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父親に保険はかけられる?家族の生命保険に関する疑問を解説

この記事で解決できるお悩み
  • 自分の親に保険をかけることができるか知りたい
  • 自分の親にかけられた生命保険が相続できるか知りたい
  • 親が死亡保険に入っていた時の受け取り方法について知りたい

親が亡くなった時に自分は保険を相続できるのか。自分で手続きや支払いをして、父親や母親を保険に加入させることはできるのか。

家族に関連した保険について疑問を抱えている方は意外と多いのではないか。

本記事では、親の生命保険が相続できるか、親に保険金をかけることが出来るか、そして親が死亡保険に入っていた場合受け取りをどのようにすればいいのか、といった家族の保険に関する具体的な疑問に応えていく。

自分が似たような状況にある、という方は是非参考にしてもらいたい。

目次

父親にかけられた生命保険を子供は相続できるのか

父親にかけられた生命保険を子供は相続できるのか 生命保険ナビ

結論からいえば、子供は父親にかけられた生命保険会社から支払われる死亡保険金を受け取ることができる。

しかし、厳密にいえば生命保険会社から支払われる死亡保険金は、厳密には相続財産ではない。

そのため、「相続」することは厳密にはできない。生命保険と相続の関係は複雑だ。

また、子供が複数いると場合、死亡保険金の受け取りは公平に行われるのか、具体的に保険金を受け取るには何をしなければならないのかも気になるところだろう。

  • 相続の可否
  • 特別受益制度
  • 親が生命保険に加入して亡くなったらするべきこと

この3つを詳しく確認してみよう。

特に相続の可否では、相続は厳密にはできないが「死亡保険金を受け取ることができる」という理由を詳しく解説する。

相続の可否

まず、相続という言葉についても正しく確認しておこう。相続とは、亡くなった人から相続人に財産が移ることだ。

例えば、父親に死亡保険がかけられていて亡くなった際には、死亡保険金は、亡くなった父親からではなく生命保険会社から受取人に支払われる。

そのため、死亡保険金はそもそも、相続財産ではなく受取人の固有の財産である点に注意したい。

例えば、父親が自分自身に死亡保険をかけ、受取人を子供に指定して、亡くなった場合は、子供が死亡保険金を保険会社から受け取る。

そのため、正確には相続したというよりも、保険会社からお金を受け取ったと考えられる。

ただし、相続税の計算をする際には、受け取った死亡保険金は相続財産に含める(みなし相続財産)という考え方をする。

このように、生命保険と相続の関係は複雑なので、言葉の定義や契約者・被保険者・受取人が誰なのかなど、明確にしながら考える必要がある。

ちなみに、受取人が単に「相続人」となっていた場合は、法定相続で決められた形で死亡保険金が支払われることになる。

そもそも、生命保険会社から支払われる死亡保険金は、厳密には相続財産ではない。

そのため、「相続」することは厳密にはできない。ただし、死亡保険金を受け取ることはできる。

例えば、父にかけられていた死亡保険の受取人が子供だった場合は、当然、その子供は死亡保険金を受け取れる。

この場合、一般的には「父の生命保険を子供が無事相続できた」と考えることもできそうだが、厳密には、相続をした訳ではなく生命保険会社から保険金を受け取ったにすぎない。

そして、受け取った死亡保険金は受取人の固有の財産となり、遺産分割の対象にはならない。

そして、この受け取る死亡保険金は「みなし相続財産」という特殊な財産として扱われる。そのため、相続を放棄しても受け取ることもできる。このように扱いが通常の財産とは異なるのだ。

では、配偶者(母)のみが、受取人として指定されているケースではどうだろうか。

もし、父の配偶者(母)が、子に死亡保険金の一部を渡してしまうと贈与に該当する。

遺産分割の対象とならない受取人固有の財産を単に、子供に「贈与」したとみなされるためだ。

「特別受益制度」について

特別受益とは、相続人が複数いる際に公平を図るための制度だ。

死亡保険金の受け取りは相続ではないため、受け取ったお金は遺産分割の対象とはならない。

しかし、死亡保険金があまりにも巨額で、子供が複数人いるのに、特定の1人だけが受取人になっていた場合、受取人ではない子供にとってあまりにも不公平だと考えられる。

共同相続人の間で著しく不公平が生じている場合は、特別受益という制度によって死亡保険金を、通常の相続財産(遺産)に含めて遺産分割の対象とできることもある。

ただし、死亡保険を特別受益の対象とできるかどうかは、裁判所が個別具体的に総合的に判断した上で決まる。

生命保険の受取人が誰に指定されているかで、後々、相続の段階で残された人が揉めたり、トラブルになったり、面倒な手続きが生じたりすることもあるため、事前に生命保険について関係者同士で相談しておきたい。

生命保険に加入した親が亡くなった場合

親が生命保険に加入して亡くなった場合、とりあえず何をすれば良いのか悩むところだろう。

後の項でも詳しく説明するが、もし、子供が保険金の受取人に指定されている場合は、保険会社にまずは連絡しよう。

そして、保険会社と連絡が取れたら保険金を受け取るための請求手続きを行う。

保険会社によって書式や用意するものは異なるため、案内をよく確認しよう。

そして、保険会社が支払いを適切だと認めれば、死亡保険金が支払われる。

先にも説明したが受け取る死亡保険金はあくまでも、受取人固有の財産で遺産分割の対象とはならない。

また、死亡保険金を受け取っても、それで終わりではない。

例えば父親が契約者で且つ被保険者で、子供が死亡保険金を受け取った場合は相続税の対象となるため、最寄りの税務署に申告・納税の義務が発生する。

ただ、死亡保険金と税金の関係は、とても複雑で、母が父に保険金をかけていて受取人が子供だった場合は、相続税ではなく、贈与税になるなど、保険の契約者・被保険者・受取人が誰なのかで手続きが変わってしまう。

そのため基本的には、税務署や税理士などの専門家に、相談することをおすすめする。

父親や母親を生命保険に加入させられるのか

父親や母親が生命保険に加入しておらず、子供が保険料を払ってでも、生命保険に加入させたいケースもあるだろう。

結論から言えば、父親や母親を生命保険に加入させることは可能だ。

ただし、父親、母親が自分自身で契約者・被保険者となるケースと、子供が親を生命保険に保険料を支払ってでも加入させるケースでは契約者・保険金の税金などに違いが生じる。

契約者、保険金の税金、加入時の注意点の3つを確認しよう。

契約者は誰になるか

子供が父親や母親を生命保険に加入させて、保険料も払った場合、生命保険の契約者は子供となる。

この場合、子供が支払う生命保険に関しては生命保険控除の対象となる。

受取人に関しては、自分自身か自分以外の親族かを選べる。例えば、父親を被保険人にして受取人を母親や自分の兄弟にするケースが考えられる。

保険金の税金に関して

まず、注意したいのが生命保険でも、医療保険で支払われる入院給付金や手術給付金、介護一時金などは課税の対象外である点だ。

生命保険でも課税対象となるかどうかを確認した上で、保険金にかかる税金について整理しよう。

契約者、被保険者、受取人が誰になるのかで、死亡保険金にかかる税金の区分は変わる。

子供が契約者で被保険者が親、受取人を子供自身にしていた場合、受け取る保険金は所得税の対象となる。

一方、子供が契約者で被保険者が父で受取人が母だった場合は贈与税の対象となる。

契約者、被保険者、受取人が誰なのかで保険金にかかる税金は異なる。

死亡保険金と税金の関係を表にまとめると、以下の通りだ。

 契約者
(保険料を払っていた人)
被保険者
(亡くなった人)
受取人
(お金を受け取る人)
課税区分
例1父親父親子供相続税
例2子供父親子供所得税
例3子供父親母親贈与税

保険金にどの税金がかかるのかは、混乱してしまうが、落ち着いて考えれば難しくない。

亡くなった方(被保険者)が保険料を払っていた人(契約者)ならば相続税となる。

そうでなければ、所得税か贈与税のどちらかだ。

保険料を払っている人自身(契約者)が保険金を受け取れば所得税の対象となり、保険料を払った人以外が保険金を受け取れば贈与税の対象となる。

注意したいのが、同じ生命保険でも課税区分で最終的に残る死亡保険金が大きく異なってくる点だ。

例えば、父親が自ら生命保険の契約者となり、死亡して受取人が相続人だった場合、死亡保険金の受け取りに、500万円×法定相続人の数の非課税限度枠が適用され、さらに相続税の基礎控除も使える。

課税区分によって残るお金が変わってくるため、生命保険契約の際には、税金のことまで考えて契約する必要がある。

保険加入時の注意点

子供が契約者となって親を保険に加入させる際には注意点がある。

生命保険は契約者だけでなく被保険者の同意が必要だ。被保険者の同意なしに、死亡保険に加入させることができたら、保険金目当ての犯罪行為や詐欺行為が横行してしまうのは想像に難くないだろう。

子供が親の同意なしに死亡保険に加入させる際にも、同意が必要な点に注意しよう。

また、生命保険加入前には、契約内容をよく確認しておくことも大切だ。

どのような条件で、誰がどうなったら保険金を受け取れるのか、どのような場合には受け取れないのかを事前に明確にしておかなければ後でトラブルにつながってしまう。

そして、契約時には、告知をする必要がある。告知とは、保険契約を結ぶ際に、健康状態、職業などについて保険会社に告げることだ。

もし、重大な告知義務違反があった場合、保険会社は事実を知ってから1ヶ月以内であれば契約を解除できる。告知義務を遵守の上、契約を結ぼう。

ちなみに保険料を支払う場合は、前納、年払いなど様々な支払い方法がある。

支払い方法によって保険料を節約できることもあるため、支払い方についても確認しておこう。

クレジットカード払いなども組み合わせれば、ポイントも貯められる。

親の死亡保険はどう受け取ればいいのか

親の死亡保険をどう受け取ればいいか 生命保険ナビ

親が亡くなり死亡保険を受け取る際には、先にも少し説明したが、速やかに手続きを進める必要がある。

ただ、子供が親の生命保険の契約状況を正確に把握しているとは限らないのではないだろうか。

例えば親が認知症になってしまい生命保険の契約内容を詳しく聞けないまま、亡くなってしまうケースや災害などで生命保険の契約書や保険証書を手元に用意できないこともある。

そのため、死亡保険金を、そもそも受け取れるのかどうかが不確かな場合は、生命保険契約照会制度を利用しよう。

残念ながら死亡保険金は、保険会社から連絡が来て支払ってもらえない。

まず、自分が死亡保険金の受取人なのかどうかを確認しよう。

ただし、死亡保険金の受取人の子が未成年だった場合は、親権者、親権者がいなければ未成年後見人から請求しなければいけないことがある。

未成年だった場合は親権者、未成年後見人と協力して手続きを進める必要がある。

死亡保険の受け取りに必要な手続き

死亡保険金の受け取り事由、つまり被保険者が亡くなったら受取人は生命保険会社に書面、または口頭で連絡を入れる。

生命保険会社から必要な書類と案内を受け取ろう。そして必要書類を用意して、受取人が請求手続きを進めよう。

生命保険会社が請求手続きを受け付けたら、支払いの可否が判断され、問題がなければ、死亡保険金が指定口座に振り込まれ、支払い明細書も受け取れる。

支払い明細書は後に税金を納める際に必要なこともあるため、大切に保管しておこう。

必要書類について

生命保険会社から必要書類が届いたら、死亡保険金を請求する際に必要な書類を用意する。

一般的には、以下の書類が求められる。

必要書類
  • 請求書
  • 保険証券
  • 受取人の戸籍抄本
  • 受取人の印鑑証明
  • 医師の診断書または死亡検案書
  • 被保険者の住民票
  • 振込口座の番号

生命保険会社によって、他にも求められる必要書類が異なるため、案内に従おう。

受け取りはなるべく早めに行うことが重要

親が死亡したら、死亡届、世帯主変更届の提出、株式や投資信託の名義変更、不動産の所有権移転登記、公共料金の名義・口座変更、葬式の手配などやることが山積みだ。

しかし、死亡保険金には請求期限がある。保険法では3年間と定められている。

死亡保険金の受け取りの手続きも、被保険者である親が亡くなってから、早めに行うことが重要だ。

また、相続税についても注意が必要だ。

相続税を支払う義務がある場合は、相続税の申告と納税まで、相続人が相続の開始を知った日から10ヶ月以内に行う必要がある。

申告は被相続人の死亡時の住所地を所轄する税務署へ行う。死亡保険金受け取りの手続き、税金の申告が遅れてしまうと、後々、面倒になるため早めに進めておこう。

子供が父親や母親にかけた保険の受け取り時は税金に注意しよう

まとめ

本記事では、家族に関する保険の疑問として、親の生命保険を相続できるか、子どもが親を保険に加入させられるか、死亡保険をどう受け取るかの3点を説明した。

保険に関して、家族とゆっくり話す機会はそこまで多くないだろう。

しかし、実際に、家族に関する保険の手続きが必要なときは突然やってくる。そんな時に一人で手続きを進めていくことは大変である。

保険金の受け取りなどこまかな手続きに限られた時間で取り組まなければならないためだ。

そんな時は保険の専門家に相談することをおすすめする。

豊富な知識と経験で、的確なアドバイスをもらうことが出来るだろう。

ただ、生命保険のプロは数多く存在し、自分にとって最適な担当なのかを見極めることは難しい。

マッチングサイト「生命保険ナビ」は、自身の条件に合った保険のプロを見つけ、適切な相談ができるサービスだ。

家族のため、自身のための最適な保険を見つけるためにサイトを活用してほしい。

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執筆者

2019年に野村證券出身のメンバーで創業。お客様と保険のプロを結ぶマッチングサイト「生命保険ナビ」を運営。「投資家が主語となる金融の世界を作る」をビジョンに掲げている。

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