- メガバンク銀行員におすすめの転職先が知りたい
- 職種別の転職活動のポイントが知りたい
- メガバンクから転職したい
この記事では、メガバンクに勤務しているが転職を考えている銀行員に向けて、おすすめの転職先や転職活動でのポイントを解説する。
人がうらやむメガバンクに入行したが、理想と現実のギャップや将来への不安を感じて、転職を考えている人も多いのではないだろうか。
転職のことは周囲に相談できないため、メガバンクに勤めている他の人たちはどうなのか?と気になることもあるだろう。
このためメガバンクの銀行員の転職理由、転職先などの実態についても紹介する。
メガバンクからの転職を考えている銀行員は、ぜひ参考にしてほしい。
メガバンクの銀行員の主な転職理由
最初に、メガバンクに勤務していた銀行員の主な転職理由をまとめたので、見てみよう。
自分にも、当てはまるものがあるのではないだろうか。
- キャリア・スキルについて
- ジェネラリストではなく、金融のスペシャリストとしてのキャリアを歩みたい
- 将来起業するときに、つながる経験を積みたい
- ルーティンワークの繰り返しのため、銀行特有のスキルしか身につかない
- 人事評価について
- 年功序列と学歴社会のため出世の道が遠い
- 成果に応じた報酬制度のある会社で働きたい
- 職場について
- ノルマ達成に対する上司からの詰めがつらい
- 減点主義の評価基準により失敗が許されない雰囲気
- 前例踏襲での仕事の進め方ばかりで、時代にマッチしていない
- 働き方について
- 現在の働き方では、将来の子育てや親の介護ができない
- 仕事が多忙で、帰宅はいつも深夜のため、資格取得などの勉強をする時間がない
- 将来への不安について
- 金融業界全体で競争が激しくなるなかで、職場の先輩や上司を見ていると不安を感じる
- 銀行業界、あるいは自行の将来性に不安がある
- 一定以上になれば給与は上がりにくくなり、50代を超えると他社へ出向させられる
- その他
- 大きな組織のなかで自分の存在意義がわからない、など
メガバンクでは優秀な人が多いが、その能力を発揮できる場がないと嘆く声も多く耳にする。
人事異動のタイミングで、希望部署への移動を上司に願い出ても、同じレベルのライバルが大量にいるため実現できないことも多い。
銀行が自分の能力を発揮できる場を提供できないのであれば、発揮できる場に、自分の力で異動(転職)することも考えよう。
転職とは、自分の力で行う部署異動であるともいえる。
メガバンクの銀行員の転職先ランキング
米国の大手金融メディアであるBloombergによれば、以下がメガバンクからの主な転職先になる。
順位 | 業種 | 割合 |
---|---|---|
1位 | 金融 | 27.0% |
2位 | コンサルティング | 10.4% |
3位 | IT通信 | 9.8% |
4位 | 人材・教育 | 8.7% |
5位 | 不動産 | 8.4% |
6位 | その他 | 35.7% |
上記の表からは、同じ金融分野への転職は少ないようにも見えるが、広義での「金融関連業界」への転職は多い。
2位のコンサルティング分野では財務コンサルへの転職、3位のIT通信分野は金融サービスにIT技術を組み込んだフィンテック企業への転職が多い。
また5位の不動産分野への転職が多い理由は、融資の際に行う不動産評価や住宅ローンなど銀行での業務経験が活かせるからだ。
このようにメガバンクの銀行員が転職する場合には、銀行で得た知識と経験が活かせる企業に転職するケースが多い。
メガバンクの銀行員におすすめの転職先
メガバンクに勤めている銀行員におすすめの転職先は、所属しているメガバンクの部署によって異なる。
行内にはさまざまな部署があり、業務を通じて得られる経験や専門知識が異なるからだ。
別の言い方をすれば、自分の経験や専門知識を活かして活躍できる場所(転職先)があるともいえる。
ここではメガバンク内の主な部署ごとに、経験や専門知識が活かせる転職先とその理由を解説する。
コーポレート部門からのおすすめ転職先
コーポレート部門とは本社管理部門であり、経営企画・財務経理・人事・広報・IT・リスクマネジメントなどさまざまな部署に分かれる。
それぞれの部署で得られる業務経験は、メガバンク固有の内容も含まれているが、他の企業の管理部門でも活かせる場合は多い。
例えば財務経理・人事・広報は、他の企業の同じ部署への転職も可能だ。
またIT部署で得られる金融とITの知見は、前述したフィンテック企業からの需要も高く、おすすめの転職先だ。
またリスクマネジメント部署での法務や審査業務の実務経験者は、M&A分野でも活躍できるだろう。
ホールセール部門からのおすすめ転職先
メガバンクのホールセール部門では、日本を代表する大企業や機関投資家、公共機関などの大口顧客を対象に金融サービスを提供している。
このため、業務を通じて得られた人脈は、転職活動では大きな武器になる。
この部門では預金・貸付・為替取引などの一般的な銀行業務以外に、証券発行や引受、M&Aの仲介など投資銀行の業務も行うことがある。
このため上記のような大口顧客に対して銀行と異なる金融サービスを提供する、保険会社や証券会社などがおすすめだ。
企業全体を俯瞰し、顧客課題に対し必要な金融サービスを提案する点では、メガバンクのホールセール業務と親和性が高いからだ。
ウェルスマネジメント部門からのおすすめ転職先
この部門では、超富裕層の顧客に対して、オーダーメイドでの金融サービスを提供する。
不動産を含めた顧客資産のすべてを管理する場合、生前贈与や遺言などの資産継承なども行う。
総額数百億円の顧客資産の管理を任されることもあり、節税対策や投資への助言を行うこともある。
このような業務の経験があれば、証券会社・信託銀行・プライベートバンクなどへの転職がおすすめだ。
これらの企業も、ウェルスマネジメント分野に注力しており、実務経験者への需要は高い。
また転職希望者も、メガバンクの業務で得た経験や知識を活かして、転職先でも活躍できるだろう。
リテール部門からのおすすめ転職先
リテール部門では、個人や個人事業主・中小企業の経営者に対し、資産運用・相続や事業承継・住宅ローンなどのサービスを提供する。
自行の金融サービスだけではなく、提携企業の保険や投資信託など幅広い金融商品を扱っている。
近年ではリテール分野の顧客でも、NISAやiDeCoを活用した資産運用への関心が高まっており、メガバンクでもさまざまなサービスを提供している。
このような顧客への資産運用の経験がある場合には、証券会社やIFAがおすすめだ。
なかでもIFAは、金融機関に属さないため会社方針に縛られることなく、顧客資産の形成に向けた提案が中立的な立場で行える。
メガバンク銀行員の転職で活かせる有利な資格
転職に際して、以下の資格を持っておくと、採用担当者への印象は良いだろう。
- ファイナンシャルプランナー関連
- FP技能士(2級以上)
- CFP
- AFP
- 証券業務関連
- 証券外務員資格
- 証券アナリスト
- 生命保険業務関連
- 生命募集人資格
- MDRT
- アクチュアリー(保険数理士)
- 社会保険労務士
- 企業経理関連
- 簿記検定(2級以上)
- 融資業務関連
- 宅地建物取引士(宅建)
- 中小企業診断士
- M&Aコンサル関連
- 税理士
- 公認会計士
また営業職の場合には、これらの資格以外にも、営業実績がアピールポイントになる。
ただし「同期入社のなかで上位5%の契約実績」や「社長賞の受賞」などをアピールしても、それだけでは不十分だ。
その営業成果は、新規案件発掘からクロージングまで、すべて独力で実現した結果だろうか?
そうでなければ、上司や先輩に支援してもらった内容、自分が責任をもって実施した内容を整理して上記の成果につながったことを伝えよう。
【業界・業種別】メガバンクの銀行員向け転職活動のポイント
業種・業界ごとに、企業側が転職希望者に求める内容は異なる。
このため業種・業界ごとに、転職を成功させるためのポイントを確認しておこう。
例え転職希望者とベストマッチな企業であっても、企業側のニーズをはき違えると、採用には至らない。
ここで説明する内容を踏まえて、準備(企業研究)をしておこう。
書類選考のための履歴書や職務経歴書の作成、採用担当者との面接の際にも、以下の点に注意して対応しよう。
金融分野以外への転職(管理部門)の場合
企業の管理部門は事業運営で数字を扱うため、数字に強く、細かい作業にも慣れているメガバンク出身者への人気は高い。
メガバンクの管理部門に在籍し、銀行の中核業務に携わった経験は、企業側から高く評価されるだろう。
銀行の営業部門であっても、融資や資産運用業務でのリスク管理能力は、管理部門への転職の際にアピール材料となる。
企業の管理部門では、事業運営や収益確保のためのリスク管理が求められるからだ。
20代であれば多少経験が乏しくとも採用に至るケースは多いが、30代以上になると専門家が求められることが多くなる。
またメガバンクでの在職期間が長いと、新しい環境に順応できるだろうか?と企業側も採用を躊躇する場合がある。
なお管理部門でもメガバンクの給与水準は高いため、一般企業の管理部門への転職により、年収が下がる場合もあることは認識しておこう。
金融分野以外への転職(営業部門)の場合
メガバンクで鍛えられた目標達成に向けた営業意識は、企業側から高く期待されるだろう。
さらにメガバンクの営業を通じて得られる経営者との商談経験は、金融分野以外でも、経営者向けプレゼンの場で活かせる。
また銀行業務を理解していることは、銀行向けに事業展開をしているITや人材・教育の企業への転職の際には強みになる。
銀行出身者ではない者と比べて、業務を理解しているため、的確な課題解決の提案ができるからだ。
ただし、営業職であっても他業界への転職の場合は、業務知識の吸収力や柔軟性が求められる。
その吸収力や柔軟性があると期待されるのは、20代の転職希望者になる場合が多い。
保険会社への転職(営業部門)の場合
メガバンクで培った金融知識や顧客管理などのスキルは、保険会社での営業スキルとの親和性が高い。
メガバンクに勤務していたというブランド力は、顧客信頼の獲得にもつながるだろう。
また、メガバンクでも提携企業の保険商品を販売しているので、その資格を保有し、保険商品の販売経験があれば企業側から高く評価されるだろう
成果報酬型の給与体系を採用している企業では、成果を上げれば収入は上がるが、そうでなければ収入は減る場合もあるので注意しよう。
証券会社への転職の場合
メガバンクで鍛えられた金融知識・市場分析力・コミュニケーションスキルは、証券会社でも大きな武器になる。
なかでも市場の変動を読み解く分析力は、投資家への的確なアドバイスやリスク管理に直結する。
さらにコミュニケーションスキルは、顧客との信頼関係を築き、長期にわたる取引につなげるために不可欠だ。
なお、証券会社で具体的な金融商品を提案・販売する場合には証券外務員資格が一種・二種のどちらも必須となるが、近年では銀行でも投資信託を販売しているため、特にメガバンクであれば既に取得している人も多いだろう。
さらに販売経験もあれば、地銀や信用金庫など、他の銀行出身者と比較してアピール材料になるはずだ。
ただしネット証券ではない実店舗型の証券会社では、メガバンク同様に転勤が多い。
さらに自分の市場分析に自信があっても、会社から販売 指示のあった金融商品があれば、そちらを優先して提案しなければならない。
IFAへの転職の場合
ここ数年、証券会社への転職希望者のうち、IFAに転職する者が増えている。
IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)とは、証券会社の営業に近いが、金融機関に属していない点で異なる。
IFAは複数の金融機関と業務委託契約を結ぶことで、さまざまな金融商品を、顧客利益を第一に考えて提案できる。
また基本的にIFAには転勤はなく、顧客の長期的なパートナーとして、資産運用や相続などに携わることになる。
IFAは、メガバンクのような大企業ではないため、福利厚生は充実していない。
しかしながら、将来独立することも可能だ。
メガバンクの銀行員である、あなたにあった転職先を見つけたいなら
この記事では、メガバンクに勤務する銀行員に向けて、おすすめの転職先や転職活動でのポイントを解説した。
メガバンクでの業務経験は、さまざまな分野で需要が高いため、転職における選択肢は多い。
しかし金融分野ならば、これまで培った知識や経験を活かせるため、転職先では今以上に活躍できるはずだ。
より効率的な転職活動を行うためには、金融分野に特化したエージェントに相談することをおすすめする。
弊社アドバイザーナビは、金融分野に特化したエージェントであり、金融業界の企業への仲介実績も豊富だ。
また弊社代表をはじめ多くのスタッフは金融業界出身者であるため、転職活動にともなう不安や悩みに寄り添った対応を行う。
まずは気軽に相談してほしい。