不動産投資においては、借入れたローンの金利によって投資の利回りに大きな差が出る。
たとえ利回りがそこまで高水準でなくても、ローン金利が低ければ利益をしっかり確保できる。逆にローン金利が高くなると収益チャンスを失うことになる。
この記事では不動産投資で活用できるローンについて、概要や金利の種類、借りられる金融機関や低金利での借入を目指す方法について紹介する。
不動産投資ローンの概要と金利の種類
投資用物件を購入する場合に利用できるのが不動産投資ローンである。
まずはローン概要と住宅ローンとの違い、金利の種類について見ていこう。
不動産投資ローンとは
収益用の不動産を購入するためのローンのことである。
自己資金と不動産投資ローンを併用することでレバレッジを効かせることが可能となり、少ない自己資金から高い利回りを狙える。
審査では本人の返済能力に加え、不動産投資の内容についても精査される。法人契約も可能だ。
住宅ローンとの違い
不動産投資ローンは住宅ローンとは異なる融資内容となっている。
住宅ローンは購入物件に住むことを目的としているのに対し、不動産投資ローンは投資用物件での資産運用を目的としている。
また、融資額は住宅ローンだと一般的に給与の5倍前後、不動産投資ローンは借主の属性に加えて家賃収入も加味されるため年収の10倍以上の限度額が設定されることもある。
ローン金利についても両者に差がある。住宅ローンではおおよそ0.5〜3%前後で設定される。
不動産投資ローンでは1.0〜5%前後となる。不動産投資ローンでは家賃収入が得られない期間の貸し倒れリスクや融資額の大きさを考慮し、ローン金利が高めになっているのだ。
不動産投資ローン金利の種類
住宅ローンと同様に、固定金利と変動金利から選べる。
- 固定金利
- 不動産投資ローンの固定金利商品には、さらに「選択型固定金利」と「全期間固定金利」の2種類に分けられる。選択型固定金利とは一定期間は設定した固定金利で返済し、期間終了後は固定金利・変動金利のどちらかを選べるものだ。全期間固定金利とは返済期間中の金利が一律の商品で、資金計画を立てやすいというメリットがある。ただ、市場金利が下がってもローン金利はそのまま同じ率となるため、市場金利の下落局面では不利になる。
- 変動金利
- ローン商品にもよるが、半年〜1年に1度、金利が見直される。日本では低金利の状態が続いており、固定金利よりも低いローン金利で運用できる状態が何年も続いている。今後もし市場金利が上昇すれば、それに伴って変動金利もアップする。市場金利の上昇局面で不利になる。
金融機関別の不動産投資ローン金利相場
不動産投資ローンは各金融機関で取り扱っている。金利相場や融資条件は金融機関の種類ごとに若干異なる。
- 大手都市銀行(メガバンク):ローン金利1〜2%前後
- 全国各地に支店があり、物件購入場所を問わず利用しやすい。審査は他と比べて厳しめである。
- 地方銀行:ローン金利3〜5%前後
- 地域により金利などの条件が異なる。都市部などは不動産投資のニーズが高い分、地方銀行も融資に力を入れている。一方、不動産投資があまりさかんでないエリアでは条件が厳しめになることもある。
- 信用金庫・信用組合:ローン金利2〜4%前後
- 地方銀行とあまり大差なく、不動産投資に力を入れているエリアかどうかで条件が異なる。普段から信用金庫・信用組合を利用しているなら有利な条件を提示してもらえるかもしれない。
- ノンバンク:ローン金利3〜5%前後
- 信販会社や消費者金融などノンバンクでも不動産投資ローンを申し込める。他と比べて金利が高めに設定されているが、その分、他では融資が通らなかった物件でも融資が受けられる可能性がある。
- 日本政策金融公庫:ローン金利1〜2%前後
- 財務省が管轄している金融機関ということもあり、金利が低めに設定されている。審査では採算がしっかり取れるかどうかをより強く問われる。性別・年齢問わず利用しやすい反面、ローン交渉などをすべて自分で進める必要がある。
不動産投資ローンの金利を抑えるポイント
不動産投資ローンの金利をできるだけ抑えるためのアイディアを最後に紹介する。
- 金利の安い金融機関から申し込む
- 先ほど紹介したが、ローン金利が低めの金融機関は順に、日本政策金融公庫、大手都市銀行、地方銀行、信用金庫・信用組合、ノンバンクである。はじめから1社に絞るのではなく、順番に打診していき好条件のローンを見つけるのも手だ。
- 現状では変動金利が有利
- どの金融機関でも、固定金利より変動金利の方が低く設定されている。変動金利のリスクとして将来の市場金利が上昇することが挙げられるが、ローン金利が見直されるのは半年〜1年に1回である。仮に金利が上がるとしても段階的という見方が強く、変動金利が現状では有利といえる。
- 属性や年収を上げておく
- 申し込み後の審査では、借主の属性や年収もしっかりチェックされる。日本政策金融公庫のような公的機関よりも、大手都市銀行など民間の金融機関はシビアに判断する。不動産投資を考え始めた段階で、属性や年収を上げておくことをおすすめする。
- マンションの方がアパートより優遇されることがある
- マンションは立地条件がよく、1物件あたりの費用が安めであることから、アパートよりも金利を優遇されることがある。
- 過去の返済実績を交渉材料にする
- 既に不動産投資ローンを利用したことがある人は、返済実績もアピールポイントにできる。日頃から金融機関や担当者と密接にコンタクトを取り、交渉しやすい関係づくりをしておこう。
まとめ
不動産投資ローンの金利は様々な要因から決定される。自分ではコントロールできない部分も多いものの、金利交渉に役立つ事項をあらかじめ準備しておくことは可能だ。
今後の利回りに大きく影響するローン金利を上手に抑えて、効率のよい不動産投資を目指そう。
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