- 生命保険を乗り換えるメリットがわからない
- 生命保険を乗り換える際に受け取る解約返戻金について知りたい
- 生命保険を乗り換える際の注意点が知りたい。
生命保険はいざという時に自分や家族の暮らしを保障してくれるもので、日本ではほとんどの人が生命保険へ加入している。
保険に加入後は、内容の見直しをして新しい保険に乗り換えるタイミングも出てくるだろう。
その際には、解約返戻金を受け取ることができるが、ここの解約返戻金の取り扱いについて、頭を悩ませている人も多いのではないか。
そこで本記事では、生命保険を乗り換えるメリットとデメリット、解約返戻金の概要、さらに乗り換え時の注意点について解説する。
生命保険を乗り換えを検討している人、まだ一度も保険の見直しをしたことがないという人は、ぜひ参考にしてほしい。
解約返戻金はどうなる?生命保険を乗り換えるメリット・デメリット
生命保険にありがちなのが、加入してから一度も見直しをせず現在に至るパターンだ。
特に、終身保険に加入した場合、契約時の年齢と保障内容に応じて保険料が固定されるため、何かよほどのことがない限りそのままとなってしまうのは無理もないだろう。
しかし、生命保険に限らず医療保険を含めた民間保険は、時代の流れに応じて商品のラインナップや特約の内容が変化している。
医療技術の進歩は目覚ましいため、特約でしか保障されなかった内容が主契約に組み込まれることもある。
つまり、生命保険は時代の流れやライフステージの変化に応じたメンテナンスが欠かせないのだ。
見直した結果、現状のプランが最適であると分かればそれも立派な見直しである。
以下、生命保険を乗り換えるメリットとデメリット、乗り換えを検討すべきタイミングを詳しく解説する。
自身の状況と照らし合わせて、ぜひ考えてみてほしい。
生命保険の乗り換えをするメリット
生命保険を他社に乗り換えるメリットは以下が挙げられる。
- 保障内容を現在の状況に最適化できる
- 保険料が現契約よりも下がる可能性がある
- 新たな保険商品を含めて選択肢が増える
- 現在必要な保障内容を検討できる
生命保険に加入して10年以上経過しているにも関わらず、一度も見直していない人は乗り換えを検討すべきだ。
おそらくほとんどの確率で、結婚や出産、マイホームの購入といったライフステージの変化を経験しているだろう。
その際、必要な保障範囲や保険金額は広く・多くなるはずだ。
生命保険を他社に乗り換えることで、「今の状況」をベースとして、必要な保険に加入できるだろう。
他社と比較検討することで、同じ保障内容をより安価な保険料で契約できるかもしれない。
生命保険各社が用意している保険商品は多岐にわたり、当時とは異なるニーズを踏まえた商品設計や特約を設けていることもあるだろう。
当時では選択肢になかった保険商品が現在は用意されている可能性もあるため、より幅広い商品から自身にぴったりな保険を選べるのも大きなメリットだ。
生命保険の乗り換えをするデメリット
生命保険を他社に乗り換えるデメリットも覚えておこう。
- 現契約の解約返戻金が元本割れする可能性がある
- 保険料が上がる/契約条件が悪くなる可能性もある
- さまざまな保険商品の比較検討には労力がかかる
- 予定利率が下がる場合もある
生命保険には後述する「解約返戻金」が用意されている保険商品もある。
貯蓄性のある生命保険に該当するのだが、契約締結からどの程度経過したかによって解約返戻金の額は異なり、場合によっては元本割れする点には注意が必要だ。
終身保険の乗り換えの場合、保険料は加入時の年齢で保険料が前後する。
そのため、乗り換え後の保険料が高くなる場合もあるだろう。
加えて、乗り換え先の契約審査によっては保険料が割増になったり、条件付きになってしまう可能性もある。
この点、年齢を重ねるごとに保険金を支払うリスクが高まる以上、やむを得ないだろう。
「さまざまな選択肢から最適な保険商品を選び直せる」のは、見方を変えると相当な労力がかかるとも言える。
さらに、貯蓄性の高い生命保険に加入している場合は、乗り換えによって利率が下がる場合もある点は覚えておこう。
いわゆる「お宝保険」と呼ばれる保険商品だが、現在加入している生命保険の利率にも着目した上で、乗り換えは慎重に検討してほしい。
乗り換えを検討すべきタイミングとは
生命保険の乗り換えを検討すべきタイミングとしては以下が挙げられる。
- 契約の更新前
- 誕生日を迎える前
- 結婚・出産時
- マイホーム購入時
- 子供が独立した時
- 定年退職した時
- 会社員から自営業になった時
契約の更新前は、乗り換えを最も検討しやすいタイミングだろう。
生命保険会社から更新の案内が届くため、更新をしないで乗り換えるパターンだ。
定期保険の場合は更新時に保険料が見直されるため、場合によっては想像以上の保険料になることもあるだろう。
更新後の保険料を他社と比較した上で、同じ保障内容をより安価な保険料でまかなえるなら、乗り換えのメリットは大きいと言える。
誕生日を迎える前に関しても同様で、保険の加入は若いほど保険料を抑えやすい。
現在の保障内容に物足りなさを感じる場合は、保険料が上がってしまう誕生日の前に検討するのがおすすめだ。
結婚や出産、マイホーム購入などのライフステージの変化も、生命保険の乗り換えを検討すべきタイミングだ。
- 扶養する家族が増える/減る
- 退職金を受け取った分の保険金額を下げたい
- 国民年金への切り替えに伴い保障を手厚くしたい
当初加入した生命保険のままでは、上記に該当した場合に不足または過剰の保障になりかねない。
家計の最適化はもちろん、もしもの時の安心感を増やすためにも、必要に応じて生命保険の乗り換えを検討しよう。
乗り換えで貰える?生命保険の解約返戻金とは
生命保険の種類によっては「解約返戻金」が存在する。生命保険に貯蓄性が備わっている場合、割合は別にして、解約の時期に応じて保険料が返ってくるのだ。
医療保険の場合は掛け捨て型で加入するケースが多く、解約返戻金は用意されていないことが大半である。
返戻金があるとしても、ごくわずかだろう。
ここでは解約返戻金について詳しく解説する。自身の生命保険に解約返戻金があるのか、ある場合にどの程度の金額が返ってくるか参考にしてほしい。
解約返戻金とは
解約返戻金とは、生命保険を解約した際、手続き完了後に契約者本人に支払われるお金のことだ。解約返戻金の額は「一律でいくら」と決まっているわけではない。
- 生命保険の種類
- 払い込んだ保険料の合計
- 生命保険の契約期間
上記などによって解約返戻金は前後するため、詳細は各自で調べるしかないものだ。
実際、解約返戻金がいくらになるかは以下の方法で確認できる。
- 加入を検討した際の保険金シミュレーションの結果
- 保険会社から毎年送付される契約内容に関する通知ハガキ
- 保険会社に問い合わせ
- 契約書面をもとに自ら試算
解約返戻金の計算方法は後ほど解説するので、そちらも参考にしてほしい。
解約返戻金がある保険とない保険の違い
解約返戻金の有無について、一般的には、終身保険や養老保険などの貯蓄性のある保険には返戻金が用意されている。
一方、定期保険は掛け捨て型に分類されるため、解約返戻金はないことがほとんどで、あったとしてもわずかだ。
ざっくりとした分類は上記のとおりだが、より正確には以下の3パターンで解約返戻金の有無が異なる。
契約書や保険商品のパンフレット詳細欄などに記載されている文言をチェックしよう。
- 従来型
- 無解約返戻金型
- 低解約返戻金型
「従来型」は、解約返戻金があるタイプの保険だ。終身保険が従来型に当てはまると覚えておこう。
「無解約返戻金型」は、解約返戻金がまったくないタイプの保険だ。
いわゆる「掛け捨て型」の保険で、定期保険が無解約返戻金型に該当する。
解約返戻金がない分、3パターンのなかで最も保険料が安価なのがメリットだ。
「低解約返戻金型」は、解約返戻金はあるものの、保険料を支払い終えるまでは従来型よりも返戻額が少ないタイプの保険である。
上記2つの間をとった保険商品で、保険料は従来型よりも安価なのが特徴だ。
なお、従来型の保険でも払込保険料が全額返ってくるとは限らず、契約内容によって異なる点には注意が必要である。
実際に戻ってくる金額の計算方法
解約返戻金額を計算する方法であるが、以下3つの手順で計算できる。
- 払込保険料の合計額を算出
- 生命保険の解約返戻率を確認する
- 払込保険料に解約返戻率を掛け合わせる
計算方法自体はシンプルだ。ただし、解約返戻率が何パーセントになるかは保険商品によって異なる上、契約書などに掲載されているか分からない。
なお、一般論として「終身払い」の場合は解約返戻率が低く設定される一方、「〇〇歳払済」にすると返戻率は高くなる。
ただし、保険料を比べると「〇〇歳払済」のほうが「終身払い」に比べて割高になるため、ケースバイケースとしか言わざるを得ない。
解約返戻金には税金がかかる場合もある
場合によっては、受け取った解約返戻金が支払った保険料総額を上回ることもある。
この場合、その差額に所得税が課税されることも覚えておこう。
具体的には、解約返戻金を一時金(一括)として受け取った場合、「一時所得」とみなされる。
一時所得は50万円が控除され、その残額の50%(半分)を課税対象として所得税が科せられるのだ。
つまり、解約返戻金が600万円、払込保険料合計が570万円の場合、その差額は30万円のため、所得税の課税対象にはならない。
一方、返戻金が600万円、保険料合計が520万円の場合、差額の80万円から控除分の50万円を引いた30万円が課税対象になり、所定の税率をかけて所得税が科せられる。
なお、ほかにも一時所得がある場合はすべてを合算して計算する必要がある上、解約返戻金を年金として受け取る場合は「雑所得」扱いになる点も覚えておこう。
解約返戻金だけじゃない!生命保険の乗り換え時に注意する点
必要に応じて生命保険の乗り換えは積極的に検討すべきであるが、いくつか注意しておきたいこともある。
以下で乗り換え時の注意点を4つ紹介しているので、それぞれを踏まえて慎重に検討しよう。
保障内容を比較しておく
生命保険の乗り換えを検討する際は、保障内容がどのように変更されるかは必ず詳細にチェックしよう。
主契約に関しては「死亡時」「高度障害に該当した場合」に保険金が支払われるため、条件に大きな違いはないだろう。
もちろん、高度障害の認定範囲が異なる場合もあり、入念な確認が必要なのは言うまでもない。
特に気をつけたいのが、特約に関する事項だ。
- 乗り換え前後で特約をつけるか否か
- 特約の内容に変更はないか
- そもそも特約は必要なのか
- 不要に保険料を引き上げる要因になっていないか
生命保険にどこまでの保障を必要とするかは人によって異なる。
重視したい項目も人それぞれだからこそ、現契約の内容をベースに、乗り換え候補の保障内容を一覧表にしてまとめると比較検討しやすいだろう。
保険料を無理なく支払えるか確認する
乗り換え後の保険料に関しても、シビアに検討する必要があるのは言うまでもない。
保障内容を手厚くすれば、当然保険料は高くなる。充実した保障も必要であるが、保険料が上がり過ぎて家計を圧迫するのは本末転倒だ。
生命保険の乗り換えを検討する際は、同時に家計の見直しも行うことをおすすめしたい。
保険料以外の固定費も見直すことで、削減できた費用を保険料として上乗せしたり、投資に回したりできるだろう。
生命保険料は毎月ある程度のまとまった固定費になるため、家計全体を見て無理なく支払えるか確認しておくことが重要である。
新たな保険に必ず加入できるわけではない
生命保険をよりよいものに乗り換えようとしても、その保険に必ず入れるわけではない点には注意が必要だ。
保険の加入には審査があり、告知書の内容や医師の診査内容によっては契約できない場合もある。
現在の契約と今回の生命保険に加入する年齢が異なる以上、当時加入していた健康状態や保険金の支払いリスクも異なる。
現在の保険を解約して乗り換える場合は、自身の健康状態が保険の加入条件を満たしているか必ず確認しよう。
H3 空白期間が出ないようにタイミングを考えておく
最後に、生命保険を他社に乗り換える際は、「保険の空白期間」が生まれないように注意が必要である。
新たな保険に乗り換えようとして申し込んだものの審査に通らなかった場合、現在の生命保険を先に解約してしまうと空白期間ができてしまうのだ。
しかも、他社の生命保険に断られたということは、ほかの生命保険会社においても断られたり、条件の悪い形で審査が通ったりする場合もある。
生命保険を他社に乗り換える際、まずは乗り換え先の保険会社の審査を受け、保険の適用が開始されたことを確認できたタイミングで従来の生命保険を解約しよう。
保険期間が重複するが、空白期間が生まれることに比べれば些細なことだろう。
解約返戻金で損をしないように生命保険の乗り換えは慎重に!
本記事では、生命保険を乗り換えるメリットとデメリット、解約返戻金の概要、乗り換え時の注意点について解説した。
契約内容を見直し、新しい生命保険に乗り換えることで、保障内容が充実し、保険料を抑えられる可能性もある。
一方で利用している保険の種類によっては、払った保険料よりも解約返戻金の方が少なくなり損をする可能性があるため、乗り換えは慎重に判断する必要がある。
また、乗り換え時は多数の保険会社の商品を比較する必要があり、一人で比較するのは難しいと考える人もいるだろう。
そんな時は保険のプロに相談することも検討しよう。
一人一人に合ったアドバイスをもらうことで、あなたに適切な保険を選択することができるはずだ。
ただ、保険のプロは数多く存在し、自分にとって最適な担当なのかをすぐに見定めることもまた難しい。
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