- がん保険の保険金を請求するための診断書について詳しく知りたい
- 診断書が不要ながん保険があるのか知りたい
- がん保険の保障内容や給付金について改めて理解したい
がんと診断を受けたもしくは治療を受けた際、保険金の請求に必要な書類が診断書だ。
しかし、診断書の詳細な内容や手続き方法についてあまり理解できていない方も多いだろう。
そこで本記事では、がん保険の診断書の役割から具体的な記載内容、手続き方法までを詳しく解説していく。
また、診断書が不要ながん保険についても解説するので、これからがん保険に加入しようと考えている方には、ぜひ参考にしてほしい。
がん保険の診断書とは?記載内容とその役割
がん保険に加入している人が、保険金を受け取る際に必要な書類が「診断書」だが、診断書について詳しく理解できていない人は少なくない。
ここでは、がん保険で保険金を受け取る際に準備すべき「診断書」について解説し、保険金を受け取るための手続き方法を解説していく。
がん保険の診断書とは?
保障内容によって異なるが、がん保険は「がんと診断されたタイミング」「がんが原因で入院・手術などの治療を受けたタイミング」「がん治療のため先進医療を受けたタイミング」などで保険金を受け取れる。
がん治療を継続して行い完治を目指すためにも、保険金をなるべく早く受け取りたいと考える人も多いだろう。
しかし、保険金を保険会社から受け取るためには、「医師が作成した診断書(入院・手術等証明書)」を送らなければならない。
診断書から保険会社がチェックする内容は、以下のような内容である。
- 病名
- 初診日
- 確定診断日
- 治療期間
- 入院期間
- 治療内容
- 先進医療
- 合併症
- 検査結果
- 手術などの治療法
- 今後の治療スケジュール など
医師による診断書の発行をする場合、約2,000円~10,000円の料金がかかるため覚えておくと安心だ。
請求時に発行する診断書の費用は、保障の対象外になるので注意しよう。
また、診断書の料金を知りたい場合は、病院によっては公式サイト内にて診断書の料金を記載している可能性があるので、事前に調べておくことをおすすめする。
もし、記載がない場合は、病院に直接問い合わせるといいだろう。
がん保険では診断書を保険会社に提出しなければならない理由
診断書から、保険会社は「どのような内容の入院・手術を受けたか」をチェックし、「加入時に告知義務違反を行っていないか」を判断する。
がん保険はがんに特化した保険であるため、がん以外の病気は保障対象外になる。
そのため、がん治療中に「他の病気やケガの治療を行っていないか」など細かくチェックし、どの治療に対していくら保険金を支払うかを計算しているのだ。
がん治療を受ける目的で入院すると、基本的には「契約時に決めていた日額×入院日数」分の保険金を受け取れる。
しかし、手術を受ける際は、保険会社が定めた給付倍率があり、手術ごとに倍率は異なる。
保険会社が被保険者に保険金額を正しく支払うためにも、診断書が重要な役割をしているため、必ず診断書を保険会社に提出しなければならない。
保険金を受け取るための流れ
がんを発症した場合、保険金を受け取るにはどのような手続きを行えばいいのだろうか。
ここでは、保険金を受け取るための流れを解説していくので、参考にしながら保険会社に請求してほしい。
保険金を受け取る流れ
- 「がんと診断された」など、保障内容に該当することが発生する
- 加入している保険会社に連絡
- 必要な書類などを保険会社が案内する
- 必要な書類などを集め、請求手続きを行う
- 保険金の請求を保険会社が受理
- 「保険金を支払える内容か」を保険会社がチェック
- 保障内容に該当する場合、保険金を受け取れる
以上で紹介した内容は、保険金を受け取るための一般的な流れだが、保険会社によって方法が異なるケースがあるため注意しよう。
加入している保険の「ご契約のしおり(定款)・約款」に具体的な流れが書かれているので書類をチェックし、不明点などは保険会社に問い合わせてみよう。
診断書が不要ながん保険はあるのか
がん治療が理由で保険金を受け取りたい場合、医師が作成した診断書を提出しなければならないケースが多い。
だが、入院・通院治療などを行っていると、保険金を請求する時間・体力・心の余裕がない人も多いだろう。
そのような人でも簡単に保険金を請求できる方法が「簡易請求」である。
ここでは、手軽に保険金を請求できる「簡易請求」について解説していくので、参考にしてほしい。
診断書が不要な保険?
がんを発症した際は診断書を保険会社に提出するケースが多いため、自己負担で診断書を医師に作成してもらう必要がある。
しかし、身体への負担がかかるがん治療もあるため、可能であればできるだけ簡単に保険金を請求したいだろう。
1つの方法として「簡易請求」がある。
簡易請求とは、保険会社が定めた条件に当てはまる場合、医師が作成した診断書(入院・手術証明書)を発行せずとも保険金を請求できる方法のことだ。
保険金を保険会社に提出する場合は診断書を提出しなければならないが、簡易請求が可能であれば「診療明細書」「領収書」で請求可能なため、書類作成費用がかからない。
がん保険ではできないケースでは多いが、医療保険に加入している場合は「がん」でも可能なケースがあるので簡易請求が可能か確認してみよう。
だが、すべての保険が簡易請求できる訳ではないので、事前に簡易請求可能か確認する必要がある。
分からない場合は、保険会社の公式サイトやコールセンターなどに相談してみるといいだろう。
簡易請求ができるケースを紹介
最近では、簡易請求ができる保険が増えてきており、インターネットなどの方法で保険金を簡単に請求することができる。
ここでは、「SOMPOひまわり生命」で簡易請求が加入できる一部のケースを紹介していくので、今後の参考にしてみてはいかがだろうか。
手術なし(入院のみ/入院と通院)
30 日以内の入院ですでに退院している |
次の①または②のどちらかに該当する ①ご請求の病名が「がん・悪性新生物」ではない ②ご請求の病名が「がん・悪性新生物」であるが、以下の条件をいずれも満たしている ・ がん保険または女性疾病保険ではない ・「がん」であることによりお支払金額が上乗せになる特約 ・特則(※3)ではない (※3)がん入院特約、がん診断給付特約、女性疾病入院特約、成人病入院特約、生活習慣病入院特約 など |
ご請求の内容が「三大疾病入院一時金」「心疾患一時金」「脳血管疾患一時金」「保険料払込免除」「先進医療給付金」のいずれでもない |
※「特定部位・指定疾病不担保法」が適用期間中の入院および入院を伴う手術の場合には、退院証明書が必要です。
参考:SOMPOひまわり生命「インターネットや LINE を活用した給付金請求の取扱対象範囲拡大 ~診断書の提出」
以上の内容に当てはまる場合は、「簡易請求」での保険金請求が可能である。
今回紹介した条件は「SOMPOひまわり生命での条件」のため、保険会社によって簡易請求ができる条件が異なる可能性があるので注意してほしい。
また、保険会社によって簡易請求が対象のケースと対象外のケースがあるため、事前に確認しておこう。
簡易請求が対象か対象外か不明な場合や必要な書類などがわからない人は、作業をスムーズに勧めるためにも保険会社に問い合わせてみることをおすすめする。
保険金を請求する方法
「簡易請求」で保険金を請求する一般的な方法について解説していくので、ぜひ参考にしてほしい。
簡易請求を行う場合、インターネットから手続きが可能になるケースが多い。
そのため、スマートフォンなどの機器とネット環境があれば、時間に関係なくどこからでも手続きができるのだ。
では、保険金を簡易請求する際に、一般的に必要な書類を紹介していくので確認していこう。
- 運転免許証などの顔写真付きの本人確認書類
- 医療機関が発行した領収書・診療明細書・退院証明書などの書類
- 保険証券などの保険の契約内容が分かる書類
以上が簡易請求を行う際に、一般的に必要な書類である。請求の際は、病気やケガの名前・手術日などを入力するため、すぐに確認できるよう準備しておこう。
万が一、領収書・診療明細書・退院証明書などが手元にない場合でも、保険会社が指定している「医療機関が発行した書類」があれば請求できる可能性がある。
もし、領収書などを紛失した場合は保険会社に相談してみることをおすすめする。
また、保険会社によってはLINEで保険金を請求できるケースもあるので、LINEの方が請求を行いやすいと感じた人は公式サイトなどで確認してみよう。
必要書類は、一般的に必要になる書類を紹介したため、保険金を請求する前に加入している保険会社の公式サイトやコールセンターなどで確認しておくと保険金の請求がスムーズに進められる。
がん保険を選ぶ際のポイント
がん保険を選ぶ際に基準となるポイントを紹介していくので、今後のがん保険選びの際に参考にしてみてはいかがだろうか。
保険期間の選択(終身型・定期型)
がん保険を選ぶ際に、一生涯保障の終身型・一定期間(〇日・〇歳まで)のどちらの保険期間がいいか考えることで、自分にベストながん保険を絞りやすくなる。
終身型と定期型のメリット・デメリットを紹介するので、悩んでいる人は確認してほしい。
- 一生涯保障が続く
- 保険料は一生涯変わらない
- 保険料の支払い方法を短期払いにできる保険もある(〇歳までなど)
- 保険料が定期型に比べると高め
- 新しい治療法や治療薬の保障が対象外になる可能性がある
- がん保険を見直しにくい
- 住宅ローンなどの固定費が多いタイミングは、保険料が負担になる
- 保険料が終身型に比べるとリーズナブル
- 新しい治療法や治療薬に保障される可能性が高い
- がん保険を見直しやすい
- ライフステージに合わせて加入できる
- 更新するたびに保険料が上がっていく
- シニア世代が定期型のがん保険を利用する場合、毎月の保険料が高額
- 80~90歳までの保険商品が多いため、適用年齢を超えると保険を受けられない
その人にとって最適な保険期間は異なるため、自分が求める保険期間を見つけることが大切だ。
がん保険へ求める保障内容
がん保険に加入する目的を明確にすると、がん保険へ求める保障内容が分かるのでじっくりと考えてみるのがおすすめである。
- 先進医療に備えたい
- がん診断給付金を複数回受給できる保険がいい
- がん治療が長期化するリスクに備えたい
- 抗がん剤治療で脱毛したときなどの外見の変化に充てられるお金がほしい など
保険金額や上記で紹介した保険期間なども絞れる作業であるため、時間をかけて練ってみると自分にベストな保険を選べる近道になるだろう。
また、がんには「悪性新生物」と「上皮内新生物」があり、後者の「上皮内新生物」は対象にならない保険も存在する。
「がん保険に加入していたのに上皮内新生物のがんだったから保障されなかった…」という結果にならないよう、しっかりと確認しておくのがおすすめだ。
以上のように、さまざまな視点からがん保険に求める保障内容を考え、自分にベストな保険を見つけると万が一がんを発症しても、前向きに治療を行えるはずだ。
なお、がん保険の保障内容についてはこちらでも説明している。さらに詳しく知りたいという方はチェックしてほしい。
がん保険のタイプから選ぶ
がん保険には、以下の3つのようなタイプで保険金を受け取れるため、「どの保険金をメインとして受け取りたいか」を考えると、自分にベストな保険を見つけられるだろう。
診断給付金タイプのがん保険
がんと医師に診断されたときに受け取れる「診断給付金」があれば、貯蓄が少なくても入院準備や通院時の交通費などに充てられる。
保険会社によって異なるが、無制限や複数回受け取れる保険商品もあるので、比較することをおすすめする。
給付金額は契約時に決めている金額のままなので、がんの症状が重い場合は保険金だけでは治療費をまかなえない可能性がある。
入院給付金タイプのがん保険
がんが原因で入院する際に受け取れる「入院給付金」は、治療を続けていく上で経済的負担を減らすためにも重要なポイントだ。
診断給付金・手術給付金も受け取れる保険商品が多い。がん治療が長期化するリスクに備えたい人におすすめである。
症状によっては、通院でのがん治療になるケースもあるため、入院が必要ではない治療法を受ける場合は保険金を受け取れない可能性もあるので要注意だ。
治療給付金タイプのがん保険
抗がん剤治療・放射線治療などの保険会社が定めているがん治療を受けると、給付金が受け取れる。
治療をするたびに受け取れるため、治療が長期化するリスクにも備えられるので、経済的負担を軽減できる。
しかし、治療給付金だけでは通院時の交通費・収入の減少などに備えられない可能性があるため、そのようなリスクも配慮して決めなければならない。
以上のように、がん保険でもメインとなる保険金が異なるため、自分にあったタイプを見つけていくといいだろう。
がん保険での診断書の役割は、正しい情報を保険会社に伝えること
今回は、がん保険の診断書に関する基礎知識や手続き方法、さらに保険金の受け取りに診断書が不要ながん保険についても解説した。
がんは私たち日本人にとって身近なリスクの一つで、高額な医療費から日々の生活を守るためには、がん保険が有効な手段となる。
本記事を参考に保険金を受け取るまでの流れを正確に把握し、万一の際に備えてほしい。
また、保険に加入する際には、一人ひとりのライフステージに合わせ、自分に必要な保障内容を備えたがん保険を選ぶことが求められる。
今回紹介した保険選びのポイントを参考に、あなたに合ったがん保険を見つけるようにしてほしい。
このように、何より重要なことは、保険の特徴を理解し、また自分自身の生活環境や経済状況、健康状態を考慮して加入する保険を判断することだ。
そのため、どの保険に入るべきかの判断に少しでも疑問や不安があれば、保険のプロに相談することも積極的に検討してほしい。
一人一人に合ったアドバイスをもらうことで、あなたに合った保険を見つけることができるはずだ。
また、保険のプロは数多く存在し、その中から自分にとって最適な担当を見つけるのは難しいだろう。
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