- 外資系金融業界に転職したい
- 銀行員が外資系金融業界に転職するためのポイントが知りたい
- どのような転職先があるのか知りたい
この記事では外資系の金融企業への転職を考えている人に向けて、メリットや注意点、転職を成功させるためのポイントなどを解説する。
日本は世界有数の経済大国であり、世界最大規模の証券取引所や国債市場、そして世界最大の年金基金を持っている。
さらに資金力が豊富な企業が数多く存在しており、世界最大の個人預金保有国でもある。
外資系の金融企業にとって魅力的なマーケットである日本では、多くの外資系企業が事業展開をしており、人材採用にも積極的だ。
転職を考えている人のなかでも、クローバルな舞台で、自分のキャリアを高めたいと考えている人もいるだろう。
現在金融分野の企業に勤めている人には、おすすめの転職先も紹介するので、参考にしてほしい。
外資系金融業界に転職するメリット
外資系の金融企業に転職すれば、多くのメリットが得られるため、転職希望者は少なくない。
それはどのようなメリットなのだろうか?
しかしメリットばかりではなく、注意すべき点もある。
ここでは外資系の金融企業が社員に提供してくれるメリット、そして注意すべき点を解説する。
転職活動を行ううえで、これらの点を認識しておこう。
外資系の金融企業への転職によって得られるメリット
これらの企業に転職希望者が多い理由は、社員になれば以下のメリットが得られるからだ。
メリット
- 日系企業と比べて年収が高い
- 実績を積めば、次回の転職の際に有利
- 海外勤務のチャンスがある
- 「仕事とプライベートは別」という社風の企業が多く、勤務時間外の付き合いは少ない
上記①の年収面では20代で年収2,000万円を得ている者もいる。
外資系の投資銀行ではグローバルなプロジェクトに参加するチャンスもあるため、そこで成果を残せば、上記②のように次の転職にも活かせるだろう。
また日系企業と比べて、人間関係はドライな雰囲気の会社が多く、飲み会やゴルフコンペなどの社内イベントはほとんどない。
外資系の金融企業への転職を考えるうえで注意すべき点
日系企業と比べて異なる点も多いため、外資系企業に入社した後で、こんなはずではなかったと感じる人も多い。
このため転職を考えるうえで、外資系の企業で働く場合には、以下の注意点があることを認識しておく必要がある。
注意すべき点
- 社内での競争が激しく、常に定量的成果が求められる
- 業種によっては深夜残業が多い場合もある
- 成果主義的な給与体系を採用している会社も多く、成果が出ないと給与が下がる場合がある
- 終身雇用という概念がなく、退職金も基本的にない
- 日系企業と比べて、福利厚生が充実していない
外資系の金融企業での仕事はハードだ。
海外との打ち合わせや取引が多い部署では、海外との時差の影響で、上記②のように深夜まで残業することもある。
上記③④の理由は、そもそも外資系企業には、終身雇用・年功序列という概念がないからだ。
このため若いときは高収入で懸命に働き、中高年になれば早期退職して、蓄えた資産の運用益で暮らすといった欧米のライフスタイルを目指す人も多い。
外資系金融業界への転職は難しいのか
先述したように外資系の金融企業への転職希望者は多い。
このような企業に転職する場合、企業側はどのような人材を求めているのだろうか?
また実力主義のシビアな会社が多く、基本的に即戦力を求めている。
それでは、具体的にどのようなスキルや経験が必要なのだろうか?
ここでは上記の疑問に対して解説するので、見ていこう。
外資系の金融企業が求める人材
企業や部署によって、求められる人物像は異なる。
しかし一般的には以下のような能力を持っている人材が、外資系の金融企業で活躍する傾向がある。
- ハードワークに対する高い耐性
- 目標に対する強い達成意識
- 異文化に対する柔軟な許容力
- 高いコミュニケーション能力やプレゼンテーション能力
- 求人の募集要項で求められている知識の深さと実績の高さ
上記のなかで最も必要になるのは、上記①の心と体の強さだ。
常に具体的な成果が求められる厳しいビジネス環境のなかで、深夜勤務が連日続くこともある。
このためメンタル的にも身体的にも自信がない人は、外資系の金融企業は向かないかもしれない。
一方で自分の能力を試したいと考えている人、常に向上心を持っている人には向いている企業ともいえる。
外資系の金融業界への転職に必要なスキル・資格
外資系の金融企業では即戦力が求められるが、部署ごとに専門性が高いため、必要なスキルや資格は異なる。
例えば、外資系投資銀行のリサーチ部門では、金融工学や世界情勢など幅広い知識を持つ研究者タイプの人材も求められる。
営業職では、保有資格よりも、入社後すぐに顧客獲得につながるネットワークがあることがアピール材料になる場合もある。
ただし求人の募集要項で求められている知識や経験は持っておかなければ、書類選考にすら通過しないことが多い。
またこれまでの実績から、さらに高い目標を達成するために、スキルや資格をどのように向上させていくかを考えておかなければならない。
なお外資系であっても、すべての業種で英語力が必要とは限らない。
しかし、外資系企業のトップが外国人であるため、その企業でキャリアアップを目指すならば、英語力は必須になる。
金融機関に勤める人の転職におすすめの外資系金融会社
ひとくちに「外資系の金融企業」と言っても、さまざまな種類の会社がある。
ここでは金融機関に現在勤めている人に、おすすめの企業を紹介する。
現在の仕事と親和性の高い業務内容の企業を選べば、即戦力を求める外資系でも、活躍できる可能性は高い。
以下にいくつかの例を紹介するので、事業内容と自分の経験とを見比べてみよう。
外資系投資銀行
外資系の投資銀行とは、「銀行」と冠しているが、「証券会社」に近い。
投資家同士の証券売買を仲介するのが証券会社だが、投資銀行では主に企業の有価証券を発行して資金調達の支援を行う。
具体的には発行した企業の有価証券を引き受けて、投資家などへ販売するのみならず、企業買収などの支援も行うことがある。
この会社の社内では、主に以下の4つの部門に分かれている。
- IBD部門
- 企業への資金調達や企業間のM&Aなどを支援する部署
- 取引先企業の財務コンサル的な役割も持つため、社内でも花形部門
- マーケット部門
- 株式や債券などの金融商品の営業・販売を行う部署
- この部門のなかには、市場で金融商品を売買するトレーディング部署、金融商品を企画して設計するストラクチャー部署などもある
- リサーチ部門
- 株式や債券などの金融商品や経済状況を分析する部署
- 顧客に投資先を判断するための情報を提供することから、この部署のスタッフは「アナリスト」とも呼ばれる
- さまざまな調査・分析を行うため、専門的な知識やスキルなどが高いレベルで求められる
- アセットマネジメント部門
- 顧客の資産を預かり、運用する部署
- 顧客資産を増やすことで利益を得るため、深い金融知識が求められる
J.P.モルガン、バンク・オブ・アメリカ、ゴールドマン・サックス、モルガン・スタンレーの各グループ会社が外資系投資銀行として有名だ。
外資系プライベートバンク
プライベートバンクは富裕層を顧客とし、手数料を得て、資産の保全・管理・運用などを行うことが主な業務だ。
顧客の資産が増えれば、プライベートバンクの利益も増えるが、顧客資産に対する責任を負っている。
金融企業でのウェルスマネジメントの業務に似ているが、上層部から指示された金融商品の販売を求められることはない。
顧客に対するサービス範囲の幅が広く、顧客資産の拡大を第一とするからだ。
一方で求められるノルマは高く、転職した1年後には顧客から50億円ほどの資産運用の委託を受けないと戦力外とみなされる場合もある。
その一方で富裕層との人脈が構築できるため、将来的にはプライベートバンカーとして独立することや顧客の事業へ参画を請われることもある。
著名な外資系プライベートバンクとしては、クレディ・スイス、UBSなどがある。
外資系生命保険会社
世界最大の個人預金保有国であるとともに、高齢化が進む日本に対し、多くの外資系生命保険会社は営業に注力している。
このため外資系の生命保険会社では、営業職に関して、中途採用での需要が高い。
日系の生命保険会社での経験を活かして転職するものも多いが、金融分野以外からの転職者も少なくない。
外資系の生命保険会社では、一般顧客よりも、富裕層や代理店への営業に重きを置いている。
なかでも富裕層には、顧客のライフプランをヒアリングしたうえで、オーダーメイドでの保険商品の販売が主流だ。
営業職の収入は高いが成果主義が徹底しており、給与体系が完全歩合制の会社も多い。
ただし、この会社でキャリアを積んだ後には、独立して保険代理店を開業する者もいる。
アフラック生命保険、プルデンシャル生命保険、メットライフ生命保険などは世界的大手生命保険会社だ。
金融出身者が外資系金融企業への転職を成功させるには
この章では金融分野の企業に勤めている人に向けて、外資系に転職するためのポイントを解説する。
転職希望者は、入社を希望する企業での書類選考を通過した後に面接を受け、その結果で採用が判断される。
このため選考書類(履歴書・職務経歴書)と面接の内容で合否が決定されるので、その内容を向上させれば、採用の可能性も高まる。
また転職先を仲介してくれるエージェントを活用すれば、効率的な転職活動が行えるだろう。
ここでは、選考書類と面接をより良くするためのポイントとともに、外資系の金融企業に強いエージェントについて解説する。
書類選考に通過する職務経歴書とは
書類選考では、学歴や職歴の内容が中心の履歴書よりも、転職希望者の経験や実績を説明する職務経歴書が重視される。
職務経歴書では、新卒で入社した後に実施した業務内容や実績を時系列にまとめて、自分のスキルや保有資格を記載する。
企業側に最もアピールしたい内容や案件などを、職務経歴書の最初のページにサマリー(要約)としてまとめておくことをおすすめする。
サマリーでは、具体的で定量的な内容を、なるべく短めの文書で箇条書きにまとめるようにしよう。
また求人の内容をもとに、企業側の事業内容や求人情報から、採用担当者が関心を持つと思われる内容にすべきだ。
サマリーでは、これまでの経験や実績を活かして、入社後どのような成果を出せるかという点も書き添えておくと、より良いだろう。
面接を成功させるポイントとは
面接の際には、採用担当者からの質問に対して、「結論ファースト」で答えるようにしよう。
また面接の冒頭では、自己紹介が求められることが多いが、上述した職務経歴書をもとに説明するとよいだろう。
自己紹介はサマリー部分を中心に説明し、業務内容や実績を時系列に記載した部分はポイントを説明するだけで十分だ。
その代わりに「職務経歴書の内容で、ご不明な点がありましたでしょうか」と採用担当者からの質問を引き出し、それに答えるようにしよう。
その職務経歴書で書類選考を通過したので、採用担当者は、記載内容を評価しているはずだ。
つまり評価した職務経歴書の内容のなかで、採用担当者が気になる点を中心に説明する形で自己アピールした方が効果的だ。
採用担当者は、サマリーの内容(自分が考えているアピールポイント)とは違う部分を、評価している可能性もあるので注意しよう。
外資系の金融企業に強いエージェントの活用
この章では、転職を成功させるために、職務経歴書や面接でのポイントを解説した。
しかしここで紹介したこと以外にも、転職を成功させるために、気をつけるべき点は多くある。
会社によって選定基準は異なるので、金融分野に特化したエージェントに相談し、応募先に応じた対策をしておいた方が良いだろう。
転職の仲介実績が豊富な第三者(エージェント)から中立的なアドバイスをもらえば、より良い転職活動ができるはずだ。
また金融分野に強く、仲介実績が豊富な会社ならば、外資系の企業の求人も多く扱っている。
そのようなエージェントを利用すれば、最適な転職先を見つけられるだろう。
外資系金融企業に転職するなら、金融業界特化型の転職エージェントを活用しよう
この記事では外資系の金融企業への転職を考えている人に向けて、おすすめの転職先、転職を成功させるためのポイントを解説した。
これらの企業での仕事はハードな会社が多いが、給与面を始め多くのメリットを持つ魅力的な転職先でもある。
一方で外資系の金融企業の転職は容易ではなく、書類選考すら通過しない場合があるので、弊社アドバイザーナビに相談してほしい。
弊社は、金融分野に特化したエージェントであり、外資系の金融企業への仲介実績も豊富だ。
また弊社スタッフは金融業界出身者も多く、最適な企業を提案し、転職を成功させるために最大限のサポートを行う。
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