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【2981】株式会社ランディックス代表取締役 岡田和也氏「富裕層ネットワークを活かした事業の多角化でビジネスを拡大」

※本コラムは2023年4月7日に実施したIRインタビューをもとにしております。

株式会社ランディックスは確立が難しいとされる富裕層をターゲットとしつつ、住宅用不動産に特化するビジネスモデルを構築し、その独自性で成長を続けてきました。

代表取締の岡田和也氏に、事業の強みや多角化していく事業戦略について伺いました。

目次

株式会社ランディックスを一言で言うと

ネオ富裕層ビジネスを展開している企業です。

企業理念である「唯一無二の豊かさの創造」を実現するために、住宅を中心にお客様が望む豊かな生活をサポートするさまざまな商品やサービスを開発し、クロスセルを行いながらこの長期的なビジョンを追求しているのが、当社の特徴です。

創業の経緯

当初は最初に就職した広告業界で独立する夢を持っていました。そんな折、平成バブルが起こり、会社を経営していた私の実家も事業が厳しくなり、ついには家を売らざるを得なくなってしまったのです。

この出来事をきっかけに、私は家が人生においていかに大切か、家というのはあって当たり前のものではないのだ、ということに気付かされました。

その後、広告業界が景気悪化で苦境に立たされる中、私は衣食住のうち、個人個人の生活に密接に関わる不動産業界、特に住宅領域で仕事をしていこうと思うようになりました。

現在までを振り返りますと、恵まれた環境の中で多くの先輩方に支えていただいてきたと感じています。

その中の一人の先輩はとある飲食チェーンの創業者であり、会社を上場させた際に家を買いたいという依頼を私にしてくださったのです。また、その方の周りの経営者の方々も次々にご紹介していただきました。

この経験から、私は富裕層を対象にしたビジネスモデルを探索・深化させていくことで、差別化と競争優位性が生まれると考えるようになりました。

これが今のビジネスモデル構築のプロセスにおけるターニングポイントであったと思います。

上場については創業時から常に意識していました。

富裕層のお客様のご紹介が続きネットワークが出来上がったこと、そして会社全体の売上げに大きく寄与するようになったことから、この富裕層ビジネスをさらに拡大すれば、事業をスケールさせることができると確信しました。

実際には自分が元々思っていた計画より10年遅れて実現しましたが、上場までに思い描いていた事業計画をしっかりやり遂げることができたと自負しています。

日々のマネジメントにおいては理念経営を最も大切にしています。

理念を社内に浸透させることが経営者にとって最も重要な仕事だと考えており、それを共有し喜びを感じながら社員と働くことが、会社の成長にも繋がっていくと考えています。 

事業内容について

富裕層をターゲットにした住宅の土地探しから建築会社探しまでをワンストップでマッチングするサービスを提供しています。

特に、インターネットを通じて1億円以上の不動産を販売することを強みとしており、在庫回転率や3割を超える高いリピート率といった特徴に繋がっています。

元々、お客様が自分の好みの間取りやデザインを取り入れられるよう、複数の建築プランと見積もりを提示する付加価値サービスとして人力で提供しておりました。

大変好評をいただいたため、より多くのお客様にご利用いただけるよう、当サービスをインターネット化したのが2018年にリリースした「sumuzu matching」であります。

株式会社ランディックス 2023年3月期 第3四半期 決算説明資料 より引用

我々のビジネスモデルは模倣困難であり、そのため当社のポジション自体が確固たる競合優位性であると言えます。

ライバルが少ない理由としては富裕層へのアプローチが非常に難しいことが挙げられます。単なる広告投下だけでは反響を得ることはできず、この層をターゲットとする事業展開には紹介やリピートを蓄積するノウハウが必要となります。

当社は、先ほど申し上げた沿革からこのノウハウを蓄積しており、競合他社がアプローチできない顧客層へ継続的に進出しています。

その結果、ポジションの優位性を保持し続けるだけでなく、同時に顧客をストックし続け、他者との差別化をより明確なものとしています。

今後数年間で累計の顧客データストック数は10万組とすることを目指しています。

株式会社ランディックス 2023年3月期 第3四半期 決算説明資料 より引用

また、近年では収益用不動産事業にも本格的に進出しています。

当社で住宅を購入していただいた富裕層のお客様から、住宅購入後には相続対策や投資対象としての収益用不動産のご相談をいただくケースが多々ありました。

以前は他社が開発した物件をご紹介していたのですが、ニーズに対して適切なものが少ないと感じており、自社開発を始めたというわけです。事業規模が拡大し、会社の財務体質が強固になったという点も理由の一つです。

既に当社のお客様である富裕層に対して提案することで、広告費等の獲得コストをカットできますし、要望を的確に把握した上でそれに応じた物件を自社で作ることができます。

この結果、利益率は業界平均の2倍に達しています。

今後もお客様のニーズに応じた商品開発を行い、他社よりも良いものを、安価で提供することで顧客満足度を高めることを意識してまいります。

株式会社ランディックス 2023年3月期 第3四半期 決算説明資料 より引用

中長期の成長イメージとそのための施策

まずは人材の拡充やエリアの拡大により、住宅事業およびsumuzu事業の深掘りを進めてまいります。これを実現する上での課題としては、規模拡大と生産性の維持が挙げられます。

規模の拡大という面では、2019年の上場を機に採用力が向上し応募者数や新規問い合わせが増加していることが、企業成長の後押しになっています。

事業戦略としては、引き続き既存の城南エリアを含む、東京都内の高級住宅地に焦点を当て、既に確立された勝ち筋を用いてスケールさせていきます。

株式会社ランディックス 2023年3月期 第3四半期 決算説明資料 より引用

また、収益不動産領域での収益本格化も成長戦略の柱の一つとしています。

決算書には表れない、我々の一番の強み、すなわち最大の経営資源とは、なかなか獲得しづらい富裕層のお客様層を何万組と獲得していることだと思います。

今後は、収益不動産にとどまらず、当社のお客様が望むものを新規事業として立ち上げてクロスセルしていくことで、持続的な成長を実現してまいります。

また、今後の成長戦略におけるコーポレートアクションとして、M&Aを通じた成長加速、新領域への進出も積極的に検討していく方針です。

株式会社ランディックス 2023年3月期 第3四半期 決算説明資料 より引用

国内では人口減少および出生率の低下による事業環境への影響が懸念されておりますが、当社のマーケット見通しとして、今後は東京都内と地方地域での二極化がより進行すると考えています。

また、繰り返しになりますが富裕層に特化した我々のビジネスモデルにはライバルがほとんどおりません。そのため、城南エリアを中心に事業を展開する当社の成長余力はまだ十分にあると考えています。

さらに、当社のビジネスモデルは景気の後退局面においても力強さを発揮します。例えば、市況悪化により不動産価格が半値になった場合、資産が潤沢な富裕層が割安な物件を買い集めるため、富裕層がさらにお金持ちになり資産の差が拡張する傾向にあります。

我々はそのようなポテンシャルを持つ顧客層のネットワークを獲得しているため、万が一マーケットが崩れるような危機が訪れた際にも、他社と比較してそれをチャンスと捉えることができると認識しています。

株式会社ランディックス 2023年3月期 第3四半期 決算説明資料 より引用

加えて、マッチングシステムの収益力強化を目指し、成約率の向上および成約数の拡大を目指してまいります。

サービス開始当初は全てをインターネットで完結させることを目標としておりました。ですが当社のお客様は、家を建てるにあたり実際にショールームを訪れることや、時には多様な選択肢に頭を悩ませることすらも楽しんでいたのです。

このことから、当事業の成約率を高めるには効率性と対面接客も含めた満足度の高いサービス提供による顧客満足のバランスが大切であると我々は認識しています。

また、潜在ターゲットに対しては再現性の高いサービスを提供することも重要視しています。

超富裕層向けの物件を得意とする一方で、一般に言う金融資産で3000万円以上、年収帯で大体1500-2000万円程度の「アッパーマス層」にサービス展開することで、ターゲットとなるボリュームを確保していけると考えています。

これら二つの施策により、マッチングシステムの収益力は中長期的に向上していくものと考えています。

投資家の皆様には、獲得ハードルの高い富裕層をどれだけ当社が獲得しているかにご注目いただきたいと思います。当社の模倣困難なビジネスモデルはいわゆる建売の不動産会社とは全く異なる形です。

また、これを活用した顧客基盤の広がりとともに、新しいビジネス展開の第一弾として収益不動産事業の積み上がりもご期待いただきたいポイントとなります。

不動産業界というと自転車操業的なビジネスを思い浮かべる方も多いかと思いますが、我々は常にストックビジネスを意識しており、これがライバル他社との大きな違いです。

顧客とそのデータが蓄積されていくことで、トップラインの成長と利益率を両立した効率的な経営を実現してまいります。

株式会社ランディックス 2023年3月期 第3四半期 決算説明資料 より引用

投資家の皆様へメッセージ

ストックビジネスを展開する、非常に高い成長意欲を持った会社であることをご理解いただけますと嬉しく思います。

当社の将来性に期待していただき、我々のさらなる成長を支援していただけますと幸いです。

株式会社ランディックス

本社所在地:東京都目黒区下目黒1-2-14 Landix目黒ビル

設立:2001年2月

資本金:488,554,080円(2022年3月末現在)

上場市場:東証グロース(2019年12月19日上場)

証券コード:2981

※本コラムは情報提供を目的としたものであり、個別銘柄の推奨や、金融商品の紹介、周旋を行うものではございません。

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執筆者

2019年に野村證券出身のメンバーで創業。投資家とIFA(資産アドバイザー)とのマッチングサイト「わたしのIFA」を運営。「投資家が主語となる金融の世界を作る」をビジョンに掲げている。

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