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新NISAとiDeCoは効果的に併用しよう!賢い利用戦略を解説

この記事で解決できるお悩み
  • 新NISAとiDeCoをどのように併用するべきか知りたい
  • それぞれの制度の特徴やメリットを理解したい
  • 新NISAとiDeCoを活用した資産形成の最適な戦略を知りたい

2024年1月から新NISAが始まった。投資上限額の増加や投資可能期間の恒久化など、従来のNISA制度がさらに使いやすくなったことで話題となっている。

税制優遇が受けられる資産形成制度には、新NISAの他にiDeCo(個人型確定拠出年金)もあるが、具体的にどのような違いがあるかご存知だろうか。

本記事では、新NISAとiDeCoの特徴やメリット・デメリットを比較しつつ、どのように使い分けるべきかを解説していく。

両制度を併用する際のポイントや運用を始める際のコツについても紹介しているため、ぜひ今後の資産運用に役立ててほしい。

目次

新NISAとiDeCoの基本的な特徴と違い

まずは、新NISAとiDeCoについてそれぞれの特徴や違いを確認していく。

新NISAとiDeCoの制度概要

新NISAとiDeCoの概要をまとめると下記のとおりだ。

スクロールできます
 新NISAiDeCo
対象者日本に住む18歳以上の人基本的に20歳以上65歳未満
税制優遇運用益が無期限で非課税になる拠出額が全額所得控除される
運用益が無期限で非課税になる
受け取り時に退職所得控除や公的年金等控除が利用できる
年間投資限度額最大360万円
(つみたて投資枠と成長投資枠の合算)
最大81万6,000円(自営業者等の場合)
投資対象商品つみたて投資枠:積立・分散投資に適した一定の投資信託
成長投資枠:上場株式・投資信託等
投資信託や保険商品、定期預金など
非課税保有限度額1,800万円(うち成長投資枠は1,200万円まで)特になし
資金の引き出し方法いつでも売却して引き出し可能原則60歳以降で一括または
年金形式で受け取る
出典:金融庁 NISAとは 
出典:iDeCo公式サイト iDeCoの加入資格・掛金・受取方法等

新NISAとは

そもそもNISAとは、株式や投資信託の運用から生まれた利益が非課税になる制度のことだ。

一般的に、投資によって得られた利益については20.315%の税金がかかるが、NISA口座で運用した金融商品から生まれた利益は非課税となる。

NISA制度の対象者は日本に住む18歳以上の人で、いつでも投資を始められていつでもお金を引き出せるというメリットがある。

NISA自体は2014年から始まった制度だが、2024年に大幅に制度改正が行われてさらに使い勝手がよくなった。

新NISAでは、つみたて投資枠と成長投資枠の2つの投資枠を併用できて、最大で年間つみたて投資枠120万円+成長投資枠240万円の合計360万円まで投資可能となった。

ただし、非課税で保有できる限度額は1,800万円(うち成長投資枠は1,200万円まで)と定められている。

旧NISAでは、非課税での保有期間が5年または20年と定められていたが、制度が恒久化されたことによって非課税期間が無期限となった。

老後に向けた資産形成を見据えた長期投資にも適した制度となったのは大きなメリットと言える。

iDeCoとは

iDeCoは個人型確定拠出年金のことで、公的年金にプラスして将来年金を受け取るための私的年金制度の一つだ。

iDeCoは、加入者自身で掛金を設定して、運用法を決める。原則として受け取りは60歳以降となり、年金または一時金で年金原資を受け取れる。

将来受け取れる年金または一時金の金額は、運用成果に応じて変動する。

iDeCoの最大のメリットは、大きな税制優遇を受けられる点だ。毎月の掛金が全額所得控除の対象となり、所得税や住民税を減額する効果が得られる。

運用期間中はNISAと同じく運用益が非課税となるため、効率的に資産を増やせるというメリットもある。

資金の受け取り時は、退職所得控除や公的年金等控除が適用されるため、一定金額までは非課税で受け取れるというのも魅力的だ。

ただし、掛金の上限は職業などによって異なり、資金の引き出しにも制限がかかる点には注意しよう。

新NISAとiDeCoの税制メリットと制限

NISAで受けられる税制メリットは、「運用益を非課税で受け取れる」という点だ。

本来、運用益に対して発生する20.315%の税金がかからないため、課税口座で同じ運用を行うのと比べて、手取り額が大きくなりやすい。

基本的にいつでも売却してお金を引き出せるため、数年後などの近い将来に向けた資産運用にも適している。

一方、iDeCoでは、NISAと同じく運用益が非課税になるという税制優遇に加えて、掛金を拠出するタイミングや受け取るタイミングでの税制優遇も受けられる。

掛金は全額所得控除の対象となるため、掛金やその年の所得の大きさに応じて、所得税や住民税が安くなるというメリットがある。

また、受け取り時には退職所得控除や公的年金等控除を活用できるため、資金を引き出す際も課税負担を抑えやすい。

ただし、iDeCoは老後の公的年金の補完を目的とした制度であるため、原則として60歳以降でないと資金を引き出せない点には注意が必要だ。

新NISAとiDeCoの違いと適切な活用法

新NISAとiDeCoを比べる上では、特に以下の3点がポイントとなる。

  • 税制メリットの大きさ
  • 年間投資額の大きさ
  • 資金の引き出しやすさ

「税制メリットの大きさ」という点では、掛金の拠出・運用・受け取りのすべてで税制優遇が受けられるiDeCoの方が有利だと言える。所得税や住民税を安く抑えたい人に適した制度だ。

「年間投資額の大きさ」については、新NISAの方がより多くの投資が可能だ。

iDeCoは自営業者の場合、最大81万6,000円を拠出できるものの、会社員の場合は年間27万6,000円が上限となる。

新NISAでは、成長投資枠とつみたて投資枠を合計すると、360万円まで投資ができるため、まとまった資金を運用したいという人に適しているだろう。

「資金の引き出しやすさ」という点では、新NISAの方が使いやすい。

iDeCoは原則として資金の引き出しが60歳以降となっているが、新NISAの場合は引き出しに制限がかからない。

資金を固定したくない人や運用資金を数年後に使う予定がある人は、新NISAの方が良いだろう。

どちらかの制度を選ぶ場合、自分の運用目的やニーズ、余裕資金の大きさなどから各ポイントについて検討するのをおすすめする。

新NISAとiDeCoを賢く併用するためのポイント 

将来に向けて資産形成を始める場合、新NISAとiDeCoを併用するのがおすすめだ。

以下で、両制度を併用するメリットや、資産管理のポイントを解説する。

新NISAとiDeCoを併用するメリット

ここまで解説したとおり、両制度はそれぞれメリットが異なる。

税制上の優遇措置が手厚いのはiDeCoの方だが、iDeCoは60歳前に資金を引き出せないというデメリットがある。

新NISAは資金の引き出しなどは自由に行いやすいものの、税制優遇はiDeCoに比べてそれほど大きくない。

両制度のメリットをうまく享受するためには、60歳以降の老後資金としてはiDeCoを活用してコツコツ積み立てていき、数年後のマイホーム購入や結婚資金などに備えるお金は新NISAを活用して運用するのがおすすめだ。

新NISAとiDeCoの併用における投資計画と資産配分の重要性

新NISAとiDeCoは別々の制度であるものの、自分の資産の中では「運用資産」として総合的に投資先の組み合わせや資産配分を管理することが重要だ。

自分の資産を管理していく上では、「預貯金○%、株式○%、債券○%」といった具体的な資金配分について考えてみよう。

自分のリスク許容度や求めるリターンに応じて資産配分を設計して、それに合わせる形で新NISAやiDeCoの投資先を選んでいくと、スムーズに投資商品も決められるだろう。

新NISAやiDeCo、預貯金、保険、その他の運用資産をバラバラに管理するのではなく、すべての資産をトータルでコントロールすることが重要だ。

新NISAとiDeCoを併用する際の注意点

価格が変動する金融商品に投資を行う場合、元本割れのリスクはつきものだ。

しかし、適切に運用を行うことで、投資のリスクをなるべく抑えつつ、安定したリターンを狙いやすくなる。

リスクをコントロールするために重要なのが「積立投資」「分散投資」だ。

積立投資は、同じ投資商品を定期的に一定額購入していく投資方法を指す。価格が高い時には少ない数量しか購入せず、価格が安い時には多くの数量を購入することで、購入価格を平準化して、高値づかみを避けられるというメリットがある。

分散投資は、値動きの異なる複数の資産に投資を行う投資方法だ。

1つの資産の価格が下落した場合も他の資産の値動きで値下がり分をカバーしやすいというメリットがある。

新NISAおよびiDeCoでの資産運用を始める際は、特に積立投資と分散投資を意識してみよう。

新NISAとiDeCoの具体的な併用例

両制度を組み合わせて利用する場合、年齢や運用目的に応じてうまく組み合わせることが重要だ。

ここでは、年代別のおすすめ併用法について解説していく。

20代〜30代におすすめの併用法

20代〜30代の若年層には、新NISAのつみたて投資枠に重きを置いた運用方法がおすすめだ。

収入がそれほど大きくなく、貯蓄が十分にできていないケースも多いため、資金の引き出しに制限がかかるiDeCoより新NISAでの運用が無理なく始めやすいだろう。

つみたて投資枠を活用してコストの安いインデックス投資を継続すれば、時間を味方につけて資産を効率よく増やすことも期待できる。

収入に余裕がある場合は、iDeCoへの加入も検討してみよう。

40代〜50代におすすめの併用法

40代〜50代の中高年層には、iDeCoとNISAをバランスよく取り入れた資産運用がおすすめだ。

収入が増えて税負担も大きくなってくるため、iDeCoの節税効果を活かしやすいというメリットがある。

結婚や住宅購入など支出がある程度落ち着いてくる年代でもあるため、老後に向けてどのくらい資産が必要かもイメージしやすくなってくる。

60歳まで固定しても大丈夫なお金はiDeCo、数年後に使う予定があるお金については新NISA、というようにお金の目的に合わせて使い分けるのが良いだろう。

60代以降におすすめの併用法

60代以降で運用を始める場合、iDeCoでの運用はあまり適さないケースが多い。

退職して収入も限定的になっていることが多く、所得控除などの税制優遇を活かしきれないためだ。

60代以降に運用を始める場合は、NISAを活用した運用がおすすめだ。

資金の引き出しに制限がないため、好きなタイミングで売買できるというメリットがある。

老後の楽しみとして、成長投資枠で優待株を購入するのも良いし、自分で金融商品の管理をするのが手間だという方はつみたて投資枠でバランスファンドやインデックスファンドなどを購入するのも良いだろう。

新NISAとiDeCoに関する相談先はどこが良い?

新NISAとiDeCoにこれから挑戦する場合、専門家に相談してみるのをおすすめする。

以下では、専門家を利用するメリットやおすすめの相談先を解説する。

新NISAとiDeCoを始める際の専門家の重要性

両制度のどちらを優先して利用するべきかは、その人の年齢や運用目的、職業、収入の状況などによって変わってくる。

そのため、理想的なバランスで資産運用を行うためには、専門家に相談しながら利用する制度や運用先を決めて、理想的なポートフォリオに基づいて運用を進めることが重要だ。

新NISAやiDeCoに関する正しい知識や豊富な経験を持つ専門家に相談することで、不安なことや疑問点も解消しつつ、安心して資産運用を始められるだろう。

IFAの役割と相談するメリット

新NISAやiDeCoについて専門家に相談するなら、IFAの利用がおすすめだ。

IFAは、独立系資産運用アドバイザーとも呼ばれ、中立的な立場で顧客に資産運用のアドバイスや金融商品の提案を行う。

ポートフォリオの設計から具体的な運用商品の購入までサポートしてくれるため、初心者でも投資を始めやすい。

特定の金融機関からは独立して仕事をしているため、会社の営業方針や販売ノルマに左右されることなく、顧客目線でのアドバイスが期待できる点もメリットだ。

会社都合の転勤も原則として発生しないため、長期的に信頼関係を築けるという魅力もある。

IFA検索サービス「資産運用ナビ」の活用法とその効果

IFAへの相談を希望する場合は、IFA検索サービス「資産運用ナビ」の利用がおすすめだ。

「資産運用ナビ」は、自分の資産状況や性格に合わせて最適なアドバイザーを自動で診断してくれるサービスで、知識や投資経験がなくても自分に合った相談先を手軽に検索できる。

アドバイザーのプロフィールや得意分野を確認した上で面談に申し込めるため、安心して面談に臨めるのもメリットだ。

IFAの相談は全国47都道府県どこでも可能で、WEBや好きな場所で面談できるため、手軽に相談しやすい。

相談費用は一切不要となっているため、ぜひこの機会に「資産運用ナビ」を利用してみてほしい。

新NISAとiDeCoは上手に併用しよう

本記事では、新NISAのiDeCoの基本的な特徴や、両制度の適切な活用方法について紹介した。

両制度を利用する場合は、それぞれのメリットやデメリットをよく理解した上で、運用目的や収入状況、金融資産などに合わせた使い分けが重要となる。

新NISAやiDeCoでの適切な運用方法や投資先の選び方は人によって異なるため、資産運用に関する疑問や不安があれば、専門家からのアドバイスを受けるのがおすすめだ。

資産運用の専門家であるIFAは、中立的な立場から顧客に最適なアドバイスを長期にわたって提供してくれるというメリットがある。

IFA検索サービス「資産運用ナビ」を活用して、あなたに合ったアドバイザーを探してみよう。

新NISAとiDeCoに関するQ&A

新NISAとiDeCoの併用で考慮すべきことは何ですか?

二つの制度を併用する場合、「税制優遇の大きさ」と「資金の引き出しやすさ」に特に注目しよう。

掛金分の所得控除や受け取り時の控除など、税制メリットを受けやすいのはiDeCoの方だが、資金の引き出しには制限がかかってしまうため、いざという時にお金を引き出せない可能性がある。

新NISAは、iDeCoほどの税制メリットはないものの、いつでも売却してお金を使えるという点で、使い勝手が良い制度だ。

両制度を使う際は、運用するお金の目的に合わせてバランスよく組み合わせるのをおすすめする。

新NISAとiDeCo、どちらに先に投資するのが良いですか?また、どの年齢層にどちらの制度がより適していますか?

どちらに先に投資するのが良いかは、その人の年齢や収入などによっても異なるため、一概には言えない。

それほど収入が大きくない方や資金を60歳まで固定したくないという方は、新NISAを優先して利用しよう。

老後資金の準備をしっかりと行いたい方や税負担を軽減したい方は、iDeCoを優先して利用するのがおすすめだ。

また、年代別でいうと、20代や30代といった若年層の方においては、いつでも現金化が可能な新NISAがより適しているといえる。

40代〜50代の方においては、ライフイベントも落ち着き、収入も安定していることが考えられるため、どちらの制度も併用して運用することがおすすめだ。

60代以降の方においては、iDeCoよりも長期間の運用が可能となるため、新NISAでの運用が適している。

新NISAとiDeCoを使って長期的な資産形成を行うコツは?

新NISAとiDeCoを活用して長期的に資産形成を行うためには、専門家への相談がおすすめだ。

年齢や職業、収入、金融資産などによって、適した制度や投資先は大きく異なる。

そのため、資産運用の専門家に個別で相談した上で、アドバイスをもらいながら運用を始めるのが最も効率が良いだろう。

「資産運用ナビ」では、自分の年齢や運用ニーズから適したアドバイザーを手軽に検索できる。

新NISAやiDeCoを活用したいと考えている方は、ぜひ「資産運用ナビ」でアドバイザーを探してみてほしい。

新NISAとiDeCoを併用する場合、それぞれの最適な投資額はどのくらいですか?

最適な投資額はそれぞれの投資家の資産状況にもよるが、新NISAでは月1〜3万円、iDeCoでは月1万円程度で運用すると良いだろう。

毎月の投資額(拠出額)は、後からでも変更が可能であるため、自身の資産状況に応じて変更しよう。

ただし、iDeCoは年に1回しか変更できないことに加え、新NISAよりも年間における投資上限が大幅に少ない点には注意してほしい。

新NISAとiDeCoそれぞれにかかる手数料はどのくらいですか?

新NISAで手数料が発生するのは、金融商品への投資といった具体的な取引が行われるときに限られる。

一方、iDeCoでは以下の手数料がかかる。

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金額(税込)
加入時・移換時の手数料2,829円
加入者(拠出している方)の手数料ひと月あたり171円
運用指図者(拠出済みの資金の運用のみの方)の手数料ひと月あたり66円
給付手数料1回あたり440円
還付手数料<国民年金基金連合からの還付>1回あたり1,048円
<事務委託先金融機関からの還付>1回あたり440円
他の金融機関へ移換する際の手数料4,400円

なお、上記の手数料以外に、金融機関によっては運営管理機関への手数料負担が上乗せされるケースもあるため注意してほしい。

新NISAとiDeCoの併用で将来的に見込めるリターンはどのくらいですか?

例えば、新NISAとiDeCoどちらも毎月1万円を投資し、35年間年利3%で運用できたと仮定しよう。

投資元本は840万円、運用益はおよそ643万円で、合計金額はおよそ1,483万円にものぼる。

新NISAでの運用期間を伸ばしたり、リスク管理を行いながらハイリスクな商品への投資も組み合わせたりすることで、さらなる資産形成が見込めるはずだ。

新NISA口座の名義人が亡くなった場合、資産はどのように扱われますか?

新NISA口座の名義人が亡くなった場合は、所定の手続きを行うことで、相続人の口座へと移管される。

その際、相続人の口座が同一の金融機関にて開設されていない場合は、相続人は新たに口座開設手続きが必要となる。

それだけでなく、移管されるのは新NISA口座ではなく課税口座となる点には注意しなければならない。

iDeCoに加入している人の割合はどのくらいですか?

iDeCo公式サイトが公表しているデータによると、2024年3月末時点でのiDeCoへの加入者数は3,284,971人である。

iDeCoへ加入できるのは20歳以上65歳未満であるため、加入している人の割合はおよそ5%だ。

執筆者

2019年に野村證券出身のメンバーで創業。資産運用の相談サイト「資産運用マッチング」を運営。「投資家が主語となる金融の世界を作る」をビジョンに掲げている。

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