- 2人目のこどもも学資保険に入るべきか悩んでいる
- 学資保険の必要性を判断する基準を知りたい
- 学資保険以外の選択肢も知っておきたい
2人目の子どもが生まれたとき、「1人目と同じように学資保険に入るべきなのか」「必要な保障は1人目と同じでよいのだろうか」と悩むこともあるだろう。
本記事では、2人目の子どもについても学資保険に入った方がよいのか、また加入時に気を付けるべきポイントは何かについて詳しく解説する。
おすすめの学資保険についても紹介するので、ぜひ最後まで読んで参考にしてみてほしい。
2人目の子どもに学資保険は必要?
2人目に学資保険が必要かどうかの判断材料として、2人目の学資保険加入についての決め方の方向性や加入させるメリット・デメリットなどを紹介する。
2人目の加入は保険料と家計のバランスを見てから必要性を判断する
2人目の子どもを学資保険に加入させるべきか否かは、かかる保険料と家計のバランスを見てから決めるのがよいだろう。
学資保険とは、親の万が一に備えながら満期保険金や祝い金によって教育資金を積み立てる保険商品である。
契約者である親が亡くなったときは、保障を継続しつつ以後の保険料の払込が免除となるのが一般的だ。
満期保険金や祝い金として払い戻しがあるまでは、支払った保険料の分だけ家計はマイナスになる。
預貯金やNISAなどと異なり、途中引き出しは原則として対応していない。
途中で学資保険を解約した場合は、低い返戻率(払込保険料に対して手元に返ってくるお金の割合)となってしまうだろう。
もし2人目も学資保険に加入させると、月々2人分の保険料の支払いが必要になる。
2人目の契約時は親の年齢が高くなっていることから、1人目の契約より保険料が上がっている可能性もある。
これらの金銭的な問題を考えずに教育資金を貯めることに集中しすぎると、今の生活に支障をきたして本末転倒になるかもしれない。
2人目も学資保険に入れるかどうかは、2人目の学資保険にかかる保険料と、2人分の保険料払込と収入・貯蓄金額で判断する。
両者のバランスを見ながら、学資保険に入ったほうがよいか入らないほうがよいかを検討しよう。
2人目も学資保険に加入する効果と注意点
2人目の子どもを学資保険に加入させることには、1人目とは異なる効果と注意点が存在する。
2人目の子どもを学資保険に加入させる効果は次の通りだ。
- 兄弟割引によって、2人目の保険料が割引になる可能性がある
- 強制的に保険料が積み立てられていくので、貯蓄が苦手な方でも2人分の教育資金を準備しやすい
- 払込保険料総額が増えるので、毎年の生命保険料控除を上限まで適用しやすくなる
- 親が亡くなると保険料払込免除が適用される
- 返戻率が100%を超える商品なら、払込保険料総額より返ってくるお金が多くなる
一方で、2人目の子どもを学資保険に加入させる注意点を見ていこう。
- 1人目よりも保険料が高くなる可能性がある
- 2人分の保険料支払いで家計を圧迫する可能性がある
- 預貯金や金融資産運用に比べると、積立金の流動性(現金への転換のしやすさ)が悪い
- それぞれの保険契約の管理が大変になる
- 返戻率が100%を下回るなら、払込保険料総額より返ってくるお金が少なくなる
効果と注意点を頭に入れた上で、学資保険に入る・入らないを判断しよう。
2人目の子どもに学資保険が必要なケースと不要なケース
2人目が学資保険に入るべきか入らないべきかの判断材料として、一般的に学資保険が必要または不要とされるケースを紹介する。
2人目に学資保険が必要なケースは次の通りだ。
- 2人分の教育資金を計画的に貯めるのが難しいと思った
- 2人分の教育資金を支払っても家計に余裕があり、緊急時の出費への備えも十分にある
- 親の万が一に備えた上で、教育資金を貯めたい
- 保険料分の生命保険料控除を適用して節税したい
- 1人目のときより学資保険の返戻率が高くなっている
次に、学資保険が不要とされるケースを見ていこう。
- 2人分の保険料を支払うと、家計を大きく圧迫してやりくりが大変になる
- 学資保険を使わなくても、2人分の教育資金を準備できる
- 生命保険料控除がすでに年の上限に達している
- 返戻率が100%を下回っている
- 定期的に保険や資産運用の方法を見直したい
あくまで一般的な事例であるため、必要・不必要の判断は各々の状況に応じて決定しよう。
このように、2人目の子どもが学資保険に加入することにはメリット・デメリットがあり、その適性は家計の状況によって変化する可能性が高い。
属性別におすすめの学資保険についてまとめた記事もあるので、自身の置かれている環境に当てはめて考えることで、より効果的な選択肢に近づけるはずだ。
2人目の子どもが学資保険に加入する際のポイント
2人目の子どもの学資保険加入を検討する際は、「ライフプランを立てる」「兄弟割引のある保険を検討する」「状況に適した保険選びのポイントを押さえる」の3点を意識しよう。
学資保険に加入する前に子どものライフプランを考える
具体的な学資保険の商品を選ぶ前に、「2人分の学資保険に加入した場合のライフプラン」をあらためて立ててみよう。
1人目のときのライフプランとは状況が異なっているため、変更・修正が必要になると思われる。
ライフプラン設定によって、以下の部分を確認しよう。
- 2人目の教育資金の目標金額
- 1人目が加入している学資保険を考慮した保険料支払期間設定
- 2人分の払込保険料と家計のバランス
ライフプランで上記を明確にし、2人目の教育資金も確保できる満期保険金の金額や保険料払込期間を設定しよう。
参考情報として、大学費用のおおまかな平均金額を紹介する。
大学の種類 | 平均大学費用 |
---|---|
国立大学 | 240万円 |
公立大学 | 250万円 |
私立文系学部 | 408万円 |
私立理系学部 | 551万円 |
医歯系学部(6年間) | 2,396万円 |
その他学部 | 507万円 |
参考:文部科学省「令和3年度 私立大学入学者に係る初年度学生納付金平均額(定員1人当たり)の調査結果」
参考:文部科学省「2023年度 学生納付金調査結果果(大学昼間部)」
兄弟割引のある学資保険を検討する
2人目の子どもを学資保険に加入させる独自のメリットとして、兄弟割引が適用できる点が挙げられる。
兄弟割引とは、兄弟姉妹がすでに同じ保険会社の保険に加入している、契約者が同一であるなどの条件を満たすことで、2人目が加入した学資保険の保険料が割引されるサービスである。
例えばフコク生命の学資保険 みらいのつばさの場合は、払込方法が月払だと満期保険金額10万円につき月10円の割引となる。
満期保険金額が300万円なら月300円、15年加入なら300円×12か月×15年=5万4,000円の割引だ。
契約を検討している学資保険があるときは、兄弟割引が適用できないかもあらかじめ確認しておこう。
とはいえ2023年12月時点だと、兄弟割引を採用している大手保険会社の学資保険はフコク生命のみである。
状況に適した学資保険選びのポイントを押さえる
2人目の子どもを学資保険に加入させるか検討する場合、その時点での経済状況や生活環境に合わせた商品を選択しよう。状況に適した学資保険選びのポイントを以下でまとめた。
- 1人目と同じ学資保険を検討する場合、保険料や返戻率がどのくらい変わっているのかを見る
- 1人目と同一の学資保険にこだわりすぎず、他の学資保険やその他の貯蓄型保険で教育資金を準備できないかを検討する
- 1人目の子どもの満期保険金を受け取るタイミングや満期保険金額を考慮した上で、2人目の学資保険の保険料払込期間や満期保険金額、受け取り方(一時金や年金形式)を選択できるかをチェックする
- 1人目加入時より親の年齢が上がって健康リスクが高まっている分、医療保障・死亡保障などの他の特約を付けるか否かをもう一度確認する
1人目と同じように進めればよいと、安直に決めてしまわないよう注意しよう。
2人目の子どもにおすすめの学資保険は?2人目は入らないと決めた場合の選択肢も紹介
ここからは、おすすめする学資保険をいくつか紹介する。
また、学資保険以外の教育資金の積立方法についても解説するので、比較検討した上であなたに合う教育資金の積立方法を選んでほしい。
2人目の子どもにおすすめの学資保険一覧
2人目の子どもにおすすめできる学資保険の具体的な商品は、次の3つである。
- みらいのつばさ(フコク生命)
- 夢みるこどもの学資保険(アフラック生命)
- つみたて学資(明治安田生命)
1つ目のおすすめは、フコク生命の「みらいのつばさ」である。
「ママリ口コミ大賞 学資保険2023」の受賞や累計契約件数45万件以上など、非常に高い知名度と人気を誇る学資保険だ。
2023年12月時点の返戻率は、約109.5%である(J型の場合)。
みらいのつばさは、入園・入学前などの節目ごとに祝い金を受け取れる「S(ステップ)型」と、大学進学時に満期保険金・祝い金をまとめて受け取れる「J(ジャンプ)型」から選べる。
2023年12月時点では、大手保険会社の商品で唯一兄弟割引を適用できるのも大きな特徴だ。
また、フコク生命のワイド・プロテクトをパックにすることで、医療保障も付けられる。
ワイド・プロテクトの分の保険料払込期間や満期は、みらいのつばさで設定したものと同じになる。保険料がその分だけ上がり、返戻率が下がるので注意しよう。
みらいのつばさの概要 | |
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加入できる子どもの年齢 | 出生前140日から7歳まで(子どもと親の年齢による) |
保険料払込期間 | 11歳、14歳、17歳 |
健康告知 | 親の告知が必要(ワイド・プロテクト部分に関しては必要) |
2つ目のおすすめは、アフラック生命の「夢みるこどもの学資保険」である。
アメリカで創業後1974年に日本へ進出し、約50年もの生命保険を販売する大手保険会社アフラック生命保険株式会社が販売している。
2023年12月時点の返戻率は、104〜106%となっていた。
夢みるこどもの学資保険なら、高校入学時に一時金、大学入学から1年ごとに4回の計5回まで給付金を受け取れる。
出生予定日140日前からの申込みや保険料払込免除特約など、学資保険関係の各保障も利用可能だ。
大手保険会社ならではの安心感ある保障が受けられるだろう。
ただし、同一契約内で死亡保障や医療保障は付けられないので注意しよう。
夢みるこどもの学資保険の概要 | |
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加入できる子どもの年齢 | 出生前140日から7歳まで |
保険料払込期間 | 10歳、17歳、18歳 |
健康告知 | 親の告知が必要(医師の診察は不要) |
3つ目のおすすめは、明治安田生命の「つみたて学資」である。
シリーズ累計販売件数200万件(2023年9月時点)と、非常に人気の高い学資保険だ。
返戻率も最高118.2%と高い数値を残している(2023年12月現在)。
18歳から4年間、計4回の保険金を受け取れるシステムとなっている。
保険料払込免除や受取金額の設定など、学資保険の基本となる保障はすべて利用可能だ。
短めの保険料払込期間を設定できることから、早めに保険料の支払いを終えたい人には向いている学資保険だと言える。
ただし、付加できる特約が一切設定されていないので、他の保障が必要なときは別途保険を契約しよう。
概要 | |
---|---|
加入できる子どもの年齢 | 出生前140日から7歳まで(子どもと親の年齢による) |
保険料払込期間 | 10歳、15歳 |
健康告知 | 親の告知が必要(医師の診察は不要) |
学資保険以外でおすすめの教育資金の積立方法
教育資金の積立方法には、学資保険以外の方法も存在する。学資保険以外でおすすめの教育資金の積立方法としては、主に次のものが挙げられる。
- NISA
- 終身保険
- 預貯金
NISAとは、設定された非課税投資枠(つみたて投資枠年間120万円)までの投資信託等から発生した利益は、すべて非課税となる制度である。
金融商品の運用となるため、学資保険よりもリスク・リターンが大きくなり、積立した金額よりもお金を増やせる可能性がある。一方で、元本割れのリスクがあるので注意しよう。
終身保険での積立とは、貯蓄性の高い終身型の生命保険などで保険料を積み立てていく方法である。
保険料払込期間を10〜15年程度の学資保険と同じくらいに設定し、払込が終わったら解約して解約返戻金を受け取る。
学資保険よりも受け取り時期のコントロールがしやすく、教育資金以外の用途に切り替えやすいのがメリットだ。
一方で、返戻率は学資保険のほうが高い傾向があるのがデメリットである。
計画的に積立できる方は、保険を利用せずに預貯金で貯めていくのも1つの方法だ。
学資保険と比較してお金を自由に引き出せる分、柔軟にお金を使えるメリットがある。
もし引き出しに制限をかけたいときは、金利が普通預金より高い代わりに期日まで引き出せなくなる定期預金を利用するのがよい。
ただし定期預金は、2023年12月現在だと金利はほとんど期待できず、親が亡くなったときの保障がゼロに等しいのがデメリットである。
学資保険とそれ以外の資産運用のどちらで積み立てるべき?
教育資金の積み立て方法としての、学資保険とそれ以外の資産運用は、それぞれにメリット・デメリットが存在している。
ライフプランや状況に応じて、あなたに合うと思った方法を選択しよう。
例えば資産運用の知見がある場合は、学資保険よりNISAのほうが効率よく教育資金を積み立てられる可能性がある。
病気やケガの保障を同時に受けたいなら、終身型の生命保険で積み立てるのがよいだろう。
貯蓄の管理が大変だと思ったときは、得られる児童手当分だけ毎月預貯金に回すといった方法も考えられる。
何より、積立方法を1つに限定する必要はない。
貯蓄や収入に余裕があるなら、学資保険+NISA、学資保険+預貯金といった、併用によって互いのデメリットを補い合う方法もある。
ソニー生命保険株式会社「子どもの教育資金に関する調査2023(2023年3月)」によると、子どもを大学等へ進学させるための教育資金を準備している方法(高校生以下の子どもの親)の割合は、銀行預金57.2%で第1位、学資保険が49.7%と僅差で第2位、株式投資やNISAなどの資産運用が20.7%で第3位となっていた。
このように教育資金の準備は、学資保険以外にもさまざまな方法が選ばれていることがわかる。
教育資金の積立は、学資保険に限定せず自分に合う方法を選択することが大切だと言えるだろう。
2人目の子どもに学資保険が必要かどうかは慎重に判断しよう
本記事では、「2人目の子どもに学資保険は必要か」をテーマに解説を行った。
学資保険は、途中解約すると返戻率が100%を下回る可能性が高い。
そのため、子どもの教育資金=学資保険と一辺倒に考えるのではなく、家計の状況に応じて必要性を判断することが大切である。
2人目も学資保険に加入するという場合は、保障内容や返戻率の変化に応じて、1人目と同じ学資保険に加入するのではなくあらためてどの学資保険が良いのか比較・検討しよう。
重要なことは、保険の特徴、生活環境、経済状況、健康状態を考慮し、保険の必要性を判断することだ。
もし商品の選択に少しでも疑問や不安があれば、保険のプロに相談することも積極的に検討しよう。
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