- 銀行からの転職を考えているが、何から始めればいいのかわからない
- 銀行員としての経験を活かせる転職先を知りたい
- 銀行員の転職活動におけるポイントが知りたい
銀行員の経験は、他業界でも高く評価される可能性を秘めている。
しかし、銀行特有の業務経験や知識をどう活かせばいいのか、転職市場での競争力はあるのかなど、悩む方も少なくない。
本記事では、銀行員の転職実態から、活かせる能力、効果的な転職活動の進め方、さらには転職を成功させるための具体的なステップまでを解説する。
新たなキャリアパスを探っている方に向けて、できるだけ具体的かつ実践的な情報の提供に努めた。
この記事を通じて、自身の市場価値を再認識し、自信を持って転職活動に臨むための指針を得ていただきたい。
銀行員が転職する理由
まずは、銀行員が転職を決意する主な4つの理由を見ていこう。
理由業界の将来性に対する不安から
業界の将来性に対する不安は、転職を決意する大きな理由の一つである。
フィンテックの台頭やデジタル化の進展により、銀行業界は大きな変革期を迎えている。
従来のビジネスモデルの変化や店舗統廃合、人員削減の進行に加え、伝統的な体質や硬直的な組織風土に嫌気が差し、より革新的な環境を求める銀行員が増加している。
ワークライフバランスを改善するため
長時間労働や休日出勤、厳しいノルマ、顧客対応のプレッシャーなどが、プライベートの時間を圧迫することは少なくない。より柔軟な働き方を求め、転職を考える銀行員が増えている。
キャリアアップの機会を探るため
銀行業界は昇進やキャリアの進展が緩やかだ。大手銀行では、ポジションが固定化される傾向もある。
自己成長や新たな挑戦を望む銀行員にとって、このような環境が不満の原因となり、成果に応じた報酬や新しい業界でのキャリアを求めて、転職を検討するケースが増えている。
顧客本位の業務をしたいという希望から
ノルマに追われる中で、顧客の真のニーズに応える提案ができない状況にストレスを感じる銀行員も多い。
より顧客本位の業務ができる職場を求め、転職を考えるケースが増えている。
銀行員の転職実態
ここからは、銀行員転職の実態を、もう少し詳しく見ていくため、弊社が「転職活動をした20代・30代の(元)銀行員」を対象に行ったアンケートを紹介しよう。
銀行員が転職先に求めた条件
銀行員が転職先に何を期待したのか、その回答結果を紹介しよう。以下のグラフは、「転職先に求めた条件は何ですか?」という質問に対する回答をまとめたものである。
20代では「自由度」を求めた人が多く、53.3%を占めている。2位は「高い給与」の20.0%で、「人間関係の良さ」13.3%が続いた。
30代でも「自由度」を求めた人は多かったが、36.0%にとどまり、「転職がない環境」と同率で1位を分ける格好となった。次が「社内の風通しの良さ」12.0%と続いている。
両年代で「自由度」が高く評価されたのは、銀行業界の硬直的な組織構造や厳しいノルマ制度からの脱却を望む気持ちの表れと考えられる。
一方、20代から30代への変化は、キャリアビジョンの成熟を反映しているものと考察できる。
20代では自由度や給与など、個人の短期的な満足を重視する傾向があるのに対し、30代では長期的なキャリア構築や生活の安定性を考慮し始める傾向が見られる。
銀行員が転職活動で最も苦労したこと
転職活動における苦労として最も多く挙げられたのは、転職活動そのものの進め方に関する不安である。
「何から始めるべきかわからなかった」という声が多い点から、銀行業界に特化した情報や支援の必要性の高さが伺える。
また、前職での経験の言語化や退職理由の説明に苦労したという回答も目立つ。
転職したことがないから何から始めていいのか分からなかった。
次の業界を探す際に、どのようなことを生かせばいいのかを考えながらやっていかなければならないことでした。
なぜ前職をやめたのか詳細な説明を求められる点です。中々納得してもらえず苦戦しました。
自分のこれまでしてきたことが会社に依存していて、他のフィールドでは生きない事。
転職活動で最も重要だと思ったこと
次に、「転職活動で最も重要だと思ったことは何ですか?」への回答を見ていこう。
20代では「複数社を比較・検討すること」と「自己分析を正しく行うこと」が26.7%で最重要視されている。
これは、 キャリアの初期段階にある20代では、より広い視野でキャリアの可能性を探ることや、自分が活かせる職場を見つけることが重視された結果であろう。
一方、30代では、「企業についてよく調べること」が44.0%で圧倒的に重要視されている。
ついで「自己分析を正しく行なうこと」24.0%、「転職の目的を明確にすること」20.0%が続いた。
ある程度キャリアが確立された30代では、自分の専門性や経験が活かせる環境を、より慎重に選びたいとの希望が強いようである。
また、企業文化や環境のミスマッチを避けたいという思いや、自分に合った環境を慎重に選びたいという思いが強くなっていることも伺える。
転職して変化したこと
転職後の変化として最も多く挙げられたのは、ワークライフバランスの改善だ。
「プライベートの時間が増えた」「残業が減った」という声が多く、銀行業界の長時間労働から解放されたことがわかる。
また、給与面での改善を挙げる回答も多く、転職によってキャリアアップと待遇改善の両立を果たしている事例も見られる。
一方で、新たな環境への適応に苦労したり、社内ルールの違いに戸惑ったりするケースも報告されている。
これは、銀行業界と他業界との文化の違いを反映していると考えられる。
前会社では残業に追われていたが、前会社より仕事量が少なかったので解決につながった。また通勤時間を削減できたので自由な時間が増加した。
完全に定時退社、給与額が上がる企業を選択できたことで、プライベートの時間が増え、ワークライフバランスを見直すことができた。
目的は「自分がやりたいことに挑戦する」だった為、挑戦できる環境に身を置けるか他の企業との比較を念入りにして、人事の面接でも質問をしていた。
転職して本当に自分が何をしたいか、自由な職が分かったので課題が分かりそして解決出来て良かったと思う。
私は短大卒なので、給料が高卒の人達と同じで手取り15万円ほどでした。しかし、転職先では短大卒は大卒と同じ給料のところを選んだので、解決しました。また、給料が上がったことでプライベートの質も上がり、ワークライフバランスを実現できたと思っています。
色々と業界の情報を転職サイトなど複数のところから手に入れるようにしていましたので、何とか解決が付きました。また、新しい環境もいい先輩がいたのでうまくなじめました。
勤務地やワークライフバランス、責任等給与以外のところで転職のすることによるメリットを見つけ、それを最終ゴールにする。
社内調整の多さにうんざりしていたので、そこから解放されたい、と言うと受からないので、裁量権を持って仕事をしたい、という旨に変換して話した。
銀行員が転職で活かせる能力とは?
ここからは、銀行員が転職活動で活かせるスキルや経験について解説する。どのような能力をアピールすべきか、具体的なポイントを考えていこう。
転職活動で評価されるスキル
以下に、採用企業が銀行員出身者に対して期待するスキルや経験を整理する。
財務分析能力
企業の財務諸表を分析し、融資の可否を判断した経験は、事業会社の財務部門や経営企画部門、さらにはコンサルティング業界でも高く評価される。
リスク管理能力
信用リスク、市場リスク、オペレーショナルリスクなど、さまざまなリスクに関する知識を持ち、評価し管理できる能力は、金融業界全般や事業会社のリスク管理部門で活かせるだろう。
プロジェクトマネジメント能力
銀行では、複数の業務を同時並行で進めることを求められることが多い。
この経験を通じて、プロジェクト管理能力が自然と培われる。スケジュール管理やタスクの優先順位付け、リソース配分などのスキルは、多くの業界で重宝される。
データ分析スキル
顧客データの分析や市場動向の予測など、データを扱う機会の多い銀行業務で培われるデータ分析スキルは、デジタルマーケティングやビジネスインテリジェンス分野での転職に活かせる。
顧客関係の維持・管理スキル
長期的な顧客関係を構築・維持する能力は、多くの業界で重宝される。とくに、BtoBビジネスやコンサルティング業界での転職に有利に働く。
交渉力と折衝力
銀行員は、顧客や取引先との交渉を通じて、成果を引き出すための交渉力や折衝力を養っている。
この能力は、営業職やマネジメント職のほか調達や法務部門などで評価される。
20代・30代の転職で評価されるスキル
次に、20代・30代の銀行員がどのような点を評価されるか、年代ごとに見ていこう。
20代の銀行員
20代はキャリアの基礎を築く時期だ。そのため、とくに柔軟性や新しい環境への適応力が評価される。
積極的に新しいスキルを学び、異なる業界や職種にも迅速に順応する姿勢が高く評価される。また、若者ならではの新しい視点や創造性も重要なポイントとなる。
加えて、営業や顧客サービスにおいては、コミュニケーションスキルは重要な評価対象だ。
銀行勤務で培った基礎的な金融知識はもちろん評価されるので、存分にアピールしよう。
30代の銀行員
30代は、銀行で培った専門知識と豊富な経験が強力な武器となる年代である。
金融商品に関する深い知識やリスク管理スキル、投資戦略のノウハウが転職市場で高く評価される。
また、プロジェクト管理やチームリーダーとしての経験は、とくに管理職やマネジメント職で求められる。
さらに、長期的な顧客関係の構築や、大口取引の成功を導く営業力、交渉力も大きなアドバンテージとなる。
金融知識、コミュニケーション能力、営業力
続いて、20代・30代の求職者が共通して求められる、「金融知識」「コミュニケーション能力」「営業力」の3スキルに注目し、転職活動での活かし方を詳しく見ていこう。
金融知識
銀行の業務で培った金融知識は、20代・30代の銀行員にとって大きな武器となる。
しかし、単なる知識の羅列ではなく、それをいかに実務で活用し、価値を生み出してきたかを具体的に示すことが重要である。
採用企業側は、以下の点を確認したいと考えている。
- 基礎的な金融理論の理解度
- 実務への適用や応用する能力
よって、知識や経験は、以下のようにアピールすると良い。
具体的な業務経験とのひも付け
「融資審査業務で企業の財務分析を行い、8割の精度で融資の可否を判断できた」というように、知識を実際の業務成果と結びつけて説明する。
このとき、「小規模融資を中心に、年間100件以上を担当し、そのうち98%が正常債権として維持された」など数値で表現すると良い。
資格の活用
ファイナンシャルプランナーや証券アナリストなどの資格は、客観的な知識レベルを示す指標として有効である。
ただし、資格の取得だけでなく、その知識をどのように実務で活かしたかもあわせて説明する。
コミュニケーション能力
コミュニケーション能力は、銀行員にとって顧客対応やチーム内の協力を円滑に進めるために不可欠なスキルであり、転職市場でも非常に高く評価される。
採用企業側が確認したい点として、以下が挙げられる。
- 顧客のニーズを的確に理解し、信頼関係を築く能力があるかどうか
- 同僚や部下との円滑なコミュニケーションを通じて、チームとしての成果を上げられるか
コミュニケーション能力をアピールする際には、以下のようなポイントを意識すると良い。
- 採用企業の「重要顧客層」での実績
- 「採用企業が注力している顧客層」において、成果を上げた経験があれば強みになる
- たとえば、「富裕層顧客からの信頼を得て、資産の預かり残高を年間で30%増加させた」「法人顧客に対して、製品やサービスの改善提案を通じてクロスセル率を20%向上させた」などは、価値ある人材であることを伝える良い表現だ
- チームでの貢献度を説明
- チームの一員として活動した事例を示す
- たとえば、「情報共有を改善し、プロジェクトの納期を20%短縮した」や「新人メンバーの教育を担当し、ひとりで窓口業務を担当できるまで育てた」など、自身の能力がチーム全体の成功にどのように寄与したかを強調すると効果的である
営業力
営業力は成果ベースで判断される傾向が強い。具体的な評価基準は以下の通りだ。
- 上位5%以内の成績
- 非常に優秀と判断され、転職市場でもかなり優位な立場にあるといえる
- 上位20%以内の成績
- 一定の成果をあげた優秀な人材として優秀、転職市場でも相対的に高い評価を受ける
採用企業側が確認したい点として、以下が挙げられる。
- 顧客のニーズを的確に把握し、適切な提案ができる能力
- 数字で示せる具体的な成果
- 困難な状況を乗り越えて成果を上げた経験
営業力をアピールする際には、以下のようなポイントを意識すると良い。
- 具体的な数字を用いた成果の提示
- 「複雑な投資信託商品について、顧客のリスク許容度に合わせた提案を行い、富裕層顧客の資産運用残高を2年で2倍に増加させた」など、提案力・営業力をアピールする
- 困難な状況での成功事例
- 「業績不振だった支店に異動後、1年間で法人向け融資残高を50%増加させた」など、克服経験をアピールする
- 顧客からの評価
- 「担当した中小企業オーナーから『的確な財務アドバイスのおかげで、事業を拡大できた』とコメントをいただき、口コミで新規顧客を5社獲得できた」などを示す
転職時に有用な資格
以下の資格は、銀行員の専門性を客観的に示すものとして、転職市場で評価される。
- 中小企業診断士
- 証券外務員
- TOEIC、その他の語学資格
- ファイナンシャルプランナー技能士(FP)
- 簿記
- 銀行業務検定
- 生命保険・損害保険募集人
- 証券アナリスト
- 宅地建物取引士(宅建)
- 日商簿記検定
銀行員の転職を成功させるためのステップ
ここからは、転職のステップを確認していこう。ステップの全体像を確認したあと、転職活動において注意すべき4点について詳しく解説する。
転職活動の全体像
まずは、転職活動を効果的に進めるために、全体の流れを把握しておこう。
これにより、各ステップで何が求められるかを理解しやすくなる。
- 自己分析とキャリアゴールの設定
- 情報収集
- 履歴書と職務経歴書の作成
- 転職エージェントの活用
- 応募と面接対策
- 条件交渉と内定受諾
続いて、各ステップの具体的な進め方を詳しく見ていこう。まずは、転職活動の最初のステップ「自己分析」について考えていく。
転職活動は「自分を知ること」から始める
転職活動を成功させるうえで大切なのは、自分自身を見つめなおすことである。
ここでは、転職を検討する人が抱える「今転職すべきか?」「自分に合った職場はどこか?」という疑問に答えるための自己分析のアプローチについて解説する。
1. 転職するべきか、それは今なのか?
転職するかどうかの見極めは、「現職で達成したい目標があるか」を基準にすると良い。
以下の場合は、転職を検討すべきタイミングだと言える。
- すでに一定の成果を達成した
- 次のステップを目指すべき時期だと感じている
- 自分の価値観と会社の方針が合わなくなっている
- 業務が大きなストレスとなっている
2. どこへ行って、何をするべきか?
次のステージを探す際も、「自分を見つめなおすこと」が重要だ。
まずは、自分のこれまでの職務経験やスキル、実績、知識などを整理する「キャリアの棚卸し」をやってみよう。
さらに、以下のような考え方を試して、自分にどのような可能性があるのかを多角的に探るのである。
- 銀行で得たスキルを言語化し、他業界での活用法を考える
- 業務において興味を持った分野への特化を検討する
- 現在の業務経験を別の場所(別の部署や異なる国)で活かせないか検討する
- 自分の持つ能力を基軸に、職務の幅を広げて考える
- 将来のキャリアビジョン実現のため、必要なスキルや経験ができる場所を探してみる
転職活動では効果的な情報収集がカギとなる
転職活動を成功させるためには、効果的な情報収集が不可欠だ。
- 転職先の業界や企業について調査
- 業界の人脈を広げる
- 転職エージェントへの相談
業界や企業の調査には、業界の動向、企業の財務状況、組織文化、成長戦略などが含まれる。ネットの口コミなども参考にすると良いだろう。
「業界の人脈」といっても、難しく考える必要はない。同業他社の知人や友人、ウェビナーやセミナーへの参加など、資格取得や業界団体への参加により交流範囲を広げてみよう。
転職エージェントへの相談は、すべての人におすすめする情報収集方法だ。
専門のエージェントは、銀行業界特有のスキルセットや、それを活かせる転職先の情報を豊富に持っている。また、非公開求人や、企業の採用動向など、個人では入手しづらい情報にもアクセスできるかである。
履歴書と職務経歴書の作成
履歴書と職務経歴書は、採用担当者との最初の接点であり、第一印象を決定づけるものだ。
とくに職務経歴書は、書類選考通過のカギを握る重要な書類である。以下の点に注意して作成して欲しい。
- 数値化できる実績を具体的に記載する
- 応募先の業界や職種で、自分のスキルをどのように活かせるかを明示する
- 資格は、応募先にアピールするものを適切に記載する
- キャリアの流れに一貫性を持たせる(とくに異動や担当業務の変更があった場合は、キャリアにどう影響したかを説明する)
応募書類は、一度作成して終わりにするのではなく、転職活動の進行に伴い、新たな気づきや情報を反映させることが大切だ。
また、応募先ごとに内容を微調整し、それぞれの企業や職種に最適化された書類を作成することが望ましい。
書類提出前には、第三者による確認が必須である。友人や先輩に確認を依頼するのも良いが、転職エージェントの意見を取り入れることが有効である。
採用担当者がとくに注目するポイントを押さえることで、書類選考の通過率を向上させられるからだ。
面接対策
面接は、採用選考の最終段階において非常に重要なステップだ。
面接のコツやポイントは会社ごとに異なるため、具体的な対策は、転職エージェントに相談するのが効果的である。
面接では一般的に、以下の点について評価されることが多い。
- 質問に対する即答力や、考えを整理して素早く答える能力
- 問題に対して的確に答えられること
- 仕事に対する意欲や向上心、学び続ける姿勢
また、面接の一般的なポイントとして、以下の点にも注意しておくと良い。
- 面接官の話に重ねて話さない
- わからないときは、正直に「わかりません」と答える
- 質問を正しく理解し、脇道にそれずに回答する
面接は、自分をアピールする場であると同時に、企業との相性を見極める場でもある。
しっかりと準備を行い、当日は自信を持って臨むことが大切である。
銀行員におすすめの転職先
ここでは、銀行員にどのような転職の可能性があるのかを探ってみたい。
銀行員が目指せる転職先
以下は、スキルや経験を活かし、さらなるキャリアアップを目指せる可能性がある転職先だ。
- 金融関連企業
- 証券会社、保険会社、投資顧問会社、信託銀行、IFAなどは、銀行業務で培った金融知識や顧客対応スキルを直接活かせる
- フィンテック企業
- 革新的なサービス開発に携わることができれば、キャリアの可能性を大きく広げられる
- 不動産業界
- 不動産融資の知識や顧客折衝力を活かし、不動産投資や開発プロジェクトのファイナンス部門での資金調達やプロジェクト管理で貢献できる
- コンサルティング会社
- 財務分析スキルや業界知識を活かし、企業の経営改善や戦略立案に貢献できる
- M&A仲介会社
- 企業の財務状況分析や交渉力、高度な金融知識を活かしつつ、さまざまな案件に携われる
- 監査法人・会計事務所
- 財務諸表の読解力や会計知識が重宝される
- 公認会計士資格取得のサポート体制が整っている場合も多い
- 事業会社の財務部門、内部監査、リスク管理
- 銀行での経験を活かしつつ、事業会社特有の財務戦略立案やリスク管理に携わることができる
- 公的機関(地方自治体の財務部門や地域振興部門)
- 財政管理や地域経済の活性化に貢献できる
- 公共性の高い仕事にやりがいを感じる人に適している
銀行員におすすめしたい3つの転職先
以下の3つの業界は、銀行業務との親和性が高く、スムーズな適応ができる点でおすすめだ。
金融業界の他業種
金融業界の他業種への転職は、銀行で培ったスキルや知識を活かしやすい点で非常におすすめである。
金融商品の知識、財務分析能力、リスク評価のスキル、そして顧客対応能力が強みとなる。
証券会社の営業やアナリスト、保険会社のリスクマネージャー、信託銀行での資産運用担当、投資顧問会社でのファンドマネージャーなど、さまざまな職種が考えられる。
また、IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)としての独立も一つの選択肢である。
金融業界の他業種への転職は、より専門性の高いキャリアを築く機会となる。
たとえば、証券アナリストとして転職した場合、企業分析のスキルを磨き、将来的にはヘッドアナリストや投資銀行部門のディレクターなどへのキャリアアップが考えられる。
また、フィナンシャルアドバイザーとしては、高度な専門知識と信頼関係構築能力を養うことで、富裕層向けのプライベートバンカーへと成長することもある。
2. M&A業界
M&Aアドバイザー、企業価値評価アナリスト、ディールメーカーなどが代表的な職種である。
これらの職種では、財務分析能力や企業評価交渉力やプレゼンテーション能力、法務や税務に関する知識が強みとなる。
初めはアナリストやアソシエイトとしてチームの一員となり、財務モデリングや市場分析などの基礎的な業務を担当する。
経験を積むにつれて、クライアントとの直接的なコミュニケーションや戦略立案に携わるようになり、最終的にはM&Aディールを主導するディレクターやマネージングディレクターへと成長するのが一般的である。
3. 不動産業界
不動産投資アナリスト、不動産ファンドマネージャー、物件管理マネージャーなどが挙げられる。
これらの職種では、銀行での融資経験や不動産評価、リスク分析や市場動向の予測の経験が役立つ。
不動産業界では、初めは不動産投資の分析や物件評価などの業務から始めることが多い。
経験を積むにつれて、大規模な不動産開発プロジェクトのファイナンシング構築や、不動産ファンドの運用管理など、より戦略的な役割を担うようになる。
銀行員の転職で年収は下がる?上がる?
銀行員の転職における年収の変動は、転職先の業界や職種、個人のスキルや経験によって大きく異なる。
ここでは、先に挙げた3つの主要な転職先について、年収の傾向を解説する。
金融業界の他業種
金融業界内での転職の場合は、年収が上がるケースも多い。成果報酬型の給与体系を採用している場合は、優れた営業成績を上げることで、インセンティブやボーナスが加算される。
また、専門性の高いポジションへの転職では、年収アップの可能性が高い。
M&A業界
M&A業界への転職は、年収面で大幅なアップが期待できる。
銀行員の年収は、20代で約450万円、30代で約650万円であるのに対し、M&A仲介会社では業績に応じて年収が2,000万円を超えることが珍しくない。
M&A業界では年齢よりも成果が評価基準となるため、実力を発揮すれば若くして高収入を得るチャンスが広がる。
しかしながら、成果によって年収が大きく変動するため、安定した収入を得るためには、継続的に高い成果を上げる必要がある。
不動産業界
不動産ファンドマネージャーや投資アドバイザーでは、銀行員時代と同等かそれ以上の年収を期待できる場合が多い。
一方、不動産開発や仲介業: 初期段階では年収が下がる可能性もあるが、経験を積むにつれて上昇する傾向にある。
銀行員の転職はアドバイザーナビに相談しよう
銀行員の転職には、多様な選択肢がある。そのため、どの道を選ぶべきか迷うことも多いだろう。
自身のスキルや経験をどう活かし、どの業界や職種が最適かを見極めるには、専門的なサポートが不可欠だ。
業界特化型の転職エージェントが良い理由
銀行員の転職には、業界特化型の転職エージェントが最適なパートナーとなる。
金融市場の動向や企業ごとの特色に精通しており、転職者の希望と市場のリアルなニーズを的確に結びつけられるからだ。
長期のキャリア戦略に基づくアドバイス提供はもちろん、業界特有の面接対策や職務経歴書の作成支援などのサポートも期待できる。
さらに、非公開求人へのアクセスや、報酬体系に関する深い知識を活かして、転職者にとって最良の結果を引き出すためのサポートを行うのである。
金融特化型なら「アドバイザーナビ」
たとえば、IFAへの転職において強いサポートを提供するのが「IFA転職 by アドバイザーナビ」だ。
IFAへの転職に特化したサービスを提供しており、以下のような特徴とメリットがある。
- IFA業界に特化したキャリア・転職支援を行っている
- IFA法人との強いパイプを活かし、他では見つけにくい希少な非公開求人を多数用意している
- 大手金融機関出身者が多く、求職者の転職の悩みに寄り添った支援ができる
- 転職後も、顧客開拓などIFAとして働く基盤作りをサポートする
- IFA法人の特色や働き方について、詳しい情報を提供できる
- すべてのサービスが無料で利用可能である
目指す分野が決まっている場合だけでなく、より詳しい情報を集めている段階でも、業界特化型エージェントは非常に有用である。
まずは相談で可能性を探ってみよう
IFA転職に興味を持っていただけたなら、専門家への相談から始めるのがおすすめだ。
アドバイザーナビでは、IFA専門のキャリアアドバイザーが無料で相談に応じている。
入力フォームからの申し込みが可能で、1営業日以内に担当エージェントから連絡がある。
今すぐの転職を考えていなくても、将来的な可能性を探るための相談も歓迎されている。
「IFAってどんな仕事?」「自分のキャリアは活かせるの?」など、簡単な質問から始めてみるのも良いだろう。
きっとより具体的な転職活動への良い一歩となるはずだ。