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終身医療保険のメリット・デメリットとは?向いている人のタイプも解説

この記事で解決できるお悩み
  • 終身医療保険の具体的なメリットとデメリットを知りたい
  • 自分のライフプランに基づいて、終身医療保険を選ぶ方法を知りたい
  • 終身医療保険が自分のニーズに合っているか確認したい

終身保険と聞くと、生涯にわたって保障される死亡保険を思い浮かべる方は多いだろう。

しかし、入院や通院などのリスクに備える医療保険にも、「終身」の保障を提供する商品がある。

高齢化が進む現代において、医療保障が一生涯続くというのは大きな魅力だが、果たして安易に選んでしまっても良いのだろうか?

本記事は、こうした終身型医療保険についての疑問に答えることを目的とした記事である。

終身型の医療保険のメリットやデメリットを整理し、どのような人に向いているのかを考察するほか、医療保険を選ぶ際に注意すべきポイントについても触れる。

医療保険の加入や見直しを検討している方は、ぜひ最後まで読んで検討の参考にしていただきたい。

目次

終身医療保険とはどんな保険なのか?

終身医療保険とはどんな保険なのか? 生命保険ナビ

ここでは、終身医療保険について、基礎的な項目を説明する。

定期型との違いを明らかにすることにより、終身型がどのような特徴をもつ商品なのかを把握しよう。

終身医療保険の基本と特徴

医療保険とは、病気やケガというリスクに対する保障を提供する保険である。

定期的に保険料を支払うことで、保険契約者が病気やケガで医療機関にかかった際には保険金が支払われる。

医療保険には、保険期間が10年や20年などの「定期型」と、被保険者が生存している限り、医療リスクに対する保障が持続する「終身型」がある。

保険料は加入時から一定で変わらない

終身型の保険料は、契約時に決定されることが一般的である。加入時の年齢、健康状態、選択された保障内容などに基づいて算出され、その後は同じ額を継続して支払うことになる。

解約返戻金がない商品が多い

死亡保障を主な目的とする終身保険では、解約時に解約返戻金の支払いがある商品が多い。

一方、医療保険の場合は、保険料を低く設定する目的から終身型でも解約払戻金の設定がない商品が多い。

ただし、無事故ボーナスや祝金、低解約返戻金などの形で貯蓄性を提供する商品もある。

終身医療保険は「有期払」と「終身払」がある

「保障が一生涯続く」と聞くと、保険料の支払い義務も「生涯続く」というイメージをお持ちの方は少なくない。

しかし、「保険期間」と「保険料払込期間」は同じである必要はない。

これらが異なる商品は多々あり、契約者が選択できる商品もある。

保険期間は、保険契約による保障が継続している期間のことで、この期間に医療保険であれば入院給付金や、手術を受けられた際の手術給付金などが支払われる。

一方、保険料払込期間とは、保険契約を継続させるために保険料を支払い続けなければならない期間である。

終身型医療保険では、保険料払込期間は「有期払」と「終身払」とがある。

「有期払」は、一定年齢まで(60歳や65歳など)や一定期間(10年間や15年間など)に保険料の支払いを完了する形態である。

一方の「終身払」は、一生涯保険料を払い続ける保険だ。終身払いは支払う期間が長期にわたるため、保険料が安くなる傾向にある。

しかし、定年後などの収入が減った後においても保険料の払い込みが続く点には、注意が必要だ。

終身型と定期型の医療保険の違い

ここでは、終身型と定期型の違いを、表として整理してみる。

終身医療保険定期医療保険
保険期間終身、つまり契約者が死亡するまで保障が続く。定期医療保険は、例えば10年、20年といった期間の保障が提供される商品である。
期間終了後は、再契約の必要がある。
保険料終身型の保険料は、契約時の条件で算定され、その後も変わらない商品が多い。
年齢が上がっても保険料の負担が増えない利点がある。
定期型では、再契約時に保険料が見直される可能性がある。
年齢や健康状態の変化によって保険料は上昇することが一般的である。
加入条件特定の条件や制限(年齢、健康状態や既往症の有無)が設けられている商品が多い。終身保険に比べ、加入条件の制限などが少ない商品もある。
保険料の払込期間必ずしも保険期間と同じではない。保障期間と同じである。

終身医療保険のメリットとデメリット

終身医療保険のメリットとデメリット 生命保険ナビ

ここでは、終身医療保険の利点と注意すべきデメリットについて、それぞれ整理する。

終身医療保険のメリット

終身医療保険のメリットは以下の通りである。

契約者は一生涯の保障を確保できる

終身医療保険の最大の魅力は、保険契約者に対して一生涯にわたる保障があることだ。

これは、高齢になっても病気や怪我による医療費への不安を軽減する意味で大きな利点である。

通常、医療保険に加入する際は健康状態の告知が必要で、年齢が上がると加入条件が厳しくなる。

この点、一度終身医療保険に加入してしまえば、その後の健康状態の変化に関わらず保障が続くため、安心できる。

保険料が契約時に固定される

終身医療保険では、契約時に保険料が固定される。

その後の景気動向や医療費の変化に影響されることもなく、一定の保険料を支払うことで保障を受けられる。

定期型の医療保険では、満期を迎えると契約も終了する。

この場合、更新をするか、新たに契約する必要があるが、保険料はこの時点の条件(年齢や死亡リスク)で設定されるので、以前より高くなることがほとんどである。

終身医療保険であれば、若い時に固定した比較的低価格な保険料で、長期間にわたる保障を受け続けることが可能となる。

終身医療保険のデメリットと考慮すべき点

次に、終身医療保険で考慮しておきたいデメリットには、以下のようなものがある。

保険料が割高になる傾向

終身医療保険を選ぶ際、特に若い年齢層での保険料負担は高くなる傾向がある点はデメリットに数えられる。

これは、終身医療保険が契約者の高齢期までの疾病リスクを織り込んで保険料を設定していることに起因する。

初期の保険料が比較的高額に設定されていることは、収入が限られている若い世代にとっては大きな負担となるだろう。

ライフステージの変化への対応が難しい

終身医療保険は、加入した時点での家族構成や健康状態に基づいて保障内容が決まります。

しかし、時間が経過すれば、家族構成が変わったり(例:結婚や子どもの誕生)、健康状態も変化する。このような変化により、当初加入した保険プランが現在の家族の状況に合わなくなることがあるのだ。

新しいプランへの移行の際は、新たな健康診断や保険料の再計算などを伴い、元々加入していたプランと比較して不利になる可能性があるため、慎重な検討が必要となる。

より良い保険商品に変更できない可能性

また、保険市場は常に進化しており、より良い条件や保障を提供する新しい保険商品が定期的に出てくる。

こうした中で終身医療保険により契約内容を固定してしまうと、新しい保険商品への移行が難しく、結果的に時代遅れのプランに留まるリスクがある。

医療技術の進歩への適応に問題があることも

医療技術の進歩に伴い、保険商品がカバーする範囲や内容も変化する。

しかし終身医療保険は、加入時の医療状況に基づいて作成されるため、新しい医療技術や治療法に対応しきれない場合がある。

これにより、契約者が最新の医療サービスを十分に利用できない可能性は否めない。

「終身払」だと負担が継続する

保険料の支払いを「終身払」としている場合は、保険契約が続く間は支払いを継続しなければならない。

年齢を重ねた時点で定期収入が減っても保険料の支払いは続くので、他の支払いが滞ったり、保険を継続できなくなるリスクがある点には、注意が必要である。

終身医療保険に向いている人とは

終身医療保険は一生涯にわたる保障を提供することから、以下のような人に向いているといえる。

長期的な保障を求める人

終身医療保険は、一生涯にわたる保障を提供する。

亡くなるまで、医療に関するリスクに備えたいと考える方には、定期型より終身型を選んだ方が安心である。

若いうちから将来の保障を確保したい人

若いうちから終身医療保険に加入することで、比較的保険料が安価なうちに、高齢になったときの医療リスクに備えることができる。

少ない保険料で長期間の安定を得たい人には、終身医療保険が向いている。

家計の安定性を重視する人

終身医療保険の保険料は契約時に固定される。

そのため、将来にわたって保険料の増加による家計の不安定さを避けることができる。

特に家計の安定を重視する人にとっては、この点が大きなメリットとなる。

終身医療保険を選ぶ際に注意すべきポイント

終身医療保険を選ぶ際に注意すべきポイント 生命保険ナビ

以下に、医療保険を選択する場合に注意していただきたいポイントを整理する。

これは、医療保険に限らず、他の保険の選択にも活用していただけるアドバイスである。

ライフプランを見直す

生命保険の選択にもっとも大切なのは「ご自身のライフプランに合っていること」である。

これは、医療保険の選択においても同じである。

「老後破産」などの言葉を聞くと、老後の生活費や医療費の確保が不安になってしまう方もいるかもしれない。

もし、こうした不安が「終身(医療)保険」の契約により軽減されるのであれば、この保険の契約は賢い選択であると言える。

医療保険は契約時期が早ければ早いほど、保険料は安くなる。

保険料が安くおさまる若いうちに終身医療保険で備えておけば、月々の負担は少ないままで医療リスクに備えられる。

とはいえ、年齢が若いということは、ライフプランも固まっていないということでもある。

結婚、出産、子どもの教育など、お金を柔軟に動かしたいと考えるなら、定期型で柔軟性を確保したほうが賢明である。

すべては人それぞれの考え方、ライフプラン次第である。

よって、ご自身のライフプランを出発点として、最適な保険探しをはじめることこそが、最も大切な点なのだ。

自分のニーズを整理する

保険を選ぶときのもう一つのポイントは「自分はこの保険に何を求めているのか」を明確にすることである。

「自分はどういう事態を恐れていて、その不安を解消するためにはいくら必要なのか」と言い換えても良い。

医療保険は、1日の入院給付金の額や、入院一時金の有無のほか、先端医療や女性疾病への保障など、さまざまな条件を変えることで月々の保険料も変化する。

終身医療保険は、特約などを追加することで保障範囲を広げたり、狭めたりできる商品が多い。

まずは、根本となるニーズを絞り込んでそれをカバーするプランを選び、ライフステージが移行したら特約や他の保険商品を組み合わせることで変化に対応することも可能だ。

そのため、商品契約の時点で、予見される医療リスクに備えるのではなく、その時点で本当に必要なものを絞り込み、これを確保しておくことがポイントだといえる。

「本当に必要なものを選ぶ」ことは難しく、正解もないが、データを収集し分析することで、少なくとも自分の選択への納得感は得られるだろう。

保険の専門家の助けを借りる

保険選びは考慮すべき要素が多い。安易に選択してしまうと、保険料が家計を圧迫したり、必要なときに必要な保障が得られないなど、好ましからざる結果を招いてしまう。

医療保険に限ったことではないが、保険商品は制約条件が設定されていることが少なくない。

商品を検討する際は、保険料などの目立つところだけでなく、パンフレットなどに記載されている契約概要や注意喚起情報、約款などを精査する必要がある。

日常を忙しく過ごす方や、多くの保険商品を比較したい方にとっては、データ収集や資料の読み込み、分析や比較は大きな負担になるだろう。

家計の現況にあわせてライフプランを見越し、金融市場の動向にも目を配ったうえで、最適な保険商品を選択するのは、困難な作業だ。

保険の専門家は、多様な保険商品の特徴や利点、欠点を深く理解している。もちろん、あなたの状況やニーズに最も適した保険を提案できる。

また、保険加入後も定期的なフォローアップや保険プランの見直しを行い、あなたの状況の変化に合わせて最適な保険状態を維持するサポートも提供する。

これは、適宜の見直しが必要とされる生命保険においては、非常に重要なポイントだ。

終身医療保険はニーズを明確にして慎重に選ぼう

終身医療保険はニーズを明確にして慎重に選ぼう 生命保険ナビ

本記事では終身医療保険の概要から、その特徴やメリット・デメリット、そして最適な選択方法について詳細に解説した。

終身医療保険は生涯にわたる保障を提供することが大きな魅力だが、同時に保険料の固定や貯蓄性なども重要な要素となる。

この保険は、特に長期的な医療リスクへの備えを重視する方々に適していることは確かである。

しかし、終身医療保険にはメリットもデメリットもあり、すべての人に適しているわけでもない。

ライフプランとの適合性や、ご自身のニーズを明らかにして自分や家族にとって最適な保険を選ぶことが重要である。

難しい保険選びに助言が必要なら、『生命保険ナビ』を活用し、保険のプロを探していただきたい。

ご希望の条件を入力すれば、保険選びを支援する信頼できる専門家候補を提案する。

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執筆者

2019年に野村證券出身のメンバーで創業。お客様と保険のプロを結ぶマッチングサイト「生命保険ナビ」を運営。「投資家が主語となる金融の世界を作る」をビジョンに掲げている。

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