- 生命保険の保険料の相場がわからない
- 自分にとって適切な保険料を設定するためのポイントが知りたい
- 自分が必要な保険の選び方を知りたい
いざというときに自分や家族の暮らしを保障してくれる生命保険は、日本人のほとんどが加入している。
生命保険に新たに加入する際、相場がどれくらいなのか気になったこともあるだろう。
保険料の相場や最適な保険料を設定するポイントを理解し、生命保険をお得に利用できるようにしてほしい。
本記事では、生命保険料の平均額や保険料を抑える方法、自分に最適な保険料を設定するポイントなどを解説する。
生命保険料の相場が知りたい方は、参考にして欲しい。
相場はどれくらい?生命保険の保険料の平均額
生命保険に加入する際、自分にとって適正な保険料か気になってしまうことはないだろうか。
保障が手厚ければ手厚いほど安心感は高まるが、その分保険料も高くなり、高額な保険料は長期間にわたり家計を圧迫し続ける。
ここでは世間の人々が、どのくらいの保険料を支払っているのか、統計データを紹介する。
この統計データを、自分の保険料と比較することで、適正かどうかを判断する材料となるだろう。
本書では統計データとして生命保険文化センターの調査報告を用いるが、これを「生命保険文化センター調査報告」と以後記載する。
加入者全体の平均額
「生命保険文化センター調査報告」によれば、1年間に払い込む生命保険料の平均額、およびその属性は以下のようになる。
- 保険料の年間平均払込額:37.1万円※1
- 調査対象者の平均年齢:57.3歳(世帯主の平均年齢)※2
- 調査対象者の平均年収: 628万円(世帯主の平均年収)※2
上記①③から、この調査報告での保険料の収入に占める割合は5.9%になる。
- 「保険料の年間平均払込額」÷「調査対象者の平均年収」≒5.9%
以上のことから、「保険料は年収の5.9%」を目安としてもよいだろう。
世帯主の年齢別の平均額
「保険料は年収の5.9%」と述べたが、全世代一律5.9%(37.1万円)ではなく、そのときのライフステージによって増減する。
世帯主年齢 | 年間払込保険料の平均額 |
全体平均 | 37.1万円 |
29歳以下 | 21.5万円 |
30~34歳 | 26.2万円 |
35~39歳 | 38.2万円 |
40~44歳 | 34.8万円 |
45~49歳 | 37.5万円 |
50~54歳 | 43.2万円 |
55~59歳 | 43.6万円 |
60~64歳 | 38.4万円 |
65~69歳 | 43.6万円 |
70~74歳 | 33.7万円 |
75~79歳 | 31.4万円 |
80~84歳 | 28.6万円 |
85~89歳 | 35.8万円 |
90歳以上 | 25.6万円 |
上記では35〜39歳で平均値を超えるが、結婚・出産で経済的責任が増し、子どもの教育費を備え始める時期だからと考える。
45歳〜69歳の期間は平均値を常に上回っているが、家族への経済的責任に加え、老後への備えを行っているためと思われる。
85〜89歳でもう一度保険料が上昇しているが、これは相続税対策のため、終身保険に加入した影響ではないだろうか。
保険料の変化は保障内容の変更をともなうので、ライフステージに応じ保障内容が見直されていることを、上記の表は語っている。
世帯主の年収別の平均額
「自分は年収の5.9%以上の保険料を払っている」からといって、「保険料を払いすぎている」と一概にはいえない。
「生命保険文化センター調査報告」の結果を、世帯年収別にまとめると、一つの傾向が見えてくる。
世帯年収 | 平均額※1 | 年間払込保険料の保険料の割合※2 | 年収に占める
全体平均(628万円) | 37.1万円 | 5.9% |
200万円未満 | 20.5万円 | 11.7% |
200~300万円未満 | 28.0万円 | 11.6% |
300~400万円未満 | 31.5万円 | 9.0% |
400~500万円未満 | 30.6万円 | 6.8% |
500~600万円未満 | 31.9万円 | 5.8% |
600~700万円未満 | 32.9万円 | 5.1% |
700~1,000万円未満 | 43.4万円 | 5.2% |
1,000万円以上 | 57.9万円 | 4.2% |
※2:「生命保険文化センター調査報告」 P42「〈図表Ⅰ−57〉 世帯年間払込保険料対世帯年収比率(世帯年収別)」全生保データより引用
ただし「全体平均」は、前述の算出結果を引用
上記の表から、世帯年収が低いほど年収に占める保険料の割合が高く、年収が高くなるほど比率が下がってくる。
年収が高くなれば、生命保険以外に貯蓄や投資など他の手段も平行に利用できるため、保険料の占める割合が低くなると思われる。
年収が低くなれば、他の手段を行う経済的余裕がなく生命保険が唯一の保障手段となるため、保険料の割合も高くなると考えられる。
家族構成別の平均額
「生命保険文化センター調査報告」の結果を、家族構成別にまとめると、「保険料が高くなる山」が2ヶ所あることがわかる。
家族構成 | 年間払込保険料の平均額 |
夫婦のみ(40歳未満) | 21.0万円 |
夫婦のみ(40~59歳) | 37.4万円 |
末子乳児 | 33.2万円 |
末子保育園児・幼稚園児 | 40.2万円 |
末子小・中学校 | 36.9万円 |
末子高校・短大・大学生 | 36.3万円 |
末子就学終了 | 42.1万円 |
高齢夫婦有職(60歳以上) | 37.9万円 |
高齢夫婦無職(60歳以上) | 31.9万円 |
ひとつは「末子保育園児・幼稚園児(40.2万円)」であり、これから就学する子どもへの教育費を備え始める時期だからだろう。
次に「末子就学終了(42.1万円)」では、子どもの独立を契機に、老後への備えを増やしたことが理由だろう。
「夫婦のみ」世帯で、「40〜59歳」層の保険金額が高い理由も、同様に老後の備えを増やしているためと考えられる。
以上のように、自分の属性とともに統計データと照らし合わせれば、自分の保険料との比較がより正しくできるだろう。
なお、保険料を見積もる際のポイントについては以下の記事で解説しているので、実際に加入する保険を選ぶ際には役立ててほしい。
相場がわかったら!生命保険の保険料を抑えるポイント
生命保険料は、安くなれば安くなるほど、家計に余裕を与える。
また長期間にわたって払い続ける保険契約では、わずかな保険料の違いも契約全体を通してみれば、ある程度の金額になる。
例えば毎月の保険料が500円安くなるだけでも、10年間の保険契約で累積すると、6万円の費用が減ることになる。
しかし保険料ばかりを優先し、サービスの悪い保険商品を選んでしまうと、「安かろう悪かろう」という結果になる恐れがある。
ここでは、生命保険料を抑えるためのポイントを紹介する。
不要な保障内容を削る
複数の保険商品を契約していたならば、保障内容が重複している契約や特約がないか確認してみよう。
例えば、契約している医療保険と、生命保険の医療特約の内容は重複していないだろうか。
重複している保障内容の一方が不要と感じれば、どちらか一方、保障内容が劣っている方の解約を検討してみよう。
また団信に加入していれば、自分が亡くなったときに備え、住宅ローンを返済するための高額な保険金設定は必要ない。
ローン契約者の死亡時にローン残金を払ってくれる団信(団体信用生命保険)に加入しないと、ローンが組めない金融機関も多い。
保険期間を見直す
保障内容の見直しだけではなく、保険期間を見直すことでも、保険料を抑えられる場合がある。
亡くなるまで保障内容も保険料も変わらない終身保険は、ライフステージに応じた保障内容の見直しができない。
契約時に保険期間を取り決める定期保険は、契約更新の段階で、保障内容が見直せる。
さらに終身保険と同じ保障内容でも、定期保険の保険料は割安だ。
定期保険ではライフステージの変化時期に合わせ保険期間を区切り、その期間に必要な保障内容にすることで、保険料が抑えられる。
掛け捨て型保険を検討する
生命保険は「貯蓄型保険」と「掛け捨て型保険」の二種類に大別される。
前者は「保障」と「貯蓄」の二つの機能を持っているのに対し、後者は「保障」のみに特化した保険商品である。
そのため、先に述べた定期保険などの掛け捨て型保険は、同じ保障内容でも、終身保険のような貯蓄型保険と比べて保険料が割安になる。
保障と貯蓄は切り離して考え、貯蓄は投資など別の手段を用い、生命保険は保障に特化した掛け捨て型保険を選択することも一つの考えだろう。
なお、掛け捨て型保険の保険料相場についてはこちらでまとめたので、気になった方はチェックしていただき、より具体的なイメージを膨らませてほしい。
自分に適切な保険料を設定するには
自分にとって最適な保障内容の保険であれば、その保険料は最適なものであるはずだ。
保険料を抑えるポイントを先に述べたが、保険料を抑えた結果、保険を掛けている目的を損なえば意味がない。
さまざまな保険商品の中から自分に合ったものを選び、最適な保障内容にすることが何よりも重要だ。
そこでここでは、保険商品の選び方や保障内容を最適化するポイントを説明する。
保険を利用する目的を明確にしておく
保険商品を選ぶうえで、保険の目的、つまり誰のための保険で何のための保険かを明確にしておくことが大切だ。
「誰のためか」という問いに対し、自分のためならば一定期間を経れば保険金が給付される、養老保険や個人年金保険が適している。
自分が亡くなった後の遺族のためであれば、死亡保険金が給付される死亡保険が向いているであろう。
「何のための」という問いに対し、病気になったときの医療費保障ならば医療保険、子どもの教育費であれば学資保険が合っている。
最適な保険商品を選ぶため、保険選びを始める前に、保険の目的をはっきりさせておこう。
自分や家族に必要な保障金額を考える
死亡保険金が給付される死亡保険を検討する際には、本当に必要な保障額を見積もっておこう。
自分が亡くなっても、公的年金として遺族基礎年金が、遺族に給付される。
また会社員の場合には、勤めている企業によって、遺族厚生年金や死亡退職金が給付される場合もある。
配偶者が専業主婦(夫)だったとしても、働いて収入を得る可能性はないかも確認しておこう。
これらすべての合計に貯蓄を加えた金額から、自分が死亡後に子供が独立し配偶者が亡くなるまでの費用を、差し引いてみよう。
その算出結果(不足分)が、生命保険で設定すべき死亡保障の金額となる。
複数の保険会社を比較して安い方に切り替える
保険の目的や保障金額が決まったら、できるだけ多くの保険会社から情報を集め、保険商品の比較をしてみよう。
保障内容が同じであるにもかかわらず、保険料が著しく安い保険は、免責事項などを確認するとよい。
保険料が安くても、給付条件が厳しいと、保険金がスムーズに給付されない場合があるので注意が必要だ。
実店舗を持たないネット保険は、営業員の人件費や店舗にともなう固定費などの保険会社のコストが少ないため、割安なものが多い。
ただしコールセンターのつながりやすさや対応力、口コミの評価など、サービス面で問題がないか確認が必要だ。
生命保険料の相場を踏まえて自分に最適な保険料を設定しよう
本記事では、生命保険料の平均額やこれを抑える方法、さらに自分に最適な保険料を設定するためのポイントを解説した。
自分に適切な保険料は、保険を利用する目的や保険の種類によっても異なる。
とはいえ、保険を一人では決められないという人は保険のプロに相談してもよいだろう。
保険のプロから自分に合ったアドバイスをもらうことで、最適な保険を的確に選択できるようになるはずだ。
しかし保険のプロは数多く存在し、自分にとって最適なアドバイザーをすぐに見定めることは難しい。
そんな時はマッチングサイト「生命保険ナビ」を使えば、自身の条件に合った保険のプロを簡単に見つけられる。
無料で利用できるので、ぜひ活用してほしい。