- 20代の銀行員の転職のコツが知りたい
- 20代の銀行員におすすめの転職先が知りたい
- 20代の銀行員の転職実態が知りたい
この記事では、転職を検討している20代の銀行員に向けて、おすすめの転職先や転職を成功させるためのポイントを解説する。
新卒で入行し仕事をすすめるうちに、理想と現実のギャップや将来への不安を感じ、転職を考える銀行員も多いのではないだろうか。
しかし転職を考えると、同世代の他の人たちはどうなのか?と気になることもあるだろう。
このため20代銀行員の転職の実態についても紹介する。
転職を考えている20代の銀行員の人は、ぜひ参考にしてほしい。
20代の銀行員の転職実態
最初に20代銀行員の転職の実態について解説する。
転職を考えていても、周囲には相談できないため、転職への疑問や不安を感じることも多いだろう。
同じ職業に就く同世代の人は、どのような理由で、どのくらいの人が転職しているのだろうか?
転職した場合には、年収はどのくらい変わるのだろうか?
ここでは、これらの疑問に答えていく。
20代銀行員の主な転職理由とは?
20代銀行員の主な転職理由をまとめたので、見てみよう。
自分にも、当てはまるものがあるのではないだろうか。
- キャリア・スキルについて
- どのような社会になっても生き残れる自立したスキルを身につけたい
- ジェネラリストではなく、金融のスペシャリストとしてのキャリアを目指したい
- 将来起業するときに、つながる経験を積みたい
- 収入について
- いま以上の収入を得たい
- 成果に応じた報酬制度のある会社で働きたい
- 職場について
- ルーティンワークの繰り返しではなく、頭を使った仕事がしたい
- 体育会系の職場の雰囲気に馴染めない
- ノルマ達成に対する上司からの詰めがつらい
- 働き方について
- 家族や友人と過ごす時間、趣味のための時間を確保したい
- 現在の働き方では、将来の子育てや親の介護ができない
- 転勤のない仕事に就きたい
- 将来への不安について
- 他行との競争が激しくなるなかで、職場の先輩や上司を見ていると不安を感じる
- 銀行業界、あるいは自行の将来性に不安がある
- その他
- 自行のためではなく、お客様のためになる商品やサービスを提供し、感謝されたい
- 大きな組織のなかで自分の存在意義がわからない、など
上記のなかにはポジティブな転職理由もあれば、ネガティブなものや個人的な理由もある。
ネガティブな転職理由や個人的な理由であっても、それらが改善されれば、もっと活躍できるのではないだろうか。
活躍できる場(転職先)で企業に貢献できるならば、それはポジティブな転職理由といえる。
「こんなことで転職を考えるなんて」と思い悩む必要はない。
どのくらいの人が転職しているのか?
銀行をはじめとする金融機関での若手社員の退職は、実際に多い。
金融・保険業での入社後3年までの離職率は、高卒で31.7%、大卒で26.3%という厚生労働省の調査結果もある。
つまり金融業界の企業では、入社後3年以内に、3〜4人に1人は退職していることになる。
- 出典:厚生労働省「Press Release(令和5年10月20日 )」
- P2「新規高卒就職者の産業別就職後3年以内の離職率」
- P3「新規大卒就職者の産業別就職後3年以内の離職率」より引用
転職に最適な在職年数は?
金融業界では、上述の通り入社後3年以内での退職者は多いが、在職年数が少ない場合での転職はおすすめしない。
「石の上にも三年」という言葉もあるが、新卒で入行後3年間は業務経験を積んで転職した方が望ましい。
在職期間が短すぎると、企業側は「すぐに辞めるのでは?」と考え、採用担当者は採用に躊躇する場合もある。
銀行の場合では、入社後3〜4年で異動となることが多い。
これは銀行での基本的な業務経験を、最初の所属部署で得たものとみなされて、他部署に異動になるからだ。
つまり入行後3年以内の転職希望者は、銀行での基本的業務が十分に習得できていないと、企業側に判断される場合もある。
一方で入行後7年以上になれば即戦力として期待され、具体的な営業実績や専門性が求められるため、転職のハードルは高くなる。
以上のことから、入行後3年目〜7年目(30歳になる前)が、転職に最適な時期といえるだろう。
20代で転職した場合の年収は?
転職によって、年収を上げることも可能だ。
20代銀行員でも企業の給与水準や個人の成果により年収が異なるため、一概には言えないが、下記のような例もある。
- 生命保険会社(ホールセラー)
- 年収1,000万円
- 証券会社(営業)
- 年収1,000万円
- M&A仲介会社(コンサルタント)
- 年収2,500万円
- IFA
- 年収3,000万円
むろん高年収の企業や業種に就いたからといって、年収が上がるわけではない。
転職後に企業が期待する成果を上げ、その結果として高収入が得られるということを、留意しておこう。
20代の銀行員におすすめの転職先
ここでは、20代の銀行員におすすめの転職先を紹介する。
次の仕事を選ぶ際には、これまでと同じ金融分野とするのか、それとも金融以外の分野にするのかは判断が分かれるところだろう。
どちらを選ぶ場合にも、30代に入ると、営業の成果や専門性が強く求められるようになる。
このため20代のうちに新たな企業に移り、そこで知識や経験を積み、30代を迎えた方が良い。
またどのような分野への転職でも、注意すべき点があるので、それらについても解説する。
金融分野以外への転職
金融分野が自分にあわないと感じて、他業種に転職するならば、20代が最後のタイミングと考えて転職活動を行おう。
その理由は、30代以降での異業種への転職は、非常に難しくなるからだ。
20代ならば、まだ多くの選択肢があるので、次こそは「自分が本当にやりたい仕事」に就くようにしよう。
例えば銀行の法人営業で融資を担当しているのであれば、融資を受ける窓口である、企業の財務部門がおすすめだ。
転職によって立場は変わるが、融資判断をするために必要となる財務分析など、法人営業で得たこれまでの経験が活かせるだろう。
特に、財務など管理部門の人材が不足しているスタートアップ企業やベンチャー企業では、資金調達の知識を持つ担当者への需要は高い。
なお金融分野は他の業界と比べて給与水準が高いため、転職した後に年収が下がる場合があることも理解しておこう。
金融分野への転職
金融分野への転職の場合でも、証券・IFA・保険・M&A・リースなど選択の幅は広い。
近年では金融業界ではない異業種が金融業に参入しているケースも増えており、銀行員には、そのような企業からの需要も高い。
このような金融分野への転職の場合に、企業側が求めることは、転職希望者の「やる気」ではない。
企業は転職希望者に対し、銀行での経験を活かして、既存のスタッフと連携して業務を遂行することを求めている。
このため20代の銀行員には、銀行員としての基礎力(業務理解と経験)が、第一に求められる。
20代の銀行員が転職活動で活かせる資格・スキル
企業が求めている、資格やスキルとは何であろうか?
ここでは、持っておいた方が転職に有利な資格やスキルについて紹介する。
資格のなかには、証券での証券外務員資格、生命保険での生命募集人資格など取得しておかなければ実務ができないものもある。
そのような必須資格以外では、職務経歴書や面接の段階で、企業への伝え方を間違えるとあまりアピールの材料にならない場合もある。
ここでは転職の際に、転職希望者の資格やスキルに関して、企業がどのような点を重視しているかについても解説する。
転職活動で活かせる専門資格とは?
先に述べた金融商品を販売するための必須資格以外にも、以下のような資格を持っておくと、採用担当者への印象は良いだろう。
- ファイナンシャルプランナー関連
- FP技能士(2級以上)
- CFP
- AFP
- 証券業務関連
- 証券アナリスト
- 生命保険業務関連
- MDRT
- アクチュアリー(保険数理士)
- 社会保険労務士
- 企業経理関連
- 簿記検定(2級以上)
- 融資業務関連
- 宅地建物取引士(宅建)
- 中小企業診断士
- M&Aコンサル関連
- 税理士
- 公認会計士
近年では企業のDX化が進んでいるため、ITパスポートなどIT資格を持っていることも、転職でのアピール材料になる。
ただし保有資格は、取得した理由や実務での必要性を説明できなければ、企業側には刺さらない。
企業側が重視することは、所有している資格ではない。
転職希望者がその資格を使って、自社にどのような貢献ができるかを、企業側は重視するからだ。
転職活動で活かせる営業スキルとは?
営業スキルは、主に定量的な成果で判断される。
つまり「新規発掘のため1日100件電話した」や「セミナーを年間4回実施した」ではなく、その結果「どのくらいの契約に結びついたか」だ。
また「同期入社のなかで上位5%の契約実績」や「社長賞の受賞」などをアピールしても、それだけでは不十分だ。
その営業成果は、新規案件発掘からクロージングまで、すべて独力で実現した結果だろうか?
そうでなければ、上司や先輩に支援してもらった内容、自分が責任をもって実施した内容を整理して上記の成果につながったことを伝えよう。
自分の実績全体を俯瞰して、自力部分と他力部分を整理して相手に伝えられれば、俯瞰力や分析力もアピールできる。
20代の銀行員の転職を成功させるには
企業の中途採用では転職希望者からの書類を選考し、企業が関心をもった者と面接を行い、採用可否を判断する。
書類選考の対象書類(履歴書・職務経歴書)、面接だけしか、一般的に転職活動で企業側と接することはない。
つまり転職に成功するか失敗するかは、選考書類と面接、この二つにかかっている。
以上のことから、選考書類と面接に関して、ここでは転職を成功させるためのポイントを解説する。
選考書類の作成時や面接に臨む際の参考にしてほしい。
転職を成功させる職務経歴書とは?
転職希望者から提出される書類のうち、業務経験や実績が記載されている職務経歴書の方が、学歴や職歴が中心の履歴書以上に重視される。
職務経歴書では、銀行に入行し現在に至るまでの職務経験を時系列でまとめる。
この書類では、最初のページにサマリーを加えることをおすすめする。
サマリー(要約)では、企業側に最もアピールしたい実績を、以下のように5W1Hでまとめるようにするとよい。
例 | |
---|---|
When (いつ) | 入社2年目から半年の間 |
Where (どこで) | ◎◎支店法人営業部で |
When (だれが) | 先輩からのサポートを得ながら自分が中心となって |
What (なにを) | 新規顧客の融資契約を取った。 |
How (どうやって) | 過去取引のあった休眠顧客50件を訪問し、全社に融資提案を行った結果、1社から打診を受けた。 顧客の財務状況や事業計画を整理し、融資条件を提示した結果、顧客了解を得る。 そのうえで、行内の稟議決裁を通過させ、××××円の融資契約を締結する。 |
Why (なぜ) | お客様側では工場改築のための資金が必要だった。 すでに取引中の金融機関はあったが、お客様からは「取引銀行よりも、自社のこと考えてくれた提案内容だったため融資をお願いした」と評価いただいたため。 |
なるべく上記のように短めの文書で記載し、できるかぎり事実や具体的な数値を織り込むようにしよう。
またサマリーの内容は、企業側の事業内容や求人情報から、採用担当者が関心を持つと思われる内容でまとめよう。
自分の伝えたいことを的確に伝える職務経歴署は、自分の「ドキュメンテーション能力」をアピールすることもできる。
転職を成功させる面接とは?
面接の際には、採用担当者からの質問に対して、「結論ファースト」で答えるようにしよう。
ここでは、結論ファーストの回答をするための方法として「PREP法」を紹介する。
採用担当者から志望動機を尋ねられた場合での、一般的な回答とPREP法を使った回答とを比較する。
わたしは、入行以来すべての支店業務に関わって参りました。以前インフルエンザが流行し上司が不在の間でも、わたしを中心に数人の後輩で、数日間支店業務を遂行したことがあります。先日の新聞報道で、御社は銀行業務に進出されることを知りました。銀行での業務ノウハウが、貴社に寄与できるものと考え、今回の中途採用の募集に応募しました。
銀行での業務経験が、御社に貢献できるものと思い、今回応募しました。先日の新聞報道で、御社は銀行業務に進出されることを知りました。わたしは入行以来すべての支店業務に関わって参りましたので、その業務ノウハウが貴社に寄与できるものと考えています。以前インフルエンザが流行し上司が不在の間でも、わたしを中心に数名の後輩で、支店業務を数日間遂行したことがあります。銀行での実務経験者として貴社の期待に応えられると考え、今回の中途採用の募集に応募した次第です。
PREP法では、以下のように「結論→理由→具体例→結論」という流れで情報を伝えるため、要点が伝わりやすくなる。
Point (結論) | 銀行での業務経験が、御社に貢献できるものと思い、今回応募しました。 |
---|---|
Reason (理由) | 先日の新聞報道で、御社は銀行業務に進出されることを知りました。 わたしは入行以来すべての支店業務に関わって参りましたので、その業務ノウハウが貴社に寄与できるものと考えています。 |
Example (具体例) | 以前インフルエンザが流行し上司が不在の間でも、わたしを中心に数名の後輩で、支店業務を数日間遂行したことがあります。 |
Point (結論) | 銀行での実務経験者として貴社の期待に応えられると考え、今回の中途採用の募集に応募した次第です。 |
面接でPREP法を使えば、採用担当者に「何を伝えたいのかわからない」や「説明が論理的でない」と思われることは避けられるはずだ。
限られた面接時間のなかで、自分の伝えたいことを端的に伝えられれば、採用担当者に「コミュニケーション力が高い」と評価されるだろう。
採用担当者からの質問に対して、一呼吸を入れても問題はないので、PREP法などで整理をして答えるようにしよう。
銀行員の転職に詳しいエージェントへの相談
ここまで転職を成功させるために、職務経歴書や面接でのポイントを解説した。
しかしここで紹介したこと以外にも、転職を成功させるために、気をつけるべき点は多くある。
また会社によって選定基準は異なるので、転職する業界に特化したエージェントに相談し、応募先に応じた対策をしておいた方が良いだろう。
エージェントとは、転職希望者を企業に紹介してくれる転職仲介会社だ。
もし金融分野への転職を考えているのであれば、金融分野に特化したエージェントを選ぶべきだ。
転職の仲介経験が豊富な第三者(エージェント)から中立的な意見をもらうことで、より良い転職活動ができるはずだ。
20代銀行員に最適な転職先を選び、転職を成功させよう
この記事では、転職を考えている20代銀行員向けに、同世代での転職の実態、おすすめの転職先などを紹介した。
さらに転職を成功させるための資格やスキル、書類選考や面接のポイントについても紹介し、エージェントの重要性も述べてきた。
もし金融業界への転職を考えているのであれば、弊社アドバイザーナビに相談してほしい。
弊社は、金融分野に特化したエージェントであり、金融業界の企業への仲介実績も豊富だ。
また弊社代表をはじめ多くのスタッフは金融業界出身者であるため、いま抱えている不安や悩みに寄り添った対応を行う。
まずは気軽に相談してみよう。
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