イメージが育つと、優秀な人材をより多く集めやすくなるため、企業としても向上心の高い人材を採用するメリットが大きいのだ。

銀行員はそもそも就職のハードルが高く、その後も資格取得など継続的なスキルアップを行うケースが多い。

「勉強熱心かつ向上心のある人材」ということをアピールできれば、さまざまな転職活動で有利に働くだろう。

数字に強くコミュニケーション能力も高い

「数字に強くコミュニケーション能力も高い」ことは、さまざまな企業に評価されるスキルだ。

近年ではデータ活用を推し進める企業も増えており、「数字に強い人材」を獲得・育成したいと考える企業は多い。

日々数字に触れている女性銀行員の中には数字に強い人材も多いので、そうした企業への転職は有利に働くだろう。

また、コミュニケーション能力の高さも非常に評価されるポイントだ。

特に融資で法人営業を経験した女性銀行員は、経営者との交渉経験もあるため、コミュニケーション能力が高いと判断される。

「数字に強い」「コミュニケーションが高い」という2つのスキルを前面に押し出せれば、転職活動が有利に進むだろう。

転職活動に活かせる資格とは

女性銀行員が転職活動に活かせる資格は、主に3段階にわかれている（取得難度が高い順）。

難度が低い資格の場合、転職で有利に働くことは少ない。また、資格の適用範囲も限定的だ。

たとえば宅地建物取引士は不動産業界でないと評価されない資格であり、簿記2級は合格率が比較的高いため資格としての希少性が低い。

女性銀行員の転職なら、「CFP、証券アナリスト」以上のレベルの資格を保有していると、転職活動を有利に進められるだろう。

転職に向けて資格取得を目指している人の場合は、希望する転職先に応じて、有利に働く資格を選ぶようにしよう。

女性銀行員の転職を成功させるには

本記事では、女性銀行員が転職する際のおすすめの転職先や、転職成功のポイントについて解説した。

最後に、女性銀行員の転職を成功させるために重要なのは、職務経歴書や面接でどのように自己アピールするかだ。

職務経歴書の書き方、面接の受け方、これらが正しい方向性にあるかどうかで、転職成功率は大きく変わる。

そこで、転職成功率を少しでも上げるためにも、転職エージェントに相談してほしい。

たとえばアドバイザーナビでは、金融業界特化型の転職エージェントとして、女性銀行員の転職サポート実績が多い。

職務経歴書の書き方や面接の受け方、自己アピールのやり方まで幅広くサポートできるため、まずは気軽に相談してみてほしい。