- 医療保険の基礎知識が知りたい
- 不妊治療中の保険の選び方がわからない
- 不妊治療中に加入できるおすすめの医療保険を知りたい
不妊治療は精神的、時間的、そして経済的な負担が大きいものである。
特に経済的な負担を和らげるためには、保険という手段が有効だ。
本記事では、不妊治療を考えている方が知っておくべき医療保険選びのポイントを詳しく解説する。
医療保険の基礎知識や自分に合った医療保険を見つける方法も記載しているので、ぜひ参考にしてもらいたい。
医療保険の基礎知識
まずは、医療保険の保障できる範囲や内容についてみていこう。
不妊治療における公的保険の適用拡大や、それに伴う民間の医療保険の支払い対象の変更についても説明する。
基本的な医療保険の種類と特徴
医療保険には、国や自治体が運営する「公的保険」と民間の保険会社が運営する「民間保険」の2つがある。
ここでは「民間保険」について解説する。
民間の医療保険は、保障内容で分類すると主に次のようになる。
- 一般医療保険
- 病気やケガにより入院や手術をした際に支払われる
- 女性向け医療保険
- 一般医療保険に加え、女性特有の疾病の保障を手厚くしている
- 不妊治療中に加入できるものや、不妊治療に特化したものなどもある
- がん保険
- がんの疾病のみを保障する
- 保障範囲を限定しているため保険料を抑えることができる
- 三大疾病保障保険
- 罹患率の高いがん、急性心筋梗塞、脳卒中の保障に特化した保険
- これらの診断を受けた場合に、一時金を受け取れる
次に、保障期間で分けると、解約しない限り保障が一生涯続く「終身型」、保険料の払い込み期間や保障期間が定められている「定期型」がある。
さらに、満期時の扱いについて、解約返戻金がある貯蓄型と、返戻がない掛け捨て型に分けられる。
医療保険がカバーする範囲とは
医療保険は、病気やケガで入院や手術をした場合に支払われるものが主流だ。
給付金として、あらかじめ定められた定額が支払われるものが多い。カバーできる範囲は、公的保険より広い。
例えば公的保険では、次の項目は支払いの対象外となる。
- 入院時の食事代
- 個室料などの差額ベッド代
- 先進医療の技術料
これらは全額自己負担となり、治療が長期化すると費用も膨らむ。
民間の医療保険では、これらの部分をカバーし経済的負担を軽くすることができる。なお、不妊治療はこれまで自由診療に該当し、保障対象外になることが多かった。
医療保険は、原則公的保険での治療範囲が対象となっているためだ。
しかし、2022年4月より不妊治療における公的保険の拡大により、原因不明の不妊治療や体外受精などが公的保険の対象となった。
不妊治療の公的保険範囲が広がったことで、民間の医療保険から手術給付金が受け取れるケースが増えている。
現在、不妊治療は国全体で支えていく動きがある。
今後公的保険の対象範囲も広がり、それに伴って不妊治療が民間の医療保険がカバーできる範囲は拡大していくかもしれない。
不妊治療に特化した医療保険の存在
公的保険による経済的負担が減ったことから、治療の選択肢も増えた。
それでも不妊治療の公的保険での保障はまだ十分ではない。治療費そのものの負担だけではなく、治療に伴う欠勤や休職などで収入が不安定になることも考えられるからだ。
不妊治療にあたっては、経済的な問題が大きな壁となることから、民間の医療保険を検討する人も増えている。
不妊治療に特化した医療保険は、体外受精または顕微授精のための採卵、胚移植が手術給付金として支払われるものが多い。
女性だけではなく、男性の不妊治療も対象にしているものもある。支払金額や支払い回数は、商品によってさまざまだ。
不妊治療後は特約を外し、一般の医療保険として継続できるものもあり、柔軟に保障を組み合わせることも可能だ。
不妊治療に特化した医療保険の注意点は、治療が保障されない「不担保期間」が設けられていることだ。
一般的には、保障開始から2年間の不妊治療は給付金の対象外となり、支払いができない。また、子宮や卵管に症状や病歴がある場合は保険そのものに加入できない場合もある。
このように不妊治療の保険は、既にある症状や病歴、保障対象外期間によって必要とするタイミングで保険の効果を発揮できないこともある。
自分がいつ不妊治療が必要になるかはなかなか分かるものではない。
もしものときの備えとして、妊活を意識する前や健康な状態のときに余裕をもって準備をしてほしい。
不妊治療に適した医療保険を選ぶポイント
自分にとって最適な保険を選ぶにはどうすればいいのか。
気を付けたい以下3つのポイントを、それぞれ説明する。
- 保険金の支払い条件をチェックする
- 自身の生活スタイルと保険料のバランスを考える
- 評価や評判も参考にする
なお、「どんな人が医療保険に加入するのか」によって最適な保険商品は変わる。
属性別におすすめの医療保険についてまとめた記事もあるので、比較していただくとより理解が深まるはずだ。
保険金の支払い条件をチェック
検討している医療保険は、どの疾病が保障対象なのかを確認しよう。
保険の保障内容は、パンフレットや約款に記載されている。商品によっては、入院日数や手術内容に制限があるものもある。
通常は保障されるが、不妊治療中のみ不担保というケースもあるため注意したい。
次に自身の状況に応じて、どの程度の保障金額を求めるのかを決める。
基本的には、公的保険で支払われない窓口負担額や、その他の費用をどの程度医療保険でカバーするか考えると良い。
例えば、次のケースを元に検討してみよう。
- 入院や手術をした場合、どの程度を貯蓄で備え、どの程度を医療保険で備えるか
- 個室が必要か、家族の交通費や食費をどこまで負担できるか
- 仕事を休んだときの収入減をどうするのか
特に入院が長期化すると、収入が減少することも考えなくてはならない。
入院時の自己負担額なら支払えるという人でも、収入減のことも考えると医療保険を活用する検討をしても良いだろう。
また、保険金の支払われ方にも一括払いと日額払いがある。一度にまとまった資金が必要なのか、入院日数に応じて受け取りたいのかも選んでいく。
以上の手順で、希望の保障が叶う保険を選ぶようにしよう。
自身の生活スタイルと保険料のバランス
できるだけ良い条件の保険に入りたいと、誰もが思うだろう。
しかし、手厚い保障の保険ほど、保険料は高くなってしまう。
保険料は、加入者の年齢や保障内容によって変わり、年齢が高くなったり、保障額を上げたりすれば、保険料はどんどん上がってしまう。
安心したいがために、必要以上の保障や特約を付けすぎると、保険料の支払いで家計を圧迫しかねない。
保険とは本来、安心して生活を送るために備えるものだ。
日本には、公的保険や高額療養費制度などで治療費の自己負担を抑える方法がある。これらの知識を得て、本当に必要な保障を精査してほしい。
他の人が入っている保険が自分にとって最適とは限らない。医療保険は、年齢や家族構成、収入や治療への考え方によって適切な商品が異なる。自分にあった組み合わせをよく検討し選択してほしい。
また、現在加入している保険も時間の経過とともに必要でない保障があるかもしれない。同じ保障でも新しい保険の方が、保険料が安くなる場合もある。保険の見直しで、コスト削減や保障内容の充実も見込める。
保険は入って終わりではなく、定期的なメンテナンスが必要だ。保険のアップデートも意識して、商品を検討していこう。
評価や評判も参考にする
たくさんの医療保険があって選べない。
そんなときは、まず口コミや評判からある程度商品を絞るのも良いだろう。ネットには、保険の加入者によるさまざまな保険の口コミが掲載されている。
保険金を受け取ったときの体験談などがリアルに書かれているため、実際に支払を受けるときのイメージもつきやすい。
保険を販売する側の話だけではなく、加入者の声を聞くことでよりリアルな保険の実体を知ることができる。
口コミの評価は年代や性別、求める保険によって異なる。自分に近い属性の人の評価を参考にしよう。ただし、ネットの口コミは利用者の主観が混ざっている。ウソの書き込みや、荒らし目的の評価にも注意が必要だ。
すべての口コミを鵜呑みにすることなく1つの意見として参考程度に留めるのが適切だ。
口コミを見た上で、本当に自分に合った保険かどうか判断したい場合は、実際にアドバイスをしてくれる保険のプロに相談する方法もある。
保険のプロは、豊富な知識と提案経験を持ち、ひとりひとりに合った商品を選び出してくれる。
疑問や懸念点を解消したい、というときも心強い味方になり、長期に渡ってのサポートも可能だ。
おすすめの医療保険一覧
最後に不妊治療の経済的不安を解消し支えてくれる保険を3つ紹介する。
- 医療保険Aセレクト
- はなさく医療
- フローラル共済
いずれも女性特有の保障に特化したものばかりだ。順にみていこう。
医療保険Aセレクト
医療保険Aセレクトは、三井住友あいおい生命が取り扱っている。
入院・手術の保障に8種類の特約を組み合わせることで、細やかな保障の調整が可能だ。
特約の一部を紹介しよう。
- 入院一時金給付特約
- ケガや入院時に10万円を受け取れる
- 先進医療特約
- 先進医療の技術料、治療場所への交通費・宿泊費を受け取れる
- 通院給付特約
- 退院後の通院日数に応じて支払われる
- 三大疾病入院一時給付特約
- ガン・心疾患・脳血管疾患の入院時に一時金を受け取れる
- 女性サポート給付金付ガン診断給付特約
- 所定の出産や不妊治療、ガンと診断されたときに一時金が支払われる
不妊治療に心強い「女性サポート給付金付ガン診断給付特約」を詳しくみていこう。
不妊治療で支払われる給付金は、保障開始から2年経過後に国内で体外受精、顕微授精のための採卵、胚移植を行った場合が対象となる。
金額は、1~5回目は2.5万円、7~12回目が5万円だ。最大12回の給付を受けられるため、長期にわたる治療であっても安心だ。
出産時の給付金もあり、1回目は5万円、2回目は15万円と回数が増えるたびに金額も増額していく。また、女性特有のガンと診断されたときは、50万円を一括で受け取れる。
女性サポート給付金付ガン診断給付特約には、満期時給付金が用意されている。満期時に生存していれば契約年数に応じて100万円以上の返戻金が受け取れるのだ。
女性の一生涯を支え、もしものときの経済的負担を減らすことができる頼りになる商品だ。
はなさく医療
はなさく医療は、大手保険会社日本生命グループが販売している。
一生涯保障が続く終身保険で、入院保障は日帰り入院にも対応している。さらにがん・心疾患・脳血管疾患三大疾病による入院は、支払日数が無制限となっている。
治療が長期化する大きな病気のときでも経済的な支えになるだろう。
保障の範囲は、三大疾病だけではなく、肝疾患・膵疾患・腎疾患・糖尿病・高血圧性疾患(大動脈瘤)を加えて八大疾病まで広げることもできる。
幅広い疾病に対応できるため、安心重視の人におすすめだ。
はなさく医療には「女性プラン」があり、女性限定で次の特約が追加できる。
- 女性疾病入院一時給付特約
- 子宮内膜症や卵巣のう症など女性特有の病気、切迫早産や帝王切開など妊娠出産に関わる入院時に一時金が支払われる
- 女性がん早期発見サポート特約
- 乳がん、子宮がんなど女性特有のがんと診断されたときに50万円が一時金として支払われる。
- また、2年ごとの乳がん・子宮頸がん検診時に1万円が受け取れる。
- 女性医療特約
- 女性特有の手術・入院時に支払われる。特定不妊治療も対象となっている。
不妊治療の給付金について詳しくみておこう。
不妊治療の給付は体外受精・顕微授精で、採卵または胚移植を受けたときに行われる。給付の対象となるのは保障の開始日から2年後だ。
受け取れる回数は1度で、金額は女性疾病入院給付日額の10倍となっている。
不妊治療だけではなく、乳房・子宮・卵巣・甲状腺等の女性特定手術も保障されるので、女性の一生涯をあらゆる方向から備えられる商品といえる。
フローラル共済
フローラル共済は、入院と死亡保障のみのシンプルな商品設計が特徴だ。
入院保障は1日目から受け取れ、近年の入院日数の短期化にもしっかり対応している。注目すべきは、病気入院だけではなく、正常出産の入院も保障の対象となっている点である。
通常の医療保険において正常出産は、病気とみなされず支払いの対象外だ。しかし出産時は何かと費用がかさむ。
フローラル共済は、大変な出産を乗り越える女性に手厚い給付金を用意してくれる。まさに、これから妊娠や出産を考える人に寄り添った医療保険だ。
インターネット専用の保険なので、人の目を気にせず気軽に申し込みができる。
満期返戻金、解約返戻金などはなく、先進医療や通院費用などの保障もない分、リーズナブルでわかりやすい商品設計となっている。
加入できる年齢も幅広く、生後6ヶ月から満75歳まで新規契約ができる。さらに妊婦であっても妊娠27週までなら申し込み可能だ。
フローラル共済はあらゆる人を対象とし、女性のライフステージを支えてくれる頼もしい保険だ。
まとめ
本記事では、医療保険の基礎知識や不妊治療に適した医療保険を選ぶポイント、そしておすすめの医療保険について解説した。
一人ひとりの生活スタイルや治療の進行度合いなどを考慮に入れて、自分に合った保険を選ぶことが大切である。
しかし、保険選びは専門的な知識が必要であり、多数存在する保険会社や保険プランから最適なものを選ぶのは簡単ではない。
そこで頼りになるのが、保険のプロフェッショナルだ。専門知識や豊富な経験を活かし、一人一人に合う医療保険を導き出してくれる。
ただ、保険のプロは数多く存在し、自分にとって最適な担当なのかを見極めることは難しい。
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