- 生命保険が満期を迎えるとどうなるか知りたい
- 満期保険金を受け取る際の税金の取り扱いがわからない
- 生命保険が満期を迎えた後にするべきことを知りたい
生命保険は、満期を迎えると保障が終了し、商品によっては満期保険金を受け取ることができる。
では、加入している保険が満期を迎えた後は、どのように対処すれば良いのだろうか。
本記事では、
「生命保険が満期を迎えた後にするべきことは何か?」
という疑問について解説を行う。
加入時だけでなく、満期後についてもあらかじめ検討しておくことで、生命保険をさらに効果的に活用できるはずだ。
満期の「その後」を考える前に!生命保険の満期の定義
まずは生命保険の満期について理解を深めていこう。
解説する内容は下記のとおりだ。
- 生命保険の満期とは何か
- 保険料が掛け捨て型と貯蓄型の場合の「満期」の違い
- 満期を迎える前に確認するべきポイント
もうすぐ満期を迎える人や、満期保険金がある保険への加入を検討している人にぜひ参考にしてほしい。
生命保険の満期とは何か
生命保険の満期とは、保険契約が終わることを意味する。
定期保険や養老保険など、保険期間が15年、60歳までというように期間が決まっており、保険契約の終了がある生命保険に対して使われる用語だ。
したがって、一生涯保障が続く終身保険には満期はない。保険料払込満了時と間違えやすいので注意しよう。
保険料払込満了時とは、名前のとおり保険料の払込が終わることを意味している。
満期は保険契約が終わることを意味しているため、混同しないように気をつけよう。
保険料が掛け捨て型と貯蓄型の場合の「満期」の違い
掛け捨て型と貯蓄型の満期はどのように違うのか分からない人もいるだろう。
それぞれのケースで解説するので参考にしてほしい。
掛け捨て型の満期
掛け捨て型で満期を迎えた場合、保険契約を更新するか、終了するかを選択することになる。
更新を選択した場合は保険期間が延長され、保険料が上がるのが特徴だ。
終了を選択した場合満期保険金はなく、保険契約自体が消滅するかたちとなる。
満期には必ず満期保険金が受け取れると誤解している人もいるため、よく理解しておこう。
貯蓄型の満期
貯蓄型で満期を迎えた場合の選択肢は、満期保険金を受け取ることができる。
満期保険金が受け取れる代表的な保険は、養老保険、学資保険などだ。
更新なく満期保険金を受け取り、契約は終了となる。
満期を迎える前に確認するべきポイント
掛け捨て型の生命保険が満期を迎える時は、契約を更新するか終了するかを決めておこう。
そのままの保障内容で更新する場合は、保険料が上がるのが一般的だ。
今の保障内容や保障金額を保つ必要があるか、自分のライフプランや将来設計をもとに検討するべきである。
また、契約を終了する場合は新しい保険に加入するまでの期間をあけないことをおすすめする。
無保険期間中に病気やケガ、死亡などの万が一のことがあった際に、保障が受けられなくなるからだ。
そのため、満期を迎える前には保険契約を更新するか終了するかをしっかり決めておこう。
生命保険の満期の「その後」にかかる税金とは
満期保険金のある生命保険に加入する人は、満期保険金を受け取ったときの税金について理解を深めておかなければならない。
何十年間も支払い続けて受け取れるものなので「税金をできるだけ抑えたい」と思う人が多いのではないだろうか。
そこでここからは下記について解説していく。
- 満期保険金にかかる税金の種類
- 税金の種類はどのように決まるのか
- 税金を少しでも抑えるにはどうするべきか
満期保険金を受け取ったときの税金の仕組みを理解すれば、税金を抑えることが可能だ。ぜひ参考にしてほしい。
満期保険金にかかる税金の種類
満期保険金にかかる税金の種類は、所得税と贈与税である。
所得税【一時所得】
契約者と受取人が同じ場合、満期保険金を一括で受け取った際にかかるのは所得税だ。
受け取った満期保険金すべてではなく、払い込んだ保険料や特別控除を差し引いた金額の二分の一が課税対象になり、下記のように計算される。
所得税【雑所得】
満期保険金を年金方式で受け取る場合は、雑所得に分類される。
そのため、払い込んだ保険料と満期保険金の差額をそのまま申告する必要がある。
しかし、その他の雑所得と合計して25万円以下に該当する場合は税金がかからないので覚えておこう。
所得税の税率や控除額は下記で確認してほしい。
課税される所得金額 | 税率 | 控除額 |
---|---|---|
1,000円から1,949,000円まで | 5% | 0円 |
1,950,000円から3,299,000円まで | 10% | 97,500円 |
3,300,000円から6,949,000円まで | 20% | 427,500円 |
6,950,000円から8,999,000円まで | 23% | 636,000円 |
9,000,000円から17,999,000円まで | 33% | 1,536,000円 |
18,000,000円から39,999,000円まで | 40% | 2,796,000円 |
40,000,000円以上 | 45% | 4,796,000円 |
贈与税
贈与税は受取人によって、特例贈与と一般贈与に分類される。
詳しくは後述するので必ず確認してほしい。贈与税は1年間で110万円を超えた金額に税金がかかる仕組みだ。
110万円を超えた金額によって、税率と控除額が決まる。
たとえば300万円の満期金を受け取った場合は、300万円ー基礎控除110万円をした190万円の金額に対して課税される。
下記の表で確認すると200万円以下は控除額がないため、190万円に10%の税率をかけた19万円が課税対象額となる。
特例贈与
基礎控除後の 課税価格 | 200万円以下 | 200〜300万円以下 | 300〜400万円以下 | 400〜600万円以下 | 600〜1,000万円以下 | 1,000〜1,500万円以下 | 1,500〜3,000万円以下 | 3,000〜4,500万円以下 | 4,500万円超 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
税率 | 10% | 15 % | 15% | 20% | 30% | 40% | 45% | 50% | 55% |
控除額 | ー | 10万円 | 10万円 | 30万円 | 90万円 | 190万円 | 265万円 | 415万円 | 640万円 |
一般贈与
基礎控除後の 課税価格 | 200万円以下 | 200〜300万円以下 | 300〜400万円以下 | 400〜600万円以下 | 600〜1,000万円以下 | 1,000〜1,500万円以下 | 1,500〜3,000万円以下 | 3,000万円超 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
税率 | 10% | 15 % | 20% | 30% | 40% | 45% | 50% | 55% |
控除額 | ー | 10万円 | 25万円 | 65万円 | 125万円 | 175万円 | 250万円 | 400万円 |
税金の種類はどのように決まるのか
上記で解説したとおり、満期保険金を受け取った際は所得税か贈与税に分類される。
どのように分類されるかは、契約者と受取人を誰にするかがポイントだ。
契約者 | 受取人 | 税金区分 |
---|---|---|
夫 | 夫 | 所得税 |
夫 | 妻・子どもなど | 贈与税 |
このように、契約者と受取人が同じ人であれば所得税、異なる場合は贈与税となる。
また所得税は受け取る方法によって一時所得か雑所得かに分けられる。
一時所得 | 満期保険金を一括で受け取る場合 |
---|---|
雑所得 | 満期保険金を年金方式で受け取る場合 |
特別控除50万円が使える一時所得に対し、雑所得は払い込んだ保険料と満期保険金の差額をそのまま申告する必要がある。
贈与税は受取人が18歳以上の子どもや孫の場合は特例贈与税、それ以外の受取人の場合は一般贈与の対象となり、それぞれ税率や控除額が決められている。
税金を少しでも抑えるにはどうするべきか
税金を抑える方法として挙げられるのは下記のとおりだ。
- 所得税に分類されるように受取人を設定する
- 雑所得に該当する場合は差額を25万円以下に抑える
- 贈与税は一般贈与よりも特例贈与に該当させる
所得税に分類されるように受取人を設定する
所得税は特別控除の50万円が差し引けるうえに、残った金額の二分の一のみが課税対象だ。
そのため、贈与税よりも税金がかからないことが大きなメリットである。
満期保険のある生命保険に加入する際は満期保険金の受取人を自分に設定することで、税金を抑えることが可能だ。
雑所得に該当する場合は差額を25万円以下に抑える
満期保険金を年金方式で受け取りたい人は、保険料と満期保険金の差額が25万円を超えないように設定すれば、課税対象にならないため申告は不要だ。
しかしこれはあくまで他の雑所得がない場合に限る。
贈与税は一般贈与よりも特例贈与に該当させる
満期保険の税金でもっとも高額なのが、贈与税の一般贈与だ。
そのため、 受取人を自分以外に設定する場合はなるべく特例贈与に該当させることをおすすめする。
また、110万円以下であれば税金を支払う必要はなくなるため、この仕組みも踏まえて満期保険金額を設定するといいだろう。
生命保険が満期を迎えた後はどうするべきか
生命保険が満期を迎えた後はどうするべきかを解説していく。もうすぐ満期を迎える人はぜひ確認してほしい。
定期保険の場合は別の保険に加入するかを事前に考えておく
定期保険で満期を迎える場合は、更新するべきか、別の保険に加入するべきかを事前に考えておくことが重要だ。
別の保険に加入する際はさまざまな商品を比較検討し、自分に合った保険を選ぼう。
貯蓄型保険の場合は、税金の取り扱いに気をつけながら使い道を検討する
貯蓄型保険に加入している場合は満期保険金を楽しみにしている人も多いだろう。
税金の取り扱いに十分気をつけながら、どのように満期保険金を活用するべきか、使い道を検討しよう。
たとえば下記のような使い道が挙げられる。
- 住宅のリフォーム資金に充てる
- 子どもや孫の教育費
- 車を買い替える
- 老後資金に活用する
- 資産運用に活用する
まとまった満期保険金は、さまざまな活用法がある。
どのような使い道があるか、自分に合ったものを選択しよう。
保険を切り替える際の注意点
現在の保険と保障期間が重なると二重に保険料を支払う必要があるため注意が必要だ。
とは言え、万が一のことはいつ起こるかわからないため、無保険期間ができないようにすることも重要である。
別の保険に加入する際は、保障内容や保険料とともに、加入するタイミングにも重点をおいておこう。
生命保険の満期を迎えた後は税金と保険の更新の取り扱いに注意が必要
本記事では、「生命保険が満期を迎えた後にするべきことは何か?」について解説を行った。
生命保険が満期を迎えると、保障が終了して一部の保険では保険料が戻ってくる。
満期保険金が出る場合は税金の種類によって納める金額が異なるため、税金の取り扱いに気をつけるべきだ。
定期型の生命保険が満期を迎えた場合は、更新か別の保険へ切り替えることを事前に検討するべきである。
一方貯蓄型の場合は保険金の使い道を考えよう。
このように、保険の種類によって満期時の取り扱いや対処法も様々である。
まずは自身の目的やライフステージに即した保険を選び、その上で満期時の対処法についても事前に検討しておくことで、生命保険をさらに効果的に活用できるはずだ。
そのため、保険選びに少しでも疑問や不安があれば、保険のプロに相談することで自分に必要ながん保険を見つけることができるだろう。
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